相続

遺留分と遺留分減殺請求|遺留分を受け取るための手続きは?

「遺留分」は、相続人の権利を守る制度です。この制度を知らないと、本来受け取れるはずだった遺産が手に入らないこともあります。今回は、遺留分を請求する権利がある人は誰か?その請求方法はどうなっているか?を中心に、わかりやすく説明をしていきます。

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遺留分ってどういう制度?自分は受け取れる?

「遺留分」という制度、ご存知ですか?
 
この制度を知らないと、本来受け取ることができるはずだった遺産を手に入れることができなくなるかもしれません。
 
お金はないよりもあった方がいいですから、きちんと「遺留分」と「その請求方法」について、しっかりと学んでいきましょう。
 
遺留分を受け取れる人は限られていますので、「誰が遺留分を請求する権利があるのか?」についても詳しく説明をしていきますね。
 
遺留分について詳しく知りたいという方は、ぜひ最後までお読みください。

遺留分とは?

遺留分とは、どういう制度なのかを解説していきます。

遺留分は相続人の権利を守るもの

本来、相続が開始されたら、それぞれの相続人が法定相続分に従って相続財産を分割するのが基本です。
 
しかし、遺言書で相続財産の分割方法が指定されていたり、被相続人(相続をされる側の人、故人)が「死因贈与」や「遺贈」によって第三者に相続財産を渡してしまった場合には、本来の相続人が十分な財産を相続することができなくなることもあります。
 
そのような場合に主張されるのが、「遺留分」です。
 
つまり「遺留分」とは、一定範囲の法定相続人に法律上認められている「最低限度の相続財産の取得分」のことで、相続人の権利を保護する制度なんですね。

遺留分は遺言でも侵害できない

「遺留分」は相続人の権利を保護する制度なので、被相続人の遺言でも侵害することはできません
 
これは民法でも、以下の条文ではっきりと示されています。
 
<民法902条1項但し書き>
被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反することができない。

遺留分権利者はだれ?

遺留分の請求をすることができる権利者は誰になるのか?について解説をしていきます。

配偶者と子と父母が遺留分権利者

遺留分を請求する権利が認められているのは、被相続人の配偶者・子ども・父母だけです。
 
正確にお伝えするなら、「配偶者」「直系卑属」「直系尊属」ということになります。
 
「直系卑属」とは、被相続人より下の世代、つまり、子どもや孫、ひ孫などを指します。
 
これに対し「直系尊属」とは、被相続人より上の世代、つまり、父母や祖父母などを指す言葉です。
 
基本的には配偶者・子ども・父母のいずれかが遺留分権利者になるのですが、ある一定の条件が満たされた場合には、孫や祖父母が遺留分権利者になることもあります。

遺留分権利者の順位

遺留分権利者には、法定相続人と同じように「どの人が最終的に遺留分権利者になるのか?」を決定する順位があります

遺留分の請求権利は相続人にのみ認められるので、その順位は法定相続人の順位に準じます。

法定相続人の順位は、以下のようになっています。

  • 必ず相続人になる:配偶者
  • 相続人第一順位:子ども(直系卑属)
  • 相続人第二順位:父母(直系尊属)
  • 相続人第三順位:兄弟姉妹

上位の相続人順位者がいる場合には、下位の順位者は相続人(遺留分権利者)にはなれませんので、注意が必要です。

つまり、被相続人の父母が相続人になることができるのは、被相続人の直系卑属がいない場合に限られるということです。

孫や祖父母が遺留分権利者になることも

先ほど説明をした「孫や祖父母が遺留分権利者になるとき」とは、「子どもや父母が以下の理由で相続人になれないとき」に限られます。
 
  • 死亡
  • 相続欠格
  • 相続廃除

子どもがこれらの理由で相続人になれないときは、その子ども(被相続人の孫)が相続人となり、それと同時に遺留分権利者にもなります。

このような制度を「代襲相続」と呼びます。
 
父母が両方とも上記の3つのうちいずれかの理由で相続人になれないときは、祖父母が相続人+遺留分権利者になります。
 
少しややこしいのですが、こちらの場合は代襲相続とは呼びません。
 
子や父母が上の理由で相続人になれないときは、次の世代(孫)や前の世代(祖父母)が相続人になり、遺留分権利者にもなるのだという結論だけ覚えておいていただければ、さして問題はないでしょう。

遺留分権利者ではない人

遺留分権利者になれない人は、以下の5つのいずれかに該当する人です。

  • 被相続人の兄弟姉妹
  • 相続欠格者
  • 相続廃除者
  • 相続放棄をした人
  • 遺留分放棄をした人

被相続人の兄弟姉妹が「死亡」「相続欠格」「相続廃除」の理由で相続人になれないときはその子ども(被相続人の甥姪)が相続人になる(代襲相続する)のですが、兄弟姉妹が遺留分権利者ではないので、甥姪も遺留分権利者にはなりません

「相続欠格」は、被相続人や法定相続人を故意に殺害、または殺害しようとした場合、もしくは遺言の妨害をした法定相続人を相続人にさせない制度です。

また、「相続廃除」は、被相続人に対する侮辱や虐待、その他の著しい非行がある法定相続人を家庭裁判所の判断によって相続人から廃除する制度のことをいいます。

遺留分の割合と計算方法

遺留分権利者が特定できたら、次は遺留分の割合について考えていきましょう。

遺留分の割合

実は、遺留分権利者によって法律で保障されている遺留分の割合は異なっています

さらに、遺留分権利者の組み合わせによっても遺留分の割合は異なってきますので、誰が遺留分権利者になるのか?はしっかりと確認しておく必要があります。

遺留分の計算方法(1) 遺留分権利者が配偶者または子どものみの場合

遺留分権利者が配偶者または子どものみの場合には、遺留分の割合は2分の1です。

遺留分権利者が1人の場合は、遺留分の割合である相続財産の2分の1を全てその人が取得します。

しかし、同一順位の相続人が複数人いる場合は、平等に遺産を分けることとなっていますので、子どもが2人いる場合の計算式は以下のようになります。

  • 子ども1:2分の1×2分の1=4分の1
  • 子ども2:2分の1×2分の1=4分の1

遺留分の計算方法(2) 遺留分権利者が配偶者+子どもの場合

遺留分権利者が複数いる場合、遺留分は、遺留分の割合に、遺留分権利者が有する法定相続分をかけて計算します。

遺留分権利者が配偶者と子どもの場合でも、遺留分の割合は2分の1です。

しかし、今回は配偶者と子どもという風に、遺留分権利者が複数いますので、その遺留分権利者の法定相続分をかけて計算をする必要があります。

配偶者の法定相続分は2分の1、子どもの法定相続も2分の1ですので、子どもが2人いる場合の計算式は以下の通りです。

  • 配偶者:2分の1×2分の1=4分の1
  • 子ども1:2分の1×2分の1×2分の1=8分の1
  • 子ども2:2分の1×2分の1×2分の1=8分の1

子どもの計算式の最後で2分の1をかけているのは、同一順位の相続人が複数人いる場合は、平等に遺産を分けるというルールを適用しているためです。

子どもが3人いるならば、最後の2分の1は3分の1になりますよ。

遺留分の計算方法(3) 遺留分権利者が配偶者+父母の場合

遺留分権利者が配偶者と父母の場合も、遺留分割合は2分の1です。

しかし、法定相続分は配偶者が3分の2、父母が3分の1となっていますので、父母が両方とも遺留分権利者となる場合の計算式は以下のようになります。

  • 配偶者:2分の1×3分の2=3分の1
  • 父:2分の1×3分の1×2分の1=12分の1
  • 母:2分の1×3分の1×2分の1=12分の1

遺留分の計算方法(4) 遺留分権利者が父母のみの場合

ここまでのケースとは違い、遺留分権利者が父母のみの場合は、遺留分割合は3分の1になります。

父母が2人とも遺留分権利者の場合は、以下のような計算式になりますよ。

  • 父:3分の1×2分の1=6分の1
  • 母:3分の1×2分の1=6分の1

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遺留分は放棄できる?手続は?

法律上認められている遺留分、放棄はできるのでしょうか?

手続き方法についてもまとめました。

遺留分は放棄可能

結論からお伝えしますと、遺留分は放棄することが可能です。

しかも、相続放棄とは異なり、被相続人の生前から放棄をすることも認められています。

ただし、被相続人の生前と死後では、放棄の手続が異なってきますので、以下で詳しく説明をしていきます。

生前に遺留分を放棄する場合

被相続人が生きている間に遺留分放棄をしたい場合は、被相続人の住所を管轄している家庭裁判所に「遺留分放棄許可の審判申立て」を行う必要があります。

その際に必要な書類は、以下の4点です。

  • 申立書
  • 被相続人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • 申立人の戸籍謄本(全部事項証明書)
  • その他、審理に必要な追加資料

ただし、被相続人の生前に遺留分を放棄する場合には「遺留分を放棄するだけの合理的な理由や見返り」があったか?を中心に判断がされますので、すでに多額の生前贈与を受けているなどの事情がない限りは、認められる確率が低いという点に注意が必要です。

また、1度遺留分の放棄が認められると、原則として撤回はできませんので、よく考えて行うことが大切です。

死後に遺留分を放棄する場合

被相続人の死後に遺留分を放棄する場合は、特にするべき手続きはありません

というのも、遺留分の請求は相続開始時から1年以内にする必要があると法律で定められています。

そのため、遺留分の請求をしないまま1年が経過すると、自然と遺留分を請求する権利がなくなるので、放棄をしたのと同じことになります。

遺留分減殺請求と手続き

それでは、ここからは実際に遺留分を請求して、本来もらえるはずだった遺産を手に入れるための手続きを紹介していきます。

遺留分減殺請求とは

「遺留分減殺請求」は「いりゅうぶんげんさいせいきゅう」と読み、遺留分を請求することを意味する言葉です。

この請求は、遺贈を受けた人や死因贈与を受けた人、生前贈与を受けた人に対して、順番に行っていきます。

遺留分減殺請求の手続き

遺留分減殺請求をする方法として1番良く用いられているのは、「内容証明の送付」です。

あとで説明をしますが、遺留分減殺請求には期限がありますので、送付した日時が記録される内容証明で請求をすることが一般的です。

電話やFAX、普通の手紙などでも請求はできるのですが、相手がしらばっくれる可能性もありますので、内容証明郵便での送付がおすすめです。

内容証明の送付で相手が素直に遺留分の支払いをしてくれたらよいのですが、そうではない場合は、以下の手続きをとることになります。

  • 協議(話し合い)
  • 遺留分減殺請求調停
  • 遺留分減殺請求訴訟

遺留分減殺請求の期限

遺留分減殺請求は、「相続開始を知った日から1年間以内」に行う必要があります。

「相続開始を知った日」とは、遺留分を侵害する遺贈や贈与があったことを知った日と考えるのが一般的です。

また、このような事実を知らなかったとしても、相続の開始から10年が経過すると、遺留分減殺請求をすることはできなくなります

期限を守らないとせっかくの権利も行使できなくなってしまいますから、十分な注意が必要です。

弁護士に相談をするメリットとは

遺留分について弁護士に相談をするメリットをまとめました。

メリット1 煩雑な手続きを代わりにしてくれる

遺留分減殺請求は、内容証明の送付でもすることができますが、それで支払いに応じてくれるケースは稀です。

内容証明の送付で相手方が支払いに応じてくれなかった場合、相手と協議を行ったり、調停・裁判を行わなければいけないことも。

調停や裁判となると準備に時間もとられますし、相手方との協議は精神的な負担になることもあります。

そのような場合でも、弁護士に依頼をしておけば煩雑な手続きや協議を任せることができますし、相手に支払いをしてもらえる可能性も高まります。

メリット2 期限切れになってしまうことを防げる

遺留分減殺請求には相続の開始を知ってから1年以内という期限があります。

この期限が経過してしまうと、本来受け取ることができたはずの資産を受け取れなくなってしまいます。

弁護士に手続きを任せておけば、期限内に請求を行ってくれますので、期限が経過してしまうという恐れがありません。

メリット3 調停や裁判に発展しても安心

遺留分減殺請求の相手方が素直に支払いに応じてくれない場合は、遺留分減殺調停や遺留分減殺訴訟へと移行します。

調停や訴訟を一般の方が自分で行うのは手続きも煩雑で、時間も多くとられてしまいます

弁護士に相談をしておけば、調停や裁判に発展したとしても、安心して任せることができます。

メリット4 無料見積もりで費用も安心

弁護士のメリットはわかっても、費用が気になるし、自分にあった弁護士が見つけられるか不安…という声を耳にすることも。

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遺留分と遺留分減殺請求|遺留分を受け取るための手続きは?のまとめ

遺留分は、相続人の権利を守る大切な制度です。
 
その反面、遺留分権利者や遺留分の特定をする過程は複雑で、わかりにくいことも。
 
また、遺留分減殺請求には1年という期限もありますので、ついうっかりしていて、請求し忘れた!なんてことがないように気をつけましょう。
 
遺留分について疑問や不安な点があったら、1度弁護士に話をきいてもらうのがおすすめです。

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