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パワハラの6類型とは?パワハラの具体例と対処法を知ろう!

学校のいじめは、「子供たちのもめごと」としてではなく「犯罪」として対応すべきだ、という意見があります。それと同じように、職場のいじめである「パワハラ」も犯罪並みにあくどい内容のものが報告されています。今回はそんなパワハラの具体例と解決法をまとめてみました。職場でのパワハラに負けずに、気持ちよく働ける労働環境を目指していきましょう。

パワハラって具体的にどういうもの?これってパワハラ?

現在、パワハラという言葉は労働をしていく上で一般的なものになりました。

実はパワハラには明確な定義はありません。一般的には下記のような認識がされています。

①職務上の地位や人間関係が優位な者が行う

②業務の適正な範囲を超えている

③精神的、肉体的な苦痛が生じる

④職場環境が悪化する

この4つの「表の意味」はすんなり理解できると思います。しかし「裏の意味」を考えると、パワハラの本当の姿が見えてきます。

①は、「上司が」とも「管理職が」とも言っていません。パワハラは年下の部下が、年上の上司に行うこともあるのです。

職場の人間関係を牛耳ることができれば、管理職を苦しめることは難しくありません。

また②は、わざわざ「業務の適正な範囲」と断っています。ということは、業務の適正な範囲内での注意や指導はパワハラにならないということです。

強い言い方が全部ダメ、というわけではないのです。
 
パワハラでトラブルが起きた場合に、弁護士に依頼するという選択肢もあります。
 
弁護士をに依頼することで、スピーディーかつ有利に解決に進むことができます。
 
弁護士と協力していくことも候補に入れながら、パワハラについて学んでいきましょう。

職場のパワハラ6類型と類型別パワハラ具体例

厚生労働省はパワハラを6つの類型に分けています。具体例を交えながら紹介します。

職場のパワハラ6類型(1) 「身体的な攻撃」とその具体例

パワハラの名称にも使われている物理的な「パワー」の行使が、パワハラその1です。

暴行や傷害といった身体的な攻撃は、典型的なパワハラといえます。

日本は意外に暴力に寛容な国であると言われています。学校での教師による体罰が社会問題化したのはここ15年ほどのことで、かつて教師によるビンタや蹴りは「愛のムチ」と呼ばれていました。

2,30年前では、学生時代に体育会系の部活に所属していれば、顧問に殴られる、といったことは珍しくなかったのではないでしょうか。

こうした「慣習」は職場にもあって、「鉄拳制裁」を使って新人社員をしごくことは珍しくありませんでした。身体攻撃は、パワハラの「原型」といってもいいかもしれません。

職場のパワハラ6類型(2) 「精神的な攻撃」とその具体例

テレビや新聞などで職場での暴力が取り上げられるようになると、ブラック上司たちは知恵を使うようになりました。

「手を出さなきゃパワハラにないならない」とか「体に触れなければ証拠が残らない」と考えるようになったのです。

そうやって生まれたのが「精神的な攻撃」です。

ある新人が先輩社員から「上司にチクったら殺すぞ」と言われたとします。

新人が上司に「先輩から殺すと言われました」と報告しても、先輩が「冗談に決まってるじゃないですか」としらばっくれたら、簡単にごまかすことができてしまいます

また、身体や家族のことを悪く言う「名誉棄損」タイプの攻撃も、この類型に入ります。

職場のパワハラ6類型(3) 「人間関係からの切り離し」とその具体例

ボイスレコーダーが普及したおかげで、「精神的な攻撃」や「暴言」も証拠が残るようになりました。するとパワハラをする者は、また知恵を絞ります。

「無視」は、最大のいじめであると指摘する人もいます。

声をかけない、あいさつにも応えない、仕事も与えない、仕事を教えない――こうしたいじめは精神に大ダメージを与えます。

職場の人間関係から特定の1人を切り離すことは、立派なパワハラです。

なぜなら、「ターゲットの人物を仲間外れにせよ」という命令を出し、職場の人間のほとんどがそれに従うということは、その命令を出した者は「職務上の地位や人間関係が優位な者」といえるからです。

机を隔離した場所に置くこともこの類型になります。

職場のパワハラ6類型(4) 「過大な要求」とその具体例

この「パワハラその4」と次の「その5」は、相当卑怯な手段です。なぜなら「過大な要求」と「過小な要求」は、限りなく「通常業務」に近いからです。

過大な要求とは、明らかにその人にはこなせない仕事をやらせることです。

例えば入社したての経理社員に会社の決算書をつくらせることが、これに当たります。

熟練工でも10回に1度は失敗するような作業を、スキルが低い人にやらせて「全然できないじゃないか!」と怒鳴るのも過大な要求型のパワハラといえるでしょう。

過大な要求型は、失敗をさせてペナルティを与えることを目的とします。

「たくさん失敗したんだから降格は当然だろう」

「こいつは何もできないからボーナスの額を減らしました」

そのような言いがかりをつけるきっかけにするのです。

職場のパワハラ6類型(5) 「過小な要求」とその具体例

仕事の要求は、過大であっても問題ですが、過小でもパワハラとみなされます。

例えば、英語が堪能で営業実績も申し分ない入社10年目の社員がいたとします。

これだけ優秀な人に「日本経済新聞と朝日新聞と読売新聞を読んで、内容をまとめたレポートを提出しなさい」という仕事を与えたら、過小な要求型パワハラといえるでしょう。

または、課長職に就いていて業務態度も人格的に問題ない人に、部長が「きょうは1日、駅前でビラ配りをしなさい」と命じたら、これもパワハラになるでしょう。

「新聞のレポートづくり」や「ビラ配り」は、仕事といえば仕事です。

しかしその仕事を命じる目的が、対象者のプライドを傷つけることだったら、ハラスメントになるのです。

職場のパワハラ6類型(6) 「個の侵害」とその具体例

個の侵害というパワハラは、私的なことにずかずか立ち入ることです。

部下とのコミュニケーションが苦手な管理職は、つい「君は休日は何をしているの?」という、当たり障りのない会話で場を持たせようとします。もちろんこれだけでは、個の侵害に当たりません。

しかしこの質問に対し、部下が「先週末は友人とバーベキューをしました」と回答し、それについて根掘り葉掘り聞いた場合、黄色信号が灯ります。

そして上司が「部下の休日の活動の把握も私の仕事」と認識するようになると、レッドカードとなるでしょう。

バブル期のはるか前、若い会社員が管理職の引っ越しを手伝ったり、部下が上司の妻の買い物に同行して荷物持ちをすることは「よくあること」でした。

これは「日本のサラリーマンはプライベートも会社に捧げよ」という考え方が染みついていたからです。

個の侵害型のパワハラをする者は、いまでも「部下は私の所有物」という意識が残っているのでしょう。悪質な上に古い考えです。

類型別パワハラ対処法

それでは次に、6つのパワハラについて、どのように対処したらいいのか考えてみましょう。共通していえることは「対処は早めに」ということです。パワハラは時間の経過とともにエスカレートしていくからです。

類型別パワハラ対処法(1) 「身体的な攻撃」の対処法

身体的な攻撃を受けたら、医療機関にかかり診断書を入手しましょう。

あざや切り傷はすぐに消えてしまうので早めに受診してください。

診断書はものすごい力を発揮します。パワハラ証拠の中で最も有力な証拠といえます。

のちに裁判になっても、審理が有利に運ぶでしょう。

次の精神的な攻撃を受けて鬱傾向になり、精神科にかかったときも、必ず診断書はもらってください。

診断書は1通5千円ほどかかりますが、その価値はそんなものではありません。

類型別パワハラ対処法(2) 「精神的な攻撃」の対処法

精神的な攻撃は、1回で終わらないという特徴があります。毎日繰り返されることも珍しくありません。

そこでボイスレコーダーを購入し、パワハラ発言を録音しておいてください。

ボイスレコーダーの隠し場所に困る場合は、暴言を吐かれた後に、言われた内容をノートに書いておいてください。

その際、日時、発言者の氏名、場所、暴言を聞いていた人の氏名、そして発言内容を事細かに書いておいてください。

発言内容は必ず「」を使い、「発言そのもの」を記録しておいてください。

類型別パワハラ対処法(3) 「人間関係からの切り離し」の対処法

人間関係からの切り離しタイプのパワハラは、無視や仲間外しをすることです。

無視は複数で行いますが、しかしその中には、首謀者に嫌々従っている人が必ず1人はいます。

まずはその人に「社外」で接触してみてください。そして自分がなぜこんな目に遭わされているのか「謙虚」に尋ねてみてください。

恐らく、首謀者の言うことをきかないと自分も仲間外れにされるから仕方なく、という回答が返ってくるでしょう。これが解決への糸口になります。

このとき気を付けていただきたいのは、「社外」と「謙虚さ」です。

その人に助けを求めることになるにで、間違っても「なんで君まで無視するんだ!」と責めないようにしてください。

悪いのは首謀者です。まずは周囲に仲間をつくることが先決です。

類型別パワハラ対処法(4) 「過大な要求」の対処法

過大な要求タイプのパワハラをする者は、ターゲットが失敗することを待ち望んでいます。

サラリーパーソンの失敗は、会社に経済的損失を負わせることになるので、「正当な攻撃の的」になってしまうのです。

この場合の対処法は「私にはできません」と言うことです。

パワハラ首謀者にそう言っても「いや、君ならできる、これは抜擢なんだよ」とはぐらかされるだけでしょう。

「私にはこの仕事は無理です」と伝える相手は、首謀者の上の人です。中小企業であれば、直接社長や専務に言ってもOKです。

このときも「謙虚さ」が重要です。
 
首謀者の横暴を密告するという「体(てい)」は取らず、「私がこんな大仕事を手掛けたら失敗しますし、失敗したら会社に迷惑がかかるので、辞退させてください」と言うとよいでしょう。

類型別パワハラ対処法(5) 「過小な要求」の対処法

過小な要求型のパワハラには「仕事」で仕返ししてはいかがでしょうか。

このパワハラを仕掛ける人物は、人間が小さい者が大半です。「優秀な部下に突き上げられる!」という恐怖心から、ちゃんとした仕事をさせないのです。

過小な要求なので、短時間で処理できるはずです。
 
空いた時間で別の仕事をこなし、成果を上げてしまえば、必ず別の人が「あいつにそんな仕事をさせるのはもったいない」と声をあげてくれるでしょう。 

類型別パワハラ対処法(6) 「個の侵害」の対処法

個の侵害への対処はとても難しいといえます。なぜなら、個の侵害型のパワハラを受ける人は、内気な性格の人が多いからです。

というより、個の侵害を仕掛ける者は、気が弱い人しかターゲットにしません。

個の侵害を受けている人は、勇気を出して総務部に相談しましょう。

その際、「仕事のことでいくら指導されても甘受できますが、プライベートと会社は区別しておきたいんです」と伝えてください。

もし、社員の悩みを受け止めるはずの総務部の社員までもが「上司にプライベートのことを心配してもらえることは、むしろ光栄に思わなくちゃ」などと言ったら、これは外部に相談した方がいいでしょう。
 
パワハラに対する問題意識が低い会社だからです。解決は期待できません。

労働について悩みがある方はこちらも参考にどうぞ!

パワハラの6類型とは?パワハラの具体例と対処法を知ろう!のまとめ

パワハラの対処法をいくつか紹介しましたが、もし「これでは歯が立たないかも」と感じたら、弁護士に相談することをおすすめします。

というのも、パワハラを仕掛ける者は、賢くて巧みで、地位も権限もあります。1人で闘うには強敵すぎます。

また弁護士の支援があると、会社側が重い腰を上げてくれます。

会社側も実は、パワハラ首謀者の存在を認識しているのです。パワハラ首謀者は、仕事では優秀な成績を残していたりするので、会社としても対処に困っているのです。

しかし弁護士が出てくると、会社は途端に「パワハラを放置している企業と思われてしまう!」と焦り出します。

それが改善のモチベーションになるのです。

パワハラ対策に弁護士を使うのは、珍しいことではありません。大袈裟なことでもありません。

弁護士を雇い、パワハラ上司を訴え、勝訴を勝ち取っている事例もたくさんあります。

弁護士に助ける求めることは、パワハラ対処の最も賢い方法といえるでしょう。
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