退職願の出し方!〜大切なのはタイミングと周りへの配慮です〜
退職願の正しい出し方をご存じですか?退職願はただ提出すればよいというわけではありません。退職願の書き方や、提出時のポイントについてご紹介します。退職願も正しい出し方で、去り際もきれいにしたいものです。

目次
退職願の出し方ってさすがに上司に聞けませんよね!

さまざまな理由から、退職はしたいけれど退職願の書き方や、提出の仕方がわからない…。そんなことで悩んでいませんか?
退職することで、周囲への業務の負担が増えたり、引継を完璧にしないと残る社員に迷惑をかけたりと、去り際に気にすべきことはたくさんあります。
そのような状況で上司に退職願いの書き方を教えてください、とは頼めないでしょう。
そこで今回はそんなあなたのために、退職願のさまざまな注意点についてご紹介します。
退職願の出し方(1) 退職するときに提出する書類の違いは何か

退職時に提出する書類には、名称の異なるいくつかの種類があることを知っておいたほうがよいでしょう。
退職する時の提出書類(1) 辞表とは?
辞表とは民間企業の経営者や役員などが会社を辞める場合や、公務員が辞める場合に提出するものです。
よって、役職についていないいわゆる平社員が提出する時は、「辞表」とは言わないということになります。
退職する時の提出書類(2) 退職届とは?
退職届は会社への明確な意思表示となり、退職届が受理された時点で退職が成立します。
後に紹介する退職願と違って、こちらは提出後に撤回することができません。
また、通常「退職届」は会社都合での退職(いわゆるリストラ、希望制早期退職など)で使用する場合が多いようです。
退職する時の提出書類(3) 退職願とは?
退職願は、採用時に結んだ労働契約の解約を願い出るものです。
会社に退職を申し込んだら、承諾がなされないと退職となりません。
そのため、提出した時点では退職したことにはなりません。
企業側が承諾するまでは退職願は撤回することができるという性格を持っています。
退職願の出し方(2) 退職届けの書き方と注意点

では、具体的に退職届はどのようにして書けばよいのでしょうか。
退職願の書き方と注意(1) 退職届の書き方
退職届の定型は、以下の通りです。基本的に縦書きが一般的ですので、実際に作成する際には注意してください。
退職届(中央揃え)
この度、一身上の都合により、平成〇〇年〇月〇日をもちまして退職いたします。
平成〇〇年〇月〇日(下揃え)
氏名(下揃え)(印鑑)
××株式会社(上揃え)
代表取締役社長 ××××殿(上揃え)
退職理由が何であれ、書類上は「一身上の都合」と書くことがビジネスマナーです。
退職願の書き方と注意(2) 手書きで作成しましょう
退職願、退職届は、いずれも手書きが一般的です。
最近では企業側が書式を統一するためにパソコンで作成することを認めているところもあります。
しかしながら、やはり退職することを書式化するのは縁起が悪かったり、退職を待っているようなものなので、手書きで作成すれば間違いはないでしょう。
退職願の書き方と注意(3) 会社に規定がある場合もあるので必ず確認を
退職願や退職届は、会社が書式を規定していたり、提出の細かな規約を設けている企業もあります。
一般的なルールよりも、そちらのローカルルールの方が優先されることが多いですから、社内規定を必ず確認してから書類の作成をするように心がけましょう。
退職願の出し方(3) 実際に退職届を出すときのポイント

退職届・退職願についての詳細が分かったら、実際に提出する時のポイントについても知っておきましょう。
退職願の出し方のポイント(1) 出すタイミングはできれば1ヶ月以上前に
退職願を提出するタイミングは、実際に退職を希望する日から1か月以上前に提出するようにしましょう。
労働基準法では退職日の2週間前までに提出することとしていますが、実際の労働現場で2週間前に突然退職願を出されても、後任の決定や引継などの業務がある中で多大な迷惑がかかります。
余裕をもって3か月前には提出したいところですが、1か月前でも許容範囲でしょう。
退職願の出し方のポイント(2) 必ず手渡しをすること
顔をあわせて話しづらいような環境で退職願を提出しなければならない場合、直接会って話せないことを理由に郵送や人づてに渡すなどの方法をとる人もいますが、これはビジネスマナー違反です。
退職願は非常に重要な書類ですから、そのような書類こそ顔を合わせて直接提出することが基本ルールであることを忘れないでください。
退職願の出し方のポイント(3) 周りへの配慮を忘れずに|「どうせやめるから」はNG
自分はもうすぐ退職するのだから、この仕事はやらないでおこう(他の人がやってくれるだろう)という態度や、いなくなった後のことは自分の背人の範囲外だとして現在の業務をおそろかにすることだけはやめましょう。
どんな理由で退職するにしても、それによってお世話になった他の社員に迷惑をかけてはいけません。
引継のマニュアルを作成したり、後任の育成に積極的にかかわり、退職するまでは社員であるという意識を持ちましょう。
退職願を出しても会社をやめられないときはどうしたらいい?

意を決して退職願を提出したのに、もしもそれが認められなかったら…?その時は、どうしたらよいのでしょうか。
正社員の場合解約の申し出から2週間で退職が成立〜民法627条〜
もしもあなたが正社員の場合は、契約解除の申し出から2週間で自動的に退職が成立します。
これは民法の第627条に記載されているものであり、いかなる企業もこれに反することはできません。
もしも企業側から引きとめられたとしても、2週間後からはあなたを拘束する権利を有していないので、気にする必要はないということです。
退職願を出しても会社をやめられないとき(1) 内容証明で退職届けを送付
退職願は、ご紹介したように退職の意志を表明するものであって、提出しても企業が受理しなければ退職することはできません。しかし、退職届はもっと断定的な性格をもっています。
この退職届を内容証明郵便で企業に送付することで、客観的にわかる形で退職届は企業に受理されるでしょう。
退職願を出しても会社をやめられないとき(2) 外部の機関に相談
退職願を提出しているにもかかわらず、やはり退職が認められない場合、労働基準監督署や労働局といった外部機関に相談してみましょう。
労働者側に明らかな退職の意志があるにもかかわらず、企業側が不当にそれを受理しない場合は、このような外部機関が客観的に問題を発見し、企業側に直接指摘してくれることもあります。
退職願を出しても会社をやめられないとき(3) 労働問題に強い弁護士に相談を
外部機関に相談することも有効ですが、労働問題はやはり弁護士に相談することをおすすめします。
特に労働問題に強い弁護士に相談することで、法的な観点からあなたが正規の手順できちんと退職できるようにサポートしてくれることでしょう。
退職届の出し方〜大切なのはタイミングと周りへの配慮です〜のまとめ

退職は、企業にとって、大切な戦力をひとつ失うことになります。同時に、退職することでそれまでともに働いてきた同僚、先輩、後輩たちにも自分が持ちうけていた分の仕事が降りかかる可能性もあります。
このようなことから、退職はあなただけの問題ではなく、企業全体の問題にもなり得るのです。
だからこそ、退職届を提出するタイミングは、退職希望日から余裕を持って作成・提出するように心がけましょう。
また、あなたの退職後にできるだけそのダメージが周囲に及ばないような配慮をしておくことも大切です。
ですが、もしも退職届が受理されずになかなか辞められない…というトラブルに発展したら、労働問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。
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