男女問題 離婚

同居義務違反になる別居とは?離婚や慰謝料請求される可能性についても解説

夫婦は同居をして生活を共にするものですが、「別居」を考える夫婦も少なくありません。別居には二通りのパターンがあります。一つ目は、性格の不一致やパートナーの不貞行為などパートナーと離れたいがために別居を希望する人。二つ目は転勤や親の介護や自分の治療など、仕方なく別居となる人です。別居をする際に注意したいのが、やり方を間違えると違反行為とみなされることがあります。そのため同居の義務に関して知識を深めて、未然にトラブルを避けましょう。

夫婦の同居義務とは

 
婚姻届を提出した夫婦は下記のように、法律上、同居するものとして義務づけられています。
  民法752条 夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。  
同居義務があるのは、夫婦が共同生活を送ることが夫婦の基本的な形だと言われているからです。
 
そのため、理由もなく別居をした場合は同居義務違反として問題になってしまいます。
 
ただし、必ずしも別居が義務違反になるわけではありません。
 
というのも、同居義務は倫理的な規定のため、同居するかどうかは夫婦が決めることであり、夫婦の片方が同居を強制することはできないからです。
 
同居義務違反にならない別居については、以下で紹介します。

同居義務違反にならない4つの別居ケース

 
どのような別居であれば同居義務違反にならないのでしょうか。

同居義務違反にならないケース(1) 単身赴任や出張での一時的な別居

単身赴任や3ヶ月程度の長期の出張による一時的な別居は、同居義務違反にはなりません。
 
というのも、会社勤務の人は転勤の辞令や出張命令が出た場合はそれに従わなければなりませんし、転勤の場合でもパートナーの仕事の関係や子供の転校や受験の関係で家族全員での引っ越しが難しいことが多々あるため、正当な別居理由と見なされるのです。

同居義務違反にならないケース(2) 夫婦間で合意がある別居

夫婦間で合意があれば、別居をしても同居義務違反ではありません。
 
例えば、親の介護や、子供が進学で県外に出る際に母親だけついていくなどの理由で別居の必要があり、夫婦間で合意がある場合などです。
 
そのため、別居する際は配偶者に合意を得るようにしましょう。

同居義務違反にならないケース(3) 夫婦喧嘩の冷却期間としての別居

夫婦関係の悪化により一時的に別居をする場合も、同居の義務違反にはなりません。
 
というのも、夫婦のどちらかが離婚を考えている夫婦も、いきなり離婚をするのではなく、まずは別居をして冷却期間を設けるケースも少なくないため、別居の正当な理由として認められるのです。
 
ただし、この場合も夫婦間で合意があることが必要になるので、注意しましょう。

同居義務違反にならないケース(4) 配偶者の暴力やDVから逃れるための別居

配偶者から暴力を受けたりモラハラととれる発言を日常的に浴びせられて、その状況から逃げるために別居をする場合も同居義務違反にはなりません。
 
特に、暴力を振るわれるなど、緊急性がある場合は家から出ていくという判断には別居の正当性が認められます。
 
我慢して同居を続けるよりも、危険を回避するために無理せず別居の選択をしましょう。

同居義務違反になる2つの別居ケース

 
同居の義務違反にならない別居内容をお伝えしましたが、場合によっては同居義務違反になることもあります。
 
それでは、どんなケースが同居義務違反に当たるのでしょうか。

同居義務違反になるケース(1) 不倫を理由とする別居

夫婦の同居義務違反となるのが、どちらかの不倫が原因である場合です。
 
例えば、不倫相手と住みたいがために家を出たり、パートナーと住むのが嫌になり一方的に家を出るケースなどです。
 
このような場合は正当な別居理由とは認められません。

同居義務に違反する別居(2) 配偶者の同意を得ずに長期間行方をくらます

配偶者の同意を得ず、一方的な理由で別居をした場合同居義務違反になります。

例えば、配偶者の暴力があったなどの特別な理由がないにも関わらず、「一人で暮らしたい」「一緒にいたくない」などの個人的なわがままで夫婦の話し合いもせずに家を出ていくケースなどです。

また、行方をくらました当人が扶養義務を負っていた場合は扶養義務違反にもなります

ただし、長期間行方不明になっていた理由が、事件や事故に巻き込まれていたなど、当人の意思によるものではない場合は同居義務違反と判断されることはありません。

同居義務に違反するとどんなリスクがあるのか

 
同居義務に違反した場合はどうなるのでしょうか。多くの人が気になる、慰謝料などのお金に関する面からお伝えします。

同居義務に違反するリスク(1) 離婚原因とされる可能性がある

同居義務違反をするリスクとしては、それが原因で離婚する可能性があることです。

というのも、同居義務違反になる2つの別居ケースは、民法上の離婚事由である「悪意の遺棄」に当たるからです。
 
悪意の遺棄とは、「正当な理由もなく、同居・扶助・協力の義務を怠ること」です。

同居義務に違反するリスク(2) 慰謝料請求をされる可能性がある

同居義務違反をし、それが「悪意の遺棄」とみなされて離婚する場合、慰謝料を請求される可能性があります。
 
というのも、夫婦の一方がした行為が原因で離婚する場合は慰謝料請求が認められるからです。
 
実際に、悪意の遺棄による離婚で100万円の慰謝料が請求されたこともあります。
 
また、不倫をしておりそこに肉体関係がある場合は不法行為があったと見なされ、さらに慰謝料が高額になる可能性があるので注意しましょう。

同居義務に違反するリスク(3) 婚姻費用分担請求ができなくなる可能性がある

同居義務違反をすると婚姻費用分担請求ができなくなる可能性があるのも、一つの大きなリスクと言えます。
 
婚姻費用とは、夫婦の収入が多い方が、もう一方の配偶者や未成熟の子供に支払う生活費のことで、夫婦である場合は別居していてもこの婚姻費用を支払う義務があります
 
ただし、同居義務違反をした方が婚姻費用を請求する場合は例外的に認められないことがあります。
 
婚姻費用分担請求について詳しく知りたい人は、別居時の生活費ってどうやって決めるの?|婚姻費用分担請求についてをご覧ください。

同居義務に違反せず有利に別居を進めるには

 
夫婦の一方の意思での別居は基本的に同居義務違反となってしまいます。
 
それでは、別居した後、自分が不利にならないためにはどうすれば良いのでしょうか。 

必ず夫婦間で話し合った上で別居をする

同居義務違反にならずに別居するには、夫婦間で話し合った上で別居することが重要です。
 
というのも、前述したように夫婦間で別居の合意がある場合は基本的に同居義務違反にならないからです。
 
また、別居後に話し合いの場を設けようとしても相手が応じてくれない場合が考えられるので、別居後の婚姻費用についても、別居前の話し合いの段階できちんと決めておいた方が良いでしょう。

話し合った内容を書面に残しておく

同居義務違反にならずに別居するには、夫婦間で合意があったことを書面に残しておいた方が良いです。
 
というのも、別居後に離婚をすることになった場合、合意があって別居したにも関わらず相手が「別居に合意していない」と発言を覆し、慰謝料請求をしてくる恐れがあるからです。
 
また、夫婦間の合意があったことを書面に残す場合は、夫婦両方の署名があると更に証拠として有効的になります。
 
婚姻費用の支払いについてもあわせて書面に残しておくと、別居中の生活費も安心できるのでおすすめです。
 
自分たちで書面を作成するのに不安がある場合は、弁護士に頼りましょう
 
弁護士なら法的な専門知識を持った上で書面作成のサポートを行ってくれるので、より確実に不安を消すことができます。

別居中の相手と同居生活を再開したいなら

別居を要求された側の配偶者からすると、別居に同意したとはいえ同居生活を再開したい場合もあるでしょう。その場合は、同居に関する調停を家庭裁判所に申し立てるのがおすすめです。

というのも、もちろん夫婦間のみの協議で別居を解消することもできますが、夫婦間に亀裂が生じている場合は協議すること自体が難しいですし、調停を行えば、婚姻期間や別居期間、別居理由などをもとに、第三者が公平で冷静な判断を下してくれるからです。

ただし、一方が頑なに同居を拒否していたり、別居を解消しても関係が修復できない理由があったりする場合は、調停でも同居の再開を認められないこともあります。

その場合は、男女問題の解決が得意な弁護士に相談して、サポートしてもらいながら同居解消に向けて動いていくのがおすすめです。

同居義務違反になる別居とは?離婚や慰謝料請求される可能性についても解説のまとめ

 
夫婦には「同居・扶助・協力の義務」が法律で定められています。
 
同居は倫理的な義務のため強制ではありませんが、理由もなく一方的に家をでた場合は、義務違反とみなされて慰謝料を請求されてしまう可能性もあります。
 
そのため別居を検討している場合は、必ずパートナーと話し合って、了承を得た上で別居をするようにしましょう。
 
しかし、転勤や親の介護、パートナーからのDVなどがあった場合の別居は、例外として違反にはなりません。
 
別居の際に話し合いがきちんと行われていないと、離婚の際など後々後悔することが出てくるかもしれません。
 
そうならないためにも、男女問題に強い専門家に相談に相談することをおススメします。

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