離婚後の苗字ってどうなるの?子供の苗字変更と手続きの流れ
離婚をした後に、新しい戸籍を作って子供を引き取ろうとする時、思った以上に手続きが複雑で混乱する人もいるようです。自分の苗字を変えたり、子供の苗字を変えたり、戸籍も自分の戸籍に入れないといつまでも子供の籍が元夫の所にあるなんて事になってしまいます。苗字の変更について分かり易く説明していきます。

離婚後、苗字ってどうなるの?
離婚経験が無い人でも、ぼんやりと離婚したら旧姓に戻るのだろうな……と考えている人がいるかも知れません。
ドラマなどでよく「旧姓に戻った」と言うセリフを使って離婚したという事を告白するシーンもありますよね。
しかし、実際は旧姓に戻すか結婚時の苗字を名乗るのかは選べるのです。
役所でも届を出す時に聞いてくれる、届けのやり方も詳しく教えてくれるので、難しいんじゃないかという心配は不要です。
自分の戸籍を作る時にどうするか決めておけば、何度も役所に足を運ばずに済みますね。
実は離婚しても結婚していたときの苗字が使える?

離婚しても結婚していた時の苗字を名乗れる事はわかりました。
それを踏まえて、婚姻時に苗字が変わった人の離婚時の苗字の変更についてどのような物があるのか見ていきましょう。
離婚後の苗字について(1) 結婚していたままの姓を使う場合
苗字が変更になれば、銀行口座の名前も変更になります。
給与を振込にしている人は、会社にも苗字が変更になった事を伝えないとお給料振込に支障がありますね。
でも、できれば周りに離婚した事は内緒にしたいな……と思う人もいるのではないでしょうか。
相手は嫌いだけれど、別に同じ苗字でも気にしないという人は、婚姻時と同じ苗字を名乗る方がそんなわずらわしさから開放される事もあるのです。
そんな場合は、「離婚のときに称していた氏を称する旨の届」を提出すれば婚姻時の苗字のままでいることができます。
離婚後の苗字について(2) 離婚して旧姓に戻る場合
離婚後の苗字の原則は、婚姻前に名乗っていた苗字に戻るという事になります。
離婚届をただ届け出るだけで、旧姓に戻す事は簡単に済んでしまいます。
離婚して一旦旧姓に戻した後でも、婚姻時に使用していた苗字に変更する事も可能です。
その時は、離婚時と苗字の変更時に二度役所を訪れる事になりますが、問題なく届け出は受理してもらう事ができるので、どうしてもすぐに離婚する時に決めなければいけない事ではありません。
離婚後の苗字について(3) 届け出期間があるので注意
旧姓に戻した後でも、届け出をすれば婚姻時の苗字を名乗る事が出来ると言いましたが、これには届け出をする期間があります。
役所では、基本的に「住民の氏名や戸籍はすみやかに変更の届け出をするように」という決まりがあります。
離婚後の苗字の変更は届け出は3ヶ月以内という期間が与えられています。
離婚後にバタバタしていると3ヶ月などあっという間です。
後から苗字を変更したいと思った場合は、すみやかに役所に行って手続きをとりましょう。
離婚後の子供の苗字変更と手続きの流れ

離婚によって婚姻時の戸籍を抜け、新しい戸籍を作る人の苗字変更届の流れは上のような物でした。
しかし、ここに子供を連れてくるにはまた別の届け出が必要になってきます。
離婚後の子供の苗字(1) 子供の苗字を変更するのは離婚が成立してから
子供の苗字を変更するには、しかるべき証明書が必要になってきます。
しっかり離婚が成立したと戸籍に記載されるのを待つ事になるのです。
届が出されてもすぐに戸籍にその事実が記載されるわけではありません。
役所の手続きが終わるまで子供はしばらく元の戸籍に残る事になります。
これは離婚届と新しい戸籍を作った時に、いつごろ変更が終わるか聞く事が出来るので確認しておきましょう。
役所が提示した戸籍が変更になる日になったら、すみやかに証明書を取りに行くと良いですね。
離婚後の子供の苗字(2) 子の氏の変更許可申請書
子供を親権者の親の戸籍に入れるには、子供の苗字を親権者である親と同じにする必要があります。
同じ戸籍に入れる時は苗字は同じではないといけないからです。
子供を親権者と同じ苗字にするには次のような流れになります。
- 離婚届を提出する。
- 親権者の戸籍を新しく作る。
- 役所の戸籍謄本に離婚の事実が記載されるまで待つ。
- 戸籍謄本を子供の分と自分の分取り寄せる。(子供は婚姻前の戸籍にあるので子供の戸籍謄本を取れば夫の戸籍と同じになる)
- 家庭裁判所に「子の氏の変更許可の申立」をする。
- 家庭裁判所から「審判書謄本」を受理して役所に行く。
離婚後の子供の苗字(3) 子供の氏名変更と入籍届を提出する
子供の苗字が変更できたら、あなたが作った新しい戸籍に、晴れて子供を入れる事が出来ます。
ここまで、たくさんの手続きが必要なんだなと面倒に思うかも知れませんが、最近では用紙もインターネットやFAXサービスで印刷できるので、わざわざ用紙を取りに行く必要もありません。
行くのは家庭裁判所への申し立てと届ける時に役所に行くくらいです。
しかし流れを理解できないとチンプンカンプンな事もありますので、離婚の時にお世話になった弁護士さんがいれば相談して詳しく手順を教えてもらってはいかがでしょうか?
離婚後の苗字を変更するどうかは意外と重要?

離婚した相手が本当に嫌い!同じ苗字なんてとんでもない!と感情的に考える人もいれば、同じ苗字というだけなんだからとドライに考える人もいます。
離婚後に苗字を変えない事は意外とメリットがある事もあるのです。
離婚後の苗字変更をするか考えるポイント(1) 苗字にこだわりの無い人は変更しない方が生きやすい?
まず、子供の事を考えてみてください。
近隣に引っ越すだけで学校が変更にならない場合、同じクラスメートの中で突然名前(苗字)が変わるのです。
いじめの原因になる恐れもありますね。
そういったデリケートな問題は学校側に相談すると配慮してくれる事もありますが、教育委員会が行う給食費免除などの手続きの際いちいち説明しなければいけないので少し面倒です。
自分も職場で苗字が変わると周りからあれやこれや詮索されるのが嫌と思う事もあるでしょう。
離婚後の苗字変更をするか考えるポイント(2) 姓の変更のついでに難しい古い漢字も一緒に変更する
新しい戸籍を作って苗字も変わって心機一転!新しい気持ちで再スタートをはじめる時に追加で出来る事があります。
もし、旧姓が「渡邉」などの難しい漢字の場合、新しい戸籍を作る時に小学生でも書ける簡単な「渡辺」という漢字に変更する事が簡単に出来ます。
これは戸籍を作る時でなくてもいつでも出来るのですが、古い字体の苗字の人は役所が気を利かせて「変更できますけどどうされますか?」と聞いてくれる事もあります。
もし「印鑑を作るのに苦労していた」「書くのが面倒に感じていた」という人は、この機会に簡単な漢字に変更するのも良いですね。
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離婚後の苗字ってどうなるの?子供の苗字変更と手続きの流れのまとめ

離婚後の新しい戸籍を作る際の自分の苗字、子供の苗字の変更と入籍届について見ていきました。
戸籍謄本を取り寄せたり、何度も役所に行ったり、家庭裁判所に行ったりと、一度の手続きでは終わりません。
離婚後の苗字の変更には届けに期限があるものもあるので、流れを理解してテキパキと仕事をこなしていく事が必要になってきます。
もし、自分では理解しきれないと言う場合は、離婚問題に強い弁護士に相談して教えてもらう とわかりやすいですね。