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面会交流を実現するための3つのポイント|親権で揉めたときから考えてほしいことを弁護士が解説

今回ご解説いただく先生のご紹介

今野佑一郎(こんの ゆういちろう)  弁護士

-ユナイテッド・コモンズ法律事務所/札幌弁護士会所属


どう言ったところが対立部分なのかを明確にすることはもちろんですが、”これからどうするか”に重点をおいて対応しています。これからの生活をどうしたいかという目的によって、選択肢は細かく変化いたします。離婚であれ慰謝料の請求であれ、何のためか、ということを大事に問題に取り組みます。



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面会交流と親権|子供に会い続けるためのポイント3つ

親権を得ることができなかったとしても、子が大きくなっていく過程を見守っていきたいという気持ちは自然なものだと思います。ですが実際には、離婚時の交渉や取り決めの甘さなどから面会を継続していくことが難しくなってしまうケースも見受けられます。

この段落では面会交流について父親側がどんなことに気をつけるべきか解説していきます。面会交流についてはもちろん母親側の弁護を担当することもございますが、当職が男性であるからか、男性側に立って弁護することが多い為です。

 

親権にこだわりすぎると面会すら難しくなる

子供と一緒にいたい気持ちはどちらも強いものだと思います。ですが、親権者を決めるにあたって、どちらが適格かという話し合いは、相手方当事者の”親としての不適切さ”という人間性を否定し合うことに発展することも珍しくありません。

当事者間の主張が激しくなると、最終的に親権者とならなかった親と子との面会の実施についても、実施に影響しかねません。離婚後の面会においても、父母での日程調整や場所や時間の調整は必要になりますが、それを行う父母の関係性が悪化していると、心情的理由から実質的に面会交流の実現にも影響が生じかねないということです。

事案によっては、親権者とならなかった場合を想定して、子と父母の関わりを考えることも必要になります。

子にとっての利益を考え、その実現のために、どのように父母が子と関わることが必要かを考え、その中で、面会交流による父母同士の関係性の構築という視点を持つことも、子との継続的な関係を維持していくためには重要なことです。

父子関係、母子関係にも、家庭によってその関わり方は様々です。色々な形の関係性を選択肢として知ることが、子の利益につながることになります。

 

裁判所が面会交流を定めることはあるが…

面会交流について、話し合いによる調停で具体的な取り決めができなかった場合、審判手続により裁判所が面会交流について判断をします。この場合、「月1回程度の面会交流をすることを認める」と判断されることは少なくありません。

 

ですが、実際には審判によって面会交流が決められた場合においても、その実現が父母の関係性によっては難しくなることも多くあります。

審判になったということは、審判に至るまでに面会交流で双方の主張が対立していたというケースが多く、最終的に裁判所が示した判断があっても、それまでの主張の経緯等から、積極的には面会交流を実施しにくい場合があったりもします。「裁判所に言われたから仕方ない…」と当事者が思うような面会交流となってしまうと、子にとって大事であるとはわかっていても長続きしない、ということです。父母同士が心理的なしこりを抱えることになり、面会交流自体がストレスで負担になるという場合も生じます。

面会交流が、心理的なものなどから実効的に実施されないとなると、面会を求めている父母にとっても、そしてなにより、もっとも重要な子の成長にも影響が生じかねません。ですので、面会交流という子と親のかかわりが、形式的な約束にならないよう、父母の双方が面会交流の重要性を理解して、協力しながら継続的に会える段取りを決めることが重要です。

 

面会を充実させていく

ここまででわかる通り、親権者となることではなく、意味のある面会交流が継続することを目指すこと自体が大事になる場合も多くあるわけです。父母において考え方の対立があるとしても、子との関係においては、まずは面会を着実に実施し、親子の交流を充実させていくことが大事だと私は考えています。

諸々の事情から、親権者が短時間の面会のみ応じるという意向を示した場合、面会時間を争っている間に、他方の親と子との接触の機会が徐々に失われていきます。そして、その争いが長引けば親子の関係にも重大な影響が生じることにもなりかねません。必ずしもすべての事案に当てはまるものではありませんが、案件によっては、父母の身上や事案の経緯等にも配慮し、まずは短時間(15〜30分程度になるかもしれませんが)であっても、すぐに面会を実現すること、そして実際の状況を踏まえて、次の面会に向けて話をしていくことが選択肢となるケースもあります。

 

父母間でお互いの主張が対立してしまうことはよくあります。一方の主張や要望のすべてが聞き入れられることは難しいので、まずは面会交流を実施し、その重要性や有益性を当事者が認識して、徐々に機会や時間等を変えていくということを考えることも必要です。また、子どもと会わない期間が長くなる前に、子との接点を増やすことで、同居していない親との面会交流の機会に積極的に臨むことに繋がります。段階的に面会交流を行っていくケースとして、「~か月後からは昼食(夕食)を伴う面会を実施する」であったり、「〜からは、宿泊を伴う面会を実施する」といった内容を盛り込んで、将来の面会交流のあり方を考えていくこともあります。

しばらくの間は、第三者機関の関与など、面会交流の実施に一定の限定があるとしても(特に子どもの年齢が小さいときには多くあります)、子供が成長すれば自分の意思で物事を決められますし、大人になるに連れ、相談したいことが増えるなど、子供が進んで親と会う機会を求めるようになることもあります。しかしながら、子が大人になるまでにほとんど面会交流のないままに時間が過ぎてしまうと、非親権者との交流はなく、非親権者が親であるという認識が育つこともなく、親子の関係性を構築する基礎自体が薄れてしまうこともあります。つまり、面会交流がしっかりできないまま時間が経過すると、親子としての意識が希薄になる未来もあり得るわけです。

 

確かに、親権者として子を養育することの重要性は大きくありますが、子の成長や利益を最優先に、長期的な視点で、子どもの成長にどのように関わるかを考えていくことも大切になります。子のために、父母が将来を見据えて、そして具体的な関わりを考えながら、きちんと話し合いをしていくことが必要になります。親権者にとっても、親権者ではない親と子との交流を実効的にしていく重要性を認識し、父母が子のために面会をどのように日常生活に組み込んでいくかも重要なポイントとなります。

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面会交流に関する今野弁護士の対応事例

この段落では私が実際に担当した事案をもとに、面会交流権の主張で多いケースをご紹介していきます。

 

親権ではなく面会交流権だけ主張することも

実は面会交流の実現のために、離婚後(あるいは離婚調停係属中に)、離婚調停とは別に面会交流調停を申し立てるケースは結構多いです。離婚調停を申し立てられた父親側から、面会を求める場合は一定数あります。

父親としては、苦渋の選択にはなりますが、それまでの養育状況や子の年齢、勤務状況等から、親権者を母親として離婚をすることとし、離婚後、子供の成長を見守るべく、定期的に父子の面会交流を実施していきたいという理由が少なくありません。

 

法律上は、養育費の支払義務と、面会交流の実施は、別の権利として位置づけられますが、親権者ではない親に養育費の支払義務が生じている場合、学費等、養育費を支払う以上は、できるだけ子と会いたい(面会したい)、子の成長を見守りたいという主張が強くなることも多いです。親と子とのかかわりは、子どもにとっても極めて重要な機会、時間でもありますし、親が子と会いたいという気持ちが生じるのも当然のものでもありますので、そのような考えから私も弁護士として親権者ではない親との面会交流の実現には注力しています。

 

子に会えない父親からの面会申立を多く担当

私は親権者が母親である場合の父親からの面会交流の申立を数多く担当しております。母親が子を連れて別居するに至った場合に、父親から子との面会交流の申立を依頼されることも多いです。

養育費の支払いとともに面会交流を約束して離婚したのに、離婚後、長期間にわたり子との面会が実現しないというケースも少なくありません。離婚時あるいはそれまでの父母の関係性にもよりますし、離婚の原因によっても対応が異なることはよくあります。そのような状況において、弁護士が関わることで、すべてが直ちに解決できるかというと、残念ながら必ずしもそうとは言えません。

相手方の事情もあれば主張もありますし、特に当事者本人同士の話し合いで離婚時の条件を定めた場合などは、取り決めの具体的な内容が定まっていなかったり、書面として明示していない場合も多く、解決までには時間を要しますし、双方の主張、対立点などを整理する難しさもあります。

 

子どもとの間で、父子、母子の関係は、離婚後も継続するものですので、離婚の際の取り決めに当たっては、将来を見据えて話し合いをすることが極めて重要となってきます。もちろん、将来のことをすべて明確に決めることもできませんので、子の成長に応じて、父母で協議する事項もあるでしょうし、関係性の変化により、当初の取り決めも変化していくこともあります。

離婚における取り決めにおいては、特に、子に関するものであれば、将来にわたり継続するものとなりますので、子の成長に応じて柔軟な対応が求められる事項ともなり、父母がそのことを理解することが本当は大切になります。

 

子との面会についてみれば、取り決めがない場合もあれば、取り決めしていてもその通りに実現しないなど、様々な問題が生じることもまた事実です。全く面会できないなどの困った場合は弁護士に相談することで解決できる場合もありますので、まずは専門家に相談することが大切です。

 

相手が子供を連れ去り離婚調停申し立てをしてきた際、逆に面会交流調停を申し立てたことも

父母において離婚の取り決めが完了する前(離婚する前)に、子供とともに別居してしまい、その住所もわからず、子どもとも会えないままになっていたところ、相手から離婚調停を申し立てられたという案件がありました。

別居後、子との関係が時間がたつにつれて薄れていくことを避けなければならない事案でもあり、離婚調停を申し立てられた当事者から、面会交流調停の申立てを行い、親子の面会についても、離婚の話し合いをしながら、並行して実施していくために対応することもあります。

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面会交流は父親のためだけではない

 

面会交流は子供にとって大切なこと

面会交流といえば親権を獲得できなかった父親の為のものという印象が強いのかもしれません。ですがそれは大きな間違いです。

 

前提として、子供にとっては母親も父親も親であることに変わりはありません。子どもにとっては、片方だけがいればいいというものでも必ずしもありません。夫婦間における離婚に伴う紛争は、子どもが精神的な影響を受ける場面は少なからず見られます。

子どもは、面会交流を通じ、一緒に暮らしている親(監護親)だけではなく、そうでない親(非監護親)からも大切にされているという感情を抱き、安心感を得ることができ、その結果、親の離婚による不安等を解消していくことに繋がるものでもあります。非監護親との良好な関係性の構築が、子どもとの孤独させず、不安にさせないためにも大切です。私が対応するときにはこういった観点から面会交流は特に大事にしています。

離婚に伴い親権者の定めや面会交流の取り決めを含む話し合いについて対応させていただく際は、父母双方に「夫婦としてのの関係性」だけでなく「親子というのつながり」についてもよく考えて、将来を見据えた話し合いをしていくことが必要であることを説明させていただいています。

 

そして父母にとっても大事なこと

子どもを通じての交流によって、離婚後であっても、子の父母として親子関係を意識すると思います。子供が面会後に「今日はお父さんと遊べて楽しかった」という感想を漏らせばお母さんも母親として面会交流の重要性を感じることと思います。

離婚に伴う紛争を原因に、父母の関係が悪化することによる子どもへの影響は避けられません。父母が、子のための面会交流の重要性を認識し、父母の関係性も新たに構築していくことが、父母で子の生活状況等の情報提供などを行っていくきっかけになればと願い、面会交流の設定に尽力しています。

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面会交流や親権で困ったら

親権を含む離婚問題で困ったら弁護士に相談

「いま置かれている状況がどんなものか」、「今後どのような対応や行動をしていくべきか」など、おひとりでは判断が難しいことが山積みかと存じます。ですので、まずはご相談をして頂ければと思います。

親権争いはお話してきたように、当事者同士ですと感情的になり、最終的に「相手が親権者として不適格である」というような罵り合いになってしまうこともあります。結果として親権が得られなかった場合に、今後の面会交流さえ難しい状況になってしまいかねません。代理人として弁護士が入ることによって、将来を見据えた離婚の協議を進めることができ、子のために離婚後の父母の関係性を構築するきっかけにもなります。

また、離婚に伴う条件の取り決めを、将来の関係性を見据えながら、検討・協議していくことが重要になります。主張の内容や順序、関係資料の整理も含め、当方の意見を精査することのほか、相手からの主張を分析することも必要になります。離婚全体と親権獲得成否の見通しを持つことで面会交流権を始めとした事柄を主張したり実現しやすくなるかと思います。

 

当記事をご覧いただき、あらためて親権自体の獲得をご希望される方もいらっしゃるかと思います。親権の定義とはそもそも何か、父親が親権を得ることは世間で言われるように難しいのか、打てる選択肢はないのか、以下の記事で詳しく解説しております。こちらも合わせてご覧いただけますと幸いです。

 

 

面会交流の実現に向けて

面会交流の内容は、調停等での話し合いで決めることがゴールではなく、実施されなければ意味がありません。どのように内容を決めても、守られない約束であれば、子との関係性を構築することも困難になります。

面会がだんだんと実施されにくくなる想定例を説明しましょう。例えば、面会予定時刻の直前に子供が熱を出して面会ができなくなることもあります。それ自体は珍しくないかもしれませんが、もし連絡手段次回についての協議方法代替案などの取り決めが不十分だと、次回の面会予定を立てにくく、気づけば面会交流をしないで半年が過ぎる、ということになりかねません。

このように様々な場面を想定し、弁護士に依頼したり相談して条項を整備することで、面会交流を実現する確実性を高めることにつながります。必要に応じて、間接強制という法的手段を用いることもあり得ますし、それを見据えた対応が必要になることもあります。

子どもとの面会が実現しないままに時間だけが過ぎてしまうことは、親にとっても、子にとってもいいことはありません。法的手段をとることが、現状を一歩進める機会になることも多いです。

現状に諦めず、「親権争いで不安だ」「親権について改めて確認したい」「面会交流をきちんと実現したい」など、離婚に伴う問題にどう臨めばよいかと悩む際には、弁護士に一度ご相談されると良いと思います。ご相談いただければ、弁護士が一緒に打てる選択肢を考えます。

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