カテゴリー
男女問題
債務整理
労働問題
トラブル
ニュース
犯罪・刑事事件
遺産相続

不動産の生前贈与は相続税対策になる?

相続税対策や相続争いの予防を目的に行われる生前贈与、お金だけでなく不動産の贈与が行われる場合もあります。この記事では不動産を贈与するときの方法や費用のほか、本当に相続税対策として有効なのかも紹介します。

Point

・不動産での相続税対策は、総則6項に注意
・面倒でも登記はしっかり行うこと
・うまく活用すれば今後も節税対策として有効

不動産の贈与は相続対策になるの?

不動産の生前贈与の最大のメリットは相続税対策ですが、すべてのケースで相続税対策になるわけではありません。生前贈与をすることで贈与税がかえって高くなってしまうケースもあります。

しかし、例外的に不動産の生前贈与が相続よりも節税になる場合もあります。相続税率よりも贈与税率のほうが低い場合です。

例えば、6億超の遺産を有しており、亡くなった場合の相続税率が55%となる資産家が1000万円の贈与を行なうとします。贈与税率は30%ですので相続税率よりも低くなります。

不動産の生前贈与が相続対策になるのか否かは、贈与税と相続税でどちらが税率が低くなるのか、いかに税金を低く抑えることができるのかを慎重にシミュレーションすることが重要です。

したがって、不動産の生前贈与は得になることもあれば損にもなることもあるのです。

路線価は必ずしも肯定されない

令和4年4月19日、最高裁は国税当局が路線価を用いない方法で算出した相続税評価額を適法とする判決を下しました。

相続税を計算する際、土地を評価するときは路線価を使って計算しますが、今回の裁判では、国税当局が路線価によらない方法で土地を評価して課税したことが注目されました。

相続税は被相続人の相続財産に対して課される税金です。したがって、相続が発生した場合には被相続人の相続財産の計算をしなければなりません。相続財産は「時価」で計算するのが原則とされています。

今回の裁判では、国税当局は路線価を用いない方法で算出した金額が、相続税評価額として適当であると主張しました。国税当局が路線価以外の方法で評価した理由は、路線価による土地の評価額と実際の土地の価値が大きく乖離していたからでした。

たとえば、タワマンのように時価と路線価の差額に着目して、節税目的で不動産を購入して相続税の申告を行なったような場合には、国税当局は路線価を用いないこともあるので注意が必要です。

今回の判例によって、不動産の節税対策に影響がでると危惧する人もいるかもしれませんが、土地は路線価によって計算することは原則として変わらないので、相続税対策をしても大きな影響はないでしょう。

贈与しなくても良いケースはある

不動産の生前贈与(婚姻20年以上の夫婦で自宅を贈与した場合)は、現金の贈与に比べて贈与税がかからないというメリットがあるといわれています。

しかし反面、現金の贈与にかからない不動産取得税や登記の登録免許税などがかかるため、相続の場合よりもかえって税金が増えてしまう場合も多くあります。

相続により節税することも可能であり、財産状況によって贈与にするのか相続にするのかを選択するべきでしょう。

一般的に不動産を生前贈与したほうがよいのは、以下のような場合です。

・将来値上がりすることが確実に見込まれている不動産
・高収益の賃貸不動産がある場合
・贈与不動産に居住しているなど生前贈与の必要が極めて高い場合
・贈与者の意思を反映させる相続を行ないたい場合

不動産を生前贈与する方法

不動産を生前贈与する方法ですが、基本的に贈与は「あげる」「もらう」の意思の疎通ができていれば、法的には口約束だけでも贈与が成立します。しかし、不動産は高額な財産であることからも後日のトラブルに発展しないように贈与の証拠を残しておくことが不可欠となります。

贈与契約書をしっかり作る

不動産の名義を変更するには、「登記原因証明情報」を法務局へ提出する必要があります。贈与の場合は贈与契約書がこの登記原因証明情報にあたるので、贈与契約書を作成することが必要になります。

贈与契約書には「誰から」「誰へ」「いつ」「何を」贈与するのかを明確に記載し、贈与者と受贈者それぞれが署名し、印鑑も押印します。印鑑はできれば実印が好ましいでしょう。

契約書には、その不動産の所在地などの情報を正確に記載する必要があるので、法務局であらかじめ「登記事項証明書」を取得しておくとよいでしょう。

また、不動産の名義変更には「所有権移転登記申請書」も必要になるので、 あらかじめ法務局の窓口やホームページから申請書を入手し、記載例をもとに作成しておくことをおすすめします。

必ず登記(名義変更)をする

贈与したことを明らかにするために、不動産所在地を管轄する法務局に名義変更の登記を申請することが必要です。登記申請は専門家である司法書士に依頼するのが一般的ですが、自分でも登記は可能です。登記には、一般的に以下の書類が必要になります。

・登記申請書
・登記識別情報または登記済証(権利書など)
・贈与する不動産の固定資産評価証明書
・登記原因証明情報(贈与契約書など)
・贈与者の印鑑証明書
・受贈者の住所証明情報(住民票など)
・司法書士に委任する場合は委任状

各種費用を払う

不動産の贈与が行われた場合に発生する税金は、不動産取得税と登録免許税、さらに贈与税です。以下に各種の税金の説明と計算方法をまとめました。

・不動産取得税

生前贈与によって不動産を取得した場合は、都道府県税である「不動産取得税」が課税されます。不動産取得税は土地・建物ともに3%の税率で、固定資産税評価額に準じて計算されます。計算式は、以下のようになります。

不動産取得税:固定資産税評価額 x 3%(現行の軽減税率が適用される場合)

固定資産税評価額が3,000万円の場合の不動産取得税は、以下のようになります。

不動産取得税:3,000万円 x 3% = 90万円

ただし、居住用の建物以外は税率4%になるので注意が必要です。

・登録免許税

贈与で取得した不動産には、国税である登録免許税が課税されます。登録免許税の計算式は、以下のようになります。

登録免許税: 固定資産税評価額 x 2%

固定資産税評価額が3,000万円の登録免許税は、以下のようになります。

登録免許税 : 3,000万円 x 2% = 60万円

必要に応じて贈与税を支払う

年間の贈与額が基礎控除額である110万円を超える場合は、贈与額に対して贈与税が課税されます。贈与税の税率には一般税率と特例税率があります。兄弟姉妹や夫婦間の贈与は一般税率となりますが、親や祖父母から直系の子や孫に対しては特例税率となります。

不動産を生前贈与するメリット

ここでは、不動産の生前贈与を行なうメリットを解説します。

・遺産を渡す時期や渡す相手を自由に選べる
生前贈与は、いつ誰に何を贈与するのか、贈与時期を選べるので、将来的に値上がりが確実な不動産などは事前に贈与することで節税が可能になります。

相続人を選択できるのでトラブル回避につながる
誰に贈与するのかを選択できるため、相続時のトラブルを未然に防ぐことが出来ます。すでに相続財産を貰っていることから遺産分割協議にも参加する必要がなくなるので無用なトラブルを避けることができます。

親子間の生前贈与であれば非課税になる場合がある
60歳以上の親から20歳以上の子への贈与は相続時精算課税制度を利用することにより、贈与税が累計2500万円まで非課税になります。

不動産の譲渡所得に対する3000万円控除の適用が受けられる
生前贈与することで贈与税はかかりますが、将来売却する際に3000万円控除の適用を受けることで所得税の軽減が可能になります。

暦年贈与による贈与税の金額を抑えられる
暦年贈与の制度を利用することで贈与税の金額を抑えることが可能です。暦年課税とは、贈与として受け取った贈与額が年間で110万円を超えなければ非課税になる制度です。

また、その他にも以下のメリットがあげられます。

不動産の共有を避けられる

不動産の共有名義での相続は、相続人間の最大のトラブル発生要因です。

次世代に財産を有効的に残したいのであれば、生前贈与の活用で単独名義にしておくことをおすすめします。

暦年贈与や相続時精算課税制度などの生前贈与を活用することで、贈与税がかからずに必要なときに必要な一定の財産を子や孫に残すことが出来ます。 

専門家への相談をもとに節税が期待できる

これまで見てきたように、不動産の生前贈与はケース・バイ・ケースにより得になるときもあれば損することも大いにあります。

また相続や贈与は、複雑な税制と関連して専門的な知識が不可欠になります。有効な節税対策を行いたいのであれば、相続に強い税理士に相談することをおすすめします。 

相続登記で迷わなくて良くなる

不動産の生前贈与が行われたら、法務局で 名義変更の登記をしなければなりません。
登記をすることにより、相続が起きた場合にもトラブルを避けることが可能です。

まとめ

資産を持っている方にとって、不動産の購入及び贈与は有効な節税と思われがちですが節操を誤れば伝家の宝刀で裁かれてしまうかもしれません。

相続財産の圧縮は大きな効果がある一方で、ミスをしたときのデメリットも大きいです。安全な財産防衛は相続に強い税理士と一緒に行いましょう。

よく検索されるカテゴリー
検索
インターネット インタビュー クーリングオフ セックスレス トラブル ニュース モラルハラスメント 不倫 不動産 不動産・建築 交通事故 企業法務 企業法務 個人情報流出 借金 債務整理 債権回収 債権回収 加害者 労働 労働問題 婚約破棄 時事ニュース 架空請求 浮気 消費者トラブル 犯罪・刑事事件 男女問題 自己破産 親権 財産分与 近隣トラブル 過払い金 遺産相続 離婚 養育費