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セクハラの相談先とは?準備すべき証拠の種類も併せて弁護士が解説します。

セクハラを相談したいけどどこに相談したらよいかわからない、または相談するかどうか自体を決めかねている、という方は少なくありません。今回はそんなときにどこに相談すべきか、何をしてくれるか、相談の前にどんな証拠を準備するべきか、弁護士が解説します。

今回ご解説いただく先生のご紹介です。

勝又 賢吾(かつまた けんご) 弁護士

幅広い分野を取り扱っておりますが、その中でも特に離婚や労働問題を多く扱っています。
こうした悩みやトラブルは、早期相談が大切なことも多いですので、ぜひお気軽にご相談にいらしてください。
得意分野:離婚・男女問題、労働問題、交通事故

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セクハラはどこに相談できるか

信頼できる上司

セクハラの内容にもよってきますが、自分が受けているセクハラに周囲が気づいていない場合に、まずは知ってもらうことから始めるのは選択肢としてはありかと思います。

例えば下品なLINEが送られてくるであるとか、当事者以外は知り得ない情報の場合は、信頼できる上司に相談することで解消できる可能性はあります。

ただし、それぐらいは当たり前だ、というような雰囲気の会社の場合、まともに取り合ってもらえず、相談前よりもつらい気持ちになる可能性があるので、そういった職場の場合は注意しましょう。

 

内部通報システム

大きい会社であれば内部通報システムなど、直属の組織以外に助けを求めることができる仕組みがあることも最近は増えています。最近では労働環境について世間の風当たりも強いので、対応してくれる可能性はあります。

Point

会社に確実に動いてもらうためには証拠が必要です。会社としても十分な証拠もなしに処分や勧告を出すと、不当処分だと言われるリスクがあります。後述します証拠の種類などをチェックいただき、現在の証拠で会社が動いてくれるか、検討してから行動するようにしましょう。

 

女性の人権ホットライン

女性の人権ホットラインを利用するという選択肢もあります。電話での相談はもちろん、メールでの相談も可能です。相談は地元法務局に繋がり、女性の人権に詳しい法務局職員や人権擁護委員が対応してくれます。

基本的には誰に相談するべきかの振り分けをしてもらえる窓口、という印象です。例えば、どう動いたらよいということであるとか、弁護士会や以下に紹介する雇用環境均等部に相談したら良いであるとか、今後の動き方のアドバイスをしてもらえるのではないか、というところです。

女性の人権ホットラインは法務省の管轄窓口なので、ここで内容をチェックしてもらい、厚労省の管轄である労働基準監督署へ取次いで、そこから会社の方へ指導をしてもらうといった対応も視野に入ってくるかと思います。

 

今、自分が置かれているのが客観的に見てどういうレベルの状況なのか、といったあたりを確認してもらえることはとても意義があること、だと思います。「これくらいはみんな我慢しているのかな」という気持ちでいる方などは、活用してみると良いでしょう。

 

その他

その他の行政窓口としては、男女雇用機会均等法の実施状況を監督する、厚生労働省の雇用環境均等部などがあると思います。

以下は雇用環境均等部への平成28年度の様々な相談の件数をグラフ化したものです。総数21,050件に対し、セクハラに関する相談は7,526件と最も多いことがわかります。悩んでいる方はあなただけではありませんので、困ったり、迷ったときはこういった機関をぜひご活用ください。

また、とにかく早く相談を聞いてもらいたい、という場合には、会社の近くの労働基準監督基準署などに行ってみる、ということも選択肢に入ります。このように、セクハラ被害者に救いの手を差し伸べようとしている窓口は少なくないので、困っている方はひとりで抱え込みすぎないよう、まずは自分の状況がセクハラか確認するところから検討しましょう。

 

弁護士

弁護士が出来る対応としては、加害者本人に対してセクハラの停止を求める通知を送ることもできますし、会社に対して賠償請求することも可能ですが、まずは、今の状況について「誰に」対して「どんな手段」を取ることができるのか、確認できることが弁護士に相談することの大きな意義です。

例えば、上司への相談によって必ず加害者や会社の対応が変わるかというと難しい可能性もありますが、このように内部で相談しても効果がないときなどに、次の手を一緒に考えることもできます。

 

弁護士が介入する場合、加害者の方も弁護士が来るとしっかり話を聞く姿勢にはなってもらいやすいのではないかとは思いますので、具体的なアクションの効力としては強いと思います。

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セクハラを相談する前に

確実な処分や、法的措置を求めるなら

証拠が必要

証拠をきっちり集めてから行動を起こしましょう。前述の通り、会社も不当に社員を処分することはできないので、セクハラについては周りを動かすたしかな証拠が必要です。

下記でどんな証拠が必要か解説します。

 

証拠の種類

音声

職場や飲み会でのセクハラ発言を録音したものがあれば強い証拠となります。最近では通販サイトで安価で高性能なICレコーダーがあるので、簡単に録音することができると思います。

あとは、スマホなどでも録音はできるかと思います。

 

録画

実現難易度は高いのですが、もしあれば、といったところです。とはいえ職場で不用意に録画をすると、それ自体が社内の規定に抵触しかねないので、個人でのカメラの設置等はやめましょう。

もしあるとすれば、体を触られた場合に、会社に警備用の録画システムがあればそれを確認してもらう、というような使い方が現実的です。

 

メールやLINE等のSNS

文面でセクハラのような文言が記載されていた場合は動かぬ証拠になります。受け取る側の恐怖や気持ちの悪さはあると思いますが、そういったものは消去せずに、確実にスクリーンショットを撮っておきましょう。

特にLINEは相手に会話を削除されてしまうと復元のハードルが高いので、必ずスクリーンショットで証拠を保全してください。

 

同僚か退職者の証言

単独の証言ではなかなか信じてもらいにくくても、複数証言が揃えば信憑性が増します。特に退職者の方は会社とも利害関係がないので協力してもらいやすいと思います。

 

日記

自分でもある程度、「いつ誰に何をされたか」というところは日記にしても良いのかなと思います。あとで第三者に説明がしやすいという利点もあります。

注意点としては、その当日に、具体的な発言や出来事を継続的に書く、ということを心がけていただきたいです。後になってまとめて記入しても「この日に本当にそのようなことがあったのか?」という信憑性の問題が出てきてしまうからです。

 

セクハラが重度の場合

退職

度重なる悪質なセクハラをひたすら耐え続けて、心のバランスを崩してしまうことが何よりも危険です。他の職場に行けば活躍できたかもしれなくても、転職する元気すら湧いてこない状態になる場合もありえます。

そういったことが常態化している環境では、自動的にセクハラが消える可能性はほぼないといっても過言ではありません。加害者にはセクハラの意識はありませんし、あったとしてもそういうことを当然と捉えていることも多いです。優越的な地位を利用しているので、他の人も動くこともできず、まして被害者自身でそれに真っ向から立ち向かうのは非常に困難といっていいでしょう。

 

セクハラ相談で会社は動くのか

セクハラ通報による会社の対応例

会社が調査すらしてくれなかった、というご相談はあまりありません。通報によって聞き取りの面談を社内で実施してくれる会社もあるようです。

実際に当職にご相談にいらっしゃった方でも、会社は一応面談を実施してくれた、とおっしゃる方は一定数いらっしゃいます。

 

解決力には疑問も

ただし、形だけの面談で簡単に済ませてしまい、根本的な解決効果を出せない、ということはご相談として受けることはございます。上記のように「面談は実施したから」でその件がそれ以上進まないことは多いように思います。

実際、面談や聞き取り調査をするという状況だと、ある程度従業員も会社に忖度してしまうこともあるでしょうし、加害者本人に聞いても「セクハラをしました」と答えるわけはありません。

このように、会社としては、何らかの調査や対応を実施する、という点がゴールになってしまっている可能性はあり、本質的に解決する力は依然強くない可能性があります。ただし、動かぬ証拠を持っているかどうかでこのあたりの対応ももちろん変わってくると思いますので、やはりセクハラに対して行動を起こす際は証拠を手に入れてからにしましょう。

 

セクハラで誰かに相談したいご相談者様にひとこと

セクハラ問題に関しては、被害の内容を周りの人に知られること自体が辛いという場合もあり、被害者の方が誰にも相談に出来ず、一人で抱え込んでしまっていることが非常に多いと思います。しかし、これまでご説明してきたとおり、セクハラ問題から抜け出すための道はいくつもありますので、悩んでおられる方は、是非ご相談いただければと思います。

 

セクハラでの相談についてお悩みの方はこちらの記事もおすすめです。

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