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離婚裁判の判例を紹介!離婚に関する疑問にお答えします

離婚裁判の判例を気にしたことはありますか?もしあなたが離婚を検討しているなら、過去の裁判例を参考にすることで見えてくることがたくさんあります。本記事では、過去の判例から離婚手続きに関するさまざまな疑問点にお答えしていきます。

離婚裁判の判例について

日本の裁判所は、基本的には類似の最高裁判所判例・重要裁判例をもとに裁判を行っています。
もし裁判をすることとなったら、当然、自分たちが受ける判断も最高裁判所判例・重要裁判例をベースとしたものになることは間違いありません。
したがって、最高裁判所判例・重要裁判例を知ることで、離婚を有利に進める方法を学ぶことができます。

しかし、いざ最高裁判所判例・重要裁判例を知ろうと思っても、法律の専門家の書く判例は、一般の人にはわかりにくいことも多いです。
そこで今回は、離婚に関わる重要判例をわかりやすく紹介していきたいと思います。

  • これから離婚する人
  • 自分たちはちゃんと離婚できるのか心配な人
  • 有利に離婚を進めたい人
  • 離婚裁判の判例に興味がある人

は要チェックです。

協議離婚について

まず、裁判にあたっては、協議離婚そのものの有効性が問題となることもあります。

協議離婚とは、夫婦が離婚に合意して、離婚届を出すことで成立する離婚のことをいいます。
最も馴染みのある離婚の方式で、離婚の9割程度がこの協議離婚といわれています。

協議離婚の成立には、離婚届の提出離婚意思の合致の2つの要素が必要です。
協議離婚が有効であれば、その時点で離婚は成立するので、そもそも裁判離婚をする必要がないということになります。

協議離婚届出の効力に関する判例

ここで、離婚届の効力に関して、ひとつ重要裁判例があります。

離婚届には、未成年子の親権者の記載をする欄があります。通常この親権者記載欄は、夫婦で話し合った上で記入することになりますが、もし夫婦のうち片方が勝手に記載してしまった場合、どうなるのかご存じですか?
その離婚届は有効なのかや親権がどうなってしまうのか、気になるところですよね。

この重要裁判例は、そんな疑問に応えてくれています。

本件協議離婚の効力は、親権者を定める協議が成立していないにかかわらず成立したもののごとく離婚届書に記載せられそのまま受理せられたとの一事により何ら妨げられることはないというべきである。よつて、本件協議離婚は無効ではなく、その無効確認を求める控訴人の本訴請求は失当として棄却すべきものである。
名古屋高判昭和46年11月29日

難しい言葉遣いをしていますが、要するに親権者の決定について当事者間で協議が成立していなかった場合でも、親権者決定の記載さえあれば協議離婚自体は有効ということです。

「親権者を夫婦の一方が勝手に決めることができてしまうの?」と思ってしまう方もいるかもしれませんが、安心してください。
この判例は離婚自体を有効とするだけで、親権者指定の効力は生じないとしています。

離婚意思の合致に関する判例

次に、協議離婚の2つ目の要件に関する最高裁判所判例を見ていきましょう。

協議離婚の成立には、当事者の「離婚意思の合致」が必要です。
したがって離婚届の提出がなされていても、離婚意思の合致がなければ協議離婚は無効となります。

しかし、お互い離婚する意思があれば、どのような目的であっても離婚は有効なのでしょうか?
たとえば、生活保護の受給継続が目的であって、別居する意思がない場合であっても離婚は有効なのでしょうか?

最高裁判所判例(最判昭和57・3・26判時1041-66)は、このような事案について以下のように判示しています。

本件離婚の届出が、法律上の婚姻関係を解消する意思の合致に基づいてされたものであつて、本件離婚を無効とすることはできない
最判昭和57・3・26判時1041-66

この判例によれば、離婚が方便に過ぎない場合であっても、「法律上の婚姻関係を解消する意思の合致」さえあれば、離婚は有効になります。

日本では婚姻届を提出しないいわゆる事実婚も認められています。
ですから、カップルが法律上の結婚をしてみたものの、あとから事実婚を望むようになったというケースに配慮して、離婚意思の内容を広く解する必要があるのです。

つまり、離婚届提出後に同棲していたり、夫婦同然の生活をしているからといって、「離婚は無効」と主張することはできないことになります。
もしまた法律上の夫婦に戻りたい場合は、再度婚姻届を提出し、再婚をするしかないでしょう。
相手が拒めば再婚を強制することはできませんから、離婚届の提出は慎重に行う必要があるといえます。

裁判離婚の法定離婚事由について

協議離婚が成立しなかった場合、通常離婚調停の手続きを行います。
離婚調停も基本的には夫婦の話し合いですので、調停が成立しなかった場合には、離婚裁判の手続きに進むことになります。

裁判離婚の特徴は、協議離婚や調停離婚と異なり、一方が離婚に同意していなくても離婚できるところにあります。
そして裁判離婚をするためには、民法上の離婚原因(法定離婚事由)が必要とされています。

民法770条1項(裁判上の離婚)
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。

  1. 配偶者に不貞な行為があったとき。
  2. 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
  3. 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
  4. 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
  5. その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。

それぞれの項目についてさまざまな最高裁判所判例・重要裁判例がありますが、ここでは、有名な判例による解釈に絞って紹介します。

相手が強度の精神病である場合の判例

まず、上記にある民法770条1項4号の「配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき」という要件に関して、有名な最高裁判所判例がありますので、ご紹介します。

この条文を素直に読むと「相手が強度の精神病にかかって回復の見込みがなければ、もう片方の配偶者は離婚できる」となりますが、最高裁判所判例は条文にない要件を実質的に付け加えました。
最高裁判所判例は、以下のように判示しています。

民法は単に夫婦の一方が不治の精神病にかかつた一事をもつて直ちに離婚の訴訟を理由ありとするものと解すべきでなく、たとえかかる場合においても、諸般の事情を考慮し、病者の今後の療養、生活等についてできるかぎりの具体的方途を講じ、ある程度において、前途に、その方途の見込のついた上でなければ、ただちに婚姻関係を廃絶することは不相当と認めて、離婚の請求は許さない法意であると解すべきである。
最判昭和33・7・25民集12-12-1823

これまた難しい表現が使われていますが、要するに、配偶者が精神病にかかったことによる離婚請求が認められるためには、4号該当事由だけでなく、患者の今後の生活や療養についての「具体的方途」を講じたことの証明が必要だとされたのです。
つまり離婚後の生活のサポート体制を十分に築いたかどうかが必要になります。
具体的には、十分な金銭的なサポートや、法律上離婚はするが同居して世話はするなど、さまざまな手段が考えられるでしょう。

「精神病にかかった配偶者からすると、今後の生活もままならないのに突然離婚を突き付けられたら困るはず」という配慮が現れた形の判決になります。

婚姻を継続し難い重大な事由に関する判例

次に、「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」という要件に関する重要裁判例を紹介していきます。
きわめて抽象的な要件ですが、具体的には、客観的に婚姻関係が破綻している場合にこの要件が満たされることになります。

この判断は裁判官の裁量によって行われるわけですが、過去の判例を見る限りかなり厳しめの判断が多いようです。
3~4年別居状態が継続し、夫婦の交流を欠いていても、婚姻関係の破綻が認められない場合もあります(東京高判平成13・1・18判タ1060-240)。

不倫をした側からの離婚請求について

裁判離婚に関しての有名な論点の一つとして、有責配偶者からの離婚請求の問題が挙げられます。
すなわち、婚姻破綻を理由とする離婚請求において、離婚を求めた方(原告側)に婚姻破綻の責任がある場合に、離婚の請求は認められるか?ということです。

この問題については、有名な最高裁判所判例(最大判昭和62・9・2民集41-6-1423)がありますので、以下で詳しく解説していきます。

有責配偶者からの離婚請求が認められることも

有責配偶者とは、自身に婚姻破綻の原因がある配偶者と書きましたが、簡単に言えば、自分が他の人と不倫をしたり、配偶者にDVを行っていた側の配偶者のことです。
もちろん、他にもさまざまな原因が考えられますが、不倫やDVで考えるとわかりやすいでしょう。

心当たりのある方はドキッとするかもしれませんが、昔の判例は、そのような有責配偶者からの離婚請求を一切認めませんでした。
これは、婚姻道徳に反するような離婚請求によって離婚されない権利を保障しよう、という考え方がもととなっていました。
いわば、「悪いことをした」配偶者からの離婚請求を認めてしまえば、「悪くない」配偶者にとって酷である、ということです。

しかし、最高裁判所は上記の判例で判例変更を行って以下のように判示し、有責配偶者からの離婚請求も認められ得るという新たな考え方を示しました

同条1項5号は、夫婦が婚姻の目的である共同生活を達成しえなくなり、その回復の見込みがなくなつた場合には、夫婦の一方は他方に対し訴えにより離婚を請求することができる旨を定めたものと解されるのであつて、同号所定の事由につき責任のある一方の当事者からの離婚請求を許容すべきでないという趣旨までを読みとることはできない。
最大判昭和62・9・2民集41-6-1423

有責配偶者からの離婚請求には制限も

もっとも、有責配偶者からの離婚請求は常に認められるというわけではありません。
「信義誠実の原則」による制限がかかることになります。

離婚は社会的・法的秩序としての婚姻を廃絶するものであるから、離婚請求は、正義・公平の観念、社会的倫理観に反するものであつてはならないことは当然であつて、この意味で離婚請求は、身分法をも包含する民法全体の指導理念たる信義誠実の原則に照らしても容認されうるものであることを要するものといわなければならない。
前掲最大判昭和62・9・2民集41-6-1423

簡単にいえば、離婚を強制されることとなる一方の配偶者の信頼を裏切ってはならないので、信頼を裏切らない場合のみ有責配偶者からの離婚を認めるということです。

具体的な「信義誠実の原則」の内容は次で説明します。

「信義誠実の原則」による制限について

「信義誠実の原則」による制限というのはとても抽象的ですよね。最高裁判所判例は具体的な要件を提示してくれています。

有責配偶者からされた離婚請求であつても、夫婦の別居が両当事者の年齢及び同居期間との対比において相当の長期間に及び、その間に未成熟の子が存在しない場合には、相手方配偶者が離婚により精神的・社会的・経済的に極めて苛酷な状態におかれる等離婚請求を認容することが著しく社会正義に反するといえるような特段の事情の認められない限り、当該請求は、有責配偶者からの請求であるとの一事をもつて許されないとすることはできないものと解するのが相当である
前掲最大判昭和62・9・2民集41-6-1423

長い文章ですが、簡単にいえば、有責配偶者の離婚請求においては、下記の3つのハードルをクリアしなければならないということです。

  1. 夫婦の別居が相当の長期間に及ぶ
  2. 未成熟な子どもがいない
  3. 相手方配偶者が離婚によって苛酷な状態に置かれる等の状況がない

これらを満たせば有責配偶者からの離婚請求も可能ですが、この3つのハードルを越えるのは簡単ではありません。
離婚を考えているのであれば、有責配偶者と認定されないように不貞行為等を行わないようにすべきでしょう。

財産分与について

これまでは、ちゃんと離婚できるのかという観点から、離婚裁判に関する最高裁判所判例・重要裁判例をピックアップしていきました。

ここからは、どうやって有利に離婚を進めるか?という観点から離婚裁判に関する最高裁判所判例・重要裁判例を紹介していきます。

退職金は財産分与の対象となるのか

まず初めに紹介するのは、離婚時の財産分与に関する最高裁判所判例・重要裁判例です。

財産分与には、夫婦の財産の清算や、離婚後の扶養など、さまざまな役割があるとされています。

財産分与によっていくら貰えるかは、どの財産が財産分与の対象財産になるかにより決まります。
たとえば、夫に払われた退職金が財産分与の対象になれば、妻の取り分はその分多くなりそうです。
一方で退職金が財産分与の対象にならず、すべて夫のものになるのであれば妻の取り分はその分少なくなりそうです。

この点、判例をみてみると、離婚前に支払われた退職金は財産分与の対象となるとされています。
さらに、離婚後に将来支払われる退職金についても財産分与の対象とする裁判例もあります。

ただし、清算の対象となるのは結婚していた期間に対応する額となる点で注意が必要です。

また、退職金を清算の対象にするとしても、夫(妻)に分与を命ずることが酷にならないよう配慮する必要があります。
そのため支払時期については、事案に応じて、離婚時に清算するとしたり(東京地判平11・9・3判時1700-78)、将来の退職金支給時に清算するとしたり(東京高判平10・3・18判時1690-66)柔軟な解決をしています。

扶養的財産分与について

次に、扶養的財産分与についての最高裁判所判例・重要裁判例をみていきます。

扶養的財産分与とは、離婚後の生活のために行われる財産分与のことをいいます

特に、妻(夫)が専業主婦(夫)をしていた場合、離婚してしまえば経済的に厳しい状態になることが多いと考えられます。
そんな妻(夫)を援助するための仕組みが扶養的財産分与です。

この制度を利用するためには、要件として

  1. 権利者が扶養を必要としていること
  2. 義務者に扶養能力があること

の2点が必要です。

判例としては、夫の収入の3割に相当する毎月3万円を3年間支払うものとして、合計108万円の財産分与の支払いを命じたもの(東京高判昭和47・11・30判時688-60)があります。 

ただし、扶養的財産分与には法律上の根拠は残念ながらなく、自分の収入が少ないからといって必ず認められるものでないことには注意してください。

親権・面会交流について

次に紹介するのは、親権・面会交流・子の奪い合いなど、離婚と子どもに関する最高裁判所判例・重要裁判例です。

親権者の判断基準

基本的には、親権者は離婚時に両親で協議して決定することになります。
しかし、親権は離婚する両親にとって最も重要な問題の一つですから、両親で話し合いがまとまらないこともあるでしょう。

このように、両親の話し合いで離婚後の親権者が決まらなかった場合、裁判所が親権者を指定することになります。

親権者を決める際に基準となるのは、「子の利益」だといわれています。
判例も、「子の利益」に資するかという観点を中心に親権者の決定を行っているようです。

具体的には、子どもの意思やこれまでの監護状況、今後の監護に関する意欲や方針などから、親権者として適切かをみているようです。

面会交流権の決定

面会交流権は、親子の交流を通して子どもの成長を支援する権利とされています。

面会交流権も、基本的には両親の話し合いで決めるものですが、親権同様、両親の話し合いで決まらない場合は裁判所に決定してもらうことができます。

面会交流権をどのようなものにすべきか判断をくだした判例をみると、子どもと親双方の側の事情が考慮されていることが分かります。

子ども側の事情としては、10歳前後なら子の意思を尊重し、それより幼ければ子の感情を考慮するとされています。
しかし、子どもに拒否的感情があっても、その感情形成の背景を考慮し、母親に面会交流を認めた判例(岡山家審平成2・12・3家月43-10-38)もあります。

配偶者に対する暴力などがあった場合は、当然面会交流権を認めない方向に働きます。
児童虐待防止法上、配偶者に対する暴力は子どもに対する虐待でもあるとされている以上当然でしょう。

重要裁判例の中にも、DV禁止法による接近禁止命令が出され、離婚訴訟中の面会交流を否定したもの(東京家審平成14・10・31家月55-5-165)があります。

子どもの奪い合いの紛争について

子どもが片方の配偶者によって強制的に連れ出された場合、子どもの引き渡しを求める方法はいくつかありますが、代表的なものの一つに「人身保護請求」というものがあります。

本来これは、国家権力などによる権力の不当な行使を制限するものでしたが、手続きの迅速性や実効性から、子どもの引き渡し請求においても多く使われてきました。

人身保護規則上、子の引き渡しの「人身保護請求」が認められるためには、

  1. 拘束の存在
  2. 拘束の顕著な違法性
  3. ほかに救済方法がないこと

という3つの要件が必要とされています。

実際には、「拘束の顕著な違法性」に関して争点となることが多いでしょう。
なぜなら、別居中の夫婦間で人身保護請求が行われた場合、もう片方も共同親権者である以上、拘束が顕著に違法としづらい可能性が高いからです。

ここで最高裁判所判例は、以下のように判示しました。

夫婦がその間の子である幼児に対して共同で親権を行使している場合には、夫婦の一方による右幼児に対する監護は、親権に基づくものとして、特段の事情がない限り、適法というべきであるから、右監護・拘束が人身保護規則四条にいう顕著な違法性があるというためには、右監護が子の幸福に反することが明白であることを要するものといわなければならないからである。
最判平成5年10月19日民集47-8-5099

簡単にいえば、片方の親によって強制的に監護されている状況が「子の幸福に反することが明白」である場合は、顕著な違法性があるということです。

また、子どもの強制的な拘束は、場合によっては実の子であっても犯罪になります。
実際に、離婚訴訟の継続中、別居している妻のもとから2歳になる幼児を奪っていった夫に対し、未成年者略取誘拐罪の成立を認めた最高裁判所判例もあります(最判平成17年12月6日刑集59-10-1901)。

養育費について

最後に、養育費についての判例を紹介して、離婚裁判に関する最高裁判所判例・重要裁判例の紹介を終えたいと思います。

養育費の履行確保

子どもがいる場合、離婚するときに真っ先に思いつくのは養育費の請求だと思います。
たとえ子どもと別れて暮らしていても、親である以上、民法上の扶養義務がありますので、当然養育費を負担する義務があります。

離婚後、子どもを育てていくためには、定められた養育費が定期的に支払われることが必要不可欠です。
「ちゃんと養育費について合意したのに、蓋を開けてみれば全然払ってくれない!」なんてことになれば、離婚後の子どもとの生活が安定しません。

このような事態を防ぐために、もしも過去の養育費に未払いがある場合、将来の養育費も含め、差押さえの申立てをすることができます(民事執行法151条の2第1項3号)。

民事執行法151条の2第1項(扶養義務等に係る定期金債権を請求する場合の特例)
債権者が次に掲げる義務に係る確定期限の定めのある定期金債権を有する場合において、その一部に不履行があるときは、第三十条第一項の規定にかかわらず、当該定期金債権のうち確定期限が到来していないものについても、債権執行を開始することができる。

  1. 民法第七百六十六条(同法第七百四十九条、第七百七十一条及び第七百八十八条において準用する場合を含む。)の規定による子の監護に関する義務

また、養育費が払われなかった場合、「間接強制」もひとつの手段として認められています(民事執行法172条1項)。

「間接強制」とは、義務を果たさない義務者に、債務とは別に一定の間接強制金の支払いを命ずることで心理的に圧迫し、義務を果たすように仕向ける制度を言います。

民事執行法172条1項(間接強制)
作為又は不作為を目的とする債務で前条第一項の強制執行ができないものについての強制執行は、執行裁判所が、債務者に対し、遅延の期間に応じ、又は相当と認める一定の期間内に履行しないときは直ちに、債務の履行を確保するために相当と認める一定の額の金銭を債権者に支払うべき旨を命ずる方法により行う。

要するに、「養育費を払わなかった場合には罰金を支払う」というルールにすることで、養育費の支払いを促す制度です。

もっとも、これは常に認められるわけではなく、間接強制を否定した重要裁判例として大阪家決平成17年10月17日などもあります。

養育費の強制執行については、こちらの記事も参考にしてみてください。

関連記事はこちら

>>【関連記事】養育費を強制執行で強制的に支払わせるには?|養育費確保のための差し押さえについて

まとめ

ここまで、離婚裁判に関わる最高裁判所判例・重要裁判例をできるだけ詳細に紹介してきました。

最高裁判所判例・重要裁判例として示されたものを理解することは、法律の世界では非常に重要なことです。
世間でいう何となくの常識は、意外とすぐに覆りますが、法律の専門家である裁判官が適切な法を解釈・適用して下した判決は、明確な社会のルールになります。

離婚に関してわからないことがあったり、問題を抱えている場合は、自分の状況と近い判例を探してみることで、解決へのヒントを見つけられるかもしれません。

しかし、自分の状況に近い判例を探すといっても、判例には専門的な言葉や言い回しも多く、法律の素人である一般の方が探すのは難しいですよね。

もしわからないことがある場合は、法律の専門家である弁護士に聞いてしまうのが一番の近道です。
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Point

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