法定相続人って?法定相続人の範囲・遺産相続順位とは?

法定相続人とは、具体的に誰のことを指すのでしょうか?また、相続財産を分ける割合はどうなるのでしょう?この記事では、この2つのポイントを主に解説していきます。相続財産を分ける割合は、実は誰が相続人になるのか?で大きく変わってくるんですよ。知らないと損をしてしまうかもしれませんので、しっかりチェックをしていきましょう。

相続(14)
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法定相続人って誰?どのくらい相続できる?

「法定相続人という言葉はテレビなんかで聞いたことはあるけど…具体的には誰が相続人になるの?」
 
そんな悩みの声をよく耳にします。
 
また、相続はお金が絡む問題でもありますから、正直いくらもらえるの?という点も気になるのではないでしょうか?
 
今回は、誰が相続人として法律で定められているのかを中心に、相続割合についても解説をしていきます。
 
なるべくわかりやすく説明をしていきますので、法定相続人について詳しく知りたいという方は、ぜひ最後まで目を通してみてくださいね。

法定相続人とは?

「法定相続人」とは、どういう人のことをいうのでしょうか?
 
民法の条文も挙げて説明していきます。

法定相続人は民法に規定されている

法定相続人とは、民法で規定されている相続人のことをいいます。
 
具体的にいうと、以下の条文によって誰が相続人となるのか?ということが定められています。
 
  • 民法887条
  • 民法889条
  • 民法890条 
つまり、法定相続人とは、被相続人(相続をされる側の人)が亡くなったと同時に、法律によって自動的に相続の権利を取得する人のことをいうんですね。

法定相続人の範囲はここまで!

さて、それでは法定相続人の範囲についてみていきましょう。
 
法定相続人の範囲というのは、言い換えれば、法定相続人になる可能性があるのは誰なのか?ということです。
 
法定相続人となる可能性があるのは、被相続人と以下の関係にある人たちです。
 
  • 配偶者
  • 直系卑属
  • 直系尊属
  • 兄弟姉妹

直系卑属とは、簡単にいえば被相続人の子どもや孫のことをいいます。

これに対し、直系尊属とは被相続人より上の世代、父母や祖父母のことを指します。
 
注意しておきたいのは、法定相続人の範囲内の人全員が必ずしも法定相続人になるわけではないということです。
 
あとで詳しく説明をしますが、法定相続人の中には順位があり、順位の高い人から相続人になるということが法律で定められているので、法定相続人の範囲内であっても、相続人にならない人もいるのです。

法定相続人以外の人へ相続財産がわたることも

法定相続人は法律で定められた相続人ですが、日本では、法定相続人以外の人に死後財産を残すことも認められています
 
その制度は「遺贈」や「死因贈与」といい、この2つのいずれかを使えば、法定相続人以外の第三者にでも相続財産を渡すことができます。
 
簡単に説明をすると、「遺贈」とは、遺言によって相続財産を特定の誰か(相手が法人などの場合もあります)に譲り渡すことをいいます。
 
これに対し、「死因贈与」とは、被相続人が生前に特定の誰かと「私の死後、○○に私の家を譲り渡します」というような契約を結び、それによって被相続人の死後に相続財産が譲り渡されることをいいます。
 
「遺贈」と「死因贈与」の大きな違いは、契約があるかないか?ということです。
 
契約がない場合は簡単に財産の受け取りを拒否できますが、契約がある場合には、自分の意思だけで財産の受け取りを拒否することができません。

法定相続人の相続順位とは

法定相続人の範囲の次は、法定相続人の相続順位についてみていきましょう。
 
法定相続人の相続順位は、最終的に誰が相続人となるのか?を決定するものなので、しっかりと把握することが大切です。

必ず相続人となる:配偶者

被相続人(相続をされる側の人)に配偶者(夫・妻)がいる場合、その人は必ず相続人となります
 
ただし、以下で詳しく説明をしますが、「相続欠格」「相続廃除」の場合には、相続人となることはできません
 
このルールは、直系卑属・直系尊属・兄弟姉妹にも適用されます。

相続人第一順位:直系卑属

「直系卑属」とは、被相続人の子どもや孫のことをいいます。
 
被相続人に子どもや孫といった子孫がいる場合には、その人達が相続人となります。
 
ただし、被相続人の孫が相続人となるのは、被相続人の子どもがなんらかの理由で相続人となれない場合のみです。
 
後で具体的に説明をしていきますが、以下の3つの場合にのみ、孫が相続人となります。
 
  • 子どもがすでに死亡している場合
  • 子どもが相続欠格者の場合
  • 子どもが相続廃除されている場合

また、子どもも孫も上記の3点のいずれかに該当しており、ひ孫がいる場合には、ひ孫が相続人となります。

相続人第二順位:直系尊属

「直系尊属」とは、被相続人の父母や祖母のことをいいます。
 
この人たちは相続人の順位としては第2位になりますので、さきほど説明をした直系卑属がいない場合、または、直系卑属が相続人となれない場合に限り、相続人となります
 
基本的には被相続人の父母が相続人となりますが、以下の場合には被相続人の祖父母が相続人となります。
 
  • 父母が両方ともすでに死亡している場合
  • 父母が両方とも相続欠格者の場合
  • 父母が両方とも相続廃除されている場合

相続人第三順位:兄弟姉妹

兄弟姉妹とは、被相続人の兄弟姉妹を指します。

配偶者側に兄弟姉妹がいても相続人としての地位を得ることはありません。

また、被相続人の兄弟姉妹は相続人の順位としては第3順位となりますので、直系卑属と直系尊属がともにいない場合、または、どちらも相続人になれない場合にのみ相続人となります

  • 兄弟姉妹がすでに死亡している場合
  • 兄弟姉妹が相続欠格者の場合
  • 兄弟姉妹が相続廃除されている場合

上記の3つの場合には、兄弟姉妹の息子や娘、つまり、被相続人から見れば「甥」「姪」にあたる人物が相続人となります。

注意したい代襲相続

相続人の優先順位は第1位が直系卑属、第2位が直系尊属、第3位が兄弟姉妹と説明をしましたね。

上述しましたが、直系卑属である被相続人の子どもAが死亡している場合、Aに子どもBがいると、相続する権利は被相続人の孫であるBに移ります。

これは「代襲相続」と呼ばれる制度で、親が死亡している場合、または、「相続欠格」や「相続廃除」になっている場合に、子が親に代わって相続権を得るという制度です。

そのため、被相続人の父母が亡くなっている場合は被相続人の祖父母が相続権を獲得しますが、これは「代襲相続」とはいいません。

また、相続人第一順位の直系卑属の場合は、子→孫→ひ孫→玄孫→…という風に限りなく代襲相続されていきますが、兄弟姉妹の場合はその子(被相続人から見れば甥・姪)までしか代襲相続されないというのも大きなポイントです。

相続欠格・相続廃除とは

相続欠格」とは、以下のいずれかに当てはまる行為をしたことによって、自動的に相続人になれなくなることをいいます。

  • 被相続人・先順位の相続人・同順位の相続人を故意に死亡させる、または、死亡させようとした場合
  • 被相続人の遺言を妨害(破棄・変造・偽造・隠匿など)しようとした場合

これらの行為は正常な相続が行われることを妨害する行為なので、このように厳しい規定が置かれているんですね。

これに対し、「相続廃除」とは、被相続人が家庭裁判所に「○○を相続人から廃除したい」という申し立てを行い、家庭裁判所の判断によってその人の相続権を剥奪することをいいます。

ただし、相続廃除が家庭裁判所に認められるためには、廃除対象者が「遺留分を有する推定相続人」であり、さらに、以下の2つのうち、いずれかの行為を行っている必要があります。

  • 被相続人に対する虐待・侮辱行為
  • その他の著しい非行

また、「遺留分を有する推定相続人」とは、簡単に説明をすれば、配偶者・直系卑属・直系尊属の中で、今現在相続が開始されたと仮定をした場合に、相続人になる人のことを指します。

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法定相続人が相続放棄をしたら?

法定相続人が相続の放棄をしたらどうなるのでしょうか?
 
詳しく説明をしていきます。

相続放棄とは

相続放棄」とは、被相続人の死亡後に家庭裁判所に申述をすることで、全ての相続財産の受け取りを放棄することをいいます。
 
相続財産にはプラスの資産(お金や不動産など)だけではなく、マイナスの資産(借金など)も含まれるので、手元に残るお金よりも借金の方が多い場合には、相続放棄が検討されることがあります。
 
また、親戚間の相続争いに巻き込まれたくないから、という理由で相続放棄をする方もいらっしゃいます。

同一順位の中の1人が相続放棄をした場合

同一順位の中の1人が相続放棄をした場合、他に同順位の人がいれば、下位の順位の人は相続権を得ることはありません
 
例えば、被相続人Aさんに子どもB・C・Dがおり、その中でBさんだけが相続放棄をした場合、相続順位は下位に移らないので、CさんとDさんが相続人となります。

同一順位の全員が相続放棄をした場合

同一順位の全員が相続放棄をした場合は、相続順位が下位に移ります
 
つまり、被相続人Aさんに子どもB・C・Dと父母E・Fがおり、子どもであるB・C・Dが全て相続放棄をした場合には、Aさんの父母であるEさんとFさんが相続人となるということです。

相続放棄と代襲相続の関係

そこで気になるのが、相続放棄をした場合、代襲相続はされないの?ということだと思います。

結論からいいますと、相続放棄をした場合には、代襲相続はされません

その理由としては、民法上、相続放棄をした人は、最初から相続人とはならなかったとみなされるため、代襲相続される相続権が発生しないことになるからです。

基本的に相続放棄はマイナスな出来事があるから行うはずなので、あまり問題はないかもしれませんが、頭に入れておいてくださいね。

法定相続人間の相続割合はどうなる?

さて、それでは次は、気になる法定相続人間の相続割合についてみていきましょう。

パターン1:配偶者と子が相続人の場合

被相続人の配偶者と子どもが相続人の場合は、それぞれ2分の1ずつの財産を受け取ることになります。

同一順位の相続人が複数いる場合には、法定相続分を均等に分けることになります。

例えば、子どもが2人いる場合には、以下のように計算をします。

  • 配偶者:2分の1
  • 子ども1:2分の1×2分の1=4分の1
  • 子ども2:2分の1×2分の1=4分の1

パターン2:配偶者と父母が相続人の場合

被相続人の配偶者と父母が相続人の場合には、配偶者が3分の2、父母が3分の1の割合で財産を受け取ります。

父母が両方とも生存している場合には、3分の1を均等に分けることになりますので、計算式は以下のようになります。

  • 配偶者:3分の2
  • 父:3分の1×2分の1=6分の1
  • 母:3分の1×2分の1=6分の1

パターン3:配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合

被相続人の配偶者と兄弟姉妹が相続人となる場合には、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1の割合で相続することになります。

兄弟姉妹が複数いる場合は、4分の1を均等に分けることになりますので、計算式は以下の通りです。

  • 配偶者:4分の3
  • 兄:4分の1×2分の1=8分の1
  • 妹:4分の1×2分の1=8分の1

ただし、兄弟姉妹の中に、被相続人と同じ父母が片方しかいない場合には、その人は、被相続人と両方の父母が同じ兄弟姉妹の相続分の2分の1を相続することになります。

先ほどの例で妹が被相続人と父親しか同じではなかった場合は、以下の計算式になります。

  • 兄:4分の1×3分の2=6分の1
  • 妹:4分の1×3分の1=12分の1

パターン4:配偶者・子・父母・兄弟姉妹いずれかだけが相続人の場合

相続人が被相続人の配偶者・子ども・父母・兄弟姉妹いずれかだけしかいない場合は、その人が相続財産を100%受け継ぐことになります。

同一順位の相続人が複数いる場合は、相続人間で相続財産を均等に分けることになるのは先ほどまで説明をしてきた場合と同じです。

弁護士に相談をするメリットとは

「うちは平和だし、弁護士に相談をするまでもないんじゃ…?」

そう考えているあなたのために、弁護士相談のメリットをまとめてみました。

弁護士相談のメリット1:的確なアドバイスをもらえる

弁護士に相談をする大きなメリットとしては、的確なアドバイスをもらえるというのが真っ先に挙げられます。

弁護士に相談をすることで、「誰が相続人になるのか?」「相続放棄をした方がいいケースなのか?」などについて、正確なアドバイスをもらえますよ。

弁護士相談のメリット2:遺産分割協議の仲介をしてもらえる

また、相続開始後は「遺産分割協議」という協議を行い、「遺産分割協議書」を作成する必要があります。

この協議は相続人全員で行わなければいけませんが、人間関係が良くない場合などでは、なかなかスムーズに協議が行えないことも。

そんな時でも、第三者である弁護士が立ち入ることで、スムーズに遺産分割協議を進めることができますよ。

弁護士相談のメリット3:交渉を有利に進めてもらえる

相続はお金が絡む問題なので、普段は仲の良い家族でも、相手を出し抜いてやろうと画策する人が出てくることも。

そんな時でも、正しい法律知識を持った弁護士がいれば、相手の無茶な要求をはねのけて、依頼者に有利なように交渉を行ってくれます

弁護士相談のメリット4:調停や裁判になっても安心

遺産分割協議が整わない場合は、家庭裁判所で調停を行うことになります。

また、遺言書が本当に効力のあるものなのか?を争うために裁判に発展することもあります。

弁護士にあらかじめ相談をしておけば、調停や裁判に発展したときも、スムーズに対応をしてもらうことができますよ。

費用が気になるなら、無料見積もりがおすすめ

弁護士のメリットはわかっても、費用が気になるし、自分にあった弁護士が見つけられるか不安…という声を耳にすることも。

そこでおすすめなのが、トラブル解決プラットフォームであるカケコムです。

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また、カケコム認定弁護士に無料で相談・見積りをもらうこともできますので、費用の面でも安心です。

法定相続人って?法定相続人の範囲・遺産相続順位とは?のまとめ

これまで説明してきた通り、「法定相続人」は、法律で定められた相続人のことをいいます。
 
誰が相続人になり、相続財産のどれだけを相続するのか?はとても重要なポイントですので、しっかりチェックをしてくださいね。
 
相続はお金が絡む問題なので、トラブルに発展しがちです。
 
少しでも不安に思ったら、ぜひ1度弁護士に相談をしてみてくださいね。
この記事の作成者

カケコム編集部