離婚の種類と手続き方法|離婚するまでの流れを現役弁護士が解説!

離婚の種類がいくつかあることはご存知ですか?離婚の種類によって、とるべき手続きは異なってきます。ここでは状況に適した離婚の種類とその手続き方法を現役弁護士が解説いたします。離婚したいけれどどのような離婚手段をとればいいのかわからないという方はご参照ください。

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目次

<今回ご解説いただく先生のプロフィール>

小倉 悠治(おぐら ゆうじ) 弁護士

小倉悠治法律事務所代表/金沢弁護士会 所属

 

「出会えてよかった」と言われる弁護士になれるよう心がけています。その場限りの弁護ではなく、継続的な信頼関係を信条に弁護活動を行います。

得意分野:離婚・男女問題

 

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離婚手続きの流れ

離婚の種類は協議離婚、調停離婚、審判離婚、裁判離婚の4つがあります。

状況によって離婚の方法、とるべき手続きが変わってきますので、離婚の流れと方法についてはしっかり把握しておきましょう。

ここでは離婚をする際の大まかな流れをご紹介します。



このように離婚する際は、協議離婚から始まり、合意できなかった場合に次の方法へ進んでいきます。

 

※審判離婚に関しては、詳細は後述していますが、かなり珍しい方法です。通常は調停離婚で調停不成立となったらそのまま裁判へ進み、裁判離婚となります。

 

 

 

 

協議離婚とは

裁判所を通さずに夫婦間で話し合い、お互いに合意をすれば離婚に至る手続きです。

 

協議離婚の流れ

協議離婚の流れは基本的に夫婦間の話し合い後、離婚届提出して完了となります。

場合によっては協議書、公正証書を作成します(協議書、公正証書の詳細については下記をご参照ください)。

夫婦間の交渉代理、協議書/公正証書に関する相談・作成を弁護士に依頼することも可能です。

 

 

協議離婚をする際に準備するもの

協議離婚をする際には、状況に応じて協議書または公正証書を作る場合があります。

 

協議書

離婚するかどうかに加え、養育費や親権、面会交流頻度、財産分与の内容・割合などを定めた書類です。

当事者同士のみで作成すると書類不備や勘違いが起きたり、片方にとって不利な内容になってしまうこともあり、数年後に再び問題が表面化することもあります。決めるべき問題が語りつくされているか、専門家に相談しながら作成すると良いかもしれません。

公正証書

養育費もしくは慰謝料の分割払いがある場合は「公正証書の作成」をおすすめします。

これは、支払いが止まった場合のリスクに備えるためです。公正証書によって、裁判をしなくても支払いの強制執行ができるようになります。公正証書を作成していなかった場合、支払いが滞ると別途調停を裁判所に申し立てなければなりません。(*もちろん養育費の支払者が退職などで本当に払うことができない場合には強制執行しても取ることは難しいです。)

なお公正証書を作成する場合は、協議書は作らずにその内容を公正証書に盛り込むことができます。

 

 

協議離婚にかかる費用

協議離婚の場合、弁護士に依頼するかどうかでかかる費用は変わってきます。

 

弁護士に依頼しない場合

純粋に夫婦間の話し合いのみとなるので、費用はかかりません

 

弁護士に相談する場合

①相談費用

相談費用の相場は、30分5000円程度です。

(小倉事務所の場合、30分5000円[税別])

 

弁護士に当事者間で作成した協議書を見てもらう場合も、上記の相談費用がかかります。

 

②書類作成費用

書類作成費用の相場は、5~20万円程度です。

費用は書類に盛り込む項目や財産等によって変動します。

また、公正証書の作成を弁護士に依頼する場合は、別途公証役場に払うための金額が5~10万円追加されます。

 

③交渉を代理してもらう費用

別途着手金、報酬金、その他の費用が発生します。

計算方法を紹介すると長くなるので、合計でおよそ数十万円とお伝えいたします。

 

 

弁護士に依頼する場合の費用の支払い

弁護士に交渉や書類の作成等を依頼する場合、その費用は誰が負担するか。

弁護士の依頼にかかる費用の負担は、通常依頼した本人が支払います。しかし話し合いによっては、どちらか一方が負担するケースもあります。これは、離婚の理由がどちらか一方にしか見当たらない場合など、賠償金の一種として負担するものとなります。

 

 

 

 

調停離婚とは

裁判所に調停の申立てをして、調停員の仲介によって離婚をする方法です。

 

調停委員は男女1名ずつ、一般の方から選ばれることが多く、中立な立場から話をまとめてくれます。

調停では、相手方と直接話す機会がないため、冷静に話し合いを進めていくことが可能です。

 

しかし、調停の実施ペースは1ヶ月~1ヶ月半に1回、平日の日中のみです。時間も1回につき2~3時間かかってしまいます。

働いている方は休みをとらなければならない場合も多いので、そのため離婚するまでに時間がかかってしまうことが多く、少し大変かもしれないですね。

 

しかし調停を行うことで、調停調書という裁判所が発行する書面ができあがるので、慰謝料の支払い等の強制執行を可能にする公的証拠能力の強い書面を残せるいう利点もあります。

慰謝料や親権、財産分与等でもめていたり、そもそも離婚にお互い合意していない場合、調停離婚が有効な手段となることもあります。

 

調停離婚の流れ

①裁判所に調停申立

まず書面にて、裁判所に調停を申し立てます。

 

②日取りの決定

1ヶ月〜1ヶ月半後に調停の日取りが決まります。

 

③調停期日

実際の調停では、順番は申立てた人→申立られた人の順で呼ばれ、1回の調停で交互に何回か呼ばれて話をすることになります。調停中の2人は時間をずらして集まり、待合室も別となっているので、顔をあわせることはありません

調停では一般的に、なぜ離婚したいのか、離婚の経緯や主張したいことを聞かれます

事前にしっかり準備して行くことをお勧めします

 

 

調停離婚にかかる時間

1回目の調停でまとまるものから1年以上かかるものまで、千差万別です。

しかし、親権争い、慰謝料や財産分与の争い、そもそも離婚に片方が同意していない等の場合は調停が長引く傾向があります。

 

調停離婚にかかる費用

申立にかかる費用は4000〜5000円程度弁護士に代理人依頼する場合は別途30〜40万円程度かかります。

 

弁護士に依頼するメリット

調停離婚自体は弁護士に依頼しなくてもすることはできます。

しかし弁護士に依頼することで、下記で紹介するようなメリットがあります。

 

①冷静に話せるため、依頼者の言いたいことや伝えたいことを調停員に分かりやすく伝えやすい

②交渉が弁護士同士であれば、次の調停までにも弁護士間でやり取りを行い、話を進めておくこともできるので、スピーディに事が進みやすい

③調停委員の中には旦那さんと奥さん、どちらかの意見を変えさせようと一生懸命説得してくる人もいるため、弁護士がつくことでそのような対応を防ぐことができる

 

費用はできるだけかけたくないと思うのは当然ですが、その先かかる時間と労力を考えると、弁護士に代理人依頼をするのもひとつの手ではないかと思います。

 

 

審判離婚とは

審判離婚は、離婚自体は同意しているけれど、とても細かい条件で対立している等の場合、裁判所がその条件を審判にて決める離婚方法です。

審判後、2週間以内に異議申立てを行うと、効力がなくなってしまいます。

審判離婚を行う具体例としては、以下のような場合があります。

 

細かい金額面で揉めている場合

離婚まであと一歩でまとまるけれど、慰謝料等のわずかな金額で話し合いが膠着したとき等に行います。そうすることで最終決定を裁判所に委ねます。

 

国外に出てしまう場合

旦那さんか奥さん一方が海外在住の方で、もうすぐ帰ってしまう場合です。

 

病気や仕事で裁判所に出頭できない場合

離婚の条件はほとんど決まっているけれど、病気や仕事で裁判所に出頭できない場合です。他の離婚手法では両者がそろっていないとできませんが、審判離婚の場合片方がいなくても離婚が可能です。

 

親権者が決まっていない場合

「親権を得るのに自分が不利な状況だとわかっていながら、自分から相手に親権を譲るのが納得できないので誰かに決定してもらいたい」といった場合に行われます。裁判所に結論を出してもらうことで、それに従うようにしてもらう手段として使われることもあります。

 

この審判離婚で決定した条件等は、異議を唱えると効力がないことから、極めて珍しい離婚形態です。

上記のような細かい条件で対立している場合や、お互い離婚には合意していないけれど裁判所が決めてくれれば離婚できるといった場合は、審判離婚もひとつの手段になるかもしれません。

 

 

裁判離婚とは

裁判離婚は、協議でも調停でも決着しない場合、最後の手段として裁判所に訴えを起こして判決をもらう離婚方法です。

 

裁判離婚の流れ

 

調停

裁判離婚は、必ずその前に調停を経ることになります。

日本では離婚の裁判には「調停前置主義」というものがあり、いきなり離婚の裁判は起こせません。

 

訴状の作成

弁護士に訴状の作成を依頼します。初回裁判はその約1ヶ月後に行なわれます。

 

裁判期日・証人尋問

裁判に行った時は弁護士がつくことが多いと思います。そして裁判の大部分は弁護士が対応できるため、当事者が行うこととしては実際には書面のやり取りがメインとなります。

ただ、証人尋問の時のみ本人が出廷する必要があります。

調停とは異なり、証拠によって裁判官が客観的に判断を下すものですので、離婚の根拠となる証拠をしっかり用意する必要があります。

 

判決

判決の書面をもらい、役所に届けて離婚成立です。

しかし実際は和解して終わることも多くあります。その場合和解調書を作成します。

 

判決の場合、書面には法律で決められたことしか書けませんし、それに不満があった場合控訴される可能性もあります。しかし和解調書の場合、より柔軟な対応が可能なため、両者の満足度がより高い結果になることが多いです。

なお、和解する場合は、本人の出頭が必要になりますので、注意が必要です。

 

裁判離婚は弁護士への依頼が必須

裁判離婚では、裁判の中で法律的な知識が必要になることはもちろん、尋問は裁判官からの質問によって進んでいくため、自分の主張が通らない場合も考えられます。

実務的には裁判時には弁護士をつけないことは珍しいと思います。なぜなら、裁判官に伝わるように話す必要があり、さらに裁判所特有の言語と呼ぶべき話し方もあるため、法律の専門家でないと自分の主張をすることが難しくなります。ぜひ裁判に行った場合は弁護士をつけることをお勧めします。

 

 

裁判離婚にかかる時間

前述のとおり、裁判離婚は調停が必須となります。

調停だけでも数ヶ月~数年かかることも多いですから、裁判も含めるとかなり時間がかかってしまうことが多いです。

当事者がお互い合意せず裁判までもつれ込んだ場合は、それなりの時間がかかってしまうことは知っておきましょう。

 

 

裁判離婚にかかる費用

裁判所に納める費用 2万円程度
弁護士費用 着手金 40~50万円程度
弁護士費用 成功報酬 弁護士によるので要確認

 


着手金に関しては、調停の段階で代理人費用を払っている場合、裁判では調停での代理人費用との差額分だけ支払うケースが多いです。

成功報酬については弁護士によって金額が違ってきますので、弁護士に代理を依頼する際はしっかり確認するようにしましょう

 

 

離婚をする際に弁護士に依頼するメリット

ここまで紹介してきた離婚方法全てにおいて共通する、弁護士に依頼するメリットとして、以下が挙げられます。

弁護士が相談者の立場に立ち、一歩引いて冷静に物事をみてくれる

②最終的に決まった事の法律的な意味を、当事者にわかりやすいように説明してくれる(理解不足からくる後のトラブルをなくす)。

知識と経験があるので、長期的な目線でアドバイスをくれるため、納得のいく結論を導ける確率が上がる。

 

こうしたメリットを最大限に活かすためには、信頼できる弁護士に依頼することがとても大切です。

弁護士は一度依頼して費用を支払ってしまうと、基本的にお金はもう返ってきません。価格だけで弁護士を選び、うまくいかずに途中で弁護士を変更することになると、出費が余計に増えてしまう上に、引継ぎにも時間がかかってしまいます。

弁護士を選ぶ際は、思っていることを伝えられるか、受け止めてくれるか、こうした相性を大事にしましょう

また、弁護士に依頼することで、離婚以外の選択肢が本当にないのかといった、相談者にとってよりよいと思われる選択肢が広がることもあります。

こうした選択肢を増やすためにも、弁護士に依頼する際はできるだけ早めに相談しましょう。

 

 

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この記事の作成者

カケコム編集部