産後うつのせいで離婚したい?産後うつ・産後クライシスの離婚回避法!
産後うつで離婚したい・・・かなりの重労働である育児、出産に対するストレス、急激な体の変化、様々な要因が絡み合い出産したのを機に途端に「離婚したい」と考えてしまうお母さんが多いようです。誰にでも起こりうる産後クライシス・・・そんな辛い状況の中、判断を誤ってしまうと一生を後悔してしまうかのしれません。産後うつと離婚について考えてみましょう。

出産後だけど離婚したい。それって産後うつかも?

産後うつの特徴と予防法

産後うつとは?
出産後の人の10人に1人がかかるといわれています。
- ホルモンバランスが崩れる
- 精神的に不安定になる
- 自分に自信がなくなる
産後うつの予防方法とは?
- 誰かに話す
- 完璧主義にならない
- 睡眠、食事をきちんと摂る
よく聞く”産後うつ”と”産後クライシス”の違い

産後クライシスとは
産後クライシスという言葉は、NHKの朝の番組で特集が組まれた際に初めて使用されたとされています。
産後クライシスが生じる原因としては、以下のようなことが挙げられています。
・ホルモンバランスの乱れ
・ほぼ2時間おきの授乳による寝不足等の体調不良
・育児不安
・ライフスタイルの変化(それまでキャリアウーマンだったが、出産後は家にこもりきり)
産後うつと産後クライシスは似ている
産後うつが出産後のうつ状態である一方で、産後クライシスは出産に伴う夫婦仲の危機を指します。産後うつでの離婚を回避するには?

産後うつでの離婚回避方法(1) うつの症状が少しでもあるなら診察を受ける
うつ病は、精神疾患ですから、放置すれば悪化し、希死念慮(死んでしまいたいと思うこと)も生じます。
あなたが動けなくなったら、あなたが亡くなったら、あなたの目の前にいる赤ちゃんはどうなるでしょうか。
希死念慮という最悪の状態になるその前に、病院へ行って、現状と今の気持ちを洗いざらい吐き出しましょう。
産後うつでの離婚回避方法(2) 完璧主義にならない
何でも完璧にこなさなければならないという強迫観念の強い人ほど、育児も完璧にしようという思い込みの強さから、産後うつを発症することがあります。
出産後は身体へのダメージも強く、その中で妻としても母親としても完璧である必要はありません。
夫だけではなく、あなた自身の心と身体をいたわることを忘れてはいけません。
産後うつでの離婚回避方法(3) 食事、睡眠をきちんと摂る
産後うつでの離婚回避方法(4) 実家を頼る
実家依存症の人が増えている中、産後うつになるのは実家があるにもかかわらず、頼らない、もしくは頼れない人が多いでしょう。
実家の両親は、育児をする上での資源のひとつだと考えて、思い切って頼ってみる勇気も必要です。
産後うつでの離婚回避方法(5) 夫に産後うつについて理解してもらう
産後うつで離婚したいなら|自分の産後うつが原因で離婚できるのか?

産後うつが離婚の理由になる?(1) 協議離婚・調停離婚は可能
自分の産後うつが原因で離婚するにはまずは夫婦で話し合い(協議)をしてお互いが離婚に合意する必要があります。
もし夫婦の離婚協議がまとまらなければ裁判所に離婚調停を申し立てることになります。
協議離婚・調停離婚では、夫婦双方が離婚に合意さえすればどんな理由であれ離婚はできます。つまり自分の産後うつを理由として離婚が可能です。
調停離婚でも折り合いがつかなかった場合には離婚裁判を起こして離婚することになります。
離婚裁判を訴えるには民法上に定められた法定離婚事由が必要となります。つまり、きちんとした理由無しには離婚裁判は起こすことはできないのです。
産後うつが離婚の理由になる?(2) 離婚裁判には法定離婚事由が必要
法定離婚事由は民法第770条に定められており
民法第770条
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
1.配偶者に不貞な行為があったとき。
2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
3. 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
となっています。
「自分の産後うつ」は離婚理由には含まれていないので、自分の産後うつが原因で離婚裁判を訴える場合、5. その他婚姻を継続し難い重大な事由に該当するか?がポイントとなります。
産後うつが離婚の理由になる?(3) 産後うつが「その他婚姻を継続し難い重大な事由」にあたる?
自分の産後うつが法定離婚事由のその他婚姻を継続し難い重大な事由にあたるのかの判断のポイントは、産後うつが原因で夫婦関係が修復不可能なほど破綻しているか?ということになります。
例えば産後うつが原因で夫婦が長期間の別居状態にある、という場合は夫婦関係破綻として認められる可能性があります。
産後うつが原因で離婚する場合夫から慰謝料は取れる?
産後うつが原因で離婚をする場合、夫に慰謝料請求をするのは難しいと考えられます。
ですが産後うつの発症・重症化の責任のほとんどが夫にあり、精神的損害を受けたとされる場合は慰謝料請求ができる可能性があります。
例えば夫が出産後の妻を全く手伝わず、育児や家事の失敗に対し毎日のように暴言を浴びせていた、というようなケースであれば精神的損害賠償として慰謝料の請求ができる場合があります。
産後うつでの離婚で夫への慰謝料の請求を考えているのならまずは離婚問題に強い専門家に相談しましょう。
産後うつで離婚する場合、親権は獲得できる?
親権は夫婦が離婚をする際必ず決めなければならないものです。親権はまず話し合いによって決めます。とはいってもほとんどの場合母親の方が親権者になります。
ですが親権の協議がまとまらず、父親がどうしても親権が欲しいと言った場合、自分が産後うつの場合だと少し雲行きが変わってきます。
裁判所が親権者を決定する際は何よりもこの福祉を考えます。ですからいくら母親であれ産後うつが原因で育児を放棄したり、子供に暴力を振るっている場合には親権者とは相応しくないと判断され父親に親権が渡ってしまう可能性も考えられるのです。
産後うつで離婚を考えているのならまずは専門家へ相談を

小さい子供のためにも弁護士に相談し有利な解決を
また、親権争いで離婚が泥沼化しては余計な不安をあなたに与えてしまいます。
出産後しばらくは赤ちゃんの世話で手が離せず、自分だけで合理的に動くことは難しいでしょう。
離婚についてこちらの記事も参考にしてください!
離婚したいのは産後うつのせい?産後うつ・産後クライシスの離婚回避法!のまとめ
