エンディングノートって何を書けば良い?内容や注意点をまとめて解説

終活を行う際に、耳にしたことがあるエンディングノート。ですが、エンディングノートとは何かと聞かれても具体的にはっきりしない方もいるかもしれません。
本記事では、エンディングノートの解説と記載内容について解説します。あわせてエンディングノートの注意点についてもまとめています。
エンディングノートとは?
エンディングノートとは、自分にもしものことが起こったときに備えて、自分の情報や家族への想いを記すためのノートです。別名、終活ノートとも呼ばれています。
おそらく一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。事実「エンディングノートを知っているか」という質問で、全年齢対象のアンケートで「はい」と答えた人は8割にも上ります。
参考:終活意識全国調査/NPO法人 ら・し・さ(終活アドバイザー協会
しかし、中には「エンディングノートを書くにしても何を目的に書くのかわからない」「書き方に決まりはあるのか」と悩んでいる方もいるかもしれません。
そこで、以下ではエンディングノートを書く目的とエンディングノートの書き方や様式について解説します。
エンディングノートを書く目的
エンディングノートを書く目的として大きく2つあげられます。1つ目の目的は、自分自身の人生の振り返りです。
結婚や出産で得た幸せや喜び、親やペットの死といった心痛むほど辛い経験など、生きてきた時間の中で、さまざまな出来事があったのではないでしょうか。
心に残る出来事をエンディングノートで振り返ることにより、今まで受け取ってきた大切なことや思い出に気が付けるかもしれません。
2つ目の目的は、自分が病気やケガが原因で亡くなってしまい、遺された家族に自身の希望や想いを書き記して伝えることです。
例えば、遺品整理の方法や相続の分配について明記しておくことで、親族間のトラブルが未然に防げる可能性があります。
また、家族に向けた想いを書き記せば、エンディングノート自体が遺された家族の心を癒やす存在になるかもしれません。
要件や様式は自由です
エンディングノートに決まりはなく、好きなノートを使って自分が書き記したいことを書くことができます。
市販のノートを購入したり、ワードやエクセル、グーグルドキュメントなどのデジタルツールを利用したりしてエンディングノートを作成できます。
もし、これからエンディングノートを作成しようと考えている方は、以下のポイントを意識して選ぶとよいでしょう。
- 自分が生きてきた軌跡を書くなら、自分史が書けるノート
- 万が一のことが起こったときのことを書くなら、手続き項目が多いノート
- 終活のことを書くなら、コラム付きのノート
エンディングノートは、要件や様式は自由です。書きたいポイントを押さえた内容のノートであれば、デザインは華美であってもシンプルであっても問題ありません。
エンディングノートに書くべき内容はこちら
特に書き方に決まったルールのないエンディングノートですが、遺された家族がノートの内容を目にするため、次のような内容を記入するように心がけましょう。
自分自身や周りの人間について
エンディングノートには、自分自身や周りの人間について記入しましょう。本籍地や年金証書などの基本情報を書いておけば、万が一、自身が亡くなってしまった時、遺された家族が一から調べる必要がなくなるなど負担が軽減されます。
また、誕生から現在までの自分史や、特技や趣味、好物など思いつく限りを書き出せば、今後の目標や、新しい自分も発見できるかもしれません。
さらに、家族や親しい友人、お世話になった知人宛てに書くのもおすすめです。日ごろなかなか口には出さない感謝の気持ちを書き記すようにしてみてください。
遺された人々の心のケアにつながるかもしれません。
身の回りの記録について
エンディングノートには、身の回りの記録について書き込んでみてください。たとえば、InstagramやTwitterなどのSNSやブログのパスワードなどです。
デジタル情報は、IDやパスワードがわからないと永久に残ってしまうため、退会手続きに必要な項目を書いておくとよいでしょう。
ただし、ノートの管理をしっかりしていないと、IDやパスワードの流出によりトラブルになる可能性もありますので、管理はしっかりとしましょう。
また、自身の預金が入った通帳などをもれなく記入しておくと、万が一、自分が亡くなった際の相続財産の調査がスムーズになります。
意思疎通が難しくなった際の希望
病気やケガなどで、意思疎通が難しくなった際、万が一のことを考えて、葬儀に関する事柄を書きましょう。
例えば、自分が病気やケガで亡くなってしまった場合
「葬儀は、親族のみで行ってほしい」などの希望を明記しておくとよいでしょう。
亡くなった後にすべきこと
エンディングノートには、自分がなくなった後にすべきことを書いておけば、家族の負担が軽減されるかもしれません。
例えば、自身が借金を抱えている場合、負の遺産が誰にも相続されないよう、相続放棄を促す一文を書き込むことで、迷惑をかける心配がなくなります。
財産について
エンディングノートに、自身が所有している財産について書き込むのもよいかもしれません。例えば、不動産、預貯金、生命保険、銀行口座番号、などを記入します。
そうすることで、相続手続きの際に確認しやすくなるでしょう。
また、借金がある場合、返済方法や担保、保証人情報をもれなく記入しておきましょう。
人生の振り返り
エンディングノートには、自分が今までたどってきた人生の振り返りを、ぜひ、記入してみてください。
長い時間を生きてきた中で、嬉しかったこと、悲しかったこと、辛かったことなど心に刻まれた思い出を書くことで、気持ちの整理ができるでしょう。
エンディングノートを書く際の注意点
自由度の高いエンディングノートは、基本的に何を書いても問題ありません。しかしながら書いてしまうと不利益につながってしまう内容や、自由だからこそ弊害が発生する場合があります。
暗証番号の記載はしない
エンディングノートには、銀行口座やクレジットカードなどの暗証番号の書き込みは、絶対にしないようにしてください。
万が一、エンディングノートを落としてしまったら、第三者に暗証番号を悪用される可能性があります。
暗証番号以外にも、情報漏洩して不正に利用されてしまう可能性のある内容については避けるのが無難です。
法的拘束力はない
エンディングノートは、自由に記入出来ます。しかしながら、エンディングノートには法的拘束力がないため、自身が希望する預貯金、不動産、生命保険の分配方法が行われない場合があります。
例えば、子ども2人へ遺産を平等に相続させたいと記載したとします。ですが、自身の配偶者が生存している場合、配偶者に遺産が渡ってしまう可能性があります。
法的な効力を持たせたいなら遺言の作成を
エンディングノートには、法的拘束力はありません。そのため、自身の財産を守り、相続を行いたい場合は、法的拘束力のある遺言の作成をしましょう。
遺言の作成は、さまざまな書類を用意し、手続きを行わなければなりません。自分自身で遺言を作成するのが困難、または自信がない場合は法律のプロである弁護士に相談しましょう。
まとめ
自分自身の人生を振り返ったり、遺される家族や親しい友人・知人に向けてメッセージを遺したりできるエンディングノート。
エンディングノートには決まったルールがないので、記入する内容にあわせて使い勝手のよいノートを選びましょう。
ただし、悪用されると困る内容は書かないように気を付けてください。エンディングノートはあくまでも自身の希望や気持ちを記入できるので法的拘束力はありません。
それを踏まえたうえで、エンディングノートを作成してください。