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離婚調停で親権を獲得しやすくする方法は?ポイントを踏まえて弁護士が解説します。

離婚調停で親権を獲得しやすくするためには、何を準備すればいいのでしょうか。調停の際に重視されるポイントや、親権を得やすくするためにできることを、弁護士に解説していただきました。親権を取りたいけれど、何をすればいいかわからない方、是非参考にしてください。

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今回ご解説いただく弁護士のご紹介です。

 安藤 秀樹 弁護士

安藤法律事務所 代表弁護士
仙台弁護士会 所属

農学部出身。理系出身であることもあり、わかりやすく・納得のいく説明が得意。物腰柔らかく、気軽に相談できることを大事に弁護活動を行う。 

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離婚調停で親権者が決まるポイント5選

協議離婚では、当事者間のみの話し合いで親権者を決めるのに対し、離婚調停では、夫婦の間に調停委員が入って話し合いをおこないます。当事者間のみの話し合いである離婚協議より冷静に、論理的な話し合いを進めることができます。

調停委員が、夫婦のうちどちらが親権者になるのか最終的な決定をすることはありませんが、調停委員が話を整理し、そのなかで、調停委員が「もし裁判までいったらどうなるか」という意見を述べたり、夫婦のどちらかを説得することも多くあります。そのため、親権を決めるための離婚調停では、自分の方が親権者にふさわしいことを調停委員に納得させることが大切です。

 

ここでは親権者の決定に際し考慮される6つのポイントをご紹介します。

 

調停の親権決定ポイント(1) これまでの監護状況

これまで子どもとどれほどの時間を、どのように過ごしてきたかを見られます。

子育てを完全に半分ずつ負担している、という夫婦はあまりいないと思います。ほとんどの場合で、夫婦のどちらかがメインとなって子育てをしています。別居や離婚といった話が出るまで、子育てをメインで行ってきて、特に問題が発生していなければ、離婚後も親権者となり引き続き子育てをしていくのが適切と判断されることが多いです。

また、現在別居している場合には、子どもがどちらの親と暮らしているかも重要になります。現在暮らしている状況になじんでおり、問題が発生していない場合には、離婚後も親権者となり引き続き子育てをしていくのが適切と判断されやすいといえます。

 

調停の親権決定ポイント(2) これからの監護状況

離婚後、子育てに十分な時間が割けるかどうかが見られます。仕事が忙しく、子育てに十分な時間が当てられない場合、親権獲得は現実には難しいでしょう。逆にこれまで子育てを問題なくこなしてきた方なら、大丈夫でしょう。

「離婚後は働く必要もあり、ひとりで面倒を見きれるか不安」といった場合は、ご両親の手を借りたり、保育所に預けることを検討したり、周りの手を借りることを検討しましょう。

 

調停の親権決定ポイント(3) 心身の健康

子育てをするためには、育てる親が心身ともに健康であることも大切です。重い病気などがあり、子育てに支障がある場合、残念ですが親権獲得には不利になります。

そのような場合でも親権を諦めたくない場合は、子育てができることを客観的に証明する必要があるので、病院で診断書をもらいましょう。

 

調停の親権決定ポイント(4) 経済状況

子育てに必要なだけの十分な収入があるかどうかがみられます。しかし、経済状況は、例え収入が少ないとしても養育費でカバーされることも多いので、専業主婦であるなどの状況でも親権者になれないということはありません。

ただし、親権獲得には影響しなくても、離婚後実際に生活していけるかどうかは別問題です。離婚後の生活が経済的に苦しくなる見通しの場合、子育てと両立できる新しい仕事探しを検討しましょう。

 

ちなみに、収入が多いからお手伝いさんやベビーシッターに子育てを手伝ってもらうから大丈夫、というのは大きな間違いなので注意してください。理由としては、あくまでも親権獲得で重視されるのが親子の直接的な関わりであるからです。

 

調停の親権決定ポイント(5) 子どもの意思

子どもが15歳以下の場合、子どもの年齢が幼いほど(乳幼児など)は、親権は母親が獲得することが多くなります。ただし、それまでに父親が主に子どもの監護をしてきた場合などは、子どもが幼くても父親が親権を獲得することもあります。

子どもが15歳以上の場合、本人の意思確認がなされます。ここで確認された子どもの意思はかなり優先され、調停委員は子どもの意思に沿った形で親の説得に入るでしょう。

 

離婚調停で親権者になる確率をあげるには

親権を得やすくするには(1) 子育ての環境を整える

仕事でどうしても子育てに十分な時間がない場合などは、あなたの両親に手伝ってもらうことで、養育補助者がいる、という主張を行うことができる可能性があります。もし両親が現在近くに住んでいる、両親の近くや実家に引っ越すことができる場合は、両親に相談してみると良いでしょう。

ただし、どのように両親に手伝ってもらえば養育補助者がいると主張できるようになるかは弁護士にきちんと状況を確認してもらい、アドバイスをもらった上で実行に移すと良いでしょう。

 

親権を得やすくするには(2) 養育状況を記録に

普段の子育ての様子などをメモ日記で記録しておきましょう。

そうすることでこれらの記録が客観的な証拠となり、これまで子どもとどれほどの時間一緒に過ごしたか、どのように関わってきたかをアピールしやすくなり、親権を獲得しやすくなります。

 

親権を得やすくするには(3) 家庭裁判所調査官を味方に

離婚調停を行っている間に、必要があれば裁判所の調査官が自宅学校保育所などへ訪問し、普段の親子の様子や子どもの生活環境などを調査します。生活環境だけでなく、幼い子どもであっても意見を聞き、分析をしながら父母どちらが親権者としてふさわしいか、親権者の決定に影響する報告書を作ります。

そのため、調査官へのアピールは親権を獲得する上で非常に重要です。ただし、その場を取り繕うだけではもちろんだめですし、そういった虚栄はいずれ露見するでしょう。なので、きちんと今後もその環境を維持していくことが大前提です、注意してください。

 

親権を得やすくするには(4) 調停委員を味方に

調停は調停委員を介した話し合いで進行していきます。裁判官が調停委員の意見を聞くこともありますので、調停委員に、自分が親権者としてふさわしいことをしっかりアピールして、味方につけることも重要になります。

アピールというのは、子育てに向いている状況を自分が作れることを客観的に証明することになります。具体的には論理的に伝わるように調停委員に話したり、そのためにどんな準備をしているのか、ということを伝えてください。言葉だけではなく、しっかり行動もするようにしましょう。

 

親権を得やすくするには(5) 弁護士相談

親権問題に関わらず、離婚の条件などで揉めた場合は、早期に弁護士に相談することをおすすめします。自分の要求に相手が応じてくれない場合や、相手から要求された条件を過大だと感じた場合は、弁護士に相談するタイミングと言えます。

弁護士は法律に関する知識を持っているだけでなく、これまで数多くの離婚相談を受けてきた、という経験も武器です。なので、いままでの経験も踏まえた、その人の状況に応じた実践的なアドバイスが可能です。

また、最近では初回の相談を無料で行っていることも多いので、相談へのハードルはさほど高くないはずです。早めの相談だからこそ対応できた、ということもありますので、まずは相談してみましょう。

 

親権を獲得したい場合、絶対にやってはいけないこと

子どもの連れ去り

先ほど説明した通り、別居している場合には、実際に子どもと暮らしている側が親権者として指定されやすくなります。だからといって相手方の家で暮らしているという場合に、どうしても子どもの親権者になりたいからといって、現状や子どもの意思に反して子どもを連れ去るのは絶対にやめましょう。親権が獲得できなくなるどころか、犯罪行為になる恐れがあります。

 

虐待

子どもへの虐待は絶対にやめましょう。

離婚は人生の中でも最高ランクの強度のストレスとなります。そのような強い離婚のストレスがあるため、稀にそのストレスが子どもに向いてしまうことがあります。しかし離婚というのはそもそも夫婦間の問題です。子どもはその問題に巻き込まれているという認識をもちましょう。

 

親権が獲得できなかったら

離婚後の子どもとの面会交流をする

親権者になった場合も、なれなかった場合でも、面会交流は子どもにとって大切なことという認識を忘れないでいただきたいです。面会交流は親権を得られなかった親のため、という目的以上に子どもの発育にとって重要な意義を持っています。子どもが「自分にはお父さんもお母さんもいる」と安心して育つことができるように、調停の際に面会交流計画も決めておきましょう。

例えば、面会の頻度(月に何回、週に何回など頻度を決定する)や1回あたり何時間会うことが可能か、会う際に一緒に宿泊することは可能か、どこで会うか、電話やメールのやりとりをしてもよいかなど、のちのちこじれないよう、できるだけ詳しく決めておくべきです。

また、最初からすべての条件を決めずとも、「これくらいの期間が経過したら、宿泊での面会交流も検討する」といった条件を付ける夫婦もいらっしゃいます。

 

親権でお悩みの方へ、安藤弁護士からひと言

子どもの受けるストレスも考慮すべき

親権者を決める際はに大切なこととして、親権は子どもの福祉のために決めるべきものだということ、そして争う場合でも子どもを中心に考えるべきであるということ、これらの事実は履き違えてはならないと思います。長い離婚交渉は当人同士はもちろんのこと、子どもにとってもかなりのストレスです。争い続けることが正しいのか、子どものためになるのか、どうしても親権を譲れないほど子どものことを愛する方であるほど、考えていただきたいと思います。

また、調停で親権者が決まらずに離婚が成立せず、離婚交渉を継続する場合は裁判を行う必要があるわけですが、もし裁判になれば、時間や必要な手続き、集めるべき書類やかかる費用といった点は、さらに一気に多くなります。子どものストレスも考慮したうえで、それでも裁判に行くのか、譲りがたい条件ではありますが面会交流などで妥協できないのか、再度考えていただきたいと存じます。

 

最後に

このようなことを離婚といった極度のストレスの中で、一人で考えることは、なかなか苦しく難しいことだと思います。

弁護士に相談することによって、現状や見通しについて、法律的なアドバイスを受けられるだけでなく、味方が増えるといったことにも安心感を持って頂けます。それによって、自分の気持ちにゆっくり向き合う余裕もでき、解決が早くなる事例もたくさん見られます。

離婚で悩んでいる方は、是非お近くの弁護士にご相談ください。

 

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