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養育費の相場はどうやって決まる?法律や事例を紹介します

養育費の相場はいくらでしょうか?離婚にあたって、自分1人の収入では子どもの将来が不安…でも、養育費ってどのくらいもらえるの?実は、養育費の相場は''あるもの''を見ればわかるんです!また、養育費はいつまで払ってもらえるの?大学進学時の入学金や授業料は?増額はできるの?そんな疑問に現役弁護士がお答えします。

子どもがいる状態で離婚すると、養育費の問題が発生します。親権を持たない側としては相場を知っておくに越したことはありません。

この記事では養育費の算定を迅速に行うための方法と、養育費取り決めのポイントを紹介します。

Point

・養育費とは、子どもの養育にかかる費用です
・養育費は算定表をもとに決めることがおすすめ
・養育費の取り決めをするときは、未払いになった場合まで想定しよう

養育費とは

養育費は、子を養育していない親から子を養育している親に対して支払われる、子どもが自立するまでの養育にかかる経費全般です。

例えば、このような費用があります。

  • 生活費
  • 教育費
  • 医療費

他に習い事の費用や交通費、最低限の小遣いも養育費に含まれます。ただし子供を育てるための費用は親権者も負担するので、親権者自身の収入も養育費計算では考慮されます。

親権者じゃなくても扶養義務はある

子供を育てるのは親の義務ですが、親権がない人に養育費を請求できるのはなぜか?それは民法766条1項に「その他子の監護に必要な事項」と規定されていることが根拠となります。

養育費は「子供に払う費用」です

養育費をめぐる問題で養育費を元配偶者に支払うお金と勘違いされる場合があります。確かに実際に受け取るのは子供を育てている人ですが、養育費の実質は子供に払われる費用です。

「配偶者のことが嫌いだから養育費を払いたくない」と思うならその視点を変えることが第一です。

養育費の支払いはいつまで?

養育費は子供が成人するまで支払うものとされています。しかし子供が大学に進学する場合においては大学卒業までの学費がどうなるのか?という問題が生じるでしょう。

そこで、離婚協議書に「大学進学時はまた協議する」という規定を作ったり、教育熱心なご家庭で大学進学がほぼ間違いないのであれば、22歳まで支払うと決めたりすることが有効な解決策となり得ます。

離婚協議はお互いの合意と法律が認める限り自由に決められるので、教育に関心の高い相手であれば医学部や私立大学などの学費に関しても柔軟に話し合いやすいでしょう。

また、留年、浪人など予想外の出来事が起きることに備えて、「特別の事情の起こった場合は別途話し合いができる」という規定を作っておくことは大事だと思います。

養育費の相場は参考にすべきなのか?

 

養育費はどのくらい払われているのか?

相場というものは「実際どのくらい支払われているのか」をもとに計算できますが、ここでは厚生労働省がまとめた平成28年度全国ひとり親世帯等調査結果を参考にします。

子供の数 母子世帯 父子世帯
1人 約38000円 約29000円
2人 約48000円 約32000円
3人 約58000円 約42000円
4人 約68000円 データなし

この統計によると、概ね子供の数と親権者によってこのような平均値があります。しかし養育費の金額はそれぞれの収入状況や子供の状況によって大きく異なりますから、個別具体的な検討が求められます。

養育費算定表を参考にすることがおすすめ

養育費・婚姻費用算定表:https://www.courts.go.jp/toukei_siryou/siryo/H30shihou_houkoku/index.html

表の中の「権利者の年収」は養育している、養育費をもらう人の年収を示しています。「義務者の年収」は養育費を払う人の年収を示します。この両者の年収がぶつかったところの額が、養育費の基準になります。

これら算定表からわかることは以下の5点でしょう。

  • 支払う側の年収が養育費の金額に関わる
  • 受け取る側の年収が養育費の金額に関わる
  • 自営業者と給与所得者の違いが養育費の論点になる
  • 子供の数が多いほど養育費の相場は高くなる
  • 子供の年齢が高いほど養育費の相場は高くなる

これらを踏まえて、いくつか養育費算定の例をご覧ください。

補足:年収の見方について

年収とは、1年にもらったお金のことですが、実際には給与が支払われる際に税金が天引きされています。そのため年収を指すときは手取りではなく総支給を見るようにしてください。参照すべきは源泉徴収票です。

ちなみに事業主の場合は売上から経費を引いたものが所得となります。源泉徴収票が取引先から発行される場合もありますが総額を見るときの参照先は確定申告書です。

例1 子どもがひとりの場合

例をあげて解説します。

子どもが0〜14歳児の1人、養育費を払う側の給与収入が年間400万円で、養育費をもらう側の収入がない、あるいは月額数万円程度のパート収入しかない場合、算定表では月4〜6万円の間で決まります。

年収が600万円で上記と同じ条件の場合、算定表では6〜8万円の間で決まります。

例2 子どもが複数の場合

0〜14歳児が2人、養育費を払う側の給与が400万円の場合、算定表では6〜8万円の層になります。

子ども2人は同じ生活をしているので、被った住居費などが控除されるため、単純に養育費が2倍になるわけではないところがポイントです。

例3 養育費をもらう側に収入がある場合

養育費をもらう側の収入によって、養育費の額は変わっていきます。

親権者の収入が多ければ多いほど、養育費の相場は減っていきます

養育費の支払い方法はどうする?

養育費を決める手続きは、お互いの話し合いです。裁判所を通さずに話せる場合は示談で決着し、それではうまくいかないときは裁判所での調停を行いますが、いずれにせよお互いの合意が原則です。お互いの合意ができないときは、審判により決まります。

養育費の取り決めは金額さえ決めれば良いと勘違いされる方が多いのですが、支払方法等についてもしっかり決めないと後々問題に発展します。

  • いつ支払うか
  • どこに振り込むか

養育費は月額払いでもらいましょう

養育費の支払いスケジュールは月額払いを推奨します

珍しいパターンですが、これ以上関わりたくないからと一括払いを選ばれる方もいます。この場合、養育費を払う側のメリットとして毎月の支払いで関わらなくていいという点、金利分が安くなるという点もありますが、今は金利が安いのであまり影響はないかと思います。受け取る側にとっては、回収漏れが起こらないというメリットがあります。

これを踏まえ、のちのちの養育費未納問題が起こらないように、多少減額して一括払いにするというケースもあります。ただし、養育費の総額は1000万円を超えることも珍しくなく、簡単に払える額ではないので、通常は月額払いを選ばれる方が多いです。

それに一括払いで合意したとして、それが「本当に必要な養育費を満たす」と限りません。お互い関わることに後ろ向きだとしてもやはり臨機応変に話し合える状況を作るべきです。

離婚協議書は公正証書で

養育費が支払われない問題は他人事ではありません。養育費の未払いに対して迅速に対応するためには公正証書という形で離婚協議書を作りましょう。

公正証書のメリットは、裁判等を経ずに強制執行ができる

強制執行は月々の給料から税金などを控除した額の1/2の範囲内で行うことが可能です。調停を介して決めた場合は調停調書が作成されます。

調停調書では公正証書同様、支払いが滞った時は速やかに給与等の差し押さえができます。このような差押の根拠となる書類を債務名義と言います。確定判決もこれにあたります。

実際の養育費は相場通りに決まらない?

算定表は離婚協議や離婚調停を迅速に進めるために有効ですが、やはり各家庭ごとの事情があるので相場通りに決着しないこともよくあります。両親の収入、子どもの数以外には他に発生する収入や経費の部分も考慮して養育費は決められます。(経費なら家賃・住宅ローンなど、収入で言えば義両親からの仕送りなど)

実際の協議の場では、お互いの年収と子どもにかかる費用を基本とした上で、相手方の意見も聞きつつ決めていきます。

養育費の合意は必要最低限支払えばあとは自由

時には相場から大きく離れた金額で合意することもあるでしょう。たとえ算定表で出された額が月3〜5万円でも、相手が「頑張って月7万円払います」と合意すれば7万円を払ってもらえます

逆に言えば養育費の相場を知ることは「夫婦間だけで養育費の合意ができなくなった場合」に役立ちます。

養育費の増額も可能な場合がある

養育費の合意をした後に増額ができる場合もあります。例えば養育費の支払額が相場に及ばず子供の福祉が守られていない場合は増額の請求がしやすいです。また、必要に応じた想定外の出費が必要になった場合も相当の事情があれば増額しやすいです。

こちらは、以下の章で詳しく紹介します。

養育費の増額・減額

養育費の増額

特別な事情があった場合に養育費の増額が認められますが、中でも論点になりやすいのが学費です。大学の進学について決まっていないときは、「改めて協議する」旨の条項を離婚協議書に入れておきたいです。

事情変更への対応について取り決めておらず、後に困ってしまうというケースは少なくないので注意しましょう。

養育費の減額

増額とは逆に減額が必要な場合もあります。例えば養育費を支払っている側の給与が合意当初から大幅に減額された場合など、経済状況に変更があった場合は、速やかに協議を行いましょう。過大な養育費によって義務者の経済状況が傾くことは長期的な支払いを考えた上でもデメリットになります。

減額の交渉をしても額に納得がいかない場合は、養育費の減額申立の調停をすることになります。それでもうまくいかない場合、審判を行うことになります。

ただし、自己破産しても養育費の支払い義務はなくなりません

再婚と養育費について

場合によっては、権利者が再婚して経済状況が変わる場合があります。基本的には再婚相手が子供を養子縁組した場合、第一義的には再婚相手が子の扶養義務を負うため、義務者は養育費の支払義務を免れることができる場合があります。

まとめ

養育費の相場は、子供の数や年齢、夫婦それぞれの収入である程度決まります。もし、手早く決めることを最優先するなら相場通りに決めてしまうのも一つの手段です。しかし、事情が一般的な家庭と異なり家族が幸せになれるような合意をしたいなら、一つ一つの条項をしっかり検討することが望ましいです。

契約は1枚で完結するものでもあらゆる事情を想定して作られます。特に養育費に関しては数年、10数年先まで見るべきものですから離婚問題に経験豊富な弁護士とともに協議書を作成するのが良いでしょう。

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