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時効の援用とは?借金を返済しなくて済む?注意点を踏まえ弁護士が解説

時効の援用とは、時効の利益を受けようとする意思表示のことです。時効の援用を行うことで、借金の消滅時効が成立します。この記事では、時効の援用を行うことができる人の条件や、手続き方法、時効の援用を行う前に確認しておくべき注意点等について、弁護士が分かりやすく解説します。時効の援用を検討している方は必見です。

「時効の援用をして、借金の消滅時効を成立させたい」という方は、一度弁護士にご相談ください。
早期に弁護士にご相談いただくことで、さまざまなメリットがあります。

Point

弁護士に相談・依頼するメリット
時効の援用がそもそもできるのか法的な観点から判断してくれる
複雑な手続きをすべて一任できる
・時効の援用ができなくても、借金問題を弁護士に相談/依頼することで家族や勤務先に知られずに解決できる場合がある

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時効の援用とは?

時効の援用とは、時効の利益を受けようとする意思表示です。

借金の消滅時効は時効の援用を行うことで成立する

借金の消滅時効期間が経過して時効が完成したとしても、当然に借金が消えるわけではなく、消滅時効の利益を受けようとする意思表示である「時効の援用」がなされることで初めて借金が消滅します。

時効の援用ができるのはどんな人?

時効の援用ができるのは、時効により利益を受ける人です。

お金を借りた本人は「時効により利益を受ける人」であることは間違いありません。

また、本人だけでなく、保証人にも時効の援用が認められています。

保証人自身の保証債務についての消滅時効だけでなく、お金を借りた本人の消滅時効についても、保証人が援用して保証債務を消滅させることができます。

時効の援用ができる条件は?

時効の援用をするためには、①時効期間の経過と②時効援用の意思表示が必要です。

①時効期間の経過について

時効期間の経過は、2020年4月1日に施行された改正民法では、

  1. 債権者が権利を行使することができることを知った時から5年間行使しないとき
  2. 権利を行使することができる時から10年間行使しないとき

とされ、基本的には、債権の種類に関わらず統一的な期間が設定されています。借金に関しては、普通は5年間で時効期間が経過すると考えて良いでしょう。

※ただ、不法行為に基づく損害賠償請求権など、個別に異なる期間が設定されている場合があります。また、2020年3月31日以前に生じた債権や、2020年4月1日以降に生じた債権でもその原因である法律行為が2020年3月31日以前にされたものである場合には、改正前の民法が適用され、債権の種類に応じて時効期間が異なる場合がありますので注意しましょう。

②時効援用の意思表示について

時効援用の意思表示が必要なので、時効を援用する意思が相手方に到達することが必要です。ただ、現実に認識しなくても良く、認識し得る状態になれば到達したことになります。

例えば、援用すると書いた手紙がポストへ投函された場合や家族が受け取った場合にも、時効を援用する意思が到達したことになります。

時効の援用の手続き方法

時効の援用の意思表示をするための手段は、法律上決まっているわけではありませんが、後々意思表示をしたのかしていないのか、また、意思表示をいつしたのかなどで争いになることを避けるため、証明しやすい方法で行うことが大切です。

また、当事者や債権の内容を特定して、何の債権についての時効を援用するのか明確にした上で意思表示すべきです。

(1)口頭で言う

時効援用の意思表示が相手へ到達すればよいので、直接会ったり電話したりした際に口頭で時効を援用する旨伝えても時効援用の効果が生じます。

しかし、後々言った言わないの争いになると、証明することが難しいので、できればこの方法だけで済ますのは避けましょう。

(2)普通郵便で手紙を出す

これも、上記と同様、時効援用の効果は生じますが、後々本当に手紙を送ったのか、相手へ届いたのか証明することが難しいので、この方法だけで済ますのは避けましょう。

(3)メールやLINEで伝える

メールやLINEで時効援用の意思を伝えれば、時効援用の効果が生じます。

この手段であれば、メールなら送信メールとして残り、LINEでも既読した履歴が残るなど、基本的には証拠が残ります。

ただ、メールの場合であれば、送信者は送ったと思っていても、メールの設定、通信障害、サーバーの不具合などの理由で、メールが届かない可能性がありますし、LINEの場合でもスマホの故障、アプリの不具合、アカウントの利用状況などで相手へ届いているか分からない状況は考えられます。

そのため、相手が争ってきた場合に、十分な意思表示といえるかどうかはケースバイケースとなるでしょう。

(3)内容証明郵便(+配達証明や追跡記録)

配達証明付きの内容証明郵便という方法で手紙を出して、時効援用の意思を伝えれば、いつどのような内容の手紙を誰に送って配達されたのか、客観的な証拠が残りますので、とても有効な方法で、基本的にはこの方法を取るべきと考えられます。

(4)裁判で主張する

すでに裁判になっているのであれば、裁判の中の主張として、時効援用の意思表示をすることもできます。

訴状や答弁書、準備書面などの書面の中に記載したり、期日で口頭で伝えて調書に残してもらうなどの方法が考えられます。

裁判になれば、相手が書面を受領したか裁判所が確認できますし、調書が残れば客観的な証拠として十分です。

時効の援用をする前に必ず注意しておくべきこと

続いて、時効の援用をする前に必ず注意しておくべきことについてご紹介します。

注意点(1) 時効は完成が猶予されたり更新されたりしている可能性がある

時効は、当初の時効期間が経過しても、債権者が一定の行為をしたり、債務者が一定の行為をしている場合には、時効の完成が一定期間先延ばしにされたり、期間がリセットされて、また改めて時効期間が経過しないと時効が完成しない状態となっている可能性があります。

例えば、訴訟、支払払督、調停などの裁判上の請求があると、これらの手続開始から手続終了までの間は時効の完成が猶予されます。

また、判決が確定したり、支払督促が確定したり、調停が成立したりすると、時効期間は更新され、その時点からさらに10年間経過しないと時効が完成しません。

裁判上の請求でなくても、督促状などで催告した場合には、催告から6か月間は時効の完成が猶予されます。

そして、このような債権者の請求行為だけでなく、債務側の行為により時効期間が更新される場合として「債務の承認」があります。

債務の承認は、文字通り債務があることを認める場合のほか、債務を一部でも弁済した場合にも債務を承認したものとされ、時効期間が更新となり、そこから改めて時効期間を経過しないと時効は完成しません。

令和2年4月1日に施行された改正民法では、このほかに、権利についての協議を行う旨の合意が書面でなされた場合に、時効の完成が猶予されることになりました。

このように、単に当初の時効期間が経過するだけで時効が完成するとは限りません。

そして、時効期間が経過している間、元金に対する利息や遅延損害金が増えていきますので、時効完成をねらったとしても、時効の完成猶予や更新がなされると、ただ借金が膨らんでしまっただけということにもなりかねないので注意が必要です。

注意点(2) 時効がいつから開始され成立するのかを具体的に知っておく

時効の援用をしても、日にちの計算を間違っていて、それが時効期間の間近だったりすると、債権の存在を忘れていた債権者に時効完成猶予、時効期間の更新の機会を与えることになります。

そのため、時効期間がいつから始まり、いつ成立するのか具体的に把握しておくべきでしょう。

注意点(3) 時効期間が過ぎてから返済したら援用できなくなるおそれがある

無事時効期間が過ぎたとして、それに気づかず、弁済してしまったり、分割払いの申し出をするなどしてしまうケースもあります。その場合、その後に時効の援用はできるのでしょうか。

この場合には、ケースバイケースですが、時効完成後の弁済などの債務の承認行為は、時効による債務の消滅と相容れない行為であることから、債権者からすれば時効を援用しないと考えるもので、それを勝手に撤回するというのは信義則上ダメだという理由で、時効の援用はできなくなります。

ただし、債権者の信用が根拠になっていますので、債権者が債務者の無知に乗じて、少額の弁済でその場をしのごうとする心理状態を利用して、残債に比べてとりあえずわずかな少額だけ弁済させたような場合など、その債権者の信用の保護する必要が小さいときは、時効の援用ができると判断される例もあります。

そのため、時効期間が過ぎたのに弁済してしまったとしても、すぐにあきらめる必要はありません。債権者からどのような働きかけがあったかについて、証拠を残しておきましょう。

注意点(4) 保証人がいる場合には保証人からの請求が来る可能性がある

債権者に対して時効を援用しても、その債務について保証人がいる場合には、すでに保証人が債権者に債務の全部または一部を弁済している場合があります。

その場合には、保証人はもとの債務者に対して、代りに弁済した金額や利息の額を、求償権として請求することができます。

その場合には、保証人が代わりに弁済してくれたときから時効期間が始まりますので、もとの債権者に対して時効を援用したとしても、保証人から、時効が完成していない請求が来る可能性があります。

時効の援用について分からないことは弁護士へ相談しましょう

時効の援用は、時効期間の経過と時効援用の意思表示が必要ですが、その条件さえ満たせば良いので単純に見えます。

しかし、時効期間は、時効完成の猶予や時効の更新などがからみ、いつから時効期間が始まったのか、いつ完成するのか、法的に検討が必要です。

また、債権者から取引の履歴を提供してもらわないと判断できないケースも多く、本人だけで対応すると、誤って債務の承認行為をしてしまうリスクも伴います。

そのため、時効の援用をしようとするときは、自分で何かする前に、まず弁護士に相談してみた方が良いでしょう。

時効の援用ができない場合でも取れる対処法はある

時効期間がまだまだ先だったり、時効期間経過後に弁済をしてしまったりして、時効の援用ができないことも当然あります。

その場合でも、借金の返済が苦しければ、以下の手段があります。

放置する

支払いができないのであれば、放置してしまうということも選択肢の一つです。ただ、これでは抜本的に解決しませんし、取立てされている状態であればその状態が続いてしましますし、今取立てされていなくても、いつ取立てが始まるか不安定な状態となってしまいます。

任意整理

一括払いを分割払いとしたり、毎月の分割払いの金額を減額して支払っていきます。

民事再生・個人再生

裁判所の関与のもと、債務額を一定の割合で減額してもらうことを認めてもらい、その額を分割で支払っていきます。

自己破産

裁判所の関与のもと、債務について免責してもらい、借金を返さなくて良い状態にします。

これらのうち、①の放置する以外の②③④の手段は、債権者の対応が必要だったり、いろいろな書類を整理して準備する必要があるので、本人だけで行うのは難しく、弁護士に依頼するのがおすすめです。

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