離婚の交渉術8選〜離婚の条件の有利な進め方のコツとは?〜
今後の人生を左右する離婚の交渉。絶対に失敗したくないものですよね。そして、できるだけお互い円満に解決できるよう進めたいものです。相手の意思も尊重しつつ、自分の期待通りに交渉するにはどうしたらいいのでしょうか。今回は上手な交渉のコツを8つを紹介したいと思います。

離婚の交渉の進め方にはコツがあります
有利な条件で離婚するにはまずはあなた自身で交渉をしなければなりません。
離婚の交渉を有利な条件で進めるにはいくつかのコツがあるのです。
離婚交渉の進め方のコツ(1) まずは自分がどうしたいのかよく考える
離婚交渉を有利に進めるポイントでまず大切なのは、最終的に自分がどうしたいのか?をよく考えて落とし込んでおくことです。
自分の主張する内容がよく決まっていないと交渉をするときにも主張がブレてしまい、交渉がうまくいきません。
- 慰謝料
- 養育費
- 財産分与
- 年金分割
- 親権
- 面会交流
これらの離婚の条件をどうしたいのかは自分の中できちんと決めておく必要があります。
ただ決めるのではなく、詳細まで落とし込んでおくようにしましょう。
- 養育費→具体的な金額、支払い方法、いつまで払うのか
- 慰謝料→そもそも払うのか、具体的な金額、支払う方法
- 財産分与→対象とするもの、割合
- 年金分割→するかしないか、分割の方法
- 面会交流→いつどこで会うか、連絡手段はどうするか
このように具体的な詳細までリストアップし、紙にでも書いてまとめておくとわかりやすいでしょう。ますは主張を整理すること、それが離婚交渉を有利に進める際の最も大切なポイントとなります。
離婚交渉の進め方のコツ(2) 目標より少し良い条件で交渉を始める
次に大切なのが、最初から目標とする条件での交渉をするのではなく、やや高めの条件からスタートする、ということです。
高めの条件からスタートし、交渉している段階で段々と条件を譲歩していくのです。
こうすることによって相手はある程度は妥協してくれていると感じ、目標の条件で合意してくれる可能性が高くなります。
どの程度からスタートするか?という見極めは難しいですが、まずは適正な条件を知らないと基準が分かりません。
ですから慰謝料や養育費等の金銭支払いであれば金額の相場を確認しておくことが必要になります。
自分のケースでは相場はいくらか、弁護士に相談してみることをおすすめします。
離婚交渉の進め方のコツ(3) 自分が有利な点を整理する
離婚において自分が有利な点があればあるほど当然交渉も進めやすくなります。それらをきちんと整理できていないと思わぬところで損をしてしまう可能性があります。
例えば
- 不倫している事実、証拠があること
- これまでの子供の養育実態
- 相手の暴力を証明する証拠
などが挙げられます。特に不貞行為(性行為を伴う不倫)の証拠はそれだけで離婚を有利に進める決定打となるものです。
配偶者の不倫が疑わしい場合はすぐにでも探偵事務所に調査を依頼し、言い逃れできない確実な証拠を手に入れましょう。
離婚交渉の進め方のコツ(4) 相手の言い分は聞き譲歩できるところは譲歩
離婚”交渉”ですから最終的に相手とのすり合わせがどこまでできるか、が重要になってきます。
そのためには相手の言い分はしっかりと聞き入れ、可能であるならある程度のところまは譲歩してあげる、ということがポイントになります。
言い分を全く聞かないままこちらの主張を通そうとしても折り合いがつかず、最終的には家庭裁判所に決めてもらうしかなくなってしまいます。
聞き入れるということでこちらに対して精神的な緩みができ、条件に応じてくれることも考えられます。
このときにも最初に説明した少し高い条件からスタートする方法が役に立ちます。
お互い譲歩しすり合わせていく、という前提が離婚交渉を行う上では大切です。
離婚交渉の進め方のコツ(5) 感情的にならない
離婚協議を行う際はどうしても感情的になりやすいです。
お互い熱くなって冷静な判断がなかなかできません。
離婚交渉するにあたって相手の嫌なところや気に入らないところが口からこぼれてしまうことがあります。
- 「あなたはいつもぐうたらで家のことを全然手伝わないから慰謝料こんだけ払うのは当たり前だ!」
- 「どうせ浮気してるんだから親権を考えようなんて思わないで!」
こんな風に感情的になってしまうと相手としてもムキになり、成功する交渉も成功しなくなってしまいます。
お互いがいつまでも感情的になってしまうことは離婚協議が泥沼化してしまう一番の原因です。
離婚交渉では感情的なことではなく、事実に基づいた冷静な交渉をするようにしましょう。
離婚交渉の進め方のコツ(6) 代替案を用意しておく
仮に最初の交渉がうまくいかず、譲歩しても話がまとまらない、というときのために代替案は用意しておいたほうがいいでしょう。
相手がどうしても譲らない場合はあえて他の案を提案したほうが手っ取り早く合意が成立することがあるからです。
財産分与に合意は得たが慰謝料の支払いにどうしても納得しないなら、いっそのこと金銭支払いを一つにまとめ離婚解決金として納得できる金額を探っていく、親権に納得していなら面会交流の取り決めを公正証書によって行うなど、どうすれば相手が納得するのかを常に考えておきましょう。
離婚交渉の進め方のコツ(7) 調停を利用したほうが早い場合もある
離婚交渉は基本的にあなた一人で行うものです(弁護士をつける場合もあります)。
ですが交渉に自信がないのならある程度交渉が難航した時点で一旦見切りを付け、いっそ調停を申し立ててしまった方が早い場合もあります。
調停は裁判所で行われる話し合いのことですが、調停員と呼ばれる第三者が夫婦の間に入り、お互いの主張をすり合わせ、妥協点を見つけていきます。
何らかの理由で二人での話し合いがどうしても難しいという場合には非常に役に立ちます。
調停を制する鍵はいかに調停委員を味方につけるか?ということになります。
調停委員を味方につけることさえできればこちらの条件に寄り添うよう、相手方を説得してくれることも可能です。
離婚交渉の進め方のコツ(8) 離婚問題に強い弁護士を間に立てる
先ほどもお話ししましたが、離婚協議ではお互いが熱くなりすぎてしまい、冷静な判断ができなくなっている場合があります。
そんなときは離婚問題に強い弁護士に相談し、交渉を任せてしまうことをオススメします。
弁護士を間に立てることにより交渉をスムーズに進めることが可能です。
相手に離婚の本気度が伝わるメリットもあります。
また、離婚の容態は人それぞれでありますので一口に慰謝料や養育費の相場と言ってもいってもなかなか専門家でないと分からないことがあります。
いわば離婚はケースバイケースです。
弁護士に相談すれば専門的な法律知識と経験から、あなたにとって最も有利な条件での離婚交渉に期待できると言えるでしょう。
交渉だけでなく、取り決めをまとめた協議書の作成から調停・裁判にまで発展したときのサポートまで、離婚問題を包括的に解決してくれます。
離婚交渉を一人で行うのは心許ない、絶対に妥協したくない、正直何から始めたらいいか分からない、そんな方はなるべく早い段階から離婚問題に強い弁護士の力を借りましょう。
まずは一度法律相談をしてみてはいかがでしょうか?
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離婚交渉を弁護士に代理で依頼する場合を考えてみる
夫婦間で感情的になってしまって交渉が難航したり、精神的ショックから相手と顔を合わせたくないと感じたりとご自身で離婚交渉が上手く成立しない場合も少なくありません。
そこで本項では離婚交渉を弁護士に依頼した場合、費用と時間がどれくらいかかり、どのようなメリットがあるのかを説明します。
- 相手への交渉を上手くできる自信がない
- 少しでもこちらに有利な条件で離婚を進めたい
と考えている方は参考にしてみてください。
離婚交渉を弁護士に依頼する際に掛かる費用
弁護士に離婚交渉を依頼する場合、以下のような費用が発生します。
依頼内容 |
かかる費用(相場) |
相談 |
0円~10,000円/1時間 |
着手金 |
10万円~20万円 |
報酬金 |
30万円~50万円 |
慰謝料や財産分与の成立 |
獲得した金額の10%~16% |
親権獲得 |
10万円~20万円 |
金額だけ見ると高いように感じてしまうかもしれませんが、離婚交渉が難航して離婚が成立しなかったり、離婚が成立しても慰謝料が貰えなかったりするリスクを考えると妥当な金額と言えるでしょう。
離婚交渉を弁護士に依頼する際に掛かる時間
弁護士に離婚交渉を依頼した場合、離婚の条件(慰謝料の有無、親権の獲得など)によって大きく変わりますが着手に約1週間~2週間ほどかかり、そこから協議が始まって離婚協議書の作成などを済ませ、離婚届を役所に提出するまでに1カ月~2カ月ほどの期間を要します。
交渉がスムーズにいっても1カ月ほどはかかってしまいますが、金銭面や親権問題など後々の後悔を少なくするためにもまずは弁護士に相談してみましょう。
離婚交渉を弁護士に依頼するメリット
「離婚交渉を弁護士に頼むとどのようなメリットがあるの?」と疑問に感じている方のために、こちらでは離婚交渉を弁護士に頼んだ場合の
1.法律に基づいた交渉ができるようになる
2.書類作成を代行してもらえる
3.相手と顔を合わせずに済む
という3つのメリットについて解説します。
メリット1:法律に基づいた交渉ができるようになる
離婚には金銭が関わるため、交渉時にお互い感情的になりトラブルの発生につながりかねません。
弁護士を代理人として立てた場合、法的な根拠に基づいて金銭交渉ができるため交渉がスムーズに進みます。
メリット2:書類作成を代行してもらえる
離婚が成立した際の証明として「離婚協議書」を記入する事が多く、離婚協議書によって離婚後に慰謝料や養育費の未払いを法的に防ぐことができるようになります。
離婚協議書は法律知識が無いと書くことが難しく、弁護士に頼んでキッチリと書いてもらったほうが財産分与の金額があがる可能性も高いため、「法的な知識にそこまで詳しくない」という方は弁護士への依頼を検討してみましょう。
メリット3:相手と顔を合わせずに済む
夫婦関係が離婚寸前まで悪化しているとなると、相手の顔を見るだけで感情的になってしまったり、精神的恐怖を感じてしまうことも多いです。
弁護士を代理人としておけば相手と会う必要もなく、無駄なストレスから解放されます。
親権問題・新生活の準備・金銭問題など、離婚時には多くの精神的負担がかかることが予想されますので、弁護士を雇ってなるべくいい状態で新生活をスタートさせることを考えてみましょう。
離婚の交渉術9選〜離婚の条件の有利な進め方とは?〜のまとめ
