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未婚の男女の慰謝料|婚約中や内縁夫婦の浮気・デートDV・妊娠中絶

男女トラブルは夫婦に限った話ではありません。未婚のカップルの間の男女トラブルの数も、夫婦間のトラブル同様少なくないのではないでしょうか。しかし、夫婦の場合と異なり、未婚のカップルの男女トラブルで慰謝料を請求できるかという話はあまり聞かないように思われます。未婚のカップルにおける慰謝料請求は認められるのでしょうか。認めらられるとして、どのような場合に認められるのでしょうか。問題になることの多い、婚約関係・内縁関係の浮気、デートDV、妊娠中絶といったケースに焦点を当てて解説していきます。

未婚の状態で浮気されても慰謝料請求できる?

未婚同士の恋愛は法律で縛られておらず、基本的には自由恋愛です。
 
そのためパートナーの浮気が発覚しても、慰謝料が発生することはないと思っている方は多いと思います。
 
しかし、場合によっては慰謝料を請求できることがあります。
 
婚約していた場合、内縁関係だった場合という2つのケースが特に問題となります。
 
これに加えて、やや特殊な既婚者との不倫の末、妊娠中絶した場合も合わせて、3つのケースを取り上げたいと思います。
 
未婚関係の慰謝料はややこしいケースが多いので、一般の方一人で慰謝料を請求するのは難しいものです。
 
 

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未婚の浮気で慰謝料が請求できるケース(1) 婚約破棄の場合

婚姻届を提出はしていないけれど、婚約はしているという状況での浮気が発覚した場合は慰謝料の請求が可能です。
 
しかし婚約というのは曖昧な言葉ですが、どのような関係をいうのでしょうか。

婚約破棄で慰謝料(1) 婚約が成立すると法的に浮気が問題となる

婚約のとは「結婚の約束をすること」をいいます。
 
本人同士はもちろん周りの人間にも二人が結婚することを知られている状態を言いますが、特に法律的な手続きはありません
 
婚約の成立が認められやすいのは、婚約指輪や結納が行われた場合です。
 
婚約指輪は男性から婚約指輪を、女性からお返しとして時計やアクセサリーを贈るものです。
 
結納は両家の関係を深める婚約方法で、縁起物や現金を贈り合います。
 
もっとも、婚約指輪や結納は婚約が認められる一例であり、婚約指輪や結納がなくとも合意により婚約が認められる場合もあります
 
婚約が認められた場合に、浮気が法的に問題になってくるのです。

婚約破棄で慰謝料(2) ”婚約”中に浮気されたら慰謝料請求と婚約破棄が可能

婚約が法的に認められると、初めて慰謝料が問題となってきます。
 
この場合問題となるのが、「貞操義務」があるかどうかです。
 
婚姻中に関しては、民法770条1項1号で不貞行為が離婚原因とされているなど、貞操義務の表れともいえる規定が存在しています。
 
しかし、婚約の貞操義務については民法上規定がなく、婚約中に貞操義務があるのかが問題となります。
 
過去に裁判所はこのように言っています。
互に貞操を守る義務を負いその違反が離婚原因ともなる婚姻関係の成立を目指す当事者間であるから、婚姻関係における場合程強い内容のものではないにしても、両当事者の互に貞操を維持する義務いわゆる守操義務も右義務の一内容となろう
甲府地判昭55.12.23判時判時1023号107頁
つまり、貞操義務を負う婚姻関係を目指す婚約関係にある男女の間においても貞操義務があることを認めています。
 
したがって、婚約中に浮気をした場合も貞操義務違反があるとして、民法上の不法行為として慰謝料を請求できるということになります。
 
また、浮気があった場合、以下に説明する婚約破棄の正当事由も認められるので、浮気された側は一方的に婚約破棄をすることも認められます。 

婚約破棄で慰謝料(3) 婚約破棄の場合、結納金や結婚式費用などを返還請求できる

慰謝料とは異なりますが、婚約破棄となった場合、結納金や結婚式費用の返還を請求できます
 
慰謝料という言葉は有名ですが、それ以外に請求できるお金を請求し忘れることのないよう入念に確認したいところです。 

婚約破棄で慰謝料(4) 浮気も何もしていないのに婚約破棄されたら逆に慰謝料請求できる

浮気があると正当事由があるとして婚約破棄が認められると上で少し説明しました。

逆にいえば、自分が浮気しているなどの事情もなく、正当事由が何もない場合の婚約破棄は違法として慰謝料を請求できることになります。

浮気した婚約相手が、浮気相手と結婚したいために婚約破棄する、という場合も限定的ですが考えられるでしょう。

そのような場合には、他に正当事由がない限り、基本的に婚約破棄は違法となると考えられます。

このような場合にも慰謝料請求ができることも知っておくとよいでしょう。

婚約破棄と正当事由については正当事由なく婚約破棄されたら慰謝料請求で反撃を!|婚約破棄された時の慰謝料請求の方法も参考にしてみてください。 

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未婚の浮気で慰謝料請求できるケース(2) 内縁関係(事実婚)だった場合

 
婚姻届を提出していない夫婦関係である内縁という関係をご存知でしょうか。
 
この内縁の場合の浮気においても、慰謝料の請求が可能な場合があります。

内縁の慰謝料請求(1) 内縁関係にあれば、浮気の慰謝料請求と内縁破棄ができる

内縁関係とは、婚姻届を提出していないため法律上の夫婦と認められないけれど、お互いが婚姻の意思を持ち、事実上の夫婦関係があり普通の夫婦生活を送っている男女の関係のことを指します。
 
内縁の夫婦と認められれば婚姻に準ずる関係があるとして、通常の夫婦と同じように同居・扶養・貞操・協力の義務や権利が発生します。
 
したがって、内縁のパートナーが浮気をした場合は、貞操義務違反の違法であるとして、慰謝料を請求できることになります。
 
また、このように内縁のパートナーが浮気をした場合には、内縁を一方的に解消するいわゆる内縁破棄も、婚約破棄同様に行うことができます。

内縁慰謝料請求(2) 内縁が成立する条件

内縁関係は夫婦同然の生活を送っており、周りの人間からもそれを認められている状態のことです。
 
その内縁関係の条件として「双方に婚姻の意思があること」「一緒に暮らし共同生活を送っていること」の2つが必要です。
 
単にカップルが同棲しているだけでは内縁とは認められないでしょう。

内縁慰謝料請求(3) 浮気も何もしていないのに内縁破棄されたら逆に慰謝料請求できる

婚約破棄と同様に、浮気した側から一方的に内縁破棄された場合には、「正当事由」なく内縁破棄されたとして、慰謝料請求ができる可能性が高いといえます。

婚約や内縁は破棄した側が慰謝料請求をするというイメージを持っている方がたまにいますが、正当な理由なく一方的に内縁や婚約を破棄した場合にはむしろ破棄した側に慰謝料請求ができるということは覚えておくとよいでしょう。

内縁慰謝料請求(4) 慰謝料以外にも財産分与・養育費の請求も可能に

今回のテーマである慰謝料以外にも、内縁関係を結んでいる夫婦であれば、関係の解消の際に財産分与や子どもがいる場合では養育費の請求が可能です
 
また、通常の離婚と同じように夫婦での話し合いでは財産分与や慰謝料の内容が決まらない場合、調停または裁判の申し立てをすることができます。
 
慰謝料の請求以外の請求も忘れないように検討しましょう。

未婚の浮気で慰謝料請求できるケース(3) 暴力行為などがあった場合

 
最近では未婚のカップルにおいても暴力が問題となることが多いようです。
 
このような暴力は「デートDV」などと呼ばれています。
 
暴力行為など、結婚しているかどうかにかかわらず慰謝料請求できるような行為があった場合には当然慰謝料を請求することができます。
 
暴力行為以外にも暴言やいやがらせなど、浮気以外の慰謝料請求できる事情がないか、改めて振り返ってみてください。
 
未婚の男女においても、特に問題となる暴力行為に焦点を当て、説明します。

デートDVの慰謝料(1) 行き過ぎた暴力(DV)は未婚・既婚関係なく慰謝料請求できます

暴力行為が違法であるというのは、結婚しているかどうかにより変わるものではなく、未婚であっても暴力行為があった場合は慰謝料を請求できます。
 
過度な暴力の場合は暴行もしくは傷害という犯罪が成立するため、刑事告訴することもできます。
 
慰謝料請求により態度を見て、反省態度に応じて告訴を後から取り下げるということも可能です。

デートDVの慰謝料(2) 被害が出ているのなら証拠を確保しましょう

慰謝料を請求する場合、実際に暴力を受け、損害を受けたという事実が分かる証拠が必要です。

例えば病院の診断書、もしくは暴力が確認できるような映像や録音があると有効的です。

証拠がないと請求に成功する可能性が下がってしまいます。

デートDVの慰謝料(3) 状況が深刻な場合はすぐに警察への相談を

パートナーからの暴力といった場合であっても、状況が深刻な場合はすぐに警察へ相談することをおすすめします。
 
出来れば暴力があった直後に行くことが望ましいでしょう。
 
暴力事件になれば必ず警察が協力してくれるので、一人で抱え込まず、すぐに相談しに行きましょう。
 

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未婚者の女性の妊娠中絶。相手に慰謝料とれる?

 
未婚の女性に多い問題として、妊娠中絶した場合に妊娠させた相手に慰謝料を請求できるか、という問題があります。
 
妊娠・中絶は女性の身体に大きな負担をかけるもので、精神的にも、身体的にも慰謝料を請求したいという気持ちになることでしょう。
 
もっとも、法律上は、妊娠中絶したからといってそれだけで直ちに慰謝料請求できるわけではないようです。

妊娠中絶の慰謝料(1) 妊娠・中絶に真意に基づく合意があれば、慰謝料請求できない

妊娠・中絶に真意に基づく合意がある場合には、慰謝料請求ができません
 
妊娠・中絶に真意に基づき合意している場合には、肉体的・精神的苦痛が生じることにも合意していたとされ、妊娠・中絶させた行為が違法と評価されない可能性が高まるからです。
 
したがって、妊娠中絶につき慰謝料請求をするためには、基本的には、妊娠・中絶に真意に基づき合意していないことを証明する必要があるということになります。

妊娠中絶の慰謝料(2) 妊娠中絶の慰謝料を請求することができる場合

 妊娠・中絶に真意に基づく合意が認められない場合は、妊娠中絶についての慰謝料請求をすることが可能な可能性が高いといえます。
 
例えば性行為を強要され、その際に「妊娠したら養う」「産んでほしい」などの発言があった場合や、避妊していると嘘をついて性行為に及んだ場合、レイプされた場合は、合意が全くないか、合意する前提となる事情に誤解があったといえるため、慰謝料を請求できる可能性が高まります。
 
また、婚姻・中絶に真意に基づく合意が認められている場合にも、中絶による不利益を軽減解消する行為・中絶による不利益を分担する行為をしていない場合に慰謝料請求を認めた裁判例もあります。
 
つまり、妊娠・中絶に合意があったとしても、中絶の合意の後連絡を取らないなど、女性を放置する態度をとったような場合にも、慰謝料請求が認められる場合がある、といえるのです。
直接的に身体的及び精神的苦痛を受け、経済的負担を負う被控訴人としては、性行為という共同行為の結果として、母体外に排出させられる胎児の父となった控訴人から、それらの不利益を軽減し、解消するための行為の提供を受け、あるいは、被控訴人と等しく不利益を分担する行為の提供を受ける法的利益を有し、この利益は生殖の場において母性たる被控訴人の父性たる控訴人に対して有する法律上保護される利益といって妨げなく、控訴人は母性に対して上記の行為を行う父性としての義務を負うものというべきであり、それらの不利益を軽減し、解消するための行為をせず、あるいは、被控訴人と等しく不利益を分担することをしないという行為は、上記法律上保護される利益を違法に害するものとして、被控訴人に対する不法行為としての評価を受けるものというべき
東京高判平成21・10・15判時2108号57頁

妊娠中絶の慰謝料(3) 産まないなら…中絶費用は請求できます

基本的に性行為は双方の合意の上で行われるため、慰謝料を請求することは上記のようなケースでなければ非常に難しくなります。

しかし中絶手術の費用を請求することは可能です。妊娠初期であれば7~15万円程度です。

話し合いで費用分担を決める場合は、最低でも半額、もしくは経済力のある男性側が負担をすることが多いでしょう。

妊娠中絶の慰謝料(4) 産むのなら…認知してもらえば養育費の請求が可能

慰謝料以外に、相手に、産まれてくる子供の父としての義務である養育費の支払いを請求することができます。

法律上未婚の夫婦が子供との父子関係を生じさせるためには、父親となる人物が子供を認知する必要があります。

認知届を提出し、正式に父子関係が認められれば相手に養育費の支払いを請求することができます。

また、相手が認知をしない場合もあるでしょう。その場合は強制認知という手続きに進むことを検討しましょう。

詳しくは、不倫相手が妊娠した場合の慰謝料と養育費の関係とは?|誰が誰に請求できるのか?を参考にしてみてください。

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未婚の浮気で慰謝料請求したいなら|まずは専門家へ相談を


結婚前の浮気の場合は慰謝料を請求することが非常に難しくなります。
 
そのため専門家へ相談しに行くことをおすすめします。

専門家へ相談すべき理由(1) 未婚の場合は非常に判断が難しい

未婚の場合、婚姻の場合と異なり法律の規定が全くないため、慰謝料が請求できる場合が限られており、素人には判断が難しくなります。
 
当事者同士の話し合いで相手が慰謝料に合意すればいいのですが、そう簡単にはいかず諦める人は多いです。
 
諦める前に専門家へ相談してみましょう。

専門家へ相談すべき理由(2) 慰謝料の請求から書面の作成まで任せられる 

慰謝料を請求する際には必ず金額や支払い方法などを書面に残すことが大切です。
 
しかし一般人では慰謝料の金額の取り決めや書類の作成に慣れていません。
 
トラブルを回避し、長引かせないためにも専門家に任せてしまった方が安心です。

専門家へ相談すべき理由(3) 最終的に得する可能性が高まる

当事者間での話し合いでは、相手が浮気の事実を認めなかったり、上手く話を丸め込まれたりしてしまう可能性もあり得ます。
 
法律に詳しくないと、相手の都合いい形で話が進んでしまうことも考えられます。
 
そのため自分にとって有利な結果になる可能性が高まることが、専門家に依頼する最大のメリットになります。

未婚の場合の慰謝料について知りたい人はこちらも参考にしてみてください

未婚の男女の慰謝料|婚約中や内縁夫婦の浮気・デートDV・妊娠中絶のまとめ

信頼していた相手の突然の浮気。その精神的苦痛は多大なため、相手へ慰謝料を請求したい気持ちはあって当然です。
 
しかし、法律上の婚姻関係がないため慰謝料が発生するケースはとても少なくなります。
 
また、未婚の状態では婚姻関係のある夫婦よりも難しい事例となるため、自分一人で動くことはおすすめしません。
 
婚約中、内縁関係などその時の状況によって対応方法は変わります。
 
そのため、相手の浮気が発覚し慰謝料の請求を考えている場合は、まず男女関係や婚約破棄に詳しい弁護士に依頼をするようにしましょう。
 
特に過去同じような問題を経験している弁護士であればなお安心ですね。

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