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民事判例のデータベース化でなにが変わるか、弁護士と民間へ想定される影響を弁護士が解説

「政府は全国の裁判所で確定した判決文をデータベース化する方針を固めた。弁護士らが判決の傾向を分析して、紛争解決に活用できるようにする狙いがある。 ー中略ー 2020年代前半の実現を目指している。」 -読売新聞 8/10(土)朝刊引用。今回はこの民事判例のデータベース化によって、何が変わるのか、現役弁護士に直接取材しました。

 

今回ご解説いただく先生のご紹介です。

勝又 賢吾(かつまた けんご) 弁護士

幅広い分野を取り扱っておりますが、その中でも特に離婚や労働問題を多く扱っています。
こうした悩みやトラブルは、早期相談が大切なことも多いですので、ぜひお気軽にご相談にいらしてください。
得意分野:離婚・男女問題、労働問題、交通事故

詳細プロフィールはコチラ

 

民事判例データベース化と弁護士業務の現状

そもそもいまは弁護士の方々はどうやって判例をお調べになっているのでしょう?

現在もデータベース自体はあります。弁護士や法律事務所が色んな会社と契約して、検索できるものです。

今回のデータベース化の範囲がはっきりとはわからないのですが、現状の検索システムは契約する会社によって保管されている判決が違います。よって、ひとつのシステムですべての判決がわかるわけではないんですね。

なので、全ての判決がデータベース化されるのであれば、一つのシステムで検索できるという点で効率化はある程度見込めると思いますが、現行のシステムでも、内容が似ている事案の判決を分析することはできており、そこまで大きく弁護士の業務改善につながるかというと、少なくとも現時点ではまだよくわかりません。

 

今回のような改革を皮切りに、裁判所関連業務が紙からデータへ移行していく可能性はありますか?

可能性はあると思います。裁判所とのやりとりは、仰るとおり基本的には紙でおこなっています。ですが最近では、代理人(弁護士)同士の間や、代理人(弁護士)と裁判所との間で、エクセルデータのやり取りをする、ということが裁判所から推奨されつつあります。

昨今、働き方改革に伴って件数が増加している残業代請求の事件においても、残業代を見積もる計算システムは共通のものを使用するよう要請されてもいます。

このように効率化を推進する動きはあるので、様々な提出書類がオンライン化されて効率化されることはあり得ると思います。その場合、セキュリティや証拠能力をどう担保するのか、という部分が肝要になってきそうですね。

 

民事判例データベースの民間への役立て

一般からもアクセスを予定しているとのことですが、弁護士が思う、民間人に役立つと予想されるケースはどんなところにありますか?


自分の状況に近い事案の裁判例を調べてみることで、ある程度、今後起こりうるリスクを検討することに役立つかとは思います。ですが、自分の状況に完全に一致する裁判例はなかなかないと思いますので、最終的には専門家の力が必要になると思いますし、それこそが我々弁護士の存在意義だと思います。

 

むしろこういったシステムを利用して得た情報を過信し、自己判断で交渉をしてしまうと、取り返しのつかない状況を招く恐れもあります。少しの事実関係の違いで結論が全く変わってくることもありますので、裁判例の示す法律的な根拠を理解して活用することが大切です。

 

法律相談の効率化が期待できそうですが、そういった可能性はありますか?

それはあると思います。いままでよりも参考になる情報量が単純に増えるので、調べてから来ていただいた場合、問題点の理解が早くなるということはあり得ると感じます。

 

一方で、「こういう裁判例があるので自分もこうなるはずだ」と決めつけてご相談に来ていただくことになってしまうと、その解釈が間違っていた場合には、弁護士の意見を聞き入れてもらいづらくなってしまう、というリスクもあります。

その場合は、弁護士が、ご相談者様の状況と裁判例の事案の違いや、状況の特徴をきちんとヒアリングし、わかっていただけるまで丁寧に説明を重ねることが大事になると思います。いずれにせよ、議論の深みは増すのかな、というところですね。

 

いずれにしても、頭ごなしに弁護士が決めつけて取り掛かったり、相談者側もそれを鵜呑みにするといった状況を回避できる、よいきっかけになるのではないでしょうか。

 

普及への課題

現在の裁判所HPや一般向け判例検索サイトを見ていると、使いにくい印象です。同じように作られると普及しなさそうですね。

おっしゃるとおりですね。

とくに弁護士への普及を考える上では、既に弁護士が契約するデータベースの会社が存在すると説明しましたが、各社とも検索のしやすさ等に商品価値をおいていますので、そこに勝るとも劣らないものにしなければ、作るだけ無駄になってしまう可能性もあります。

お役所感が出てしまうときついのかな、というところですね。最も活用することになるであろう、弁護士などの法曹関係者とすり合わせをしながら使いやすさを研究していただきたいと思います。

 

まとめ

最後に、民事判例データベース化決定に対する全体的な印象をお聞かせください

弁護士からすると、今までも様々なデータベースを使ってきており、今回の政府の取り組みは、どちらかというと一般の人に役立つのかもしれない、という印象を受けます。自分のケースに似たものを参考にできることで、最終的な結論に至る前にリスクを考えるきっかけになるのではないでしょうか。

 

弁護士としては、「もっと早く来ていただけていれば」というご相談者様を見ることも珍しくはありません。今回のデータベースを活用することで、弁護士への法律相談を適切なタイミングで行う方が増え、より多くの法律問題が適切に対処されていけば、と考えます。

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