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離婚調停が不成立になりやすい5つのケースとは?離婚を成立させるためにすべきことを弁護士が解説

離婚調停が不成立になるのはどのような場合でしょうか?離婚調停が不成立になるのは、一見悪いことのように思えます。しかし、調停を続けているよりも裁判に進んだ方がいい場合もあったりと、調停不成立は一概に悪いこととは言えないのです。離婚調停が不成立になるよくあるケースと、調停不成立後にすべき手続きについて現役弁護士が解説します!

今回ご解説いただく弁護士のご紹介です。

 
勝田亮 弁護士
 
アネスティ法律事務所 代表弁護士
平成18年10月 仙台弁護士会登録(59期)
 
バランスを大切にした誠実な対応が得意。
金融機関での数年のサラリーマン経験もあり、得意分野は多岐にわたる。
 
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離婚調停が不成立になる終わり方

離婚調停で離婚が成立しない場合には、3つの終わり方が考えられます。

離婚調停が不成立になる終わり方(1) 調停委員会の判断による不成立

担当している裁判官・調停官と調停委員が、進行状況を考慮して調停成立の見込みがないと判断した場合、調停不成立となります。

つまりこのまま続けても両者が合意できない、と判断される場合です。

1回の調停で不成立になることもあります。ですが多くの場合は3回程度は調停を行った上で、判断されます。


離婚調停が不成立になる終わり方(2) 調停途中の取り下げ

調停の申立人は自ら離婚調停の申し立てを取り下げることが可能です。ですが裁判で離婚したいと考える場合、離婚調停の取り下げはあまり考えられません。

その理由を解説するには調停前置主義というルールを説明する必要があります。これは離婚裁判を行う前には必ず調停を実施しなくてはならない、というルールです。「どうせ相手と合意できないので裁判をするために調停を取り下げたい」と考える場合、このルールを考慮して慎重になる必要があります。

例えば、調停で話し合いを尽くしたけど合意が見込めないので取り下げた、ということであれば調停前置が認められます。これに対し、単に形式的に離婚調停を申し立ててすぐに取り下げた場合、調停前置とは認められず裁判に進むことができないのです。


なので実際に離婚調停を取り下げるケースとしては、
勢いで離婚調停を申し立てたけれど気持ちが変わったときや、調停以外の場所で当事者同士が合意したという場合がほとんどかと思います。


離婚調停が不成立になる終わり方(3) 当然終了

稀ですが、離婚調停を行っている期間中に申立人か相手方のいずれかが死亡し、夫婦関係が解消されたケースでは、離婚調停が当然に終了します。その後の手続きは特に必要ありません。


調停中に相手方が刑事事件を起こし、捕まっているので調停には来れない場合は、自動的に終了するのではなく、調停の取り下げか、調停不成立ということでの終了となります。

 

離婚調停が不成立となりやすいケース

 

離婚成立の見込みがなく、離婚調停が不成立になってしまう事情として、以下のようなケースが考えられます。

離婚調停不成立となるケース(1) 離婚自体を拒否

相手が離婚自体を断固拒否している場合、調停1回で離婚の余地がないと判断され、不成立になることもありえます。

具体的には、相手が話し合いに応じないことが明確で意思も固く、調停委員からの提案にも全く応じないような場合です。この場合、裁判を行うことを意識して対応するか、時期を改めて再度調停を申し立てるか、という形になります。

 
なぜ離婚したくないのか」を調停委員に確認してもらい、誤解を解くことで調停離婚が成立するケースもあります。たとえば相手が「子どもと会えなくなるから離婚したくない」という理由で離婚拒否している場合、「親権を持てないことは、子供と一切会えなくなること」と誤解している可能性があり、こちらから面会交流を提案することで離婚実現に至ることもあります。

ちなみに年少の子どもとの面会交流は、裁判所の面会ルームで試験的に面会交流を実施することも可能です。上述した「子供と会えなくなる」と誤解している相手に対しては今後も会えるという安心感につながり、離婚実現に繋がる可能性が高まるので試験的面会交流は有効です。


相手が離婚を拒否する場合には、調停委員の協力を得てまずは何がボトルネックになっているのかを聞き出し、解決する方法を考えてみると良いでしょう。


離婚調停不成立となるケース(2) 相手の欠席

相手方が調停の呼び出しをなんども無視して調停を欠席すると、調停不成立になります。相手がいないので離婚裁判へと移ります。

実際に私が対応した事案でも相手方が来ないことがありました。2回呼び出しても応じなかったので、調停不成立となり、離婚裁判に移りました。

 

ちなみに、調停のあとに控えている離婚裁判にも相手方(被告)が裁判所に出頭しない場合はどうなるのか。出頭するケースと比較すると以下のようになります。

相手方(被告)が離婚裁判にも欠席したケースでも、直ちに離婚判決ということにはなりません。
通常は、離婚の申し立てた側(原告)がどうして離婚したいのかを記した陳述書を提出して、離婚裁判期日に原告本人に裁判所に出廷してもらい、裁判官からの質問に答えて、裁判官が原告の言い分が正しいと判断した場合、離婚を認める判決が出されるということが多いです。

相手方(被告)が離婚裁判には出席したケースでは、お互いに主張を出し合い、その上で和解をしたり、判決が出ることになります。


離婚調停不成立となるケース(3) 親権

離婚には同意しているけど親権についてどうしても合意できずに調停が不成立になるケースは多く、特に最近増えています。離婚する際は必ず親権者を指定しなければなりませんので、合意できないと離婚調停は不成立になります。

一般的には親権者を決めるには、「これまでどちらが子どもの面倒を見てきたか」という養育実績が重視されます。ですがその実績がないからと言って簡単に諦められないのが親権だと思います。このように調停中に親権で揉めた場合は、状況に応じて家庭裁判所の調査官によって両当事者への調査が行われます。調査が実施されるケースとしては相手方が子どもの面倒を今までまったく見てこなかったのに、離婚調停で親権が欲しいと主張してくるときなどが多いです。

調査官が調べた結果は、報告書にまとめられ、調停を担当する裁判官や調停委員も内容を重視して判断します。

 

親権者の決定については別記事でも解説していますので、より詳しく知りたい方は下記もご参照ください。


離婚調停不成立になるケース(4) 財産分与

離婚自体はお互い同意しているけれど、財産分与の対象について納得できず、調停不成立となることもあります。

財産分与も離婚の条件の1つと感じる方が多いので、基本的には調停で財産分与についても話し合うことになります。

 

ですが親権者をどちらにするかについては決めないと離婚できませんが、財産分与については離婚と同時に決めなくても良いので、切り離して話し合うことは可能です。たとえば協議離婚で離婚は成立したが、財産分与についてはまだ決めていないから財産分与についてだけ調停を行う、ということもありえます。


離婚調停不成立になるケース(5) 住宅ローン

家を売っても住宅ローンだけが残る場合、住宅ローンをどう分けるか揉めることがあります。


住宅を処分した後の残ローンを、お互い半分ずつローンを持つといっても、残ローンの額が高額だとすぐには出せないので、なかなかシビアです。

なお、住宅ローンについては銀行とも相談をしなければいけないことも多く、複雑で時間がかかってしまうこともあります。実際に弁護士として離婚事案を対応していても、住宅ローンの処理で頭を抱えるケースは結構ありますね。

 
 
 

離婚調停不成立を回避するためにすべきこと

譲れる条件と譲れない条件を明確にする

なんでも自分に有利な条件で離婚しようとすると、当然相手は納得せず、調停不成立になってしまいます。

親権は譲れないが財産分与など金銭面は譲歩していもいい」という風に、自分の中で優先順位をつけておきましょう

その上で、絶対譲れない部分は主張し、少しでも譲れる部分を譲って、調停を進めましょう。

 

弁護士に相談や依頼をする

専門知識の不足から、ひとりで対応している場合は「離婚調停はこのままいくと不利ではないか」と自己判断してしまうこともあります。ですが一見、不利に見える状況でも自分が主張すべき点を弁護士と相談することで好転することはあります。

また、ほとんどの方が調停は人生ではじめての出来事ですので、離婚調停で何を話すべきか分からないと思います。そんなときこそ弁護士と協力することで「今日はこれを話す」と事前に決められたり、付き添ってもらうことで安心感が得られるという点も弁護士に依頼するメリットです。


さらに、早く離婚したい場合、離婚調停を続けるより早めに不成立を目指し、すぐに裁判をした方がいいこともあります。そのあたりの見極めは、弁護士でないと難しいでしょう。

調停委員からはもうちょっと頑張ってみましょうと言われることもありますし、弁護士でも裁判で離婚できるほど確実な根拠があるか微妙な場合はこの判断に悩みますので、調停を続けるか、裁判に進むか悩んむときは1人で決めずに法律の専門家である弁護士からアドバイスをもらいましょう。

 

離婚調停不成立、その後

再び協議することもいちおう可能

再び協議すること自体は可能ですが、実際のところ再度協議してお互いが納得するケースはほとんど考えられません

特殊なケースとして、相手が離婚を拒否していて調停不成立になっていたのに、気が変わったのか離婚届を送られて来たことはありましたが、そういったことはめったにありません。


再度の調停

自分に離婚原因がある場合には、時間を空けてから再度調停を申し立てることが有効です。

離婚原因が自分にある場合、裁判に進んでも負けてしまうので、もう一度調停をすることは珍しくないです。

「慰謝料を払うから離婚してほしい」など、条件を譲って何度も交渉をすれば相手方も納得してくれることがあります。


審判離婚

離婚調停が不成立となっても、養育費のわずかな額についてしか揉めていないなど、あと一歩で話がまとまる場合には、家庭裁判所が審判という手続きによって離婚を成立させることができます。


しかし、これに対して審判を受けた側は異議を唱えることが可能なので、実際はほとんど利用されません


離婚裁判

離婚調停が不成立となり、離婚の原因が自分にない場合には、離婚裁判を申し立てることが有効です。

離婚調停の不成立が決まってから2週間以内に離婚裁判の提訴を起こせば、離婚調停の申立手数料を離婚裁判の訴訟提起の手数料に充てることができます。


経験上、離婚の裁判では判決をもらうことは少なく、和解で終わることが多いです。

裁判官は、離婚訴訟の途中で心証(裁判の見通しに関する意見)を開示し、和解を促してくることがあります。
親権を取ることが難しい場合、「和解で面会交流の条件について細かく決めたほうがいいんじゃないの?」とアドバイスしてくることもあります。

相手方も判決で自分に不利な条件で離婚するよりは、和解に応じて自分に少しでも有利な条件で和解した方がいいでしょう。


相手が裁判に出席しない場合には、判決をもらうことになります。



困ったら弁護士に相談を

弁護士として確実に言えることは、調停になったら法律相談だけでもした方が良いということです。たしかに交渉を代理する場合の弁護士費用は安くはないのですが、相談費用はそこまで高くなく、今回のような調停に関する相談費用は1時間1万円くらいが相場かと思いますので、ひとまず相談することからはじめましょう。

状況を弁護士に聞いてもらうことで離婚の結末を見通すことにも繋がります。見通しがない場合、通る見込みのない主張を繰り返して追い詰められてしまうこともありますが、早くから相談して見通しを持つと「なにを譲って、どこを主張するか」がわかり、話しやすくなります。地図を見てもゴールと現在地がわからなければ歩けないのと同じです。とにかく早めにゴールと現在地を知ることが大事になりますので、まずはその道の専門家である弁護士に道筋を示してもらいましょう。

 

 
 
 

離婚調停不成立について関心のある方には、こちらの記事もおすすめです

 

離婚調停を控えている方に向けて勝田先生からのメッセージ

離婚調停不成立になってから、弁護士に相談するのでは、手遅れになってしまう可能性があります。なるべく早い段階で弁護士に相談し、離婚調停の成立に向けて何を話していくべきか戦略を練りましょう

とはいえ、離婚調停が不成立となった場合、次は裁判を申し立てる可能性が高いです。

申し立てる側は離婚すべきという根拠に基づいて法律構成を考え、訴状を作成しなければいけません。


1人で抱えるのではなく、弁護士にすぐに相談し、離婚の成立に向けて進んでいきましょう。

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