離婚時の年金分割とその手続きについて
年金分割という言葉を知っていますか?離婚する際には色々と手続きが必要となりますが、その中の一つに年金分割の手続きといったものがあります。離婚した後の生活を考えるのならば、年金に対する知識も重要で、この手続きをうまくこなせるかも大切なものとなってくるのです。それでは離婚時の年金分割について詳しく解説します。

離婚時の年金分割とは?
年金分割とは、厚生年金者の年金を夫婦で分割する制度のことです。年金はそれぞれに支給されるはずでは?と思われるでしょうが、厚生年金の場合は夫婦の共有財産と判断される場合があります。
あなたが被扶養者である場合は、年金分割によって年金受給額を増やすことができるかもしれません。
離婚時の年金分割の種類
ただし、年金分割にも種類があり、仕組みや請求方法が異なっています。
合意分割制度
合意分割制度とは、婚姻期間中の厚生年金記録に基づいて、どのように分割するのかを決めてから行使する制度です。
話し合いで分割の割合が決まらない時は裁判手続きでの年金分割を行います。按分割合は50%まで。
【離婚時の年金分割の種類】3号分割制度
こちらの制度は平成20年5月1日以降に離婚等して、平成20年4月1日以後に第3号被保険者であった期間のある人が対象となります。
その対象期間分の厚生年金と共済年金の保険料納付記録を参考に、厚生年金記録を2分の1ずつ分けます。
離婚時の年金分割を請求するときの注意点
請求期限に気をつけて
年金分割の請求期限は離婚の翌日から起算し、2年以内です。年金分割の手続きは忘れずに行いましょう。なお、調停や審判などで離婚後2年以内の請求が難しい場合は、調停成立時あるいは審判確定日の翌日から6ヶ月後が請求期限となります。
もめる前にもらえる金額を知っておく
分割できるのは、厚生年金や共済年金の部分であり国民年金の額まで含めて分割割合を計算するわけではありません。また、年金分割後に再婚した場合も有効です。
死亡後は1ヶ月以内の手続きを
元配偶者が死亡した場合の年金分割は死後1ヶ月以内の請求が必要です。年金分割ではなく遺族年金を受給できる可能性もあるのでこちらも知っておきましょう。
まとめ
厚生年金も共有財産になるのであれば分割請求をしておくに越したことはありません。ただし、年金だけで生活することは難しいため離婚にかかるお金の問題でお悩みの時は弁護士にご相談ください。