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離婚準備は何から始める?弁護士が教える離婚準備リスト

離婚準備は何をすればいいのでしょうか?離婚をしたいけれど、必要な準備が山積み。どのくらい貯金をすればいいのかもわからないし、離婚後の生活が不安でなかなか行動を起こせない…そんな方は少なくないのではないでしょうか。実は離婚にあたっては、8つの準備をすれば済むんです!離婚に必要な準備と、必要な貯金の額について現役弁護士が徹底解説します。

今回ご解説いただく先生のご紹介です。

勝又 賢吾(かつまた けんご) 弁護士

幅広い分野を取り扱っておりますが、その中でも特に離婚や労働問題を多く扱っています。
こうした悩みやトラブルは、早期相談が大切なことも多いですので、ぜひお気軽にご相談にいらしてください。
得意分野:離婚・男女問題、労働問題、交通事故

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離婚準備リスト8項目

離婚準備(1) 弁護士への相談

弁護士への相談は、離婚をしたいと考えたタイミングでするべきだと思います。

相談自体は高額ではなく、30分5000円が相場かと思いますし、中には初回相談無料の先生もいらっしゃいます。
離婚にそもそもどんな準備が必要なのか全体像を把握しないと何もできませんし、漏れがあっては後から困る可能性もあり、最初に相談をしておくことで不安要素を減らすことが肝要だと思います。

離婚するべきかしないべきか迷っている段階では、弁護士への相談はおすすめしません。
離婚をするかどうかは人生において大切な決断なので、弁護士としては「絶対にするべき」とお答えするのは難しいです。
できることとしては、
離婚するとしたらどうなるのかをお答えすることになります。


では、弁護士に相談すると何ができるのかというと、
どのような離婚準備が必要なのかを明確にすることができます。

離婚に必要な準備は、家族構成、仕事の有無など、人によってかなり異なりますので、自分のケースではどんな準備が必要なのか、弁護士に相談してはっきりさせることをおすすめします。

さらに、離婚の話し合いはどうしても時間がかかり、裁判に発展することもあります。そのため、家を出てしまって生活がどうにもならないという状態でご相談をされても、打つ手がなく生活が苦しくなってしまう可能性があります。

そこで、離婚をしたいと思ったら、家を出たり相手に離婚を切り出す前に弁護士に相談していただき、離婚をしたらどうなるのか生活設計を一緒に考えたいと思います。

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離婚準備(2) 生活設計を考える

先述の通り、離婚の話し合いには時間がかかるため、いきなり家を出ると生活に困る可能性があります。また、離婚後の生活に目処が立っていないと落ち着いて交渉できなくなってしまいます。

事前に今の収入と支出を比べて、生活設計について試算を立ててみましょう。
離婚後生活にかかる費用は生活の状況お子さんの人数今お仕事をされているか実家の助けが得られるのかなどで変わってきます。

いつも自分で家計簿をつけている方であれば、ある程度計算は自分でできると思います。
自分でなかなかイメージが湧かなければファイナンシャルプランナーに相談するのも手です。

また、裁判所のホームページに、裁判で使っている家計収支表の雛形が載っています。
収入と支出を比べる際、これに載っている項目について金額を入れていくといいでしょう。

住居費、お子さんの教育費、医療費、光熱費、食費、交通費などの一般的な項目は網羅されています。
養育費や婚姻費用を考える際にも裁判所が使っている資料なので、実際に生活設計を考える上で使うのは有用だと思います。
これを埋めた上で弁護士に持ってきていただければ、「これなら見通しが立つから別居しようか」などとアドバイスをすることもできます。

参考:家計収支表
http://www.courts.go.jp/akita/vcms_lf/04kakeishuusi.pdf


また、お子さんがいる場合、離婚後に
児童扶養手当児童育成手当を月額で受け取ることができる可能性があります。

これらは生活設計を考える上で大きいですが、もらうための要件は、自治体によって厳しさが違います。
別居しているのに住民票の住所が一緒であったり、もらっている養育費の額によっては、受け取れないことがあります。
自分が出ていく場合は住民票を移すので大丈夫ですが、相手方が出て行った場合には住民票を移しておらず手当を受け取れないという問題が実際に起こりえます。

そのようなケースでは、弁護士を通して離婚の話し合いをしている場合、弁護士作成の内容証明郵便の通知書の写しを見せて、別居していることを示すなどで対処できます。

また、別居後に受け取れないことに気づくのでは遅いため、まずは別居をする前にご実家など別居先の自治体に受給の要件を確認してください。
その上で住民票などの問題が起こったときは弁護士にご相談ください。支給に向けてお手伝いができます。

参考(東京都):http://www.fukushihoken.metro.tokyo.jp/kodomo/kosodate/teate/aramashi.files/31leaflet.pdf

また、自治体によってはそれ以外の公的扶助制度が存在することもあります。
たとえば名古屋市では「ひとり親家庭手当」が設けられています。

他に受給できるものがあるか、事前に行政の窓口で聞いてみましょう。

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離婚準備(3) 住居の確保

生活設計を立てるのと同時並行で、離婚後に住む家を確保しましょう。

私が受けてきたご相談の中では、離婚後は金銭面の理由でひとまず実家に助けてもらえるかを検討することが圧倒的に多いです。
なかには働いているので新たにマンションを借りる、という方もいます。

住む場所によってできる仕事の幅も変わってくるので、どのような仕事をするのかと連動して住居について考えることが大切です。

 

離婚準備(4) 仕事を探す

離婚や別居の前から仕事を探しておき、生活できる目処をつけておきましょう。

先ほどの生活設計、住居の確保にも関連しますが、離婚後実家に帰って、仕事も決まっているという状況であれば、落ち着いて離婚の交渉に臨めると思います。

もし実家に戻るならば実家から通える職場にするなど、離婚後住む場所をもとに探すことになります。
小さいお子さんがいらっしゃる場合には、仕事に行っている間面倒を見てもらえるのか等、家族の協力が得られるのかを事前に確認しておきましょう。

 

離婚準備(5) 離婚条件を考える

これまでの準備で、ある程度生活の見通しを立てることができたら、どのような条件で離婚するのかについて考えます。
最初に弁護士に相談していれば、「このくらいになりそう」という相場をお伝えすることができます。


まずは、離婚について話し合いをしている間の生活費として、
婚姻費用について考えます。
婚姻費用についての協議がすぐに整わないと、別居後収入を得られず、日々の生活に困りかねません。

婚姻費用の相場は、相手方の収入とこちらの収入をもとに、養育費・婚姻費用算定表を用いて算出することができます。
額がどのくらいになるのか、離婚や別居をする前に確認しておきましょう。

 

養育費・婚姻費用算定表については、こちらの記事も参考:
養育費・婚姻費用にまつわる問題を解説!〜養育費の一括払いや前払いは望ましくない!?

 


婚姻費用について確認したら、離婚にあたって、また離婚後の条件として、
財産分与親権養育費慰謝料面会交流の条件について考えましょう。

婚姻費用・養育費・財産分与・慰謝料は生活設計に直接かかわるので、とても重要です。
また、お子さんがいらっしゃる場合、親権・面会交流についての条件を決めるのは、感情的に割り切れない部分があるため、争いになることが多いです。

 


とにかく早く離婚したいという場合では、財産面では譲歩しなければいけないこともあります。逆に、財産をしっかり確保したいのであれば、協議に時間がかかることはある程度は覚悟しなければいけません。
このように、離婚したいと思った理由が経済的理由の場合と、性格の不一致でお金はいいから早く別れたいという場合とでは、何を重視するかが異なります。

もちろん、財産分与と親権など、問題の属性は別ですが協議の中ではリンクさせて、「こっちはいいけど、こっちは譲れない」と駆け引きしていくことになります。全て自分に有利な条件で離婚しようとすると、協議がなかなかまとまりません。
だからこそ、自分の希望する獲得目標と、何を譲歩してもいいのかを明確にすることが大切です。

また、婚姻費用や養育費をもらう側には、実際の生活状況から「このくらい欲しい」という希望があるものですが、裁判所が定める基準があり、収入に応じてもらえる金額はある程度決められています。
もっとも、弁護士に相談すれば「他の部分はこのように変えて、婚姻費用や養育費をもっともらえるようにしよう」など、どう交渉するか一緒に考えることができます。

ただし、婚姻費用や養育費は、実際にはもらう側としては少なく感じることが多いです。
最終的に金額が決まるまでは、
「これくらいは払ってもらえるだろう」という前提で生活設計を考えない方がいいでしょう。

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離婚準備(6) 離婚協議に必要な書類を集める

離婚交渉するにあたって、まずは婚姻費用や養育費の額から決めるため、相手方の収入の把握が必要です。

サラリーマンの方であれば源泉徴収票、自営業であれば確定申告書のコピーを一緒に住んでいるうちに取っておきましょう。
それらが見つからない場合、住民票の住所が一緒であれば課税所得証明書を役所でもらうことができます。
自営業の場合の確定申告書や課税所得証明書の収入は、課税対策で経費を多く計上することで収入を少なく見せている可能性があるので、帳簿もコピーしておくことが望ましいです。

また、通帳のコピー、証券会社からの郵便物なども取っておけば、預金や有価証券の口座の場所がわかるため、弁護士が照会をかけて財産額を把握することができます。

離婚の話し合いが始まると、相手が感情的になると開示してくれない恐れがあるので、収入や財産に関する書類は協議を始める前に確保しておきましょう。

実際に離婚をするにあたっては、離婚届、戸籍謄本、印鑑、本人確認書類などが必要です。
しかし、戸籍謄本には有効期限もありますし、離婚届を提出する直前にもらうこともできます。また、離婚届が見つかって警戒され、通帳を隠されてしまっても困るので、これらの書類の準備はあまり早くからしなくても大丈夫です。

 

離婚準備(7) 別居

別居のタイミングは、ある程度書類・証拠を集めて、生活の見通しが立ってからが良いでしょう。

同居しながら離婚協議をするのは現実問題として難しいと思うので、別居してから離婚協議をするという方が多いです。

小学校などに通うお子さんがいて自分が出ていくのが難しいケースでは、別居せずに離婚協議をすることもあります。

 

離婚準備(8) 協議

話し合いで離婚を目指す「離婚協議」ですが、かかる期間は人によってかなり異なります。ですが、共通して言えるのは簡単にはまとまらないということです。


たとえば、争うことがあまりないような短い場合でも協議に3ヶ月以上はかかることが多いです。
逆に、当事者同士の話し合いで半年かかってもまとまらず、さらに調停を半年、裁判を1年したケースではトータルで2年かかる場合もあります。

もちろん例外もありますが、当事者だけの話し合いは3ヶ月〜半年程度で、まとまらない場合は家庭裁判所で調停を行うため長期化の可能性がある、という見通しを持っておくと良いでしょう。

これまでの準備段階で1〜2ヶ月はかかると思うので、準備を初めてから実際に離婚をできるまでには、どんなに短くても半年はかかると覚悟しておきましょう。


協議では、お金に関する条件については収入が分かればある程度算定できるので、額にもよりますがそこまで揉めないことが多いです。
これに対して、親権・面会交流の条件についての話し合いは、やはり感情的になりやすく揉めることが多い印象です。


なんとか協議がまとまったら、口頭だけだと約束を守るかわからないので、お互いが署名捺印した
離婚協議書を作成しましょう。また、作成費用はかかるのですが、可能であれば公正証書にした方が法的拘束力があるのでいざというとき安心です。


離婚協議書はネットにも雛形はあるので、当事者が作ることも可能です。
ただ、当事者だけで作成すると必要な条項が抜けていたり、文言が足りなかったり、逆に法的にはあまり意味のない部分で話し合いがこじれることもあります。
こういった状況に備え、本当に必要な項目が何であるか、事前に弁護士に相談だけでもしておくことで話し合いがスムーズになりやすいです。


また、養育費など金銭の給付があり、金額がそれなりに大きい場合は、公正証書にしておかないと、払われなかった場合には裁判からやり直さなければいけません。
公正証書を作成しておけば、もし払われなかった場合には、いきなり強制執行をして、給与の差し押さえなどをすることができます
条項について一言一句考えていなくても、ある程度話し合いで離婚条件が決まったら、公証役場で「このような条件で離婚したい」という相談をすれば、公正証書は作ってもらえます。

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離婚にあたって貯金はいくら必要か

生活資金

前述の通り、話し合いで離婚するとしても、離婚までに半年以上はかかることが多いです。
しかし、その分の生活費全部を事前に確保しておくのは難しいと思います。
そこで、少なくとも2、3ヶ月分の生活費を確保しておくと良いでしょう。

具体的な金額はお子様の人数、生活している地域、実家の助けの有無でも変わります。
子どもがおらず、実家で生活していけるのであれば10万円程度あれば2、3ヶ月は生活していけると思いますが、子どもが複数いて実家の助けを得られない場合はそれでは全然足りないと思います。

自分の置かれた生活状況をふまえて、2、3ヶ月生活していける金額を用意しましょう。

また、交渉をするにあたって足元を見られないようにするためにも、生活資金を貯めておくことは重要です。金銭的に困窮すると、向こうの提示した条件でないと話を進められず、不利になってしまうことがあります。落ち着いて交渉に臨むためにも、2、3ヶ月分の生活資金は貯金しておきましょう。

 

引っ越し資金

とりあえず身の回りのものだけで簡単に引っ越しするのであれば、10万円くらい必要です。

家のものを全部持って引っ越しするのであれば20〜30万円はかかりますが、別居の段階ではなかなか難しいことも多いと思いますし、別居後の生活資金を優先するべきかと思います。

 

公正証書作成費用

だいたい3万円前後です。

財産分与などで大きな金額を動かす場合、それに応じて作成費用が高くなりますが、億単位の財産を動かすというのでなければ、それほど極端に変動はしません。

ページ数が多くなっても作成費用は高くなりますが、一般的な財産分与・親権・養育費などについて定めるのであればあまり変動はありません。

 

弁護士費用

弁護士費用の体系は事務所によってかなり異なります。

話し合いの段階から弁護士をつけるのであれば、交渉費用として着手金10〜20万円、交渉でまとまれば成功報酬として相手からもらえた額の10%程度かかります。話し合いでスムーズに解決できた場合でも、合計で30万円程度は弁護士費用としてかかると思います。

話し合いでまとまらず調停を起こす場合、裁判所での手続きなので当事者間の協議よりも弁護士費用は高くなり、着手金20〜30万円成功報酬は25〜50万円程度になるかと思います。

裁判まで発展すれば、調停と同じくらいの金額がプラスでかかることになります。

話し合いの段階から弁護士をつけていたケースと、話し合いでは弁護士をつけていなかったが調停から弁護士をつけたというケースでも弁護士費用は異なります。

まずは自分のケースでは弁護士費用はどれくらいかかるのか、相談してみましょう。

 

 

離婚準備について弁護士に相談するメリット

離婚準備にあたって、「何を考えておかなければいけないのか分からない」のが一番困ると思います。
弁護士に相談すれば、何を準備するべきかがわかります。

相手方がサラリーマンなのが自営業なのか、お子さんの人数や年齢などによって準備するべきこと、考えるべきことは変わってきます。

弁護士は、それぞれの状況に合わせて「あなたの場合はこのようなことを考えておいた方が良いですよ」と明確にすることができます

たとえば、離婚協議が難航していて、婚姻費用もまったくもらえておらず生活が苦しい状況では、とりあえず婚姻費用に関する調停だけ自分でするようにした方がいい、といった方針なども、アドバイスさせていただくことができます。

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離婚準備をしている人へ、勝又先生からメッセージ

離婚準備では、具体的な生活の見通しを立てることが最も大変です。
経済的に自立していて、離婚しても絶対大丈夫という状態で離婚するケースはごく稀です。

全員が全員実家が近くて助けてもらえるわけでもないですし、だいたいのケースでは生活費をある程度確保して、不安を抱えながらも離婚に踏み切ることになります。

その中で、パッと家を出てしまうと、とにかく生きていくことに精一杯であまり詰めた交渉ができなくなってしまいます。
大変ではありますが、事前に準備してしっかりと交渉できる下地を作ることが大切です。


また、一般的に離婚の前に準備しなければいけないものがありますが、実際何を準備するべきかは個別の事情に応じてかなり異なります。

「離婚をしたい、けれどどうしようか」という状況になったら、早い段階で弁護士にご相談いただければ幸いです。


何を準備すればいいかわからない段階が一番苦しいと思います。弁護士があなたの状況に合わせて必要な準備や手続きを考えるので、一緒に前に進んでいきましょう。

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