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離婚の条件は何が必要?揉めやすいものと有利な条件で離婚する方法を弁護士が解説

離婚にあたってどのような条件を決めなければならないのでしょうか?離婚の際、必ず決めなければいけない条件と、あとから決めてもいい条件があります。それぞれについて詳細と、協議が長期化しやすいポイントを解説します。また、離婚の条件は離婚後の安定した生活のためにとても大切なものです。有利な条件で離婚するためにはどうすればいいのでしょうか?多くの離婚案件を解決に導いてきた現役弁護士が、丁寧に解説します。

今回ご解説いただく弁護士のご紹介です。

 安藤 秀樹 弁護士

安藤法律事務所 代表弁護士
仙台弁護士会 所属

農学部出身。理系出身であることもあり、わかりやすく・納得のいく説明が得意。物腰柔らかく、気軽に相談できることを大事に弁護活動を行う。 

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離婚の条件とは

離婚時にはいくつか決めなくてはならない条件があります。これらの条件は、離婚後の二人の生活についての約束、と言い換えることもできます。

離婚の条件には、離婚成立のために決定が必須な条件と、あとからでも決めることができる条件がありますので、順番に説明していきます。

また、長期化しやすい条件については「長期化しやすい」という見出しと理由の解説もつけておりますので、ご参考にしていただけますと幸いです。

 

 

離婚成立の必須条件

親権・監護権

子どもがいる場合、夫婦のどちらかを親権者として指定しないと離婚はできません。離婚の際に必ず決めなければいけない条件は、親権・監護権のみです。

親権とは、未成年者の子どもを監護・養育し、その財産を管理したり、その子どもの法定の代理人として法律行為をする権利義務です。

正確にはきちんとした生活を提供する身上監護権と、就学などの子供の出費用の財産を管理をする財産管理権からなります。


長期化しやすい

子どもは唯一無二の存在ですし、自分の血を分けた存在というのは他の財産と比べられないほど大切に感じるはずです。そのためどうしても感情的になりやすく、どんなに不利な状況でも諦められずに親権を主張される方が多いです。

それゆえ論理的に話し合いを進めることが難しく、納得できるまでに時間がかかるため、長期化しやすいです。親権で揉めている場合は弁護士としても長期化を覚悟します。

詳細については、当職が別記事でも解説しておりますのでご参照ください。

 

 

離婚の条件で、離婚後に決めて良いもの

離婚後に決めても良い、という条件について解説します。

とはいえ、離婚を急ぐ場合以外は、手続きを1回でスムーズに済ませられるよう、これらの条件も離婚時にセットで話し合うと考えておきましょう。

 

養育費

養育費は「子を養育しない親」から「子を養育する親」に対して支払われる、子どもが自立するまでの養育にかかる経費全般です。学費だけでなく、食費や衣服などの生活に関わる費用全般がこの経費には含まれます。

離婚後に請求することもできますが、実際には親権とともに話し合われることが多く、離婚後すぐに養育費の支払いができるように話し合っておいた方が良いでしょう。


別の先生の記事になりますが、養育費についてはこちらの記事に詳しく説明されておりますので、ご参考にしてください。

 

面会交流

面会交流とは、子どもと一緒に暮らしていない親が子どもと面会等をすることをいいます。いくら離婚したといっても、親子の繋がりは唯一のものなので、非常に重要な約束になります。

この条件では主に、どのくらいの頻度で面会を実施するか、どのくらいの長さの面会を行うのか、段階的に面会を充実させていくのか、などを決めることになります。


別の先生の解説記事ですが、面会交流については下記の記事で詳細に解説しているので、気になる方はご参照ください。

 

財産分与

財産分与とは「夫婦が結婚生活中に共同で築いた財産を分配すること」をいいます。そのため、夫名義の不動産なども、婚姻後に夫婦で購入した物は全て財産分与の対象となります。また、借金などのマイナスの財産も分与対象になります。

逆に、結婚前の個人の貯金や、結婚前に個人で購入したマンション・不動産などは財産分与の対象外なので注意が必要です。

財産分与については離婚後にも請求することができますが、請求できるのは離婚成立後2年までで、2年を過ぎると時効になってしまいますので、早めに話し合いを始めるようにしましょう。

長期化しやすい

財産分与は長期化しやすい問題です。
その理由はいくつかありますが、代表的なポイントとしては「夫婦の共同形成財産がどこまでか」「その資産価値はいくらか」など、価値の見積りが必要となるためです。
不動産の査定なども時間がかかりますし、見積り完了後も互いの主張のすり合わせなども必要なため、長期化しやすい条件です。

財産分与に関しては他の記事でも詳しく解説しておりますので、詳細が気になる方はこちらもご確認ください。

 

慰謝料

離婚の慰謝料とは、離婚に至った原因をつくった配偶者が、相手配偶者に与えた精神的損害に対して金銭を支払うことです。

代表的なケースとしては不倫があげられ、不倫をしたことによって夫婦間の信頼関係を破壊し、結婚生活の継続ができなくなり離婚に至った場合、相手配偶者から慰謝料を請求される可能性が高いです。

相手方が慰謝料の支払いを拒否した場合、慰謝料を支払わせるためには証拠の有無が大切になります。

 

その他の条件

離婚時の年金分割など、状況に応じていくつかの条件が追加されることがあります。


離婚時の年金分割

婚姻期間中の厚生年金記録について、夫婦が同額を収めていた、というように記録を変更します。このことによって、厚生年金を直接納めていなかった方も厚生年金を受けれるようになりますし、年金が本来少ない方も将来の年金を増額できます。

ただし、婚姻期間中の記録のみを変更することになるので、結婚生活が短い夫婦ではあまり使用されません。また、厚生年金を元からお互いがある程度収めていると、あまり効果はありません。

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離婚の条件で特に揉めやすいものと決定までの期間

親権・面会交流

親権については、前述の通り揉めることがとても多いです。一回揉めると話し合いが難航して長引くことが多いのが特徴です。

面会交流については、絶対に相手と子どもを会わせないということは基本的にはできず、回数や会う方法を決めることになりますが、この回数や方法、そして一度の面会交流の長さなどで揉めることが多いので注意が必要です。

揉めるポイント

お互いが親権を譲れない場合には、調査官が何回か調査をしますが、子どもの意思確認もするため時間がかかります。

また、子どもの意思がきちんと伝えられていない可能性がある場合などには、子どもの手続の代理人の弁護士を選任するということも考えなければならず、これにも時間がかかります。

期間

裁判まで進むと、途中で和解できず長い時には3、4年かかることもあります。

 

財産分与

揉めるポイント

財産分与については不動産がある場合、揉めやすいです。

住宅ローンが残っていると、半分ずつにできず、売るにしても時間がかかるため、押し付け合いになることが多いです。
この場合、結果としてはローンの名義人(旦那さんが多いです)がローンを払い続けていき、不動産を持つことが多いと考えられます。

ちなみに、株や有価証券類が多額だと、揉めることが多いです。事業をやっている場合、自分の会社の株式(非上場の株式)などがあると、価値の算定等が必要で専門的なため難しくなります。現物で渡すか、現金で渡すかも問題になりますが、一般的には現金で渡すことが多いと思います。

さらに、会社を始めたのが結婚後であれば、財産分与の対象になります。結婚前に会社を始めていた場合でも、結婚してからの価値増加分が対象になる可能性があります。

期間

長期化した場合、2年くらいかかることがあるので、ある程度の期間を覚悟しておくべきです。

 

慰謝料

揉めるポイント

そもそも慰謝料発生事由があるかどうかについて揉めることが多いです。特にモラハラ、浪費などは判断が難しいので長引く傾向があります。特にモラハラは証拠が取りにくいので、やった、やってないの言い合いになることがあります。

浪費は収入や生活費との関係があるのと、家庭によって基準が変わるので、難しいです。ギャンブル、多額の買い物などならわかりやすいのですが、実家に多額の財産を渡してしまっていたり、使途不明の場合は、浪費といえるのか判断が困難になってきます。

期間

慰謝料について揉めている場合、決まるまでの期間は、1〜2年が平均的です。

 

離婚を有利な条件で実現するには

譲れる条件を決めておく

離婚に際して、どうしても譲れない希望、というのは誰しもあると思います。たとえば親権の場合もあれば、家や車などの財産の場合もあるかもしれません。

ですが、その全てを譲って離婚してほしい、と主張したらどうでしょうか?その要求を全て相手が飲んでくれるでしょうか?ほとんどのケースで無理だと思います。

「自分が絶対に譲れない条件」を獲得するためには「自分が譲れる条件」をいくつか決めておき、「ここを譲るから、ここを譲ってほしい」というふうに相手にとってのメリットも提示することで、相手が受け入れる確率を上げる必要があるのです。ですが、問題は譲るための基準です。自分にとっては譲歩しているつもりでも相手にとっては全く良くない条件であれば意味がありません。また、自分が大幅に譲歩しすぎている場合は、不必要に損をする可能性があります。

こういった交渉を行い、自分の希望する条件での離婚を実現するため、自分の状況に応じた相場や基準を知っておくことが非常に大切です。

 

弁護士に一度話を聞いておく

離婚を考え始めて、条件を決める際、まずは弁護士に相談した方が良いでしょう。前述の通り、離婚交渉に先立って、自分の状況における相場や基準を知っておく必要があるからです。

もちろんカケコムのように法律問題系の記事ではおおまかな相場を記載していることがありますが、離婚における様々な条件は夫婦の責任割合や個別の状況に応じて相場が決まりますので、ご自身の状況に完全に一致した相場はインターネット上だけでは見つけられないと思いますし、それだけを信じるのはリスクがあります。


まずはご自身の離婚条件の相場について知るために弁護士相談をご利用ください。
弁護士には法律的知識の他に、経験という武器もあります。状況を詳細にお伺いするほど、「今回はこのくらいになりそう」というお話を具体的にすることができます。さらに、その情報をもとに「次はこう動いていきましょう」「このような証拠を集めましょう」というアドバイスも可能です。

弁護士相談の相場は30分で5000円で、なかには初回相談を無料で対応している事務所もあります。離婚は離婚自体がゴールというものではなく、その後の生活を良くしていくための長い戦いですので、長期的な影響があります。そう考えれば、弁護士相談は決して高い値段ではないと思いますので、一度はご利用してみてください。

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必要な証拠類は集めておく

特に慰謝料で争う場合、証拠は大事になります。調停や裁判でなくても証拠があれば、相手は下手に言い返せないはずです。

注意点として、証拠は別居すると収集が難しいので、慰謝料を取りたい方で別居を検討中の方は、別居する前に証拠が十分集まっているか確認されたほうが良いと思います。

ここでは簡単に説明しますが、不倫等の場合の証拠としてはLINEやメールの文面を撮影したものや、画像や動画等のデータが必要です。DVに関しては診断書や警察への被害届などが必要になります。
しかしDVの場合は緊急度が高いので、慰謝料にこだわらずにシェルターに避難する、警察に通報するなど身の安全を優先してください。

 

 

離婚条件は公正証書にしておくべきか

公正証書とは

公正証書とは、約束に法律的な強制力をもたせることのできる書面です。公正証書は、公証役場の公証人に作成してもらいます。

文面は自分で作ることも可能ではありますが、あとから「これも書いておけばよかった」など後悔するおそれがあるため、弁護士に作ってもらうことをおすすめします。

公正証書のメリットは、もしその約束を破った場合に裁判所による強制執行など強制的に約束を守らせる措置を取ることができるところですので、もし養育費などの長期的な支払いの約束をする場合などには確実に支払ってもらえる確率を上げるために作成されることをおすすめします。

 

公正証書を作成するメリット

養育費や慰謝料の支払いを約束した場合には公正証書の作成をおすすめします。

養育費の支払いは子どもが成人するまでです。基本的にはかなり長期的なものになるために公正証書を作成されると良いと思います。公正証書がない場合途中で支払いが滞るとすぐに給料を差し押さえることができず、地道に請求をしていかないといけませんが、公正証書があればすぐに裁判所から強制執行で給料等の差し押さえが可能です。

慰謝料についても示談や話し合いで分割払いを決めた際、その支払が途中で滞っても裁判所から強制執行ができます。

ただし、どちらの場合でも、支払う人が会社を解雇されたなどの事情があってどうしても支払うことができなくなった場合は、いかに裁判所が執行力を行使してもどうしようもないこともあります。無いものは無いため、仕方のないところです。

 

蒸し返したくない場合

清算条項という項目を公正証書に入れ、互いの署名と押印を完了すれば、「この話は二度と蒸し返さないこと」にお互いが合意したとみなされ、将来にわたり決定した離婚条件について異議申し立てができなくなります。

自分も申し立てることができなくなりますし、細かい調整ができなくなることもあります。主に慰謝料などを決定する際には使われることが多い印象です。

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離婚の条件について気になる方は、こちらの記事もおすすめです。

 

 

離婚の条件について、安藤先生からひと言

離婚をしたい、何か条件を付けたいと思ったら、まずはお近くの弁護士に相談することを強くお勧めします。

離婚の際にその条件をつけた方が良いのか、つけない方が良いのかについては、離婚事件の経験のある弁護士に相談した方が、確実なところがわかり安心です。

条件の相場についても、個別の事情に応じて具体的に判断できます。これはインターネットではわからない部分です。ご自身の状況にあった相談ができると思います。

離婚について何か疑問に感じたら、是非お近くの弁護士にまずはお気軽にご相談にいらしてください。

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