借金 債務整理

【元弁護士執筆】500万円の借金ができてしまった場合の段階別対処方法を解説

最初は少しのつもりがどんどん借金が膨れ上がっていったという経験をお持ちの人も多いのではないでしょうか?

金銭感覚が狂うと100万でも200万でも変わらないとなってしまいますが、額面が大きくなるほど利子は増え返済が大変になります。

今回は借金500万まで膨らんでしまった際にやるべきことを元弁護士の方に解説してもらいました。

ぜひ参考にしてみてください。

多額の借金についての悩みがあとを絶たない


◾相談者さま

20代で500万円の借金を背負ってしまった。自分はできると思いいろいろなことに手を出したのが間違いだった。

もっと早く気付いていたら、こんなことには。。。

名前/年齢/性別

林正紀(仮名)/25歳/男

相談背景

会社員としての給料が少ない上に、私立大学だったので多額の奨学金を借りていた。東京での固定費の支払いと奨学金の返済で貯金ができない状態であった。そのため副業を始めて使えるお金を増やそうとした。

そこで情報商材/起業塾/MLMなどで500万円ほど買い込んでしまった。借り入れは銀行カードローンや消費者金融など。

結局どれも稼げず返せる目処が全く立ってなく自己破産も検討している。しかし自分より多い借金を返済できている人もいるのでやり方次第で完済できるのではと考えている。

相談内容  

  • 借金が500万円まで膨れ上がってしまったら、まず何をやるべきか?
  • 借金500万円は利息で総額いくら支払うことになるのか?
  • 返済計画/シュミレーションの作り方は?作るさいに注意すべきことは?
  • 利息を減額や無くす方法はなにがあるのか?
  • 月々の返済金を作る方法やポイント

◾担当弁護士

ここ数年のネットの発達により、さまざまな手法でお金を稼ぐことができるようになりました。

一方でそれを利用して、多くの人から稼ぐ方法を教えるという形で稼いでいる人がいるのも事実で、それをきっかけに20代でもで数百万円という借金を抱える人が急増しています。

そうなった場合はすぐにでも借金返済のための対策に動くようにしましょう。

本記事の執筆者

福谷 陽子

元弁護士 京都大学法学部卒業後、10年間の弁護士実務を経て、ライターに転身。

現在は法律記事を中心に多数のメディアや法律事務所などの依頼を受けて執筆活動を行っている。

公式HP:元弁護士・ライターぴりかの法律blog(https://legalharuka.com/

1.500万円の借金ができたら、まずは返済シミュレーションをする

1−1.借金500万円の場合、利息の総額はいくらになるのか?

林さんはマルチや起業塾、情報商材などで500万円もの借金を作りました。

いったん借金したら完済まで「利息」がかかり続けるため、総返済額が多額になります。500万円の借金を自力で返済しようとしたら、どのくらい利息が発生するのでしょうか?

利息の総額は「利率」によって異なり利率が高いほど利息は高額になります。

そして日本には「利息制限法」という法律があり、利率の限度が定められています。100万円以上の借金の場合、限度は年率15%です。また利息は返済期間中かかり続けるので、利息の総額は「返済期間」が長いほど高額になります。

返済元本 返済期間 利率 利息
500万円 3年8ヶ月 15% 150万円
500万円 3年半 12% 110万円
500万円 3年 15% 120万円

 

このように、500万円の借金を自分で返済しようとすると、莫大な金額の利息が加算されると覚悟する必要があります。

1−2.500万円の返済シミュレーションと返済計画を立てる

林さんのように500万円もの借金を自力で返済するなら、まずは返済のシミュレーションを立てなければなりません。

つまり返済期間が何年何か月かかり、月々利息と元本を何円ずつ支払い続けるのかを把握します。

たとえば500万円の借金、利率15%を3年で払おうとしたら月々の返済額は17.3万円程度ですが、4年間なら14万円弱になります。返済予定は各業者との契約で決まっているでしょうから、シミュレーションした結果、本当にその予定通りに借金を最後まで支払っていけるのか検討しましょう。

次に具体的に今の生活状況を前提に返済計画を立てます。返済計画とは、収入から支出を引いた残りの金額で、借金を払っていく方法を検討することです。

2.返済計画を立てる方法と注意点

2−1.収入と支出を算出して差引きする

借金の返済計画はどのようにして立てたら良いのか、ご説明します。まずは、自分達家族の収入と支出の内訳を明らかにして表にしましょう。

このとき自分一人の収入支出だけではなく、一緒に住んでいる家族の収入支出も合算して計算してください。

たとえば自分も妻も働いている場合には、夫婦の収入の合計額が収入となります。同居して協力してくれるのであれば、親の年金や子どものバイト代なども足してかまいません。給与所得者の場合には「手取り額」を基準に計算します。

 

次に、支出も家族全体の分を合算します。食費、通信費、被服費、交際費、交通費、家賃、水道高熱被害者など、すべての予定される支出を漏れなく算出します。

そして、収入から支出を引いた額が、実際に借金返済に充てられる金額です。たとえば林さんの場合、自分の給料の手取り額が収入となります。ボーナスは12か月に平準化して計算すると良いでしょう。

 

たとえば給与収入(手取り)が毎月30万円として、支出をがんばって削って15万円に抑えたら、毎月15万円の借金返済が可能となります。その場合、借金返済シミュレーション額が毎月15万円以下になっているならば、支払いを継続していける可能性があります。

 

反対に、今の借金返済シミュレーション額が返済可能額を上回っているなら、途中で支払えなくなってしまうリスクが高くなります。

2−2.現実的な計画を立てること

借金の返済計画を立てるときに重要なのは、現実的な計画にすることです。

借金をする方は、ときどき「だいたいでいいや」「何とかなるだろう」などと考えるケースがあります。返済計画を立てるとき、収入が多少足りなかったり支出が本当は多くかかったりするのに「少しの誤差だから何とかなる」「まぁ大丈夫だろう」と根拠なく考えて、実際には払えなくなってしまうケースが多々あります。

林さんのケースでも、たとえば毎月の支出を15万円にできないなら「15万円を返す返済予定」を組んではいけません。無理な計画を立てるのも禁物です。

たとえば家族4人がいるのに「食費は毎月2万」や「スマホは使わない」というのも現実的に困難となるでしょう。

借金返済生活は3年~5年程度続きます。長期戦になるので途中で投げ出さないよう「継続可能な計画」を立てることが重要です。

3.毎月の返済を継続するためのポイント

林さんのように借金が500万円にもなってしまったとき、毎月の返済を継続するにはどのような点に注意すれば良いのでしょうか?

3−1.借金していることを忘れない

基本的なことですが「自分が借金している」事実を忘れないことです。会社員などで周囲との付き合いがあると、どうしても周りと自分を同じように考えてしまいます。周囲が「ボーナスが入ってきた」と言って好きなものを買ったり、新年会、忘年会などに参加していたりしたら、自分もついつい同じように行動してしまいます。

しかし自分は周りの人とは違って多額の借金を抱えている身ですから、常にそのことを踏まえた行動をすべきです。たとえばボーナスが入ってきたらできるだけ全額返済に回し、付き合いも最小限にとどめましょう。

3−2.倹約する

次に倹約が重要です。借金返済計画を立てた当初は気持ちも入っているので「やるぞ」と思い倹約できます。しかし時間が経過してくるとだんだん疲れてきたり「ちょっとだけならいいか」と考えたりして金遣いが荒くなるケースが多々あります。そうなると予定通りに返済できなくなり、失敗してしまいます。

500万円もの借金を自力で返済するためには、かなりの倹約努力が必要です。

3−3.家族で協力する

ご家族がいる方の場合、家族が一丸となって借金返済にあたる必要があります。

家計が同じなら、自分一人が我慢していても家族にお金を使われては返済できなくなってしまうからです。

林さんの場合には独身なので問題になりませんが、結婚している場合には配偶者や子どもにも不便をかけることになるでしょう。ときには家族に借金のことを言っていない方もおられます。

しかし500万円もの借金を自力で返済していくには、家族の協力が必要です。借金を打ち明けることで、家族がショックを受けて離婚危機なども訪れるかもしれませんが、打ち明けないと何も始まりません。

3−4.ボーナス時に気が大きくならないようにする

会社員や公務員の方は「ボーナス月に気が大きくなって使いすぎる」ことがありがちです。

毎月は倹約できていても、ボーナスが入ってきたら余計なものを買ったり贅沢な旅行、外食に出掛けたりしてしまうのです。日頃迷惑をかけている家族にプレゼントをしたいという方もおられます。

悪いことではありませんが、やはり借金を抱えている以上は節制すべきです。家族へのお返しは、借金を完済してからたくさん行いましょう。

4.普通の返済方法では返済できない場合にするべきこと

普通に節約しても借金を返せないなら、以下のような対応が考えられます。

4−1.車、家などを売却する

まずは車や家、ブランド物、宝石、時計などの財産を処分する方法があります。車を売ったら維持費(車検代、ガソリン代、保険料、税金)などもかからなくなるので、出費が大きく下がります。

家を売ったら数百万円~数千万円が手元に入ってくることもあり、繰り上げ返済できる可能性もあります。住宅ローンが高いなら、賃料の安い賃貸住宅に移ると支払いを継続しやすくなります。

4−2.生命保険を解約するのも一手

生命保険に入っている方は、解約して解約返戻金を受けとりましょう。長年加入していた方の場合には数百万円以上返ってくるケースもあります。それを繰り上げ返済に充てれば借金がかなり減りますし、月々の生命保険の出費も抑えられます。

5.それでも返済できない場合「債務整理」する

財産を売却してもどうしても500万円の借金を返せないなら「債務整理」による解決を考えましょう。債務整理にはいくつかの種類があるので、それぞれご説明します。

5-1.500万円の借金を任意整理で解決できるか

任意整理は借入先の業者と直接話し合いをして、借金の返済方法を決め直す手続きです。

任意整理でカットできるのは借金の利息部分です。500万円の借金がある場合、5年払いにしても月々8.3万円程度の返済が必要です。それだけの支払いが可能であれば任意整理することができます。

5-2.個人再生すべきケース

個人再生は、借金を元本ごと大きくカットできる債務整理手続きです。

500万円の借金があっても100万円にまで減額してもらえる可能性があります。(特に財産がない方の場合には100万円になりますが、財産があれば財産の総額まで減額されます)

 

林さんの場合も、生命保険や預貯金などの財産が少なければ借金が一気に100万円にまで減ります。これを月々2.7万円ずつ3年間支払っていけば借金を完済できるので、500万円の借金問題を解決できる可能性が非常に高くなります。

5-3.自己破産すべきケース

個人再生でも解決できない場合の最後の手段が「自己破産」です。自己破産すると借金を「全額」免除してもらえます。サラ金、クレジットカード、銀行カードローン、住宅ローン、奨学金などすべてです。

一切の支払いが不要になり、自己破産したらそのときから「借金なし」の生活が待っています。ただし自己破産すると生活に必要な最低限を超える財産がなくなるので、資産のある人は慎重になりましょう。

 

以上のように債務整理は借金問題の解決に非常に有効ですが、債務整理後5~10年間「ブラックリスト状態」となって借入ができなくなります。関心があったらまずは弁護士などの専門家の話を聞いてみましょう。

借金が500万円まで膨らんでしまったらまずは弁護士へ相談

借金が500万まで膨らんでしまったら、月々高卒の初任給並みの返済を強いられる可能性があります。しかもその中の3割程度が利子という状況でです。

この状況を続けていると借金のプレッシャーからさらにお金を作ろうと無謀なことをして、より泥沼化する危険性があります。

なので500万円まで借金が増えたのであれば、まずは弁護士に「任意整理」「個人再生」「自己破産」について相談してみましょう。そうすることで借金の元本を大幅に減らすことができるので、早めに動くことをおすすめします。

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