資産調査とは?差し押さえるべき財産の見つけ方
相手から財産を差し押さえるとき、やはり気をつけたいのが「空振り」ですよね。しっかりと相手の資産を調査してどこから財産を差し押さえられるのか分かった上での債権回収が鉄則です。
この記事では、資産調査とはどんなことをするのか?どんな時に必要となるのかを紹介します。

資産調査で何を調べられる?
資産調査の対象となるものとして、銀行口座や年収、退職金、不動産、有価証券、車両、借金などの負の資産が挙げられます。
もっとも、資産調査を考えているならば、まずは自分が何を目的に資産調査をするかを考えて依頼しましょう。
個人であれば離婚の慰謝料の請求をしたり、結婚相手の資産、借金を調べたりと様々な目的があるでしょう。
企業なら関係企業と重要な取引をするために調べたり、新入社員の人事管理を目的にしたりと、調査でできることは多岐にわたります。
目的をはっきりさせた上で、どのような資産の調査を依頼する必要があるか考えていきましょう。
ただし、資産を調べるとなれば情報調査のノウハウを持っている限られた調査会社に依頼すべきです。
資産調査の基礎知識

資産調査は個人の銀行口座や動産・不動産・有価証券や株、収入に至るまでを調べることで、調査項目、方法は多くの種類があります。
資産調査とは?
資産調査は個人および組織の財産を調べることで、トラブルを解決することを目的としています。
会社間の取引の場合、支払いが滞ってきた会社への資産を調べたり、個人の場合は結婚相手や離婚問題でトラブルを抱えるパートナーの資産を調べて支払いを求めたり、銀行口座の差し押さえを可能にすることもあります。
企業の資産状況などを調べる場合には帝国データバンクなどが最も有名な調査会社ですが、個人の場合は状況によっては探偵調査が有効です。
専門性の高い調査になるため、信頼できる調査結果を得られるかどうかが依頼する上でのポイントになるでしょう。
資産調査の種類
資産調査の対象は多岐にわたり、不動産、預貯金、証券、年収などが調査されます。
すべてを調査できるかは各調査会社によって違うため、事前に問い合わせておきましょう。
不動産は土地家屋が実際にあるかどうか、価格がいくらか、預貯金の額や口座の残高などまで調査可能です。
所有車両や年収なども調査の対象になりますが、これらが100%調査結果として出るかは判然としない部分もあるでしょう。
当然、該当なしという結果になることもあるため、調査したい項目をあらかじめ絞っておくことが大切です。
どういうときに資産調査をするの?
資産調査の依頼例① 慰謝料の支払いをしてくれないので銀行口座を差し押えをしたい
「離婚問題で話し合いがなされたにもかかわらず、相手が慰謝料や養育費を支払ってくれないから、銀行口座を差し押さえたい」という依頼は少なくありません。
銀行口座の差し押さえには、金融機関と支店名までわからなければならないのですが、これらは自分で調べなければならない仕組みになっています。
元夫の金融機関や支店名までわからないことも多く、自分で探すことも大変難しいため、探偵の出番となるわけです。
ですが、そもそも差し押さえできる場合は限られていることに注意が必要です。
養育費を強制執行で強制的に支払わせるには?|養育費確保のための差し押さえについてを参考に、自分が養育費の差し押さえができる場合に当たるかを検討してみましょう。
資産調査の依頼例② 親族の相続のために遺産を調べたい
相続の問題でも、どれだけの資産があるかどうか調べるには探偵に頼むことが多いでしょう。
遺産などは預貯金以外にも、親族の知らない動産・不動産などもあり、借金を含めた負の財産もあります。
被相続人が遺言書を書かないという場合であれば、親族が事前に遺産を調査することで、のちのトラブルを防ぐことができるといえます。
資産調査の依頼例③ 結婚する人の資産を調べて欲しい
個人の資産調査で多いのが結婚相手に対するもの。
これは結婚詐欺などのリスクを考慮して、相手が主張する資産について嘘がないかどうかを調べるものです。
預貯金や年収などはもちろん、別荘などの不動産は本当にあるのか不安になることもあるでしょう。将来のパートナーとして信頼できるかきちんと調べておけば、のちのトラブルを防ぐこともできます。
現在でも多く利用される調査項目です。
資産調査の方法とは?

資産調査の方法は各調査会社によって独自のノウハウがあります。
基礎的な調査はどこでもできますが、精度の高い資産調査の結果を求める場合は、各調査内容に精通したところに依頼すべきです。
資産調査方法① 相場から給料を割り出す
個人の給与であれば、企業の収益から当人の役職や勤務年数などを考慮して給与の概算を出すことは可能です。
また、年末調整から年収を割り出すなどの方法もありますが、これは精度の低い方法のため、あくまでも参考にとどめるべきです。
慰謝料の支払いに関するトラブルなどは、給与の額に応じて決まってくるため、相場がわかれば相応の金額を請求できます。
個人間の慰謝料請求の際の目安としての調査であれば、精度はさほど気にしなくても大丈夫ですが、特に、企業間の取引に関するトラブルなどは専門的かつ独自の情報ルートをもった調査会社への依頼が必要です。
資産調査方法② 登記簿の確認
登記簿を確認することは誰でもできるため、不動産調査の基本といえます。
結婚相手の別荘地や実家の不動産などを調査するといった依頼がありますが、これも基本調査をしてから土地の価格などを調べて具体的な資産調査をしていきます。
不動産鑑定などのスキルも持っているような、所有者から価格までを調べることができる会社に依頼しましょう。
資産調査方法③ 退職金の額
退職金の額を調査するにも、企業の収益や公開されている情報から個人の勤務年数や役職などを考慮して概算を出すことは可能です。
退職金は相続問題や熟年離婚の際の財産分与などの問題で調査を依頼することが多く、おおよその額を割り出すことで、その後の法的な手続きをスムーズに行えるでしょう。
資産調査に必要なものはなに?

資産調査では対象者の氏名や住所など、調べたい資産に関して持っている情報が多ければ多いほど精度の高い結果がでてきます。
何を調査したいのかを決めておくこと
預貯金などの資産調査を依頼する場合、自分が何を目的に調べるかをきちんと決めておきましょう。
離婚問題で慰謝料を請求するのか、滞った支払いを済ませるためか、財産分与を求めるのかなど。
目的がハッキリ決まっていれば、どの資産を調べるべきかも決まり、そのために必要になる情報を事前に揃えておくこともできます。
車両調査なども、不倫相手のナンバーから氏名を調べたり、資産としての車両の名義を調べたりなど、様々な目的があるでしょう。
何を調査したいかを定めることで、「どの資産に関してどの範囲まで調べるか」を決めることができます。
調査対象の詳しい情報
調査対象に関する詳しい情報があるほど調査はスムーズになります。
銀行口座を調べるといっても、名義を変更していたり、会社とは別名義にしているなどの場合があります。
こうした場合は具体的な口座名義を事前に調べておくことでその後の調査で結果がでる確率がグンと高くなります。
現在では個人情報そのものを調べること自体が厳しくなっていますが、専門性の高い調査会社であればしっかりと調査結果を出してくれるでしょう。
資産調査を探偵に依頼するより弁護士に相談した方が良いケースもあります

資産調査を探偵に依頼する方もいますが、現実的には弁護士などに依頼する方が情報の精度が高く、調査結果を目的のために生かす法的手続きを含めた対応をしてくれます。
弁護士費用はかなり高額ですが、ピンポイントで調査をかけ、その結果から法的な解決に導く場合は、弁護士に直接依頼した方が良いことも多いのです。
探偵にはできない弁護士会照会ができます
弁護士は扱っている案件について、弁護士会に情報開示請求(照会)を依頼することができます。
もちろん、案件として正当な照会理由があることが前提です。
また、必ず情報が開示されるわけではないことに注意が必要です。
弁護士会照会は弁護士会(に所属する弁護士)のみに認められている権限であり、一般私人ができるものではないため、探偵事務所なども対応できません。
資産調査を案件として依頼すれば弁護士が調査をかけることができるので、調査だけでなくその後の処理までを考えて問題を解決しましょう。
初めから弁護士に依頼してしまった方が安く済む場合も
探偵事務所や調査会社のリサーチは概算を出したり、結果を何らかの要素として使う場合に必要なことです。
ですが、弁護士会照会など、弁護士も一定の調査権限を持っているため、あとで訴訟などの法的手段をとることも考えている場合には、はじめから弁護士に依頼するという方法もお勧めです。
探偵と弁護士両方に依頼するより、はじめから弁護士に最初から依頼したほうが、費用が安く済むこともあります。
自分が調べたい資産は何か、調べてわかったことをどう使うかをしっかり決めて依頼をかけましょう。
まずは無料相談もできるので、一度相談をしてみましょう!
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資産調査で相手の銀行口座を差し押さえできる?資産調査とは何かを解説します!のまとめ

資産調査の対象は銀行口座の預貯金、年収や退職金、証券や不動産、車両の保持まで多岐にわたります。
自分がどんな目的で何を調べるかを決めておき、その資産に関連する情報をできるだけ多くとったうえで依頼するのがベストです。
支払いに関するトラブルなどは、調査でわかったことを文書にして相手に何らかの請求をかけるなど、調査プラス法的手続きがセットになることが多いといえます。
その一連の手続きをするにあたって、探偵や調査会社より弁護士に直接依頼した方がよいこともあるので、その点もしっかり検討しましょう。