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離婚に向け別居するときの8つの準備リストとその際の注意点を弁護士が解説

離婚に向けて別居をしたいと考えたら、準備はできているのか、きちんと考えましょう。後で生活が立ち行かなくなり、結局戻らざるを得なくなったら意味がありません。今回は別居に向けた準備リスト、そしてそれぞれの項目でどんなことに注意すればよいか、弁護士に解説していただきましたので、別居したいと考えている方は必見です。

今回ご解説いただく先生のご紹介です。

森田 翔太郎(もりた しょうたろう)弁護士

  • 弁護士法人せいわ法律事務所
  • 愛知県弁護士会

社会の多様化が進み、どんな人でも法的トラブルに巻き込まれるリスクを抱えうると思います。もし法的トラブルに直面された時、ご依頼者様の傍に寄り添い、前に進むことを後押しできるような弁護活動を日々心がけております。

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離婚に向け別居するための8つの準備

別居準備(1) 生活設計を立てる

ある程度貯蓄してから

アパートやマンションを借りる、もしくは実家に戻る場合でも、どのくらいの支出があるかの計算が必ず必要です。

無計画に出ていっても生活が行き詰まり、戻ることになったら別居の意味がありません。何より「勝手に出ていったくせに」という感情から相手の配偶者が戻らせてくれない、という状況も想定できますので、計画性を持ってから別居に踏み切りましょう。

 

Point

アパートに移る場合、入居費用に何十万円も必要となりますし、それ以外にも食費や公共料金を考えると、入居費用以上のお金が必要になります。それらを計算して、ある程度貯金してからの別居が良いでしょう。

別居前の貯蓄は財産分与の対象になるので、相手の把握していない口座や、現金での保管という形で貯めておくと良いでしょう。

 

配偶者と相談できる場合には

相手と話し合いができる場合には別居について話し合いを打診してみましょう。

全額を独りで確保することのハードルの高さや、それに伴って貯金にある程度の時間がかかるために、別居実現までに時間がかかってしまうことなどを定量的に話すことで、相手も別居までの時間を短縮するためなら、という意図で協力してくれる可能性も考えられます。

 

別居準備(2) 別居先の確保

当面の生活拠点を確保しましょう。別居中の生活スタイルとしては実家に戻る、というパターンが最も多いかと思います。

実家に移る場合、もともと自分が生活していた家なので慣れているという点や、ご家族からサポートも受けられるので、安心して生活できるというメリットがあります。特に、お子さんと一緒に別居を始めるということであれば、なにかトラブルがあった際にご家族の方に面倒を見てもらえるので、問題なければご実家へ戻られることをおすすめします。

もし、家族に負担を掛けたくないというお気持ちが強いのであれば、アパートやマンションを借りるということになるかと思います。その際は路頭に迷ってしまわぬよう、入居費用や生活費を計画に織り込んでから家を出るようにしましょう。

 

別居準備(3) 職の確保

専業主婦だった方が家を出ていく場合は、収入を確保する必要がありますので、お仕事を探しましょう。経済的な意味合いだけでなく、精神的にも自立するきっかけになるので、実際に離婚してもやっていけるのか、確認の意味も込めて職の確保は大事です。

特にお子さんとともに別居をされる場合は、急な体調不良や学校行事等お休みをいただかなければならない、といった状況に備えて柔軟に対応してくれる職場を探しましょう。ママさんが何人かいるような職場ですとそういった休みも比較的取りやすく、悩みも共有しやすいというメリットもあるのでおすすめです。

 

別居準備(4) 証拠を集める

慰謝料

別居の理由が相手の浮気や不倫、DVなどが原因の場合、離婚に際して慰謝料を請求することができる可能性が高いです。ただし、請求する場合はその事実があったことを客観的に証明する必要がありますので、特に浮気の場合は別居前に証拠を収集するようにしましょう。

その理由としては、同じ空間にいないと証拠収集が不可能に近いからです。別居してから「不倫相手とのLINEを見せて」といっても見せてくれるわけがありません。別居を切り出す前に不倫相手と配偶者のLINEのやり取りを自分のスマホで写真におさめておく、ホテルの領収書などをコピーしておく、などの証拠収集を完了しておくことが大切です。どういった証拠を確保できれば慰謝料を請求できる状況になるかは、事前に弁護士に相談しましょう。

 

DVの場合は、身体に危険が及びますし、最悪の場合は命に関わる可能性がありますので、配偶者から離れることを最優先に行動してください。証拠になるものとしては医療機関等で外傷を診てもらった際の診断書がありますが、まずは別居、緊急性が高い場合はシェルターなどを活用することも視野に入れ、各種の行政機関へ相談を行ってください。

 

財産分与

財産分与は、夫婦が共同で築いた財産を均等に分配する、という離婚時の手続きです。

この場合、夫婦に財産はどれくらいあるのか、特に収入の高い方は隠し預金などをしていないか、これは財産分与が始まってから確かめるのは至難の技ですので、別居を切り出す前に可能な限り相手の貯蓄のある銀行名と支店を把握したり、写しをとっておくべきです。

  • その他に保険証書や有価証券に関する通知書類の写真やコピーを撮っておく。
  • 住民票を移す前に、世帯の課税所得がわかるため、相手の収入を把握できます。市役所等で確認ができるはずです。

 

別居準備(5) 婚姻費用を請求する

婚姻費用とは

婚姻費用とは、別居期間中に「収入の高い方」から「収入の低い方」へ支払われる生活費のことです。別居していると言っても夫婦は夫婦なので、生活を助ける義務があります。

請求方法

相手に直接話し合いで支払いをお願いすることもできますし、支払うことと金額に合意できれば、それが簡単で望ましい方法です。

ただ、別居に至る状況では感情的に対立をしている場合も多く、素直に支払いに応じる方は多くありません。その場合には婚姻費用分担調停を行い、家庭裁判所で婚姻費用の支払いについて話し合うことができます。もし支払いを受けるべき状況にも関わらず、それでも相手が応じない場合には、裁判所の審判によって支払いを命じてもらうこともできるので安心です。

 

相場

裁判所のHPに掲載されている、養育費・婚姻費用算定表の13ページから婚姻費用の算定表が記載されていますので、受け取りたい方の収入が横軸、払う義務のある人の収入を縦軸に見て、ぶつかる所が概ね受け取ることのできる金額の概算です。もちろん、個別の状況に応じて微妙に変化しますので、正確な金額を知りたい方は弁護士などに相談して確認されることをおすすめします。

婚姻費用の相場というのは、相手の収入によってくるため、一概には言えません。ですが、「思ったより安い」という印象が多いのが現実です。というのも、皆さん婚姻費用の概要である「生活費」という言葉に引っ張られ、「婚姻費用だけである程度生活できる」と勘違いしていることが多いからかもしれません。実際には婚姻費用だけで生活をするのは正直無理、という金額になることが多いので、先述の通りに、貯蓄や職を確保してから別居に踏切り、安心して暮らせるように心がけることが大事です。場合によっては受取りまでに時間がかかる場合もありますし、そういった観点からも職の確保は必要不可欠と言えるでしょう。

 

別居準備(6) 子どもの転園、転校の手続き

もしご自身が別居に子どもを伴う場合、学校や保育園の転校、転園も視野にいれなければいけないかもしれません。今の預け先や通学先で、送り迎えやいざというときにすぐに行けるのかといったことを考えて、必要であれば違う機関への編入手続きなども検討しましょう。

 

別居準備(7) 引っ越しの準備

家財道具の問題もありますが、なにより入居にあたっての初期費用の問題がありますので、しっかり初期費用のお金を貯めたり、配偶者に出してもらえないか、計画を立てましょう。

 

別居準備(8) 住民票の移動

うっかり住民票をそのままにしてしまうと自分宛ての書類や荷物が届かなくなってしまいかねません。

また、別居後に離婚手続きを開始するのであれば、裁判所からの書類で相手に見られたくないものなども見られてしまう可能性があります。注意しましょう。

場合によっては「相手に住所を知られたくない」という状況もあります。役所にて秘匿にできる手続きもありますので、その際には住民票を移す先の市役所等でご相談ください。

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離婚には別居が必要なのか

離婚には別居が必要なのか、という相談をお受けすることもあります。状況に応じては確かに別居をして数年の時間が経たないと離婚が認められづらい状況もあります。

どんな状況だと離婚に別居が必要になってくるのか、そうだとしたらどのくらいの期間の別居が必要なのか、詳しく知りたい方は、以下の別の弁護士監修記事を参考にしてください。

 

別居を検討したら

未練はないか、やり直せないか、再確認

別居とは、そもそもは「一度距離を置く」という考え方です。ですが実際のところ別居後に元に戻ることは少ないです。というのも、別居は心理的なインパクトが大きいものですし、正直別居まで進んでいる夫婦の関係は破綻している場合が多いので、基本的には戻れない可能性が高いです。

なので、別居の前にやり直せる可能性はないのか、可能であればお互いの気持ちを話し合い確認してみてください。あとでやはり戻りたいと考えた時には手遅れになっていることもあります。

 

弁護士に相談

準備リストの段落でもご紹介したように、別居前にはいくつか注意しなくてはいけないことがあります。ご紹介したこと以外にも注意が必要な部分はありますし、何より状況に応じて注意すべきポイントはかなり変わってきます。

弁護士として数々の離婚事案を担当していると、夫婦関係というのは本当に千差万別であることを実感いたします。それに応じてトラブル解決のアプローチ法はもちろん変わってくるので、ぜひ一度、別居に踏み切る前に弁護士に相談をされることをおすすめします。

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別居を検討している方へ、先生から一言

別居は離婚への第一歩だと思います。つまり、離婚後の新しい生活を始める一歩前のプレ・スタートだと思いますので、まず離婚したあとにどういった生活を送りたいのかを考えてみましょう。

 

離婚に向け別居について気になる方はこちらもおすすめです

 

 

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