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不貞裁判は和解するべき?|不貞裁判の流れや慰謝料まで徹底解説

不倫した配偶者に離婚や慰謝料を求める不貞裁判では、和解で解決する場合が多いことをご存知でしょうか?本記事では、不貞裁判における和解について、裁判の流れや和解のメリット・デメリットを交えて解説していきます。

配偶者に不倫をされた・・・不貞裁判を起こして離婚したい!

配偶者に不倫をされたら、離婚を考えたり慰謝料を請求したいと考えますよね。

配偶者に不倫をされた場合、まずは示談や調停などの話し合いで離婚や慰謝料を求めることになるのですが、そこで決まらなかったときは裁判を起こして離婚や慰謝料を求めることができます

また、このような不貞裁判では、裁判官による判決に至るまでに、和解で決着がつくことも少なくありません。

不貞裁判を起こすとどのような流れになるのか?和解と判決のどちらがいいのか?

これから不貞裁判に臨む人に向けて、不貞裁判の流れや和解をした場合について詳しく解説します。

まずは不貞裁判の基本的な流れを解説!

まず不貞裁判を起こす前に、これからどのような流れで裁判が進むのか知っておきましょう。
 
不貞裁判を起こすときの流れについて詳しく解説します。

不貞裁判の流れ(1) 訴状の提出

相手の不貞行為が発覚した場合、まずは示談や調停などの話し合いで離婚や慰謝料を求めることになります
これを調停前置主義といいます。(家事事件手続法第257条)
 
話し合いで決着がつかなかったら、裁判所に訴状を提出することで相手を訴えることができます。
 
訴える裁判所は、基本的に自分もしくは相手の住所を管轄する裁判所になります。請求する慰謝料が140万円未満の場合は簡易裁判所、140万円以上の場合には地方裁判所に訴状を提出しましょう。
 
裁判所に提出する訴状には、不貞行為の詳細や請求する慰謝料の金額などを記載することになります。もし相手が不貞行為の事実を認めないのであれば、裁判で有効な証拠を合わせて提出する必要があります。(証拠について詳しくはこちらの記事をご覧ください。)
家事事件手続法 第257条 
 
(調停前置主義)
 
1 第二百四十四条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならない。
2 前項の事件について家事調停の申立てをすることなく訴えを提起した場合には、裁判所は、職権で、事件を家事調停に付さなければならない。ただし、裁判所が事件を調停に付することが相当でないと認めるときは、この限りでない。
3 裁判所は、前項の規定により事件を調停に付する場合においては、事件を管轄権を有する家庭裁判所に処理させなければならない。ただし、家事調停事件を処理するために特に必要があると認めるときは、事件を管轄権を有する家庭裁判所以外の家庭裁判所に処理させることができる。

不貞裁判の流れ(2) 訴状の送達

裁判所に受理された訴状は、「特別送達」という書留で相手方に送達されることになります。
送達される訴状には出廷義務裁判の期日が記載されています。
 
相手側は事前に知らされることがないので驚くことになりますが、基本的にここで弁護士を雇うなどの対処をします。弁護士に依頼した場合は委任状が裁判所に提出され、以降は弁護士が代理人となって訴状を受け取るようになります。
また、被告は自分の言い分を主張するための答弁書を作成し、期限までに提出することになります。

不貞裁判の流れ(3) 原告・被告が期日に出廷

訴状を提出した後は、裁判期日に原告(訴えた側)・被告(訴えられた側)が裁判所に出廷し、裁判を受けます
裁判所の期日は平日10時~5時が設定されるので多くの場合、代理人(弁護士)を選任し、代理人が本人に代わって出廷することになります。
 
基本的には一回の裁判期日に原告と被告のどちらかが主張を行い、次回にそれに対する反論を行う、という流れになります。期日の最後に次回期日の調整が裁判所と当事者双方を交えて行われ、以降月1回程度のペースで期日が行われることになります。
 
このように不貞裁判は1回の裁判で決まることは少なくお互いに主張や反論を繰り返すことで裁判が進んでいきます
主張や反論の際に証拠が必要な時は、その都度追加して証拠を提出する必要があります。

 

不貞裁判の流れ(4)    和解がなければ本人尋問へ

不貞裁判では原告・被告による主張や反論が続く中で、裁判所から和解勧告を受けるケースが多いです。ここで裁判官から示される和解案にお互いが合意すれば,和解で裁判が終了することになります。

和解の流れは後ほど詳しく説明しますが、裁判中に和解が成立しなければ本人尋問が行われることになります

本人尋問とは、原告・被告・証人が裁判所に出廷し、弁護士や裁判官の質問に答えることです。したがって、ここで原告と被告は直接顔を合わせることとなります。

尋問は公開で行われるので、場合によっては傍聴者がいることもあります。

不貞裁判の流れ(5) 判決

最後まで和解に至らず、双方の主張や反論、本人尋問が終わり裁判所が十分に判断できる材料が揃うと、裁判所による判決が言い渡されます。

判決では、原告の請求を認めるかどうか・どの程度まで認めるのかが決められます。不貞裁判の場合には、離婚や慰謝料請求が認められるかどうか慰謝料額は具体的にいくらになるのかなどが決定されます。

この判決によって不貞裁判はいったんの終わりを迎えることとなります。

しかし、判決が言い渡されてから2週間経たないと判決は確定しません。したがって、判決に不服がある場合は、2週間以内に上級の裁判所に裁判の取り消しや変更を求めて上訴することもできます。

不貞裁判を和解で解決する場合の流れは?

 
不貞裁判の基本的な流れについて解説してきましたが、先ほど述べたように不貞裁判では判決まで行かずとも和解で終わるケースも多いのが実情です。
 
次は和解で不貞裁判が終わる場合の流れについて、詳しく説明していきます。

不貞裁判における和解の流れ(1) 和解案の提示

不貞裁判では、原告と被告による主張・反論が繰り返される中で、裁判所から和解案が提示され、和解勧告を受けることが多いです。この和解案は、判決と同じように双方の主張・反論を踏まえた裁判官の心証が加味されています。

また、裁判所による和解勧告がなくても、当事者が和解案を提出することもできます。

いずれにしても、和解案を双方が受け入れて合意すると、和解ということで決着がつき不貞裁判は終了します。ここでどちらか一方、あるいはどちらもが和解案を受け入れない場合は、以降の本人尋問へと進んでいきます。

不貞裁判における和解の流れ(2) 和解調書の作成

双方が和解案に合意すると、裁判所によって和解調書が作成されます。この和解調書には、裁判外での示談書と同じように、慰謝料の金額支払い時期支払い方法などが記載されます。

しかし示談書とは違って和解調書には確定判決と同等の法的効力があるため、相手が支払い期日までに慰謝料を支払わなかった場合には、財産の差し押さえなどの強制執行を行うことができます

また、和解では和解条項を追加することもできるため、慰謝料を分割払いにするなど柔軟に内容調節することもできます。

不貞裁判を和解で解決するメリット・デメリット

ここまで不貞裁判の判決に至る流れと和解に至る流れをご説明しましたが、実際に裁判をするとなると判決と和解のどちらがいいか悩みますよね。

そこで、和解をする場合のメリット・デメリットを見ながら和解と判決のどちらがいいか考えていきましょう。

和解のメリット(1) 早期に裁判を終わらせることができる

不貞裁判の期間は、平均して1年〜2年ほどかかります

配偶者に不倫をされたこと自体で精神的にダメージを負っている上、裁判が長引いてしまうとその分辛くなってしまいますよね。

和解を行うことで、お互いの主張・反論(・証拠提出)といった流れが止まり、つらい不貞裁判を早期に終わらせることができます。和解で終わらせた場合の不貞裁判の期間は、短くて半年ほどになる場合もあります。

和解のメリット(2) 本人尋問を回避できる

先ほど解説した流れの通り、不貞裁判で和解しなかった場合は本人尋問が行われます

本人尋問では、直接浮気をした配偶者やその浮気相手と顔を合わせることになる上、事実確認を行うために、例えば配偶者の不貞行為の詳細など聞きたくないこと聞いてしまう可能性もあります。

また、尋問は一般的に公開されるので、見ず知らずの傍聴者に不貞行為の内容や自分の主張、これまでの経緯などを聞かれてしまうこともあります。

以上のように、精神的にきつい証人尋問を、和解によって回避できるということも大きなメリットの一つです。

和解のメリット(3) 弁護士費用を抑えることができる

不貞裁判では少しでも自分に有利に進めるために弁護士が不可欠となるのですが、裁判が長引けば長引くほど弁護士にかかる費用はかさみます

不貞裁判を弁護士に依頼する場合には、着手金・成功報酬などある程度の費用は覚悟しなければいけないのですが、裁判が長引けば、これらの基礎的な費用に加えて、裁判時の別途費用がかかることが多いです。

したがって、和解をすると不貞裁判を比較的早期に終わらせることになるため、弁護士費用を抑えられると言えます。

また、基本的に弁護士費用を浮気した配偶者に請求することはできないので、弁護士費用が高くなればなるほど実質得られる慰謝料の金額は少なくなると考えてもいいでしょう。

和解のメリット(4) 後になってトラブルになりにくい

和解は確定判決と同じ法的効果を持つため、控訴される心配がありません。(民事訴訟法267条)

判決の言い渡しで裁判を終了すると、相手が判決に不服のある場合に控訴してまだ裁判を続けようとする可能性もあります。もし控訴が認められると、また弁護士費用がかかることになるなど大きな負担になります。

また、判決では慰謝料は一括払いとされているのに対して和解では分割払いにできると先ほど説明しましたが、分割払いである方が相手に支払いを拒否されにくく、スムーズに慰謝料を回収できる可能性が高いです。

そもそも、和解はお互いが納得の上合意しているので、気持ちの面でも後々揉めるようなことは少ないでしょう。

以上のように、和解はその後トラブルになりにくいという点でメリットが大きいと言えます。

民事訴訟法 第267条

(和解調書等の効力)

和解又は請求の放棄若しくは認諾を調書に記載したときは、その記載は、確定判決と同一の効力を有する。

和解のデメリットは気持ちの問題

不貞裁判における和解のメリットについて説明してきましたが、和解にデメリットはあるのでしょうか?

「不倫した配偶者に裁判所から慰謝料請求の判決を下してほしい」「自分を裏切った相手と和解するなんて嫌だ」など、不貞裁判に踏み切った以上は様々な感情があるでしょう。

また、和解はあくまでもお互いの譲歩によって成立する合意なので、必ずしも自分の満足のいく結果になるとは限りません。

したがって、トータルで見てメリットが大きい和解でも、自分の気持ちの中にモヤモヤが残ってしまう可能性があります。つまり、気持ちの整理がつきにくいことが、和解の唯一のデメリットと言えます。

和解するときに知っておきたいこと5選

不貞裁判での和解にはメリットが多いということがわかりましたが、実際に和解をするとなると様々な疑問が生じてくるものです。

ここでは和解を考えている人向けに、和解するときに知っておきたいことをご紹介します。

和解するときに知っておきたいこと(1)  和解金の相場は?

判決まで進める場合の慰謝料と、和解で終わらせる場合の和解金では金額に差があるのでしょうか?

まず、不貞裁判における判決の慰謝料相場は、様々な要素が加味されるので一概には言えませんが、およそ以下のようになっています。

  • 不貞行為はあったが、別居や離婚に至らなかったケース…50万円〜100万円
  • 配偶者の不貞行為によって、別居になったケース…100万円〜200万円
  • 配偶者の不貞行為によって、離婚になったケース…200万円〜300万円

そして、一般的に和解金の金額は、判決での慰謝料額とほとんど大差ありません。というのも、和解金はすでに裁判官の心証が加味された金額となっているので、判決と同じような決定内容になることが多いからです。

しかし、判決と違って和解では、問題の早期解決や精神的損害などを考慮して相場より少し高額の和解金が提示されるケースもあります

和解金や慰謝料額が妥当かどうか、相場より高いか安いかは専門家でないと判別が難しいので、少しでも疑問に思ったら弁護士に相談してみましょう。

和解するときに知っておきたいこと(2)  和解金は誰が提示する?

原告と被告の妥協である和解において、一体誰が和解金を提示するのでしょうか?

先ほど和解の流れでご説明したように、不貞裁判の実務の現場では裁判官が和解金を提示することが多いです。また、当事者からも和解金が提示される場合もあります。

裁判官が提示した和解金は様々な要素が加味されており、裁判の終盤に近ければ近いほど判決に近い公平な内容である可能性が高いです。

いずれにせよ、和解金の最終判断は和解する当事者によって決めることになります

和解するときに知っておきたいこと(3)  和解は拒否できる?

不貞裁判で和解案を提示されたけども納得がいかない場合、和解を拒否することはできるのでしょうか?

和解はあくまでも当事者間の合意に基づいて行われるものなので、和解を拒否することは可能です。和解を拒否した場合は、和解不成立ということで、次の本人尋問、そして判決という流れになります。

ただし、和解を拒否するときに注意をしておきたいのが判決が和解よりも自分に不利な内容になる場合もあるということです。

例えば、自分が勝訴できそうだと考えて希望金額よりも低い和解案を拒否したとします。しかし、いざ判決まで行くと、その後の裁判の流れが変わって和解案よりも低い慰謝料の判決になった、あるいは敗訴にまでなってしまうケースも十分あり得ます。

したがって、自分が和解を拒否すべきかどうかを十分考えて行動する必要があります

和解するときに知っておきたいこと(4)  和解を取り消すことはできる?

和解はあくまでも当事者間の合意によるものと説明しましたが、どちらかの気が変わった場合和解を取り消せるのでしょうか?

結論から言えば、一度取り決めた和解は取り消すことができません

先程述べたように、民事訴訟法267条により、裁判における和解は確定判決と同等の効力を有します。したがって、控訴してさらに裁判を続けようとしたり、一方的に取り消しを行うことはできないのです。

万が一当事者の意思表示に重大な錯誤等がある場合は和解が無効になる可能性もありますが、現実としては難しいでしょう。

また、相手が和解金を支払ってくれないなど和解内容を守ってくれない場合も、差押えのような強制執行はできますが、和解の取り消しは認められません。

和解するときに知っておきたいこと(5)  和解条項にはどんなことを追加できる?

和解では和解条項を追加することができると言いましたが、具体的にどのような内容を追加できるのでしょうか?

裁判所から提示される和解案では、まず和解金額やその支払い期限等が和解条項として記載されます。

その他の代表的な和解条項としては、

  • 今後いっさい不倫相手との交際や接触を禁止する
  • 不貞行為を行なったことを謝罪する
  • 第三者に和解内容を口外しない
  • 和解金は分割払いで支払う

などがあります。判決よりもかなり柔軟に調整できることがわかりますね。

また、和解条項に違反した際の違反金も決めておけば、相手が違反行為を行なったときに違反金を請求することもできます。

不貞裁判についてさらに詳しく知りたい方はこちらも合わせてご覧ください!

不貞裁判は和解するべき?|不貞裁判の流れや慰謝料まで徹底解説のまとめ

 
不貞裁判を起こすときには、まず不貞裁判の流れをしっかり確認した上で、判決まで争うのか和解で決着をつけるのかなど、今後の方針をしっかり検討しておく必要があります
 
本記事で解説した不貞裁判の流れと和解に至る流れ、和解のメリット・デメリットなどを考慮して、自分にとって一番後悔のない道を選びましょう
 
また、不貞裁判では弁護士の力は不可欠です。
 
自分に少しでも有利な判決・和解へと進めるためにも法律の専門家のサポートは重要になります。
何より弁護士は様々な男女問題を解決してきたプロなので、自分の進むべき道を一緒に考えたり、和解の疑問点などを相談したりすることができます。
 
心強い法律の専門家、弁護士とともにこれからの不貞裁判へ準備を進めていきましょう!
 
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