男女問題 離婚

離婚調停を申し立てるための準備や注意点を、流れに沿って弁護士が解説します。

夫婦だけの話し合いで離婚ができそうにない場合、離婚調停を申し立てるべきかもしれません。今回は離婚調停を検討する方が、何から準備するべきなのか、そしてどんなところで注意しなくてはいけないのか、弁護士が解説します。

<今回ご解説いただく先生のご紹介>

米積 直樹(よねづみ なおき) 弁護士

青木・米積法律事務所

神奈川県弁護士会 所属

親しみやすい弁護士、法律事務所を目指し、口調や言葉選びに注意し、一方的に喋らないことを信条とした弁護活動を行う。相談しやすさ実現のため、希望によっては出張相談も行う。

 

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離婚調停を申し立てる流れ

離婚調停に向けた準備

財産分与のために財産の確認

財産分与とは、夫婦が共同で築いた財産を離婚時に分け合うことを言います。事前の準備としては、夫婦にどのくらいの財産があり、自分はなにをどのくらい受け取りたいのかを明らかにしておく必要があります。

ただし、財産分与の対象には借金などを含む負の財産もカウントされ、それらを総合して分け合うことになります。基本的には半々になるようにすることが多いです。

簡単な計算例を含む詳細を、コチラの記事でも解説していますので、気になる方はぜひ併せてご確認ください。

 

離婚後の生活準備

特に専業主婦の方は住居、仕事等の自立した生活のための準備が必要になります。離婚後の生活を見越し、事前に別居をされる方も多いので、生活の本拠地となる住居の設定も重要です。

離婚を決意した時点で共同生活をすること自体が難しく感じられるので、調停を申し立てる事前準備として別居に入られる方が多い印象です。

 

別居中、夫婦のうち収入の少ない方から、多い方に対して、婚姻費用という生活費の支払いを請求する事が可能です。婚姻費用の詳細についてはこちらの記事で解説しています。

もし早めに婚姻費用を受け取り、生活を安定させたいと感じたら速やかに弁護士に相談すると良いと思います。

 

申し立てに必要な書類の準備

申立書及びその写し

調停を申し立てるには申立書が必要になります。申立書の書類は裁判所HPからダウンロードが可能です。PDFを実際の手続きの説明箇所で記載していますのでご参照ください。

 

申立添付書類準備

夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書)

戸籍謄本は基本的にどんな調停でも必要です。申し立てる人と、申し立てられる人が実際に夫婦であることを裁判所に証明するために必要です。

 

年金分割をするなら年金分割のための情報通知書

年金分割を行いたいのであれば、「年金分割のための情報通知書」という書面が必要になります。これは住所地を管轄する年金事務所で、交付を請求することができます。

 

追加書類準備

その他に議題に応じて必要な書類の追加提出を求められる場合もあります。

例えば、養育費を決める場合は給与明細源泉徴収票とか、確定申告書などであったり、財産分与だと預金通帳の写しや、所有する不動産の登記簿謄本が必要になります。

状況に応じて必要な書類が違うので、電話で申し立て先の裁判所に確認をするのが確実でしょう。何が必要になるのか確実に知りたい方は、自分の状況を弁護士に相談するとゆとりを持って準備できると思いますので、不安な方はご相談されると良いと思います。

 

離婚調停を申し立てるのに必要な手続き

申立書の記入と送付

夫婦関係調停申立書

申立書に必要事項を記入の上、相手住所地を管轄する裁判所へ送付します。下記リンクからPDFをダウンロードできますので、そちらを印刷して使用することもできます。

申立書の、関係解消の欄内における話し合いたい事柄にチェックを付けていきます。記入例も裁判所のHPのものをリンクしておりますので、コチラを参考にご記入ください。

 

申立書記入の注意点

調停の第一回のときに申立書の記載内容の確認をされます。そこで、改めて希望を述べ、その議題だけを話す事になります。なので、重点的に話し合いたいことは何かを明確にすること、そもそも離婚に際して何を話し合うべきなのかを確認しておくことが大事です。

後々、議題を追加することができないわけではありませんが、伝わりやすく話すためには議題の順序も影響してきますので、注意が必要です。

 

Point

相手に見られたくない書類について

書類裁判所に提出する書類の中には、相手方に必ず送付される書類と、相手方の希望によって開示される書類という二種類の書類があります。
申立書は相手方にそのまま送付されますし、申し立ての際に添付して裁判所に提出する書面も、相手方が希望すれば、その謄写をすることができます。書面によっては、相手方に対する開示を拒否することも出来ますので、事前に希望を裁判所に伝える必要があります。

 

費用

収入印紙1200円と連絡用郵便切手が必要になります。収入印紙等は、追完も可能ですが申立書を提出する際、同時に提出することがほとんどです。

 

離婚調停を申し立てるタイミング

二人(夫婦のみ)での話し合いに限界を感じているとき

二人での話し合いの限界(1) 話し合いに応じない

調停の前段階として夫婦だけの話し合い、つまり離婚協議があるのですが、相手方がそもそも話し合いに応じない場合に、調停という選択をすることになります。

調停の申立てがなされれば、裁判所から相手方に対して、調停期日に出頭するよう通知がなされ、場合によっては出頭勧告も出されることから、そのような裁判所からの要請を通じて、相手方が話し合いのテーブルにつくことを促すことができます。

 

調停に相手が出頭しない場合

調停はあくまで話合いのため、仮に相手方が調停を欠席し続けたとしても、離婚を認める調停を行うことはできません。その場合は、離婚についての調停を行うことが不可能であるとして、不成立という結論で調停は終了することとなります。調停が不成立となると、裁判所に対して、離婚を認めることを求める離婚訴訟を提起することが出来るようになります。

日本では、いきなり離婚の裁判を起こすことは原則出来ません。まずは調停による話合いの場を持つことが必要であり、これを調停前置主義といいます。なのでどれだけ相手との間で離婚に関する意見に隔たりがあろうとも、ひとまずは調停を行う必要があります。

 

二人での話し合いの限界(2) 二人だけの話し合いが怖い

例えばDVモラハラ被害を受けている場合、夫婦だけで冷静かつ公平な話合いをすることは極めて困難です。特に被害を受けている側から、離婚を申し出ることは、加害者を感情的にエスカレートさせる危険性が高く、さらなる被害を招くことにもなりかねません。

ですので、二人が直接接触しない方法で協議が可能な方法、つまりは調停が有効であり、被害を受けた方の安全も確保しやすくなります。上述したような危険を避ける意味でも、調停前に別居しておくことも必要になるかと思います。

 

二人での話し合いの限界(3) 何度話しても離婚してくれない

明らかに離婚すべき原因があるにもかかわらず、離婚に応じてもらえない場合にも調停が有効である場合もあります。

調停では調停委員という役割の方が二人の仲裁を行います。裁判ではないので、強制的に離婚をすることはできないのですが、それでも相手配偶者へ「裁判まで行ったらあなたは負ける可能性が高い」ということを伝えてくれることもあります。夫婦同士では受け容れられない意見も、第三者から伝えられることで受け容れやすくなるという側面もあります。

なお、調停での離婚が期待出来なくとも、上述した調停前置主義から、離婚訴訟を提起するための要件を満たすためにも調停を申し立てましょう。

 

二人での話し合いの限界(4) 冷静になれない

離婚の話し合いは冷静さが必要です。というのも、感情的になって自分の要求ばかり主張すると何もまとまらないからです。自分の最も譲れない条件を通すためには、多少譲れる部分はどこか、冷静に検討する必要がありますが、夫婦だけの話し合いではなかなか冷静になれない、というのも実情かと思います。

そもそも自分の状況ではどんな要求が可能なのか普通の人にはわからないと思います。まずは弁護士に相談して、自分の状況を客観的に判断してもらうことをおすすめします。

 

離婚調停の特徴

法定離婚事由は必ず必要というわけではない

裁判と違い、調停はあくまで話し合いです。つまり法律的に離婚が認められる理由が仮になくても、互いが合意すれば離婚が実現します。

とはいえ、調停委員も「もし裁判に進んだら」ということはある程度考慮しますし、相手を説得する上でも法律的にも根拠があるほうが話しやすいです。

もし法定離婚事由があるかどうか、なくても合意できる可能性や方法はないのか悩んだら、弁護士に相談してみてください。

 

裁判と違い離婚条件の自由度高い

裁判所の判決により離婚する場合、その内容は当事者が提出した証拠や、主張に基づいて裁判所が一方的に判断することとなります。その判断は、当事者の意向を斟酌するものではなく、あくまで法的な判断としての結論ですので、柔軟性には欠けるものとなります。ですが本人同士の合意に基づく離婚の場合、全てを法律に則って決める必要がなく、柔軟に条件を決めることが出来ます。

 

ある程度の期間を覚悟する必要がある

調停は半年ぐらいは覚悟されたほうが良いと思います。長引くと1~2年かかることもあるので、しっかりと生活の準備をしてから臨みましょう。

調停は1ヶ月に一回ほどのペースで開催されます。理由としては調停委員や裁判官など、いろんな方が参加できる日程を調整する必要があるため、このようなペースになっています。この調停が実施されるペースも調停の期間が長引くことの一因です。

 

離婚調停の申し立てについて悩んだら

調停という制度について、なかなか具体的なイメージを持つこと自体が難しいのではないでしょうか。そんな制度を用いて、自身の人生にとって極めて重要な決断である離婚について話し合うことに、不安を持たれる方も多いでしょう。

そのような不安を解消するために、弁護士は有用な情報や専門的知識を提供できるものと自負しております。また、自身にとって真に納得いく結論を得るために、法律的にも、心理的にも、弁護士がお手伝い出来る部分は大きいと考えております。少しでも離婚、及び調停について悩みを抱えていおられるのであれば、弁護士の意見を聞いてみたいとお気軽にご相談ください。

 

離婚調停の申し立てについて知りたい方は、こちらの記事もおすすめです。

 

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