離婚後ってどんな請求ができるの?財産分与・慰謝料・養育費と子どもについて
「とにかく一刻も早く離婚したい」「知識が無かったために自分に不利な条件で離婚してしまった」などと言う時に、もう一度金銭面や子供の問題を請求したいと思う事もありますね。離婚してしまえばそれで終わりというわけではなく、離婚後でも財産分与や子供についての取り決めを決め直す請求が出来るのです。

離婚後ってどんな請求ができるの?
離婚を考えている人は、離婚後の生活や子どもの親権など不安な事があるでしょう。
今までの生活がガラリと変わってしまうのですから心配なことが山ほどあると思います。
そんな不安を少しでも解消するために、いくらかお金が必要になる場合もありますし、きちんと二人で購入した財産が分けられるのかも気になります。
離婚の話し合いをした時は思いもよらなかった問題が、あとになって起こる事もありますね。
離婚後に出来る請求にはどんな物があるのか、財産分与・慰謝料・養育費と子どもに関する請求を中心に見ていきましょう。
離婚後のお金はどうなる?お金に関する請求~財産分与・慰謝料・養育費など

離婚すると今まで二人の収入を合わせて行ってきた生活を、自分ひとりでやっていかなければならなくなります。
生活にかかるお金やローンの返済、お金の事はしっかり話し合い不利益な事があれば請求し直したい物です。
離婚後にはどのようなお金に対する請求が出来るか見ていきましょう。
財産分与請求権の行使について
意外と知られていない事ですが、離婚が決まった後でも、2年間は財産分与の請求を行う事が出来るのです。
離婚した後になって、やはり財産分与請求をしたい、財産分与が不平等に感じる、と思われたら、もう一度財産分与の請求ができる場合があります。
しかし、不動産による財産分与は登録免許税や固定資産税が課税されることに注意が必要です。
メリットとデメリットを比較し、専門家を通して話し合う事が損をしない方法と言えるでしょう。
離婚慰謝料の請求
離婚の原因がどちらか一方の不倫などの有責行為によるものの場合には、被害者となった方から相手に対して慰謝料を請求する事ができます。
これは、基本的には財産分与とは別に請求できます。
しかし、財産分与が慰謝料を含む趣旨で請求されている場合には同じ損害について別に慰謝料請求はできません。
養育費の請求はどうする?~養育費の請求手続について
子どもを育てると決まった側が、相手に対して請求できるのが養育費です。
母親が親権を得た場合、離婚をしても親子関係は失われないので、父親は扶養義務として養育費を支払う必要があることになります。
離婚後の子どもに関する請求~親権者や監護権者の変更・面会交流・子の引渡しなど

子どもに対する離婚後の問題は、何もお金に限った事だけではありません。
養育費の他にも子どもと別れる側から、養育する側に請求できる事もあります。
親権者・監護権者の変更の請求について
離婚する時に親権や監護者の取り決めをします。
このどちらも、離婚した後でも変更する事が出来るのです。
離婚時の話し合いで親権が決まり、子どもが相手に渡ったけれどその後の子供の様子を見ていると、どうしても自分が面倒を見た方が子どもを幸せに生活できるのではないかと確固とした判断が出来る場合もあります。
このような場合には、子どもの利益に重点を起き、親権者変更調停の申立や監護権の変更ができるのです。
面会交流権についての請求
子供の面会権についても、離婚後のお互いの状態や子どもの成長によって変更を請求する事が可能になってきます。
例えば、子どもが大きくなったことで、それまで必ず養育親が同伴するようにしていた取り決めを、子どもと別れた親の2者だけで行うようにしたりするのがこれに当たります。
また、決められた面会権を子どもの事情ではなく、養育者により阻害された場合は「面会交流の不履行」として調停申し立てを起こす事が可能になってきます。
子の引渡請求
離婚する時に子どもがいる場合は、親権者を決める事になっています。
その時に決めた親権を無視して、別れた親が無理やり子どもを連れ去るということも起こり得ます。
そのような場合には、子どもの引渡請求を行う事ができます。
子どもに与える影響をよく考え子供の福祉という観点で審査が行われることになります。
いずれの場合も中心とすべきは「子の利益」!!

離婚をする時も、した後でも子どもに関する請求は臨機応変に変更する事が出来るようになっています。
これは、子どもの利益を一番の判断材料とするという考え方があるからなのです。
子の利益は現状維持が最優先される
子どもが成長する家庭で、とりまく家庭環境の大きな変化は精神的にも肉体的にも良くない物とされています。
その事から、離婚後の子どもの利益として「(離婚前の)現状の維持」が良しとされているのです。
それまで子どもが食べ慣れてきた食事を作っていた人、清潔な服を用意してくれていたり、部屋の掃除を行って来た人に親権が渡りやすいのはこのためです。
もちろん、新しい環境が子どもに悪い影響を与えるものではない場合もあります。
しかし、それはその時になってみないとわからない事なので、判断材料としては弱くなってしまいます。
子どもが現状の生活を維持できる事により、子どもの利益は守られるという見方がされるのです。
子どもの成長に与える影響も問題
子どもの利益には現状維持を良しとするというお話をしましたが、それに加味して子どもの成長に対する問題も「子どもの利益」の判断材料となります。
それまでいくら母親が面倒を見てきたからと言って、離婚後は母親も仕事をしなければならないため、保育園に入れられたり一人で留守番をする機会が多くなってしまっては意味がないと言う事です。
父親に引き取られた場合に祖父母が面倒を見てくれるという場合は、その方が「子供の利益」であると判断されることもあり得ます。
離婚後ってどんな請求ができるの?財産分与・慰謝料・養育費と子どもについてのまとめ

離婚後でも行う事が出来る請求について見てきました。
いかがでしたでしょうか?
離婚をする時には、辛い事から逃げようという思いだけで考えが足りなかった事もあるでしょう。
しかし、落ち着いて考え直してみたら……という時にも、後から請求できる事があり安心された方も多いのではないでしょうか。
しかし、離婚後という事もあり話し合いも難しくなっている場合が想定されます。
そんな時には、頼りになる離婚問題に強い弁護士に相談して請求作業を進める事をおすすめします。