電話詐欺の手口と事例!不審な電話に注意
「電話詐欺」は様々な現代の詐欺の手口の一つです。「電話詐欺なんて本当に騙されるの?」とお思いの方も多いと思います。しかし人間の聴覚は決して完全ではなく、さらに人間の脳には実際に「聞こえた音」を修正して理解する仕組みがあります。ましてや電話先の声を人別に聞き分けることはさらに難しくなります。この点を悪用した現代的な詐欺が「電話詐欺」だと言えるでしょう。今回はこの電話詐欺に関して注意点をお伝えします。

電話詐欺の様々な手口7選

このような「電話詐欺」を警察などの業界では「特殊詐欺」と呼びます。何が特殊かというと、「詐欺」といえば実際に加害者と被害者が顔を合わせて行われるものが多かった時代に、インターネットや携帯電話を利用した全く新しい詐欺の形が生まれたので総じて「特殊詐欺」と呼ばれたようです。
この電話詐欺はさらに「振り込め詐欺」と呼ばれる4類型と、それ以外3類型の7種類があり、近年は巧妙かつ多様になってきています。本記事では実例に触れつつ、それぞれの詐欺の特徴をまとめます。
振り込め詐欺の4類型
1. オレオレ詐欺
親族(特に息子)をかたって金銭を請求するのがこの詐欺の基本的な手口です。しかしこの詐欺は二段階で行われています。
第一段階として「アポ電」と呼ばれる「電話番号の変更」を告げる電話をします。この数日後に第二段階として個人的で緊急的に金銭が必要となる事態を連絡してくるのです。
第二段階のネタとなっているのは
①鞄や財布を紛失した、
②痴漢をしてしまった・妊娠させてしまった、
③会社の金を横領してしまった、
などといった「一家一族の恥」となりうる事態ばかりです。
さらに実際の事例によると金銭の受け取りは上司や同僚といった本人以外によるものがほとんどであるという特徴も見られます。
2. 架空請求詐欺
使用していない通信料や会員費などの料金を請求し金銭をだまし取る手口です。この手口は極めて多様ですが多く場合で金銭を「レターパック」や「宅配便」などで郵送することを要求しています。
実際にどのようなものが請求されるかといえば「インターネットサイトの利用料金」が多いです。中でもアダルトサイトなどに関係した架空請求は他人に相談しづらいので、被害件数が多い現状です。
また「支払わなければ訴訟を起こす」や「信用情報機関へのブラック入り」などといった脅し文句をつけているものも多くみられます。3. 融資保証金詐欺
被害者にとって「好意的な条件で融資する」などと勧誘して、融資を申し込んできた者に対し、保証金等を名目に現金を振り込ませるなどしてだまし取る手口です。
例えば、被害者がインターネットサイトで見つけた「無担保で融資」をうたうA社に融資を申し込んだところ、A社から「融資するためには入金実績が必要、指定する金額を振り込んでほしい。」等との連絡を受け、相手が指定した口座に現金を振り込んだ。さらに「融資前に事務手数料が必要」などと言われ追加で振り込んだ。という事例もあります。
4. 還付金詐欺
税務署や区役所等などの公的機関を名乗り「税金や医療費等を返還します」と話をもちかけ「今日が手続きの締め切りです」とせかしたうえでATMに行かせ、携帯電話で指示をし、お金振り込ませる手口です。
例えば、被害者に公的機関を騙る者から「医療費の還付がある。社会保険事務所の電話番号を教えるので連絡してください。」等との連絡があり、指示された電話番号に架電すると、担当者を騙る者が対応し「ATMに行き、私の言うとおりに操作してください。」等と指示し、現金の振り込み手続をさせた。という事例が報告されている。
その他の特殊詐欺の3類型
5. 金融商品取引詐欺
実際には対価ほどの価値がない有価証券、外国通貨又は架空の有価証券等について、電話などにより虚偽の情報を提供し、購入すれば利益が得られるものと思わせて、購入を申し込んできた被害者から現金をだまし取る手口です。
実際にあった被害を見てみると、A社からパンフレットや未公開株申込書などが送られてきた後、B社の甲と騙る者から「資料は届いていますか、A社の株は選ばれた人にしか買えない。絶対に儲かるから購入した方がいいですよ。」等との連絡を受け、自宅に来たA社を騙る者に株購入金名目として現金を受け渡した。
6. ギャンブル必勝情報提供詐欺
競馬やロト6・宝くじなどに関して「当選確実」などとうたって話を持ち掛け、情報提供料金を請求してきます。実際の結果が出る前に情報料金を請求してくるので、ギャンブルが好きな人は被害者となりやすい手口です。
「パチンコの攻略法指南」や、ロトや宝くじの「当たり番号情報」、「競馬必勝情報」などで虚偽の情報を提供し、これを名目に現金を振り込ませ、だまし取るような事例が確認されています。7. 異性との交際あっせん等詐欺
雑誌やメール、サイト上で「独身女性紹介」や「婚活支援」などと掲載し、これに申し込んだ人に対して、虚偽の異性の情報を提供したりした後、会員登録料や保証金等の名目で現金を振り込ませたり、サイト上で高額なポイント等を購入させ現金をだまし取る詐欺をいいます。
「デートするだけでお金がもらえる」などと持ち掛けられ、実際に一度だけ女性と会され、「会員費」などとして高額を請求される事例があるほか、女性を騙って金銭を請求するなどといった手口も確認されています。
なりすましの手口3選

親族になりすます手口
「オレオレ…」こんなことを言うだけで本当に人が騙されてしまうのでしょうか。多くの人にとってこの「オレオレ詐欺」ほど信じがたいものは少ないかもしれません。しかしここには重要な二つの手口が潜んでいるのです。
①「電話番号を変えた」
上の箇所でも触れましたが、この「電話番号を変えた」という電話のことを「アポ電」といいます。このようにしてオレオレ詐欺は被害者の電話帳を書き換えさせ、さらに「耳」を慣れさせるのです。
②「家族の恥になる…」
さらに実際の詐欺の場面で詐欺師たちは痴漢や横領といった一家一族の「恥」もしくは「汚点」となるような事件を騙ります。さらにこの詐欺は同性の親子間では極端に少なく、「異性の子を思う親心」と「家族を大切に思う心」を悪用した詐欺だと言えます。警察官や銀行員、市役所職員などになりすます手口
「○○警察・刑事課の○○です。」こんな電話がかかってきたら緊要しますよね。
さらに「あなたの口座が振り込め詐欺に使われています。このままだと預金が下ろせなくなる。銀行協会の職員を伺わせます」などと言われればどんな人でも気が動転するでしょう。
この公的機関の電話特有の緊張感を悪用して、詐欺師たちは言葉巧みに通帳とキャッシュカードを受け取り、更には「手続きをスムーズに行うため」などと言って、キャッシュカードの暗証番号を聞き出します。裁判所職員になりすます手口
この手口も警察や市役所からの電話を受けた時の人間の心の動きを同じように利用したものです特徴としては、「弁護士」や「裁判所職員」をかたる者から、「特別起訴通知書」や「資産の差し押さえ」などといった法的な措置を一方的に通知をされる点にあります。
法的な事柄が有する「権威」とその事柄への「なじみのなさ」という私たちの誰もが共通してもっている感覚を悪用しています。電話詐欺の被害に遭わないために

電話詐欺の被害に遭わないためには、自分がいつ騙されるかわからないと言う自覚を持っておくことです。相手が詐欺だと認識できないからこそ危険なのですから注意深く毎日を過ごすよりも騙されそうになっても安心という仕組みを作っておきましょう。
まず推奨されるのが防犯機能です。詐欺師は録音されることを嫌うため録音すると自動音声で告げるだけでも効果が期待できます。ちなみに、他の迷惑電話にも効果があるようです。また、怪しい電話の時には必ずすぐに答えず保留にして心を落ち着かせましょう。
他には電話が来たら、すぐに名乗った相手に返してみましょう。そうすれば本当に正しい電話だったのか嘘だったのかがわかります。
差し迫った詐欺、脅迫はまずは警察に連絡して身を守りましょう。
既に奪われてしまったお金を取り戻す場合も住所と名前を突き止めた上で弁護士への相談が望ましいです。