旦那がモラハラかどうかわかる特徴7選!モラハラへの対処法も弁護士が解説します
旦那がモラハラかどうかわかる特徴とその対処法についてご紹介します。家庭内のモラハラは周りには気づかれにくく、対処も難しいもの。モラハラ旦那の特徴や、モラハラを受けやすい妻の特徴などを通して、モラハラへの対処法について解説していきます。「これってモラハラ?」「モラハラされてるけど、どう対処すればいいかわからない」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

<今回ご解説いただく先生のご紹介>
木原 恵子(きはら けいこ) 弁護士
リヤン中之島法律事務所/大阪弁護士会所属
困っている方の笑顔を取り戻すことができる弁護士を目指す。弁護活動ではじっくりと話を聞いて、依頼者の方に寄り添いながら、問題解決に向けて最大限の力を注ぎ、最適な解決策を探る。
得意分野:離婚・男女問題
モラハラ旦那の7つの特徴
家庭内における肉体的な暴力をDV(Domestic Violence)というのに対し、人格の尊厳を傷つける精神的な暴力のことをモラハラ(モラルハラスメント)といいます。
最近では旦那のモラハラを原因に離婚する夫婦も増えてきていますが、モラハラをする旦那にはどのような特徴があるのでしょうか?
暴言を吐く・モノにあたる
よくある例としては、
「俺は仕事で疲れているのに、お前は一日中何をやってたんだ!」
「誰のおかげで生活できると思ってるんだ!」
「家事なんて楽なもんだろ!」
「家事もできないのか!」
「お前の躾(しつけ)が悪い!」
「頭悪いんか!」
「お前に友人がいるなんて思うなよ!」
などと暴言を吐きます。エスカレートすると、「死ね」等の言葉も出てきます。
また、イライラしたり怒ったりすると、その辺の物を蹴とばしたり机などを叩いたり、モノにもあたるようになります。
実際に暴力は振るわれなくても、日常的に語気荒く罵倒されたり、モノにあたる姿を見れば、恐怖心が積み重なり、この人は怒らせたら怖いと感じるようになり、心理的に抵抗できなくなってしまいます。
モラハラ旦那は、気づかないうちに奥さんを恐怖によって支配してしまうのです。
支配欲が強い
モラハラ旦那にはもともと支配欲が強いタイプが多く、奥さんを自分の所有物として支配したがります。
例えば、奥さんが自宅と実家を自由に行き来することを嫌がったり、奥さんがたまに友人と食事に行きたいと言っても、「お前がそんなとこに行く必要はないだろう」と反対します。
モラハラ旦那は、奥さんが自分のいうことに従わないと、暴言を吐いたりやモノにあたったりするので、奥さんはやむを得ずモラハラ旦那に従わざるを得なくなってしまうのです。
自己中心的
モラハラ旦那は自分の落ち度を認められず、何でも他人のせいにします。自分が仕事で失敗しても、それは家事や子育てがちゃんとできない奥さんが原因だと、責任をなすりつけます。
例えば、
「お前がちゃんとしてれば、こんなことにならなかった」
「お前のせいで、俺が嫌な思いをした」
「お前に似たから、子供が言うことを聞かない」
といったことを言って、奥さんを強く責め立てるのです。
モラハラ旦那は、奥さんは当然のように自分に服従するものと考えているため、奥さんの口答えを許しません。家庭内では自分が常に正しく、「自分も悪いところがあった」などと反省することはまずありません。
自分より強い者には逆らわない
モラハラ旦那は、家の外では自分より強い者には逆らわずに、表面上立場が自分より上の人に大人しく従います。
例えば、モラハラ旦那が上司から怒られても、その場で反論はせずに黙っています。しかし、内心は全く納得しておらず、自分が怒られたのは奥さんのせいだと考えるので、帰宅後、いきなり奥さんに怒り出したりします。
ストレスに弱い
モラハラ旦那はストレスに弱いため、激務が続いたり、仕事で思ったように成果が出せなかった場合、すぐにストレスを抱えてしまいます。
自分でストレスを上手く発散できないため、自分が受けたストレスを奥さんに転嫁して、ストレスを解消するのです。
周囲からの評価は「いい人」
モラハラ旦那は世間体を気にする傾向が強く、家の外では人当たりがいいため、周囲からは「いい人」で通っている場合が多いです。さらに、大会社に勤めていたり、役職についていたりと、ある程度社会的地位があって、周囲から高く評価されている人が、家庭ではモラハラ旦那という場合も多いのです。
奥さんの立場からすると、周囲からのモラハラ旦那に対する評価や信用が高いために、「周りの人にモラハラの相談をしても、誰も自分の話を信用しないのではないか」と考えしまい、自分の身内にすらなかなか相談することができない人も少なくありません。
実際に私の相談者の中にも、親に旦那のことを相談したら「いい旦那なのにあなたの我慢が足りないのよ」と言われたという方もいらっしゃいました。
自分の親がモラハラをしていた
自分の親がモラハラをしていた場合、それが家族の形としてあたり前という認識になってしまうため、自分もモラハラ旦那になってしまう確率が上がる傾向があります。
モラハラを受けやすい妻の7つの特徴
ここまでモラハラ旦那によくある特徴を見てきました。しかし、モラハラはする側にも特徴があるように、される側にも「こういう人はモラハラにあいやすい」という特徴があります。
では実際に、どういった特徴の人がモラハラにあいやすいのか見ていきましょう。
控え目で自己評価が低い
モラハラ旦那が自分の悪い部分を認められないのとは対照的に、控え目で自己評価が低いタイプの奥さんは、モラハラ被害を受けやすいといえます。
モラハラの影響で、自己評価が低くなってしまった場合もあるかと思いますが、もともと自分には目立った取柄もないなどと考えている方は、モラハラ旦那から「お前は俺のお蔭で何とかなっている」「何の取柄もないやつ」などと暴言を吐かれても、「自分が悪いから仕方がない」と受け流してしまう危険があるのです。
真面目なタイプ
真面目なタイプは、モラハラ旦那の不合理な暴言にも真面目に向き合おうとしますので、自分に何か原因があるのではないか、やはり自分が悪かったのではないかと自分を責める傾向が見受けられます。
モラハラ旦那は、このような奥さんの心理につけ込んできますので、モラハラ被害を受けやすいといえます。
忍耐強い
奥さんが忍耐強いタイプの場合、「自分さえ我慢すれば、離婚しないで、家族がバラバラにならなくて済む」と我慢してしまうので、モラハラ被害を受けやすいといえます。
気づいた時には、奥さんの心身は深刻なダメージを受けており、もはや自力でモラハラ旦那から逃れることができなくなる危険があります。
思ったことが言えない
思ったことを率直に言えないタイプは、モラハラ旦那に言われるがままになってしまうので、モラハラを受けやすいといえます。
モラハラ旦那は語気が荒く、相手の話を大きな声で遮るので、余計に自分の意見を言えなくなってしまいます。
外部との交流が少ない
もともと外部との交流に積極的でない奥さんは、モラハラ旦那との生活が全てになってしまうので、モラハラ被害を受けやすくなります。
加えて、モラハラ旦那は奥さんを自分の支配下に置きたがり、奥さんが外部と交流することを望まないので、奥さんが外部との交流を持つことはさらに難しくなります。
奥さんがモラハラ旦那のことを他人に相談する機会も失われ、一層モラハラ被害を受けてしまいます。
経済的に自立していない(専業主婦)
モラハラ被害を受けてしまう要因の一つとして、奥さんが専業主婦であるなど、経済的に自立していないために離婚の選択肢を持つことができず、我慢するしかない状況に置かれていることがあげられます。
夫の収入に依存して生活をするしかないため、奥さんは夫に対して強く出ることができず、モラハラ旦那が「誰のおかげで飯が食えているんだ」と暴言を吐く糸口を作ることになってしまいます。
過去に男女関係で失敗している
過去に男性関係で失敗している場合、自分に自信をなくしてしまったり、「もうこの人しかいない…」と思い込んでしまい、モラハラ旦那から離れられない傾向があります。
また、離婚歴がある人は「今回は絶対失敗したくない」という気持ちから、必要以上に我慢してしまう傾向があります。
モラハラ旦那への対処法
してはいけないこと
ひとりで抱え込む
モラハラ被害を受けている奥さんは、自己評価が低く自分を責める傾向があり、外部との交流が少ない場合が多いと説明しました。そのため、誰にも相談できずに抱え込んでしまう方も少なくありません。
しかしひとりで悩んでいても事態は好転しません。むしろひとりで抱え込むことが限界に達すると、うつ状態に陥ったり、最悪の場合、自分の命を絶つことさえ考えてしまいかねません。
悩んだらまずは誰かへ相談し、一人で抱え込むのはやめましょう。
モラハラの指摘や反論
モラハラ旦那は自分の悪いところを認めたがりませんし、相手を攻撃する習性が異常に強いです。そのため、こちらが旦那のモラハラを真っ向から指摘・反論しようものなら、モラハラ旦那は何倍もの力で反撃してきます。
モラハラ被害を受ける方はあまり強く主張できないタイプが多いため、自分で下手に指摘や反論をしようとしない方がいいでしょう。
すべきこと
第三者に相談する
モラハラの被害者は、そもそも自分が被害者であることを認識しづらいと思います。そのため、上記の「モラハラ旦那の特徴」を読んで、夫の行動がいくつか当てはまったら、迷わず第三者に相談すべきです。第三者に相談することで、自分がモラハラを受けているかどうか、冷静な判断ができるようになります。
ただし、身内からのモラハラ旦那の評価が高い場合、奥さんが自身の親に相談しても、「あなたの方が悪いんじゃないの?」「いい旦那さんなんだからそれくらい我慢しなさい」と言われてしまう可能性もあります。このような場合、奥さんは親に相談することで余計に精神的に追い込まれてしまうため、ちゃんと自分を理解してくれる友人などへ相談してください。
そして最終的には、正しく状況を判断して適切な対応の提案ができる弁護士などの専門家に相談することをおすすめします。
社会と関わる機会をつくる
モラハラを受けている状況から脱するためには、パートやアルバイトでもいいので社会との接点をつくり、経済的に自立することが重要です。そうすることで、自分の意見も言いやすくなります。
結婚前は仕事をしていて、周囲から評価されていた方でも、モラハラを受けることで自己評価が低くなり、自分はもう社会では通用しないのではないかと思ってしまうことも多いです。しかし、モラハラを受けるタイプの方は真面目なタイプが多いため、実際社会に出るとその真面目さが評価され、実力を発揮される方も多いのです。
このように社会に出て働くことで周りから評価され、「自分は人に必要とされる存在である」という自信をつけることができます。
実家に避難する
実家に避難するのもひとつの手です。家族があなたを理解し、快く受け入れてくれる場合は、取り返しがつかなくなる前に実家に避難しましょう。
ただし、前述したとおり、自分の親が夫に肩入れしている場合など、「あなたが悪いんじゃないの」と言われる状況ならば、実家への避難は余計に自分を追い込むことになりますので、避けた方がいいでしょう。
別居・離婚する
モラハラ旦那のモラハラは改善が難しいため、モラハラがあまりにひどい場合は、離婚もやむを得ない選択だと思います。モラハラ被害が著しい場合には、まずは別居して、本格的に離婚に取り組む必要があります。
しかし経済的に自立していない場合、別居・離婚はハードルが高くなりますので、アルバイトやパートをしたり、外出が困難な場合は就職に有利な資格取得のために勉強するなど、経済的に自立できるように行動を起こすことが大切です。
旦那のモラハラを理由に離婚したい場合は
離婚理由としてモラハラを挙げる人は年々増えています。しかし、何がモラハラに当たるかの判断は明確ではなく、証拠集めも手間がかかるため、モラハラが離婚理由として認められるには相当のハードルがあります。
DVの場合、殴られればDVだとすぐ分かり、体に痣ができれば、診断書をもらうことで、DV被害の立証も比較的容易です。これに対してモラハラは、精神的な被害は外部から見えず、どんな言葉を言われればモラハラに当たるのかも明確でありません。「誰のおかげで飯が食えてるんだ!」と言われたからといって、1回の証拠だけではモラハラを立証するのは困難です。様々な場面で色々な暴言を何度も言われ続けたという状況を総合的に判断して、ようやくモラハラだと認められるのです。
ここからは、モラハラを理由に離婚したいと思った場合、何に注意して何を準備すればいいのか、ご紹介します。
証拠を集める
モラハラを離婚理由として主張するには、証拠として家庭内での暴言や横暴な行動などを継続的に記録しておく必要があります。
暴言を吐かれた際の会話の録音・録画やメール、LINEなどでのやり取りは、モラハラか判断する際の重要な証拠になります。会話の録音・録画ができなかったときは、少なくとも日記やノートなどに相手の暴言や行動を書き綴っておくことが重要です。
上記のような証拠がほとんどない場合、モラハラを理由に離婚を主張することは難しくなります。離婚を決意している場合には、できるだけ多くのやり取りを継続的に記録しましょう。
また、携帯電話を新しく買い替えた際に、過去のメールやLINEなどのやり取りが消えてしまったなんていうこともよくあります。せっかく記録したものを消したりしてしまわないように注意しましょう。
そもそもモラハラだと気づかないケースも…
そもそも自分がモラハラを受けていると気づいていないケースが多くあります。人格否定が日常的に行われるため、「自分がちゃんとできないから」「自分が悪い」と思ってしまう方が多く、その結果「自分はモラハラを受けている」と認識すること自体が難しくなってしまうのです。
実際に離婚したいと法律相談に来られる奥さんの話を伺っていても、旦那からの暴言を説明する場面で「いや、自分も悪いんですけどね」と言う方が多く、私が「それはモラハラですね」と指摘して初めてモラハラを受けていたと気づかれることも多いのです。
最近は、夫から一方的に離婚を申し立てられて相談に来られる奥さんも増えており、自分に非があるのではないかと悩んでいる方が多いのですが、話を伺うと奥さんに何か問題があるわけではなく、奥さんがずっとモラハラを受けてきた影響で、自分に非があると思い込まされていたという場合も多いです。
このようにモラハラは、受けている方が自分で気づくことが難しいことが大きな特徴として挙げられます。まずは気づくことが解決への第一歩ですので、少しでも「これってモラハラかも?」と思い当たる節がある方は、誰か(できれば弁護士などの専門家)に相談するようにしましょう。
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モラハラで悩んだら弁護士に相談を
モラハラの判断は難しく、あなたが受けているモラハラが離婚理由として認められるかどうかは一概には言えませんし、認めてもらうためには準備が必要です。
わたくし木原へご相談頂いた場合であれば、丁寧に問題点をあぶり出し、状況に応じて様々な視点から対処方法を検討します。離婚に向けて必要な準備についても、どのような時期に何をすべきか、どのような証拠が必要なのかなど、具体的なアドバイスが可能です。
なによりご相談者様が望む解決となるよう親身にご相談に応じますので、悩んだらまずはご相談されることをおすすめします。
順序や細かいアプローチがそれぞれ違うとしても、弁護士は弱い立場・困っている人の味方です。自分がモラハラを受けているかを客観的に確認するだけでも価値がありますので、悩んだり迷っている場合は、まず相談できる弁護士を探してみてください。