養育費は口約束で決めないで!養育費が支払われない場合の対処法5選

養育費を口約束で取り決めてはいけません。この記事では、なぜ口約束ではいけないのか?について説明をしていきます。口約束で決めてしまったときの適切な対処法についても説明をしますので、養育費のことで悩んでいる人は、最後までお読みください。

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目次

養育費を口約束で決めるのはダメ?公正証書など書面にすべき?

養育費を合意書や公正証書で残しておくにはなかなか手間がかかりますが、メリットもたくさんあります。
 
これから養育費の取り決めをするという方は、口約束ではなく、書面でするように心がけましょう。
 
この記事では、書面で養育費を決めるときのポイントについての説明をしていきますので、参考にしてみて下さい。
 
また、口約束で養育費の取り決めをしてしまったときの対処法についても説明をしていきますので、口約束で決めた養育費が払われなくなったという方も、ぜひ最後までお読みください。

養育費について口約束で決めてもいい?

書面での養育費の取り決めはなかなかハードルが高いため、つい口約束で決めてしまいがちですが、書面での取り決めには様々なメリットがあります。
 
子どもの生活を守る養育費ですから、きちんと最後まで受け取りましょう。

養育費について口約束で決めることは可能

法律上、養育費についての取り決めは書面で残さなければならないという決まりはありません。
 
そのため、口約束で養育費について決めることも可能です。
 
ただし、口約束だと、後々問題が生じる可能性があります。

支払いが遅れたときのために合意書を作っておくのが得策

養育費の支払いが滞った場合、口約束で取り決めをしていると、相手に支払を求めることが難しくなります。
 
養育費支払の約束をしたと主張をしても、そんな約束はしていないと言われて水掛け論になってしまうことも。
 
しかし、合意書を作成しておくと、調停や審判となった場合でも証拠として提出できますし、養育費を支払ってもらえる可能性が高くなります
 
合意書のひな形を法務省がホームページに掲載しているので、このひな形をダウンロードして使用するといいでしょう。
 

公正証書を利用すれば支払いが遅れたときに強制執行が可能に

公正証書とは、「私人(個人又は会社その他の法人)からの嘱託により、公証人がその権限に基づいて作成する文書」のことです。
 
公正証書を作成するときには、公証役場に行く必要があります。
 
執行認諾文言が記載された公正証書を作成しておくと、養育費の支払いが遅れた場合に相手の給料や銀行預金などを差押えて、そこから支払いを受けることができます(強制執行)。
 
執行認諾文言とは、「約束通りに支払いをしなかった場合には、強制執行を受けることを了承する」旨が示されている文言のことです。
 
養育費を決める際には、口約束ではなく、書面で残すことが大切だということがわかって頂けましたか?
 
ここからは、実際に養育費の合意書・公正証書を作成する際に話し合うべきことについて説明をしていきます。
 
ここから先の内容は、1つでも欠けると大変なことになるおそれがありますので、きちんとチェックをしていきましょう。

養育費の合意書の作成(1) 支払期間

まずは、子どもが何歳になるまで養育費の支払いを続けるのか?(支払終期)について話し合いましょう。
 
支払終期は子どもが20歳までとするのが原則です。
 
しかし、現在の家庭の経済状況や親の学歴などから、子どもも大学に通わせる可能性が高い場合には、
  • 「子どもが22歳になるまで」
  • 「大学卒業まで(浪人・留年は1回まで認める)」
という決め方をするのもおすすめです。

養育費の合意書の作成(2) 金額

次に話し合う必要性が高いのは、養育費の金額についてです。

金額についても話し合って決めることができますが、その際に参考になるのは東京・大阪養育費等研究会が策定した「養育費算定表」です。

この算定表は、調停・審判の際に家庭裁判所でも参考にされているものなので、安心して使用することができます。

ですが、養育費はあくまで個々の家庭の事情に則して決定されるのが望ましいので、算定表が絶対的な基準というわけではありません。

算定表を参考にしつつ、ちょうどいい額の養育費を決めるのが理想的です。

養育費の合意書の作成(3) 支払時期

次に決めるべきことは、養育費の支払時期についてです。
 
支払時期は、例えば「毎月25日までに支払いをする」という風に決めましょう。
 
支払時期を決めるときは、安定して支払いをしてもらえるよう給料日後などに設定するのがおすすめです。

養育費の合意書の作成(4) 支払方法

支払終期、金額、支払時期について合意ができたら、支払方法についても話し合いましょう。
 
  • 振り込みの場合…どの銀行の口座に振り込みをするのか
  • 郵便為替や現金手渡しの場合…どこの住所にを引渡し場所にするのか
支払方法をきちんと定めていないと、実際に養育費を支払ってもらうときに困りますので、しっかりと話し合うことが大切です。

養育費の合意書の作成(5) 面会交流

養育費についての合意内容がまとまったら、面会交流についても一緒に決めておきましょう
 
面会交流とは、離婚後に子どもと一緒に暮らしていない親が子どもと会ったりして交流することをいいます。
 
面会交流の内容は養育費とは直結しませんが、離婚後の子どもをめぐる問題として密接な関係性があるため、養育費についての取り決めと一緒に決めておくことをおすすめします。

養育費について口約束で取り決め支払われなくなったときは?

すでに養育費を口約束で決めてしまい、支払われなくなってしまったという方でも、まだ諦める必要はありません。
 
ここからは、そういう場合の対処法をお伝えしていきます。
 
養育費は子どものための大切なお金ですので、なんとか支払ってもらえるよう頑張りましょう。 

養育費が支払われない場合(1) 改めて公正証書作成を検討

養育費が支払われていない場合には、改めて公正証書を作成することをおすすめします。
 
ただし、公正証書は元配偶者(別れた妻・夫)と一緒に公正役場に行く必要があるので、相手に支払う意思がない場合には難しいかもしれません。
 
相手に支払いの意思がある場合に限定されますが、今後の未払いを防ぐことができる有効な手段です。

※公正証書がなくとも、以下の調停手続きに進むことは可能です。

養育費が支払われない場合(2) 家事調停の申立をする

家事調停は、「夫婦や親子関係に関する紛争を解決するために行われる手続き」です。

裁判官と民間人から選ばれた調停委員が間に入って、それぞれの言い分をよく聞きながら、あくまで話し合いによって解決を目指します。

裁判とは異なり非公開の場で行われるので、当事者と調停委員以外にもめ事の内容が知られることはありません。

話し合いでは話がまとまらず、調停不成立となった場合には家事審判に移行します。

家事調停手続きでは調停調書を、家事審判手続きでは審判調書を作成してくれ、これらは養育費や親権など様々なことに関する決めごとが記載されます。

家事調停手続きは、約4ヶ月程度かかることが一般的です。

養育費が支払われない場合(3) 家庭裁判所に履行勧告・履行命令をしてもらう

養育費の金額等が家事調停・家事審判で取り決められている場合には、家庭裁判所から相手に支払いをするように勧告や命令をしてもらうことができます。

この手続きには費用がかからないのでコストを抑えられますが、この手続きでは養育費の支払いを相手に強制することはできないというデメリットがあります。

養育費が支払われない場合(4) 強制執行する

相手の給料や財産を差し押さえて、強制的に支払いをさせることができる強制執行は、とても便利な手続きです。
 
しかし、相手の財産に直接的影響を与えるため、判決文や調停調書、執行認諾文言が記載された公正証書等が必要になります。
 
養育費については、公正証書で決めごとを残しましょう。

養育費が支払われない場合(5) 弁護士に相談する

口約束で養育費を決めてしまい、その後支払われなくなった場合には、子供のためにも養育費がきちんと支払われるようにしなければいけません。
 
そのためには、元配偶者と交渉したり、裁判所の手続きを利用して強制的に払わせる必要があります。

しかし、交渉を個人でやるともめ事がこじれる可能性が高い上に、裁判所の手続きの利用には法的知識が必要で、労力も時間もかかってしまいます。

そこで頼れるのが、離婚や養育費の問題のプロである弁護士です。
 
弁護士は法律のエキスパートとして、養育費を取るための適切な手段を駆使してくれるだけでなく、あなたの代理人として裁判所などへ代わりに行ってくれるので、かかる労力が最小限で済みます

養育費は口約束で決めないで!養育費が支払われない場合の対処法5選のまとめ

養育費は子どもの権利であり、子どもの生活を守る大切なお金です。
 
口約束での養育費の取り決めは様々なデメリットがある上に、将来の紛争の原因になることもあります。
 
そのため、養育費について取り決めをするときには、必ず合意書や公正証書といった書面で残すように心がけてください。
 
口約束で取り決めをしてしまって困っているという人は、なるべく早く弁護士に相談をして子どもの権利を守ってあげましょう。
 
 
この記事の作成者

カケコム編集部