タイムカードがない会社は違法?残業代請求できない?請求できる方法5つを紹介
「うちの会社にはタイムカードがない」という方は、この記事をじっくり読んでください。その会社はブラック企業かもしれません。タイムカードの使用は法律で義務付けられているわけではありませんが、「残業隠し」の目的でタイムカードを撤廃する企業が存在します。

「会社にタイムカードがないため、残業代を支払ってもらえていない」
「未払いの残業代があるため、支払ってもらいたい」
そんなお悩みをお持ちの方は、弁護士に相談することで下記のようなメリットを得られる可能性があります。
弁護士に相談・依頼するメリット
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タイムカードのない会社は違法なのか?
タイムカードは、労働者が縦長の厚紙カードをレコーダーに挿入し、出勤時間と退勤時間を記録するシステムです。これで勤務時間が明確になります。
「働いた証拠」になるタイムカードは、かつては働く人の味方でした。会社が本来支払うべき金額より少ない給料を支払ったら、労働者はタイムカードを示して「○時間働いたんだから、この給料は少ない」と主張できます。
しかしいまは、タイムカードを悪用しているブラック企業もあります。また悪意をもってタイムカードを撤廃する企業もあるのです。
タイムカードのない会社は、なぜこのシステムを嫌うのでしょうか。
「経営者にやましい気持ちがあるからタイムカードを撤廃したのでは?」と、気になる方もいるのではないでしょうか。
タイムカードがない会社は違法ではない
労働基準法は企業に対し、労働者の労働時間を適切に管理するよう求めています。労働者が何時間働いているかを把握することは、企業の責務なのです。
しかしこの法律は「企業はタイムカードを導入しなければならない」とは言っていません。つまり、タイムカードを導入しないことは違法ではないのです。
では、タイムカードが存在しない会社では、どのような問題があるのでしょうか。
しかし、勤怠管理が全くされていないのなら問題
タイムカードはなくてもかまいませんが、勤怠管理をまったく行っていない状態は許されません。なぜなら、法律で労働者の働く時間は原則「1日8時間以下、1週40時間以下」と定められているからです。
わざと勤怠管理を行わないブラック企業もあるでしょう。「正確に労働時間を計ってしまうと残業代を支払わなければならなくなる。それは嫌だ」と考えるからです。
タイムカード問題と残業問題は密接に関係しています。タイムカードのない会社に残業代を請求するには?何が証拠になるのか?

タイムカードが法律で義務付けられていない以上、働く人が経営者に「タイムカードを導入して」と求めても拒否されるでしょう。
こうした会社には、働く人はどのように対抗したらいいのでしょうか。タイムカードのない会社で残業代請求の方法(1) 個人で出勤時間と退勤時間を記録しておく
誰でもすぐにできる対抗方法は、自分の手帳に出勤・退勤時刻と休憩時間を記録することです。
「労働者自身が手書きしたものが役に立つのか?」と疑問に思うかもしれませんが、証拠になるんです。
残業代の未払いを争ったあるケースでは、労働者自身が記録した出勤・退勤時刻と休憩時間のメモがあったおかげで、使用者側が労働者に140万円の解決金を支払った事例があります。
参考:「残業代、メモによる労働時間の記録の証明力がよく示された事案」(平松剛法律事務所)
このように、出勤・退勤時間等を記録しておくことはれっきとした証拠になるため、しっかりと記録しておきましょう。
出勤時間と退勤時間を個人で記録していなかった期間は残業代がもらえないの?
出勤時間と退勤時間を労働者自身が記録する以外でも、下記のようなものが有効な証拠となる場合があります。
- メールの送信履歴や職場への連絡
- 日報
- パソコンにログインしていた時間の記録・・・等
残業時間が記録されない時間が長く続いており、その間に自分で出勤時間と退勤時間を記録していなかったという場合は、上記のような記録もあわせて保存しておくことで、自身で記録できていなかった期間の未払い残業代も請求できる可能性があります。
タイムカードのない会社で残業代請求の方法(2) 就業規則を確認しましょう
タイムカードがない会社で働いている人は、就業規則を確認してみましょう。会社がどのようにして労働時間を把握しようとしているのかが分かります。
就業規則に「タイムカードを打刻すること」と規定しているのに、タイムカードを撤廃してしまったトホホな企業もあります。社長が急にタイムカードを邪魔に感じて廃止したものの、就業規則を変更することを忘れていたのでしょう。
就業規則をないがしろにする会社は危険です。タイムカードのない会社で残業代請求の方法(3) 証拠を用意し直接交渉する
残業代が支払われない状態が続き、なおかつタイムカードがないときは、会社に直接交渉することも大切です。「悪い会社」ではないけど「小ズルい会社」の場合、労働者からの訴えがあったら、うっかりミスのふりをして残業代を後払いしてくれる可能性があります。
直接交渉するときは、自身で記入した出勤・退勤時刻のメモ書きを持参してください。そうすることで「自己管理がしっかりしている社員」と認められることもあります。タイムカードのない会社で残業代請求の方法(4) 労働基準監督署へ相談
労働者が書いた出勤・退勤時刻メモについて、会社が「そんなのは信用しない」と残業代の支払いを拒絶したら、労働基準監督署に相談しましょう。
労基署職員は「労働Gメン」と呼ばれ、ブラック企業を摘発します。相談するときは、①残業をした証拠と②残業代が支払われていない証拠が必要です。
①は出勤・退勤時刻メモでOKです。タイムカードのない会社で残業代請求の方法(5) 労働問題に強い弁護士へ相談を!
労働問題を取り締まる「労働基準監督官(労基官)」と呼ばれる職員は、全国に約3000人しかいません。一方、国内の企業数は421万社に及びます。労基官が1人で1社を監視しても、わずか0.07%の企業しかカバーできないのです。
ブラック企業に勤める従業員が「労基署は何もしてくれない!」と感じるのは、人手不足も一因なのです。
そこで、タイムカードがない会社で残業代の未払いがあった場合、労働問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。
労働問題に強い弁護士であれば、今まで解決してきた実績をもとに、あなたのケースに合った方法で的確に対処してくれたり、あなたと会社の関係性等を考慮した上で適切に対応してくれる可能性があります。さらに交渉経験が豊富な弁護士であれば、交渉ごとがうまくいく可能性も高まるでしょう。
あなた一人で会社と闘うことは心細いと思います。そんなときに弁護士を頼っていただければ、弁護士が「あなたのために」動いてくれます。
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タイムカードのない会社なんて辞めてしまうのも?一つの手です・・・
タイムカードがない上に残業代を支払わない会社には、強い悪意を感じます。もし「自分の会社はその2条件に当てはまる」という方がいましたら、次の項目に「✔(チェック)」を付けてみてください。
□セクハラやパワハラがある
□基本給が安く、歩合給やボーナスの割合が高い
□新人教育が雑、または社員教育制度がない
□給料が遅配になったことがある
□自分の仕事が社会を良くしていると感じられない
□同僚や上司を信用できない
「1個もチェックが付かない」という人はいないのではないでしょうか。
もし、すべての項目にチェックが付いているのに、それでも「私の居場所はこの会社しかない」と感じている人がいましたら、鬱の傾向があるかもしれません。
重い鬱病にかかると、会社に行くことができなくなりますが、きちんと出勤している人にも、鬱の前兆はみられます。
会社を辞めることは「逃げ」ではありません。転職は、自分の価値を認めてくれる企業を探す活動に他なりません。タイムカードがあっても勤怠管理がしっかり行われていない場合は?
タイムカードがあっても、定時になったら社員全員に退勤の打刻をさせ、打刻をした後も残業をさせていたり、打刻した時間に退勤させているものの、実際は定時内で終わる業務量ではなく、家で残業せざるを得ない状況等も考えられます。
このような場合でも、有効な証拠があれば未払い残業代があったことを認められる可能性があります。
あなたのケースの場合、未払い残業代が請求できるのかを確認したり、請求できないのなら今後どう行動していけば請求できるのかについて知りたい場合は、一度弁護士に相談してみましょう。
経験や知識を生かして的確にアドバイスを行ってくれますし、未払い残業代の計算を行ってくれたり、場合によってはあなたに代わって会社側と交渉を行ってくれたりします。
タイムカードがない会社は違法なの?もしそんな会社にいるのなら考えてほしいこと〜のまとめ

厳しい会社が必ずしも悪い会社というわけではありません。
企業によっては、タイムカードに時刻を印字するレコーダーを、管理職の机の近くに置いていることがあります。管理職がスタッフの打刻タイミングに目を光らせているわけですので、「厳しい会社」といえるでしょう。
しかし、これは朝の出勤時に、タイムカードを押してからタバコを吸うような不良社員を監視しているわけですから、会社の生産性を上げる取り組みといえます。
ところが終業時刻になったとき、管理職が残業中の部下に向かって「君たち、タイムカードを押しなさい」と言ったら、残業隠しのためにタイムカードレコーダーを監視しているわけですから、そこは「悪い会社」です。
タイムレコーダーの取り扱い方で、「会社の本当の姿」が見えるのです。思い当たる状況があれば、いち早く弁護士に相談し、どのような法的問題が発生し得るか・どのように対応すべきかを確認するのも一つの手です。
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