産後うつのせいで離婚したい?産後うつ・産後クライシスの離婚回避法!

産後うつで離婚したい・・・かなりの重労働である育児、出産に対するストレス、急激な体の変化、様々な要因が絡み合い出産したのを機に途端に「離婚したい」と考えてしまうお母さんが多いようです。誰にでも起こりうる産後クライシス・・・そんな辛い状況の中、判断を誤ってしまうと一生を後悔してしまうかのしれません。産後うつと離婚について考えてみましょう。

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目次

出産後だけど離婚したい。それって産後うつかも?

 
産後うつで離婚の危機に・・・そんな夫婦が増えているようです。
 
出産は、女性が命をかけて子どもという宝物を授かるために行うものです。
 
ひどいつわりから始まり、激しい陣痛(場合によっては帝王切開)を乗り越えて、ようやく子どもを出産したと思ったら、出産後に激しくネガティブな感情を体験する方も少なくありません。
 
このような産後うつによって離婚したいと考える人も中にはいますが、果たしてその離婚は産後うつという理由だけで決断してしまってよいものなのでしょうか
 
出産後のうつで離婚してしまえば、思いもよらぬ事態が待っているかもしれません。
 
また、本当に離婚が最善の選択肢だとしたらどんなことに注意したらいいのでしょうか?

産後うつの特徴と予防法

よく耳にする出産後に起こる「産後うつ」ですが、実際にどのようなものかご存じですか?

産後うつとは?

産後うつとは、産後のホルモンバランスの急激な変化や、育児のストレスで引き起こされるうつ状態のことを指します。
 
 出産後2〜3週間後から発症することが多く、遅い人だと3ヶ月後に発症し、次のような症状を示します。

出産後の人の10人に1人がかかるといわれています。
  • ホルモンバランスが崩れる
  • 精神的に不安定になる
  • 自分に自信がなくなる

産後うつの予防方法とは?

特に出産後に里帰りもせずに、夫の帰宅も遅く、ほとんど一人で育児をするような場合は、なおさら産後うつのリスクは高まります。
 
1人でおむつ替えをしている時に理由もなく涙が出たり、赤ちゃんが泣いているのに何もできなかったり、夫の気配を感じるだけで嫌悪したり…。
 
産後うつにならないためには、以下のような予防を試みることも大切です。
 
  • 誰かに話す
  • 完璧主義にならない
  • 睡眠、食事をきちんと摂る 

よく聞く”産後うつ”と”産後クライシス”の違い

 
似たような単語の「産後うつ」と「産後クライシス」、どのような違いがあるのでしょうか。

産後クライシスとは

産後クライシスとは、出産後に夫や義母を毛嫌いし、急激に夫婦の仲が悪化し、離婚の危機に陥ることを示した造語です。
 

産後クライシスという言葉は、NHKの朝の番組で特集が組まれた際に初めて使用されたとされています。

産後クライシスが生じる原因としては、以下のようなことが挙げられています。

・ホルモンバランスの乱れ
・ほぼ2時間おきの授乳による寝不足等の体調不良
・育児不安
・ライフスタイルの変化(それまでキャリアウーマンだったが、出産後は家にこもりきり)

産後うつと産後クライシスは似ている

産後うつが出産後のうつ状態である一方で、産後クライシスは出産に伴う夫婦仲の危機を指します。
 
つまり、産後うつは妻に訪れる危機であり、産後クライシスは夫婦全体の危機ということです。
 
ただし、産後うつによって夫も少なからず影響を受けることを考えると、産後うつと産後クライシスはまったく関係のないものとは言い切れないのです。

産後うつでの離婚を回避するには?

 
それまでは順調だった夫婦生活。それが出産後に突然夫と離婚したい!という変化を遂げたなら、決断をするのはちょっと待った方がよいでしょう。

産後うつでの離婚回避方法(1) うつの症状が少しでもあるなら診察を受ける

マタニティーブルーという言葉は昔から馴染みのある言葉ですが、これも軽度の産後うつです。
 
産後うつも、うつ病の症状の一種であり治療を必要とします。
 
しかし、世間ではそれを「出産後に起こる当たり前の出来事」ととらえる人も、特に年配の人の中では少なくありません。
 
もしもあなたにうつの症状が出ているなら、精神科や心療内科を受診しましょう。
 

うつ病は、精神疾患ですから、放置すれば悪化し、希死念慮(死んでしまいたいと思うこと)も生じます。

あなたが動けなくなったら、あなたが亡くなったら、あなたの目の前にいる赤ちゃんはどうなるでしょうか。

希死念慮という最悪の状態になるその前に、病院へ行って、現状と今の気持ちを洗いざらい吐き出しましょう。 

産後うつでの離婚回避方法(2) 完璧主義にならない

何でも完璧にこなさなければならないという強迫観念の強い人ほど、育児も完璧にしようという思い込みの強さから、産後うつを発症することがあります。

出産後は身体へのダメージも強く、その中で妻としても母親としても完璧である必要はありません。

夫だけではなく、あなた自身の心と身体をいたわることを忘れてはいけません。

産後うつでの離婚回避方法(3) 食事、睡眠をきちんと摂る

出産後まもなくは授乳の回数が頻回で、食事や睡眠をまともにとることは不可能でしょう。
 
そのような環境の中でも、きちんと栄養をとることは大切です。
 
授乳しながらパンをかじったり、赤ちゃんが寝ている隙を見計らって、自分も寝る…。
 
このような臨機応変な対応をしながら、自分のケアも「ながら」でもよいので、忘れないでください。

産後うつでの離婚回避方法(4) 実家を頼る

実家依存症の人が増えている中、産後うつになるのは実家があるにもかかわらず、頼らない、もしくは頼れない人が多いでしょう。

実家の両親は、育児をする上での資源のひとつだと考えて、思い切って頼ってみる勇気も必要です。

産後うつでの離婚回避方法(5) 夫に産後うつについて理解してもらう

産後うつに対する夫の理解は、本当に得られ難いものです。
 
出産後なんだかカリカリしているな…近寄らないでおこう…と、逆に距離をとって家に寄りつかなくなる夫もいるほどです。
 
産後うつに対する理解のない夫であれば、病名や症状について、正直に告白し、悩みを共有することも大切です。

産後うつで離婚したいなら|自分の産後うつが原因で離婚できるのか?

それでも産後うつが辛く、もう元の夫婦には戻れない・・・となったら真剣に離婚を考える必要もあるでしょう。

産後うつが離婚の理由になる?(1) 協議離婚・調停離婚は可能

自分の産後うつが原因で離婚するにはまずは夫婦で話し合い(協議)をしてお互いが離婚に合意する必要があります。

もし夫婦の離婚協議がまとまらなければ裁判所に離婚調停を申し立てることになります。

協議離婚・調停離婚では、夫婦双方が離婚に合意さえすればどんな理由であれ離婚はできます。つまり自分の産後うつを理由として離婚が可能です。

調停離婚でも折り合いがつかなかった場合には離婚裁判を起こして離婚することになります。

離婚裁判を訴えるには民法上に定められた法定離婚事由が必要となります。つまり、きちんとした理由無しには離婚裁判は起こすことはできないのです。

産後うつが離婚の理由になる?(2) 離婚裁判には法定離婚事由が必要

法定離婚事由は民法第770条に定められており

民法第770条

夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があったとき。
2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3. 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

となっています。

「自分の産後うつ」は離婚理由には含まれていないので、自分の産後うつが原因で離婚裁判を訴える場合、5. その他婚姻を継続し難い重大な事由に該当するか?がポイントとなります。

産後うつが離婚の理由になる?(3) 産後うつが「その他婚姻を継続し難い重大な事由」にあたる?

自分の産後うつが法定離婚事由のその他婚姻を継続し難い重大な事由にあたるのかの判断のポイントは、産後うつが原因で夫婦関係が修復不可能なほど破綻しているか?ということになります。

例えば産後うつが原因で夫婦が長期間の別居状態にある、という場合は夫婦関係破綻として認められる可能性があります。

産後うつが原因で離婚する場合夫から慰謝料は取れる?

産後うつが原因で離婚をする場合、夫に慰謝料請求をするのは難しいと考えられます。

ですが産後うつの発症・重症化の責任のほとんどが夫にあり、精神的損害を受けたとされる場合は慰謝料請求ができる可能性があります。

例えば夫が出産後の妻を全く手伝わず、育児や家事の失敗に対し毎日のように暴言を浴びせていた、というようなケースであれば精神的損害賠償として慰謝料の請求ができる場合があります。

産後うつでの離婚で夫への慰謝料の請求を考えているのならまずは離婚問題に強い専門家に相談しましょう。

産後うつで離婚する場合、親権は獲得できる?

親権は夫婦が離婚をする際必ず決めなければならないものです。親権はまず話し合いによって決めます。とはいってもほとんどの場合母親の方が親権者になります。

ですが親権の協議がまとまらず、父親がどうしても親権が欲しいと言った場合、自分が産後うつの場合だと少し雲行きが変わってきます。

裁判所が親権者を決定する際は何よりもこの福祉を考えます。ですからいくら母親であれ産後うつが原因で育児を放棄したり、子供に暴力を振るっている場合には親権者とは相応しくないと判断され父親に親権が渡ってしまう可能性も考えられるのです。

産後うつで離婚を考えているのならまずは専門家へ相談を

夫と離婚したい理由が、産後うつとは無関係だった場合、どうしたらよいのでしょうか。

小さい子供のためにも弁護士に相談し有利な解決を

離婚を真剣に考えたら、最も心配するのは離婚後の生活でしょう。ただでさえ産後うつという状況で辛いのに、離婚後は一人で生きていかなければなりません。
 
そんな時のために金銭面をはじめとする離婚時の取り決めはしっかりと決めておきましょう。
 
そうでないと離婚後養育費の支払いが止まって困った・・・なんてことになってしまうかもしれません。

また、親権争いで離婚が泥沼化しては余計な不安をあなたに与えてしまいます。
 
そのような事態を避けるためにも離婚問題に強い弁護士に相談することをおすすめします。

出産後しばらくは赤ちゃんの世話で手が離せず、自分だけで合理的に動くことは難しいでしょう。
 
また、自分だけで動くことによって、慰謝料や養育費についての取り決めに穴があるかもしれません。
 
まずは悩みを相談するくらいの気持ちで弁護士に法律相談をして法的なアドバイス をもらいましょう。

離婚したいのは産後うつのせい?産後うつ・産後クライシスの離婚回避法!のまとめ

 
産後に離婚したいと考えることが産後うつや、産後クライシスによるものであれば、心療内科を受診したり、実家に頼るなどの方法で解決できるかもしれません。
 
ですが本気で離婚を考えるのであれば弁護士に相談し、あなたと生まれてきた子どもが損をしないような離婚にする必要があるでしょう。
 
離婚したいと思ったらまずはその理由をよく顧みて、専門家に相談しながら不利益のない離婚になるようにしましょう。
 
この記事の作成者

カケコム編集部