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離婚は子供に悪影響?子供に配慮した離婚をするためにできること

両親の離婚が子供に与える影響を考えたことはありますか?離婚時には、子供がいる場合はどちらが引き取るのか、養育費の額をいくらにするのか、そもそも子供が親の離婚を受け止められるのか、デリケートな問題がたくさん出てきます。両親の都合だけで離婚を決める場合も多く、子供にとっては迷惑な話で、一生の心の傷になる事もあります。離婚する前に、両親の離婚が子供に与える影響について、よく考えておく必要があります。

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離婚が子供に与える悪影響

離婚はあなただけでなく、子供にとっても大きなライフイベントです。その中でどのような心の揺らぎや生活の変化に気をつけるべきか知っておきましょう。もちろんこれらは一例であり、しっかり対策することでリスクを減らせる可能性があります。

親の愛情がなくなったのではないかと不安を感じてしまう

離婚をするとどうしても片方の親と離れて暮らします。子供にとっては、別々に暮らすことになった親は自分への愛情がなくなったり、薄くなったりしたのではないかと感じてしまうことがあります。

また、同居している親からの愛情についても疑問をもつことがあります。

離婚により、愛着の対象となっている親から離れる部分がどうしてもでてきてしまうため、親からの愛情がなくなったのではないかと不安を感じることがあります。

生活環境の変化が子供の心身に影響する

離婚により、これまでの住まいから引っ越しをしたり、転校したりと生活環境の変化が加わることがあります。

これまで生活していた家から離れることにより、不安が生じることになりますし、転校という新しい環境に慣れるまで時間がかかることもあります。

その場合、子供が身体的に不調になったり、一時的に不登校になるなどの影響がでることがあります。

経済的に不利な体験をさせてしまう

離婚したことにより、子供に経済的に不利な体験をさせてしまうことはあります。

特に女性の賃金が構造的に低い日本においては、女性だけの収入で家族を養うことは大変です。

そのため、子どもが望むものを買い与えることができなかったり、進学先が公立のみや自宅から通える学校に絞られたり、食費を切り詰めたりと、経済的に不利といえるような体験をさせてしまうことがあります。

自己肯定感が下がる

親という大切な存在から見放されたと思ったり、両親が離婚してしまったのは自分が悪い子だったからだと、子供が思うことがあります。

そして、自分に自信がもてなくなるなど自己肯定感が下がることもあります。

子供の成績や社会的地位にも悪影響は出るのか?

離婚したり、その前の両親の紛争状態の中で生活している場合、子供がこれまでどおりにリラックスして生活できなくなることはよくあることといえます。その場合、子供は勉強に集中できなくなり、成績が下がることがあります。

そして、受験に集中できず受験がうまくいかなかったり、進学先で本来の力を発揮できない可能性もありえます。

ただ、その後に回復して、勉強を頑張ったり、別の方法で自分なりの能力を発揮する場所を見つけることもあります。

ですので、社会的地位にまで悪影響が出るとは言えないでしょう。

統計からみる離婚の悪影響(カケコム編集部より)

令和3年、法務省は未成年期に父母の離婚を経験した子の養育に関する実態についての調査・分析業務報告書を公表しました。この報告書は20~30代の男女1000名に対して行われたもので、過去どのような状況でどのような思いをしたのかを知ることができます。

子供への悪影響としては、やはり経済面がありおよそ4割の回答者が親の離婚によって経済状況が苦しくなったと答えています。しかも、別居親から養育費をきちんと受け取れていた回答者は16.8%しかいませんでした。お金の問題は、回収可能性までしっかり考えなければならないようです。

また、目に見える影響がなくとも2割弱の回答者が家族関係を周りに話すことに恥ずかしさを感じていたこともわかりました。親以外にも相談相手がいることの重要さが伺えます。

その一方で、父母が不仲であることを8割以上の回答者は知っていたことも明らかになっています。また、離婚によって親子関係が悪くなることもなければ、子供の恋愛や結婚について確実な影響を与えるわけでもないようです。

精神面への影響についても、離婚によって精神的に強くなった、自立心や人付き合いのうまさに良い影響があったという回答も3割近くあるため必ずしも離婚が子供を苦しめると限りません。

離婚が子供に良い影響を与える場合は?

一方で、離婚が子供に良いケースを与えるケース。言い換えれば子供のために離婚をした方が良いケースもあります。

モラハラ・DVなど夫婦関係が不健全である場合

結婚している場合よりも離婚した方がいいという家庭状況です。

モラハラとはモラルハラスメントといい、精神的DVとも言われます。

DVとは家庭内暴力で、主に身体的な暴力のことを指します。

子どもに直接暴力を振るわない場合でも、子どもの前で夫婦喧嘩をすることは、面前DVといわれ、子供の脳の発達に大きな影響を与えることが近年の調査でわかってきています。

つまり、結婚していても夫婦関係が大きく不健全な場合は、離婚したほうがむしろ健全な家族の状態になり、子供に良い影響を与えるといえるでしょう。

子供が配偶者から危害を加えられている場合

これはすぐに別居し、子どもの安全を守ることが大切になります。

身体的な暴力、性的な暴力はもちろん、精神的なものも、見えないだけで子供の心に影響を与えます。現在何ら影響が出ていないように思っても、成長するにつれ、自傷行為やアディクション等の深刻な問題が生じることもあります。

この場合は離婚をすることが、後々の子供にとって良い影響を与えることになるといえます。

浪費やギャンブルなど経済状況に対する悪影響が既に存在する場合

浪費やギャンブル、または、働けるのに働かないなどの事情により、経済的に困窮する場合、結婚していても窮屈な生活を送ることになります。

その場合には、離婚をして、公的な援助を得たり、毎月定額の収入を得たりすることにより、毎月の生活が安定し、子供の心身の安定に繋がることもあります。

離婚の悪影響を最小限にしたいなら対処すべきこと

たとえ離婚が正しい選択だとしても、子供に与える影響は最小限にしたい。このような場合はどうすれば良いのか解説します。

子供に影響を与えづらい時期に離婚する

子供に影響を与えづらい時期に離婚するということが大切ですが、では、その時期がいつか、となると、個々の子供の性格や状況により異なってきます。

もともと、片方の親との交流が少ないような場合には、その親との愛着があまり形成されていないとなれば、小さい内に離れても影響が少ないと言え、乳幼児や幼児期に離れるべきといえるでしょう。

しかし、子供がすでに進学しているような場合、離婚することにより転校したり、受験先が絞られたり、というような場合には、子供が学校を卒業するまで待つ、という方法もあります。

子供に「自分のせいで離婚したんだ」という罪悪感を抱かせない

親は、まさか子供がそのようなことを思うはずはないと考えるでしょうが、実際に自分のせいで離婚したと責める子供は少なくありません。

ですので、離婚することは両親の問題であり、全く子供のせいではないことを、しっかりと繰り返し伝えることが大切です。

離婚の理由は誠実に伝える

子供がすでにある程度の年齢であり、理解ができる場合には、離婚の理由を誠実に伝えることも大切です。

このときに注意したいのは、配偶者の悪口は言わないようにすること。

配偶者の不貞行為が原因だとしても、不貞行為をしていたという事実を伝えるのみにしたほうがいいです。また、誠実に伝えると言っても、起きたこと全てを伝える必要はありません。

概要だけを伝え、それにより、離婚を決意した自分の意見を伝える、というほうがいいでしょう。

離婚後の面会交流について検討する

離婚しても親子であることは変わりません。

そして、別居している親とも、定期的に会う「面会交流」は実施したほうが、子供にとっては良い影響がある場合が多いです。

面会交流により、別居親からの愛情を感じたり、自分が必要とされている存在と感じることになりますし、同居親とはまた違う親子の形を作ることにより、子供の精神的な支えになることもあります。

しかし、子供への加害行為がある場合は別です。この場合は、面会交流については慎重に検討すべきです。

子供に配慮した離婚をするために

離婚が子供にどのような影響を与えるとしても、可能な限り子供に配慮しながら進めることが望ましいです。

親子問題に配慮できる弁護士に相談する

離婚の手続や、別居において、子供の親権や監護者で、両親の意見が整わないことがあります。このときは、なるべく早く、弁護士に相談するべきです。

家庭裁判所を利用した、子の監護者指定等の手続をとることで、解決が早くなることもあります。

現在の状況や今後の見通しを子供に話しておく

両親の仲が険悪であることや、離婚について話をしていることは、子供も感じ取っています。そのため、子どもに現在の状況を伝えることが大切です。

「パパとママは一緒に住めないから別々に住むことをお話している。」「話し合いが難しいから先に別居する。」など、子供の年齢と理解力に合わせて、いまどうなっているか、これからどうなるのかを、説明することが大切です。
両親から話がないことで不安になっている子供は多く、ちゃんと説明したほしかったと答える離婚を経験した子供の体験談もあります。

配偶者を必要以上に悪く言わない

離婚するときは夫婦関係は最悪の状態です。また、離婚原因が主に相手にある場合は、ついつい、子供の前でも相手の悪口を言ってしまうことはあります。

しかし、子供にとってはどちらも自分の親であり、愛着の対象です。

その親が、もう片方の親の悪口を言っているシーンは耐え難いものです。辛いときに子供がそばにいたとしても、配偶者のことは必要以上に悪く言わないことが大切です。

離婚に対する不安をしっかり受け止める

離婚することにより、家族の状況も、生活環境も変わりますから、子供も不安な状態です。

親自身も離婚することで精神的な余裕はないでしょう。

しかし、それでも、まずは子供の不安な気持ちをしっかりと受け止めてください。

不安な気持ちを否定する必要はありません。

「そうだよね、不安だよね」と共感するだけでも、子供にとっては違うと思います。

そして、必要な場合は、児童精神科やスクールカウンセラーなど、頼れる専門家を利用するのも一つの方法です。

離婚後に起こるお金の問題にも対策を

養育費や財産分与の問題は書面で決める

離婚後、子供を育てる側は、育てない側に、養育費を請求できます。

また、離婚に際して、結婚中に夫婦で形成した財産は、基本的にはその半分を取得する権利があります。

離婚する前に、養育費の金額、支払先、最後の支払日(子供が20歳になるまで等)を決めておく必要があります。

また、財産分与についても、離婚前に、どちらが何を取得するのか、現金のやりとりはあるのかを決めておいたほうがいいです。

養育費については、数年間、長い場合は20年ほどかかりますので、内容は文書にしておくことはマストといえます。

また、財産分与についても、離婚後に実際に分ける場合は、やはり文書にしておくのがいいでしょう。

未払いを防ぐために公正証書が望ましい

養育費や財産分与については、未払いになったときに、強制執行(給与差押えや銀行口座の差押え)ができるように、公正証書で作成しておいたほうがいいです。

また、家庭裁判所の調停を利用し、調停内で成立させることも一つの方法です。

時間はかかりますが、裁判所が調停調書という文書を発行しますので、同じく強制執行が可能です。

公的な支援制度を有効活用

離婚後に利用できる公的な支援制度があります。

最もメジャーなものは、児童扶養手当です。

また、母子父子寡婦福祉資金貸付金等の貸付けを受けられる制度もあります。

そして、離婚とは関係はありませんが、一定の収入以下だと利用できる就学支援制度もあります。

市町村によって、これ以外にも実施している支援制度があります。

また、上記記載のものも所得制限があり、利用できない場合もあります。

ですので、一度市町村の窓口に相談してみるのがいいでしょう。

伊奈先生からのメッセージ

離婚が子供に及ぼす影響については、残念ながら「ない」とはいえません。

そのため、子供のために離婚を躊躇する方は多いといえます。

しかし、現状を維持することがかえって子供の発達に良くないような家庭環境の場合もあります。

子供のことを考えつつも、自分にとって、最適な人生の回答を見つけてもらいたいと思います。そのために、弁護士に相談するのもあり、です。

離婚したほうがいいかどうかも含めて、是非ご相談ください。

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