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離婚後でも養育費は請求できるか?現役弁護士が解説

離婚後だけど養育費は請求できるのか?離婚時に養育費についてきちんと話ができていなかったり、離婚時には養育費が不要だと思っていた等の事情があると、離婚後の請求が可能かどうか気になることだと思います。今回はそもそも請求が可能か、離婚時から現在までの分は請求できるのか、相手が応じない場合、などを弁護士が解説します。

今回ご解説いただく弁護士のご紹介です。

安藤 秀樹(あんどう ひでき) 弁護士

安藤法律事務所 代表弁護士
仙台弁護士会 所属

農学部出身。理系出身であることもあり、わかりやすく・納得のいく説明が得意。物腰柔らかく、気軽に相談できることを大事に弁護活動を行う。 

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養育費は離婚後でも請求できるか

 

離婚後の請求について

離婚する際、養育費について何も取り決めをせずに別れてしまったり、とにかく早く離婚したいからと、養育費はいらないと言ってしまったりするケースが多くあります。あとで養育費を請求すればよかったと後悔する場合もあるでしょう。

このような場合、離婚後でも養育費の請求は可能です。離婚の際にちゃんと取り決めていなかったからといって、もう養育費は一切もらえない、というわけではありません。

 

離婚の段階で養育費を請求していなかったからと諦めずに、まずは必要な手続きや準備を把握していきましょう。

 

 

過去にさかのぼって請求できるか

養育費は、過去の分は請求できないことが多いです。養育費は基本的に、請求したタイミングよりあとの分を受け取ることになります。

ただし、過去に養育費を請求していて、かつ請求の証拠がある場合は、その時点に遡っての支払いが認められる可能性もあります。過去に請求した時から、支払いがされないままになっていた養育費については、支払いが決定したあと、分割して上乗せされることが多いです。

一点、気を付けなければならないのは、過去に請求していたとしても、養育費支払いの時効は5年であることです。時効が過ぎている場合、養育費を支払う側が「払いたい」と言えば払ってもらえますが、相手が時効の成立を主張し支払いを拒否してきた場合は払ってもらえない可能性が高いので、気を付けましょう。

 

 

 

離婚後に養育費を請求する手順

 

協議

元夫婦間の話し合いにて養育費の条件を決定する方法です。もし離婚後も連絡が取り合えている、もしくは取れる状況なのであればまずは話せないか相談してみましょう。もし合意できれば、スピーディで他に費用もかからないで済むからです。

「いくら請求すればいいかわからない」「費用計算が大変」ということであれば、養育費の相場について解説しているこちらの記事も参考にしてみてください。もし養育環境が特殊であったり、自分に合った適切な養育費の金額が知りたい場合は弁護士にご相談されると良いでしょう。ちなみに養育費は公立の教育機関に通った場合を基準として算出されていますので、私立に通われている場合も弁護士に一度話を聞かれると良いでしょう。

 

のちに揉めないためにも、ここで取り決めた内容は書面に残すようにしましょう。公証役場で公正証書をつくっておけば、支払いが滞った際に、裁判を行わず強制執行できるようになります。

公正証書については以下の記事で説明していますので、より詳しく知りたい方は参考にしてみてください。

 

 

養育費請求調停

協議で合意に至らなかった場合は、家庭裁判所に申立てを行い、調停を行います。

調停では、裁判官1名と調停委員2名(基本的に男女1名ずつ)が参加し、夫婦が交互に呼び出されて調停委員と話をします。調停委員に対して交互に主張を行い、それを調停委員が相手へ伝える、という形になります。

なぜ養育費が必要なのか、どれくらい必要なのか、可能であれば学費の請求書など、子どもの養育に関する費用を示す書類をあらかじめまとめ、わかりやすく金額が説明できるようにしておきましょう。

養育費請求調停の費用

印紙代が子ども1人あたり1200円かかります。

離婚する際に調停を申し立てる場合は、離婚調停申立てにあたり印紙代1200円がかかるのですが、離婚後に養育費請求調停を申し立てる場合には子どもの人数に応じて金額が増えることになりますので注意してください。

 

 

養育費請求調停でもまとまらない場合

もし調停が不成立、つまり交渉がまとまらなかった場合、自動的に審判開始の手続きが取られます。審判では裁判官がこれまでの事情を考慮して、養育費の請求を認めるか、そして金額はいくらにするか判断(審判)をすることになります。

 

 

 

離婚後に養育費の額は変更可能か

養育費の金額は、離婚後でも変更することができます。増額と減額のケースで分けて解説します。

 

離婚後に養育費を増額したい場合

養育費をあとから増額するのは難しく、増額されないという結論になることも多いです。できれば養育費は最初の段階で少し高めに設定することをおすすめします。

養育費の増額が認められる可能性のあるケースは、例えば、最初に決めた養育費の金額が明らかに低い場合などが多いかと思います。金額が明らかに適正ではないと判断されれば、あとからでも増額できる場合がありますので、まずは現時点での金額が適正かどうか、弁護士に相談してみましょう。

その他に、子どものために時短勤務しなければならなくなった場合など、やむを得ない理由で収入が大幅に減った場合に増額するケースもあります。

 

 

離婚後に養育費を減額したい場合

養育費の変更においては、減額のほうがよくあるケースと言えます。

養育費変更を希望するよくあるケースとしては、支払者が再婚して子どもが増えたという事情の他、収入が増えたり減ったりするなど、事情が変わったなどの場合もあります。この場合は、支払者の給料が減ってしまい、現状のままでは支払い続けるのが難しいため減額したい、などの状況が挙げられます。

金額を変更する際は、養育費を請求する際と同様の手続きを行うことになります。手続きの難しさ、また、どの程度まで金額を変更するかなど、増額と減額、どちらの場合も、一度弁護士に相談されることをおすすめいたします。

 

 

なるべく多く養育費を受け取るために

お伝えしてきたとおり、養育費の増額はハードルが高いものとなっています。なので養育費は予め多めに請求しておきたいところです。このパートでは養育費をしっかりと請求するためのポイントを解説していきます。

 

相手の年収を把握

支払者の年収は、養育費の金額に最も影響しやすい要素といえます。支払者の年収が高いほど、もらえる養育費の相場は高くなります。ですが、請求する人が支払者の年収を正確に知らない場合、低めに請求してしまう事になりかねないので、養育費を請求するときは相手の年収をきちんと把握するようにしましょう。

できれば同居中に調べましょう。というのも、別居してしまうと、相手の収入を調べづらくなり、過小評価された年収に基づいて養育費を計算してしまうこともありえます。なので、別居前に相手の源泉徴収票をコピーしておくなど、できるだけ相手の収入を把握できるように工夫しておくことをおすすめします。

もし、離婚前(別居前)に相手の収入を調べられなかった場合は、弁護士を通して収入資料の開示を請求することもできますので、すでに別居や離婚をしている場合、弁護士に相手の収入資料の開示要求を行ってもらえないか相談してみましょう。

 

 

養育にどのくらいの費用がかかるか整理

養育費はお金の話です。「なんとなく」や、「これくらい」では相手も簡単には納得できないでしょう。どの程度の費用が見込まれるのか、できるだけ計算してまとめておくと相手に根拠を示すことができ、請求を認めてもらいやすくなります。

子どもの養育の中でも、保育園・幼稚園から大学までの学費などの教育費はかなりかかってきます。あらかじめ進学計画はある程度立てておき、これから発生する教育費を計算しましょう。

お子さんを私立に行かせたいなど希望がある場合は、その希望や進学計画について、夫婦が共通認識として持っていたかどうかが重要になります。養育費に関わる進学計画は、早いうちに父母の間でしっかり話し合っておくことをおすすめします。

 

 

 

離婚後いつまで養育費をもらえるか

裁判所では基本的に、親は子どもが成人するまで養育費を支払う義務があるとしています。これは民法730条、877条に根拠があります。

民法730条

直系血族及び同居の親族は、互いに扶け合わなければならない。

 

民法877条

直系血族及び兄弟姉妹は、互いに扶養をする義務がある。

しかし、最近では大学まで進学して、成人していても卒業するまでは親の収入に頼ることも多いことから、父母間で合意に至れば大学卒業までを支払い期間とすることもできます。

いつまで養育費の支払い期間とするかは、父母間でよく話し合い、明確にしておきましょう。

 

 

 

離婚後、再婚した場合の養育費

離婚後はお互いに独身同士です。ということは互いにまた別の方との再婚もありえるわけですが、再婚は養育費に影響することがあります。どちらの再婚が養育費にどのように影響するのか、見ていきましょう。

 

養育費をもらう側が再婚した場合

前提として、どちらかが再婚したからといって親の子に対する養育費の支払い義務がなくなることはありません。ただし、養育費を受け取る側が再婚した場合、それによって経済状況も変動しますので、それに伴い養育費が減額になることはあります。特に、再婚相手と子どもが養子縁組をした場合、新しい配偶者が子どもの扶養義務者になりますので、もらえる養育費の金額は減額となることが多いです。

再婚相手と子どもが養子縁組していない場合は、再婚していても減額が認められないケースもあります。

 

 

養育費を払う側が再婚した場合

養育費を受け取る側が再婚した場合について、ここまで話してきましたが、払う側が再婚した場合も養育費の金額変更が可能です。

養育費を払う父親が再婚して新たに妻子ができた場合、新しい家族の扶養義務者としてお金が必要になりますし、これまでの養育費では支払い続けることが難しくなってもおかしくありません。そうなった場合、養育費は減額となるケースが多いです。

 

 

離婚後の養育費、困ったときは

養育費の金額の計算が難しいと感じたり、相手との話し合いで揉めている場合は、弁護士に相談するか依頼することを検討した方がいいでしょう。

養育費は、もらう側は早く支払ってほしいものですが、支払う側は急ぐ必要がないため、話し合いが間延びして時間がかかってしまうことも多いです。そうした事態を避けるためにも、困ったら早めに弁護士に相談してみるようにしましょう。

 

 

 

先生からひとこと

養育費については、離婚時から受け取れるものになります。そのため、離婚時に取り決めをして受け取るようにした方が、最終的な支払金額が増えることが多いです。

養育費はお子さんの生活費という重要なお金であることに加え、実際に監護していない親と子どものとの繋がりとなるものですので、もらい損ねるといったことが無いように、できるだけ離婚の際に取り決めることをおすすめしています。

とはいえ、離婚時に養育費を請求していなかったという方も、あとから養育費を請求することは可能です。離婚後時間が経つと相手が話し合いになかなか応じてくれないことも考えられますので、弁護士への依頼や裁判所での手続きの利用も検討してください。

 

さらに、養育費の金額について揉めた場合などは、是非お近くの弁護士に相談にいらしてください。

また、算定表が公開されていますが、再婚した場合など、算定表に当てはめることが出来ない、難しい養育費の計算が必要な場合もあります。そのような場合も弁護士にお気軽にご相談ください。

 

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