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ヤフコメでも賠償!掲示板やSNSで誹謗中傷を発信したら、何罪になる?

何かと荒れやすく「民度」が問題とされることもあるヤフーニュースのコメント欄、通称ヤフコメでの誹謗中傷に損害賠償を命じる判決が出されました。匿名なら良いのか?軽い気持ちだから良いのか?この記事では誹謗中傷について知っておくべき法律知識を伊奈さやか弁護士に解説していただきます。

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誹謗中傷の書き込みは違法なの?累計ごとに紹介

誹謗中傷の書き込みは違法なのでしょうか。

誹謗中傷とは、人や企業の社会的な評価を低下させる悪口や根拠のない嘘等を言って、対象者やその家族や所属先を傷つけたりする行為です。

誹謗中傷が道徳的にいけないことはいうまでもありません。

しかし、誹謗中傷に該当する場合には、法的に責任が生じます。

掲示板やSNSで、誹謗中傷にあたる内容を書き込んだ場合について、説明します。

直接の誹謗中傷

相手のSNSのアカウントのコメント欄に、相手を誹謗中傷する内容の書き込みをする場合があります。

中には、誹謗中傷ではなく、その企業の製品の改善点を記載する等の、意見として書いたものもあるかもしれませんが、表現が行きすぎたり、内容が虚偽の場合には誹謗中傷に該当する場合も考えられます。

掲示板で特定の人物について誹謗中傷を発信する

掲示板で特定の人物について誹謗中傷を書き込んでしまうケースもあります。

特定の人物として、名前を書く場合もあれば、名前を出さずに記載するが読者にはわかる書き方の場合もあります。

なお、実名を出さないとしても、一般読者が読めばこの人とわかるような書き方をした場合には、対象の人物が特定できるとして、その人物に対する誹謗中傷になります。

あるグループや属性についての誹謗中傷・ヘイトスピーチ

特定の人物や企業ではなく、あるグループや属性についての誹謗中傷をする場合があります。

例えば、LGBTの人に対しての誹謗中傷や、特定の国の人に対する誹謗中傷です。

このうち、日本以外の国又は地域の出身であることを理由として、適法に居住している出身者又はその子孫を、我が国の地域社会から排除することを煽せん動する不当な差別的言動をヘイトスピーチといい、平成28年6月3日にヘイトスピーチ解消法が施行されて、このような言動は許されないことが明らかにされました。

しかし、罰則はないため、このような誹謗中傷をすることが、現時点では、直ちに法的な責任にはつながらないのが実情です。

誹謗中傷を書き込んだ場合の法的責任は?

誹謗中傷を書き込んだ場合には、その内容により、刑事責任と民事責任を問われる場合があります。

また、自分の勤務先の会社の誹謗中傷を書き込んだ場合には、その事実が勤務先にばれた場合には懲戒を受ける可能性もあり、最悪の場合は解雇される可能性もあります。

誹謗中傷、掲示板書き込みが違法になる条件のおさらい

刑事責任

誹謗中傷をした場合には、その行為や内容により

  • 名誉棄損罪(刑法230条)
  • 侮辱罪(同法231条)
  • 信用棄損罪(同法233条前段)
  • 業務妨害罪(同法233条後段)

等の犯罪に該当することがあります。

その場合には、刑事責任を追及される可能性がでてきます。

名誉棄損罪が成立する条件

名誉棄損罪が成立するには

①不特定多数の人が知りうる状態で

②事実を適示すること

③社会的評価を害するおそれのある状態にすること

の要件を満たす必要があります。

なお、示した事実が

・公共の利害に関する事実で

かつ

・目的が専ら公益を図ることにあった

場合であり

・その事実が真実であることの証明があったときは

名誉棄損罪として処罰はされません。

侮辱罪が成立する要件

侮辱罪が成立するには

・社会的評価を害し、名誉感情を害する表示を行うこと

が必要です。

名誉棄損罪のように、事実を示さなくても成立します。

代表的なのは、バカ、あほなどの、抽象的な表現を使う場合です。

信用棄損罪が成立する要件

信用棄損罪が成立するには、

①虚偽の風説(事実と異なった噂)を

②流布(不特定または多数人に伝える行為)すること

または

①偽計を用いて(人をだましたり誘惑したりすること)

その結果

③他人の信用が低下するおそれのある状態を生じさせること

が必要です。

信用は商品に対する社会的な信頼も含みます。

業務妨害罪が成立する要件

業務妨害罪が成立するには

①虚偽の風説(事実と異なった噂)を

②流布(不特定または多数人に伝える行為)すること

または

①偽計を用いて(人をだましたり誘惑したりすること)

その結果

③業務を妨害するに十分な行為をすること

が必要です。

誹謗中傷の結果、企業の業務を妨害するような場合には、こちらに該当します。

民事責任

誹謗中傷をした場合には、民事責任を負うこともあります。

不法行為(民法709条)に基づく損害賠償責任として、慰謝料等を支払う必要性が出てきます。

また、企業や営利団体への誹謗中傷をした場合には、それにより売り上げが減少した場合の逸失利益や、さらなる被害防止や被害回復のためにかかった費用を損害として請求される場合もあります。

なお、誹謗中傷が名誉棄損になる場合には、謝罪広告という名誉を回復する措置を命じられる可能性もあります。

自分で書き込みを削除できない時は?

誹謗中傷の書き込みを、自分のアカウントで行った場合には、SNSの投稿を削除することで一次的な対応になります。

ヤフコメや掲示板など、他人が管理するサイトに投稿した場合には、自分で書き込みを削除できません。その場合は、その管理者に連絡をして削除してもらうことになります。

もっとも、管理者からしても、その書き込みをした人本人かを確認する必要があるので、用意に削除に応じない例も多くあります。その場合でも、あきらめずに管理人に説明するなどしてできうる限り対処していきましょう。

まとめ

掲示板やSNSでの誹謗中傷は増加しています。

また、どうしても、書きすぎてしまったという人も中にはいるでしょう。

誹謗中傷に当たるのではないかと心当たりがある場合には、削除したり、掲示板に削除を求めるなど対応することが大切です。

匿名性から、気軽に書き込める掲示板ですが、書き込む際には節度をもっておこなうことが大切です。また、書き込みがやめられない、というような場合には、いったんインターネットから離れたり、依存症治療の病院を受診するという方法もあるでしょう。

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