離婚調停を弁護士に依頼するメリットとは
離婚調停を弁護士に依頼するメリットについて解説します。なぜ調停で弁護士が必要なのでしょうか?その役割について考えていきましょう。離婚を検討している方や離婚調停を控えている方は必見です。
調停離婚を弁護士に依頼する意味とは
調停離婚とは、夫婦二人だけでは話し合いの折り合いがつかず、第三者を交えて離婚の話し合いを進めようという離婚方法です。
調停離婚には
- 夫婦二人で話すよりも第三者の一般的な意見を取り入れやすいので、難色を示している相手の気持ちを変えることが出来る
- 一般的な目安として法律も引き合いに出して話を進めることが出来る
という特徴があります。
しかし、調停はあくまで夫婦の話し合いの延長線上にあるので、良い結果を得るにはポイントを押さえておく必要があります。そんな時に頼りになるのが法律のプロ、離婚問題に詳しい弁護士です。
今回は調停離婚と弁護士についての様々な疑問をご説明していきたいと思います。
離婚調停を開く際の弁護士の役割

まず、調停離婚を進める場合、弁護士はどのような役割を持っているのでしょうか。
弁護士の役割(1) 申立書やその他書面の作成
弁護士は、調停に必要な申立書や、その他書面の作成を自分の代わりに行ってくれます。
調停離婚は、まず申し立てる人が家庭裁判所まで出向き、調停の申立書に記入、申し立てを申請します。もちろん調停が進めば、その他の書面作成が必要な場面も出てきます。そして、これらの書類の書き方ひとつで、あなたの今後が左右されてしまう可能性もあるのです。
そんな時、あなたはこれらの書類作成を自分だけで行える自信がありますか?
少しでも自分の思うような離婚に近づけたいのであれば、難しい書類の書き方に詳しい弁護士がいてくれた方が安心できますね。
弁護士の役割(2) 陳述書作成のサポート
離婚調停は、調停委員をいかに自分に同情させるか、自分寄りな考えで離婚の話を進めてもらうかにかかっていると言っても過言ではありません。そのためには、調停委員に事実を伝える陳述書が必要になってきます。
弁護士は、この陳述書作成のサポートもしてくれるのです。
陳述書とは、調停の前に裁判所に提出する、調停で話し合う内容を補完するための書類です。つまり申立書への記入や、調停での話だけでは伝えきれない内容を陳述書にまとめておきましたよ、という趣旨のものなのです。そして陳述書には、離婚調停を起こすに至った経緯や事実も、わかりやすくまとめなければなりません。もちろん自分にとって不利になるようなことを書いてもいけません。
初めての調停では、緊張したり、あがってしまって何を話したか覚えていないということも多いでしょう。そんなときは弁護士の先生に陳述書の作成に関してアドバイスしてもらい、書類を作成することができるのです。
弁護士の役割(3) 代理で調停に行ってくれる
調停というのは月に一度、あらかじめ都合のつく日付を前もって打ち合わせして行われます。調停は必ず平日の昼間に行われますので、仕事や子供のことでどうしても行けず、困ってしまうこともあるでしょう。
そんな時は、弁護士に代理人として調停に行ってもらう事が出来ます。自分の意志を伝えてある弁護士ですし、プロですから安心して代理を任せられます。
また、代理までしてもらわなくても、調停に向けてどのような発言をしたら良いかなどのアドバイスを貰っておくことも可能です。
弁護士の役割(4) 裁判になった場合もスムーズに
調停離婚をしようとしたけれど、意見はまとまらず離婚裁判へ…という場合もあるでしょう。特に慰謝料や財産分与、親権、養育費など、お金や子どもに関する問題は、どちらも引けずに話がまとまらないことが大いに考えられます。
このような問題を抱えている人は、調停離婚ではなく、その先の離婚裁判を見据えて、弁護士と二人三脚で離婚を進めていくことをおすすめします。離婚裁判になってから弁護士を探すよりははるかに効率が良く、裁判になっても自分に有利に話を進められる可能性も高まります。
離婚調停を弁護士に依頼するとかかる費用

このように頼りになる弁護士もプロですから、依頼するのにはお金がかかります。
そこでここからは、弁護士に依頼するとどのくらい費用がかかるのか、見ていきましょう。
弁護士費用の相場
弁護士にかかる費用は離婚する夫婦の様態によって変わってきます。そのため弁護士費用の相場は、必ずしもあなたに当てはまるものではないことは覚えておきましょう。
参考までに、離婚調停を弁護士に依頼する費用は総額で60万円前後となることが多いようです。
ここからは大まかではありますが、一般的に弁護士費用にはどのようなお金がかかってくるのか、お話をしていきます。
相談料
まず、どんな弁護士にお願いする時にも最初は相談をします。それから、書類作成や交渉代理などをお願いしようという話になったら契約に進むという流れになります。そしてこの相談料は、先程もお話したように、初回無料のところがあります。
出来ればこのような初回無料のところでいくつか話を聞いて、依頼する弁護士を比較して決めたいところですよね。
二回目の相談からは1時間5000円程度のところが多いようです。
5回まで相談無料など、弁護士費用をパック形式にしている事務所もあります。
着手金
調停離婚で弁護士を雇う際に支払う費用としては、その次には着手金になるでしょう。これはだいたい20万程度になります。
着手金はいわゆるお願いする時に払うお金で、一度支払ったら調停や裁判に負けてしまっても返ってきません。弁護士をお願いする時に払う、携帯電話の基本料金のようなものと考えれば良いでしょう。
この基本料金に、勝ったらいくら、お金を取れたらいくらという風に加算されていくと考えます。
報酬金
報酬金に対しては、その調停や裁判の内容にもよります。
まず、勝ったら(離婚が成立したら)成功報酬として着手金とほぼ同額程度。慰謝料や財産分与の額の10%から20%などというように、法律事務所ごとに決められています。また、親権が取れたらいくら、養育費がもらえたらまたその何割かなど、細かく成功報酬は請求される事になります。
実費、日当、手数料など
この他、弁護士の費用としては、調停離婚に代理で出廷してもらったら出張費、交通費などの実費、書類を作成してもらったら書類の作成費用としていくらというように、事務所ごとに金額が決められています。
こちらも各事務所ごとに費用が決められているので、依頼する際に確認した方が良いでしょう。
離婚調停を弁護士に依頼した方がよい理由とは

調停離婚を弁護士に頼むのは、結構な費用がかかりそうだと思った人もいるでしょう。
しかし、その金額に見合うだけのメリットがあるのです。
弁護士に依頼すべき理由(1) 専門的な法律知識と豊富な経験を借りられる
調停離婚をする際に弁護士に依頼する一番のメリットは、法律や離婚問題に詳しいということでしょう。
今時ネットや本で法律や離婚に関することはいくらでも調べられます。しかし、調停離婚の経験はいくらがんばってもプロにはかないません。
お金に関しては、取らぬ狸の…というような話ですが、弁護士に依頼することで慰謝料や財産分与、養育費が入ってくると思えば安いものではないでしょうか?
弁護士に依頼すべき理由(2) 相手方に弁護士がついていても対等に話し合える
調停は必ず弁護士を立てないといけないわけではありませんが、もし相手が弁護士に依頼して調停に臨んできたら、こちらも弁護士をつけないことにはまず勝ち目はありません。こちらも弁護士をつけることで、やっと対等に話し合いが進められると認識しておきましょう。
元はあなたに有利な条件の離婚であったはずが、相手にプロが加勢したことにより形勢が一気に相手側に有利になることもあり得るのです。
弁護士に依頼すべき理由(3) 強い離婚意思を示せる
二人だけの話し合いでは離婚が決まらず調停離婚まで進んでいるということから、相手はのらりくらりとあなたの言い分を交わして来たのでしょう。ここまでなんとかなったんだからと、相手はあなたをきっと甘くみているはずです。
自分の離婚に対する気持ちは真剣であるという意思表示をするためにも、弁護士を雇うことは効果があります。
「絶対に離婚する!」という強い意志を、相手と調停委員に示すことができるのです。
少なくとも相手は今まで通りでやっていてはいけないと、真剣に離婚について考えてくれるようになるでしょう。
離婚には法律の問題が付きものです。どうしても普通の主婦や会社員では、離婚や法律についてプロには劣ってしまいます。法律や調停離婚に詳しい弁護士が自分についていてくれれば、鬼に金棒でしょう。