司法修習の全体像がわかる!年間スケジュール解説!!

筆者:カケコムインターン 学部2年N.A

司法試験に合格したら、司法修習があるんだよね?
1年間あるって聞いたけれど、どんなスケジュールで進むんだろう??

司法修習の全体像を把握することは、修習をより実りのあるものにするために重要です!
そこで今回は、司法修習の年間スケジュールをまとめました!
司法修習にこれから臨まれるであろう方すでに始まっている方もみなさんチェックしてみてください。

本記事の内容
  • 司法修習の流れ
  • 各修習について
  • 最後に
目次

司法修習の流れ

  1. 導入演習
  2. 分野別実務修習
  3. 選択型実務修習
  4. 集合修習
  5. 司法修習生考試

*3の選択型実務修習と4の集合実習の順番はそれぞれの実務修習地によって前後します。

続いて各修習内容について詳しく解説していきます。

各修習について

1. 導入演習(3月~4月)

司法修習は、まず導入演習から始まります。
導入修習は、司法修習生に実務基礎の不足に気付かせ、分野別実務修習をより効果的に進めることを目的としています。
司法修習生全員が和光の司法研修所に集まり、約1か月間にわたって実施されます。

参照:裁判所「司法修習の概要」
https://www.courts.go.jp/saikosai/sihokensyujo/sihosyusyu/syusyugaiyou/index.html

2.分野別実務修習(4月~11月)

分野別実務演習は、各実務修習地にて民事裁判、刑事裁判、検察、弁護の4分野について、それぞれ2か月ずつ実施されます。
裁判修習では、裁判官の訴訟指揮や法廷でのやり取りを観察・検討し、判決について裁判官と意見交換をしたり、その法的問題についての検討結果の文書報告を行い講評を受けたりします。
検察修習では実際の犯罪事件について、指導検事の下で捜査を学び、処分判断に意見を述べたり、検察官の公判立会を傍聴したりします。
弁護修習では個別指導弁護士の下で、法律相談や法廷へ立ち会ったり、文書起案、弁護士会活動などを体験したりします。

参照:裁判所「司法修習の概要」
https://www.courts.go.jp/saikosai/sihokensyujo/sihosyusyu/syusyugaiyou/index.html

3.選択型実務修習(11月下旬~1月中旬 or 1月中旬~2月下旬)

選択型実務演習と、集合修習は、どの班に配属されるかで順番が前後します。
実務修習地別にA班とB班に分けられ、A班は集合修習→選択型実務修習、B班は選択型実務修習→集合修習という流れで修習を行います。
選択型実務演習は、司法修習生が分野別実務修習の4分野を一通り修習した後に、自らの進路や関心に応じて選択し、実務修習の成果を深めたり補完したりするための課程です。

選択型実務修習は以下の3つに分かれています。
修習生は、約2か月間の選択型実務修習が行われる期間で自由に以下のプログラムを組み合わせて修習を行います。

  1. 個別修習プログラム
    裁判所・検察・弁護士会が提供しているプログラムです。
    分野別実務修習を補完し、深化させる観点から少人数(1グループ3人程度)を対象に行われます。
  2. 全国プログラム
    配属修習地にかかわらず修習できるプログラムです。
    開催場所は全国各地に設置されています。
  3. 自己開拓プログラム
    司法修習生が、自ら修習先を開拓して設定し、修習するものです。
    修習生は、民間企業の法務部、地方自治体の法務関係部門等法曹の活動に密接な関係を有する分野の修習先を自ら開拓することができます。

ホームグラウンド修習
なお1~3のプログラムに参加していない期間中は、分野別実務修習で配属された弁護士会の指導担当弁護士の事務所で修習を受けることになります。

参照 
法務省「令和4年度選択型実務修習及び霞が関・法務省インターンシップ実施報告」
https://www.moj.go.jp/content/001386646.pdf
第ニ東京弁護士会 「司法修習はこう変わった」
https://niben.jp/niben/books/frontier/frontier201711/2017_NO11_30.pdf

4.集合修習(11月下旬~1月中旬 or 1月中旬~2月下旬)

集合修習は、実務修習を補完し法律実務の基礎を体系的に学ぶ課程で、司法研修所にて2か月間行われます。
主に二回試験に向けての起案や講義が行われます。
民事裁判、刑事裁判、検察、民事弁護、刑事弁護の5科目についてクラス担任制のもと、実際の事件記録をアレンジした修習用の事件記録を用いて起案を行い、教官の講評や修習生同士の討論を通じて理解を深めます。

参照:裁判所「司法修習の概要」
https://www.courts.go.jp/saikosai/sihokensyujo/sihosyusyu/syusyugaiyou/index.html

5.司法修習生考試(2月下旬~3月)

司法修習生考試(通称「二回試験」)とは、司法修習の最後に実施される卒業試験を指します。
科目は、民事弁護、刑事弁護、民事裁判、刑事裁判、検察の5科目で1日1科目5日間にわたり実施されます。
これに合格すると司法修習を終え、判事補、検事又は弁護士となる資格を取得します。
もし不合格だった場合は、翌年の司法修習生考試まで待たなくてはなりません。
ですが、毎年不合格者は10名程度なので合格率は高いといえますが、それでも難しい試験であることは間違いないので、しっかり勉強してから試験に臨む必要があります。

参照:裁判所「司法修習の概要」
https://www.courts.go.jp/saikosai/sihokensyujo/sihosyusyu/syusyugaiyou/index.html

最後に

いかがでしたか?
約1年間にわたり、導入修習から始まり、分野別実務修習、選択型実務修習、集合修習など、非常に密度の高い内容が続きます。
ぜひ、年間のスケジュールをしっかり確認して、自分の目指す進路に向かって頑張ってください!

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