過労死の前兆ってどんなもの?過労死に至る原因と前兆が当てはまる場合の対処法
過労死の前兆をご存じですか?働きすぎて命を落とすその前に、過労死の前兆や、過労死の前兆が見えた後の対処法についての情報をご紹介します。

目次
過労死の原因を知ろう〜前兆が少しでもみえたら要注意〜

過労死は、いうまでもなく、過度の労働によって死亡に至ることを指します。
海外でも「Karoshi」は日本語そのままに使用されており、いかに日本人が働きすぎているかについての皮肉にもなっているほどです。
このような過労死、実は前兆があります。前兆があるのですから、その前兆についてよく知っておくことで、最悪の事態を防ぐことができるかもしれません。
過労死の前兆〜症状編〜

過労死になる前には、さまざまな病気の症状があらわれることが多いようです。
過労による脳疾患の前兆
厚生労働省は、脳梗塞、くも膜下出血などの脳血管疾患が過労によって発症するものであるとの見解を示しています。
つまり、厚生労働省では、労働者に発症した脳・心臓疾患を労災として認定する際の基準として「脳血管疾患及び虚血性心疾患等(負傷に起因するものを除く。)の認定基準」(以下「脳・心臓疾患の認定基準」といいます。)を定めているのです。
過労による心臓疾患の前兆
上記と同様に、心筋梗塞、狭心症などの心臓疾患についても、過労によって発症しうるものであることが厚生労働省によって発表されています。
心筋梗塞、狭心症なその心臓疾患の症状が出たら、過労死の前兆であるととらえることができるということになります。
過労による精神疾患の前兆
うつ病、双極性感情障害(躁うつ病)などの精神疾患の症状もまた、過労死の前兆であると言えます。
特にうつ病や躁うつ病は、疾患の特性から自殺願望(希死念慮)が強く出やすいものです。これらの症状によって過労死に至る可能性も捨てきることはできません。
過労死の前兆〜職場編〜

どのような勤務体系で、どのような仕事内容かによってもまた、過労死の前兆がつかめます。
精神的・肉体的負担が強すぎる職場は過労死の前兆
精神的負担が強い:営業等のノルマが当人のキャパシティをはるかに超えるものである/失敗した時の負荷が当人のみに重くのしかかる/上司などからのパワハラまがいの言動があるなど
肉体的負担が強すぎる:勤務時間内で休憩する時間がほとんどない/昼休憩も就業規則通りに取得できない/肉体的重労働が継続している
このような職場は、どちらかひとつでも該当すれば、過労死の前兆となり得るでしょう。
過労死に至る確率が高い職場の条件① 労働時間
某広告代理店での残業、業務過多による自殺が社会問題となりましたが、労働時間が労働基準法をこえて継続されている場合、そしてそのような勤務体系が日常化されている場合は、過労死の前兆となり得るでしょう。
残業100時間の企業もあるとは言いますが、そのような企業はまさにこの条件に該当するでしょう。
過労死に至る確率が高い職場の条件② ストレス
ストレスはどのような仕事にもついてまわるものです。
ですが、過度のストレスとなると話は別になります。仕事で何も失敗していないのに最初からやり直させられたり、嫌がらせをされたり…このような理由で過度のストレスを継続して抱えている場合、過労死に至る確率が高い職場であると言えます。
過労死の前兆が当てはまる場合の対処法

では、上記のような前兆に当てはまる!と思ったら、どんなことをすればよいのでしょうか?
過労死の前兆が当てはまる場合の対処法① 原因と予想される症状を考える
過労死の前兆が当てはまったら、その原因と症状について具体的に考えてみましょう。
ストレスか?それとも業務過多か?そして、自分には現在どのような症状が出ているのか?冷静になって分析してみる必要があります。
過労死の前兆が当てはまる場合の対処法② 労働時間を短くする
もしも労働時間が長すぎる場合は、労働時間を短くするように努めてみましょう。
とはいえ、好きで長時間勤務している人は少ないでしょうから、そのような場合は直属の上司や、信頼できる先輩などに相談して、自分の症状などを訴えてみることから始めてみましょう。
過労死の前兆が当てはまる場合の対処法③ 転職して職場を変える
どうしても労働時間を短くすることが困難だったり、ストレスの元(ストレッサー)が簡単には排除できない場合、自分の身を守ることを考えて、今の職場にこだわりすぎないことも大切です。
具体的には転職をしましょう。今とは異なる条件で、あなたの労働条件が守られるところへ転職してみるのです。
過労死の前兆が当てはまる場合の対処法④ 身近な人に相談する
あなたの心身の変化に一番に気がつくのは、身近にいる人でしょう。
配偶者、親、同僚、恋人など、あなたの信頼できる人物へ相談してみましょう。精神的なストレスによるものの中には、誰かに話しをきいてもらうだけで、少し楽になるものもあります。
過労死の前兆が当てはまる場合の対処法⑤ 労働問題に強い弁護士に相談する
身近な人では解決できなかった場合、労務に強い弁護士に相談することをおすすめします。
労働問題、特に過労死は人の命が掛かった重大な問題です。労働問題には法的観点からの助言が欠かせません。弁護士からの助言は、過労死に至るその前に、あなたを救うものになるはずです。
過労死の前兆ってどんなもの?過労死に至る原因と前兆が当てはまる場合の対処法のまとめ

過労死は、仕事をしている以上思っているよりも身近な存在です。自覚症状が出たら、すぐに労働環境を見直しましょう。
仕事は生活をするための手段に過ぎません。それなのに、その仕事に命を奪われてしまっては本末転倒です。
そのような事態になる前に、弁護士に相談してみましょう。自分だけで悩んでいるよりも、法的な知識を持った経験豊かな弁護士が、きっと解決策を明示しれくれるはずです。
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