人身事故で通院…慰謝料ってどうなるの?

「人身事故のケガの痛みでつらい」「ケガのせいで働けない」「通院が辛い」人身事故のケガや通院による出費は気持ちや家計に大きな負担となります。「偶然事故に遭ってしまっただけなのに、なぜ体の痛みや通院とか大変思いをしなければいけないの?」そんな気持ちを少しでもラクにする話を、知りたくありませんか?人身事故で通院した場合の慰謝料について解説します。

交通事故(12)
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人身事故とは?

人身事故とは、「生命または身体が害された場合の交通事故」(自賠法1条)のことです。

つまり、交通事故で人が死んだり、ケガをしたりする場合です。

死亡やケガによる損害を「人損」といいます。

この「人損」が確定するのは、治療終了(症状固定)時です。

人身事故のケガの治療費などを保険会社が支払ってくれることがあります。

しかし、通院交通費や仕事を休んで収入が減った際の生活費などは、交通事故の示談交渉がはじまる症状固定日以降まで、被害者自身が負担することになります。

そして示談がまとまってから、被害者が支払っていた通院交通費や生活費などが受け取れるのです。

「えっ、そんなに待てない!!」と、今、心の中で叫びましたか?

「ケガで仕事を休み、数か月収入が0円。来月あたり家賃やローンが払えなくなるかも…」

と示談金の一部でもいいから今すぐにでも払ってほしい被害者の方は、加害者の自賠責保険会社への「仮渡金」や「内払金」を請求してみてください。

「仮渡金」や「内払金」は通院交通費などの当座の出費に対応しますので、経済的負担が軽くなります。

なお、仮渡金や内払金は、示談金の一部の前払いです。

示談金は受け取った仮渡金、内払金分を引かれて支払われます。 

では、今回は慰謝料のついてお話をします。
 
この記事でわからないことや深く知りたい点があれば弁護士に相談することをお勧めします。

そもそも人身事故の慰謝料って?3つの基準

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人身事故の「人損」である慰謝料ってどんなとき請求できるのでしょうか?

また、慰謝料額はどうやって決めるのでしょうか?

慰謝料は医者料!?

慰謝料とは、精神的苦痛に対する損害賠償です。

交通事故においては、

・ケガをして病院に通院をした

・後遺障害が残った

・被害者本人が死亡した

などの場合、慰謝料請求が認めれられます。

つまり、治療や後遺障害の診断、死亡の確認などお医者さんとかかわりがあるときなのです。

慰謝料は『医者料』とも言えますね。

だから、

・人身事故にはならなかったけれど、事故のとき怖い思いをした

・事故でケガをしたけれど病院へは行かず痛みを我慢をしていた

という場合は、慰謝料を認めることは難しいでしょう。

では、人身事故で通院した場合、慰謝料はだれに認められるのでしょうか?

だれが慰謝料請求できるの?どんな慰謝料があるの?

被害者が人身事故で通院をした場合、慰謝料請求できるのは原則として被害者本人のみです。

つまり、慰謝料は被害者本人に認められす。

ちなみに、人身事故の被害者が、未成年者の場合は被害者の法定代理人が請求します。

どんな慰謝料が請求できるのでしょうか?

請求できる慰謝料は、次の2つです

傷害慰謝料

後遺障害慰謝料

この2つを以下説明します。

傷害慰謝料とは、人身事故で入院や通院したときに認められる慰謝料です。

慰謝料額は、入院や通院期間、ケガの程度によって基準が決まっています。

後遺障害慰謝料とは、治療終了後残ったケガの症状ことで、

こちらも障害の程度により等級別に、慰謝料額が基準で決まっています。

慰謝料額を決める基準を次に説明しますね。

慰謝料の基準は3つある

慰謝料や人身事故の損害賠償は、下の3つの基準を使い算出します。

1.自賠責保険基準

2.任意保険基準

3.弁護士会基準

このような基準は、迅速に、公平に人身事故の解決を図るため作られました。

3つの基準を簡潔に説明しますね。

自賠責保険基準は、人身事故被害者への補償が目的とされています。

ただし、強制保険は最低限の補償をするものですから、3つの基準の中で、慰謝料が最も低い金額になります。

任意保険基準は、現在統一された基準はありません。

人身事故の示談交渉の窓口となる任意保険会社が各自決めていますが、公表されていません。

弁護士会基準は、裁判所の判例に基づき基準化されたものです。

3つの基準の中で慰謝料額が最も高く設定されています。

3つの基準をによる慰謝料を具体的にいくらになのか、事例を使い算定してみましょう。

人身事故の慰謝料算出方法

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【事例】

A子さんは、運転中交差点で信号待ちをしていた際、後続車に追突された人身事故の被害者です。

病院でむち打ち症と診断され、事故発生から治療終了まで10か月かかりました。

10か月のうち、A子さんが通院した日数60日でした。

Aさんには他覚的所見がある腕のしびれ残り、後遺障害12級に認定されました。

A子さんの傷害慰謝料と後遺障害慰謝料を、自賠責保険基準と弁護士会基準を使って算出します。

傷害慰謝料

【自賠責保険基準】

支払額は1日あたり4200円。

1日あたりの支払額に実際に通院した日数(実治療日数)60日を掛けます。

支払額4,200円×通院日数60日=25万2千円

25万2千円が自賠責保険基準によるA子さんの傷害慰謝料額です。

【弁護士会基準】

A子さん10か月の通院期間で、実際の通院は60日だったので実治療日数に3.5を掛けます。

通院日数60日×3.5=210日

210日は7か月と同じ日数です。

そこで、弁護士会基準別表1の7か月のところを見ると、

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出典:『民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準』赤い本 平成28年版 上巻171ページ

124万円となっています。

つまり、弁護士会の基準によるA子さんの慰謝料額は124万円となります。

計算や数字で頭がグラグラしたって人がいるかもしれませんが、次に紹介する後遺障害慰謝料は求め方がシンプルですから、頑張ってついてきてくださいね。

後遺障害慰謝料

自賠責保険基準、弁護士会基準の表の12級のところ見ます。

【自賠責保険基準】

第12級 93万円

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損害保険料算出機構ホームページより引用:http://www.giroj.or.jp/service/jibaiseki/shiharai/kijun.html

【弁護士会基準】

第12級は290万円です。

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出典:『民事交通事故訴訟 損害賠償算定基準』赤い本 平成28年版上巻 174ページ

傷害慰謝料、後遺障害慰謝料ともに、自賠責保険と弁護士会の2つ基準の金額差が大きいですね。

「私の慰謝料は絶対に弁護士会基準でないとヤダ」って人は、続きをお読みください。

慰謝料の請求方法

人身事故の示談は、治療の通院が終了した症状固定日後以降に始まります。

通常は、任意保険会社から通院交通費などの財産的損害と傷害慰謝料、後遺障害慰謝料などの精神的損害を示談書の形式で提示してきます。

納得できれば署名・捺印し、書類を保険会社へ送れば人身事故の被害者の示談手続きは終了です。

もちろん、この提示で使われる算出基準は、自賠責保険基準と任意保険基準がもとになっています。

「えっ、弁護士会基準を使わないって保険会社ってズルい」と思った方もいますよね?

保険会社は、裁判によらない示談で解決するから、自賠責保険基準と任意保険基準を使っているのです。

保険会社の提示額に納得できない人身事故の被害者は、弁護士会基準をもとに損害額で算出し、提示額の上乗せを交渉していくことになります。

でも、保険会社の担当者は保険知識も豊富で、交渉のプロ。なかなかの強敵です。

そんな強敵を相手に交渉をするのは不安という方のために有利に交渉を進める方法を紹介します。

慰謝料・示談金を増額させるための交渉術

慰謝料や示談金の話し合いの際はなるべく金額が多くなるような交渉をしなくてはなりませんが、相手の担当者は保険の知識などを駆使して色々な手段で金額を下げる交渉を行ってきます。

なるべく相手の言いなりにならずに金額を増幅させるために、本項では慰謝料や示談金を増幅させるための交渉術を紹介します。

自身の過失割合を下げる

自動車対歩行者や停車中の車への激突など、明らかに片方が100%悪いという状況でない限りたとえ被害者であっても過失割合が生じてしまいます。

相手の保険会社はなるべく過失割合を下げようと事故状況に応じた交渉を行ってきますので、ドライブレコーダーの動画や実況見分調書などの客観的事実が証明できる書類や映像を用いてしっかりと交渉するようにしましょう。

また交渉の際には法的な過失割合の基準が必要となりますので、自己判断で示談を決定するのではなく弁護士に相談することで金額を増幅させてくださいね。

休業損害の増額交渉を行う

休業損害とは交通事故によって負った傷によって仕事の休業を余儀なくされた場合に発生する損害賠償金額のことです。

ご自身の基礎収入とどれだけの期間仕事ができなかったのかをどれだけうまく相手に認定させるかによって金額が大きく変わるため、入院を余儀なくされた事故や骨折など業務に支障が出るような怪我をした場合はしっかりと交渉するようにしましょう。

特に自営業や個人事業主の場合は収入に変動があるため、基礎収入を高くできるようにご自身の収入を開示するようにしてください。

交通事故に強い弁護士に交渉をお願いする

慰謝料や示談金の増額には法的な観点による交渉も必要になるため、弁護士に依頼したほうが金額が多くなる可能性が高いです。

ただし弁護士によって専門分野が違うため弁護士なら誰でもいいというわけではなく、交通事故に詳しい弁護士を雇わなければなりません。
弁護士事務所のホームページの実績を見たり、実際に相談した時の手際の良さや説明のわかりやすさを確認しながら弁護士を決定していきましょう。

人身事故について弁護士に相談してみる?メリット・デメリット

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弁護士は、法律の専門家で、交渉のプロです。

保険会社担当者との交渉や面倒な書類手続きにも詳しいので、安心して任せることができます。

慰謝料などの損害賠償の交渉も弁護士会基準による算定額なので、保険会社の提示より増額する可能性があります。

交渉が合意しない場合裁判で争うこともできます。もっとも、そんなデメリットもあります。

裁判での解決となると、解決まで時間がかかります。

弁護士に人身事故の解決の交渉依頼をするためには、相談料や着手金など弁護士費用を被害者自身が負担することになります。

【弁護士費用の相場金額】

依頼内容

相場金額

相談費用

5,000円~10,000円/30分

着手金

0円~賠償額の8%(依頼額による)

成功報酬

賠償額の16%~738万円+賠償額の4%

(依頼額による)

日当

3万円~10万円

 

もっとも、被害者の方が自動車保険に弁護士費用特約加入していれば、弁護士費用は保険で支払いができます。

【自動車保険会社別、弁護士費用特約内容】

保険会社名

限度額(訴訟費用/相談費用)

東京海上日動

300万円/10万円

あいおいニッセイ同和

300万円/10万円

イーデザイン損保

300万円/無し

ソニー損保

300万円/10万円

チューリッヒ

300万円/10万円

 

また、訴訟費用がかかるのは保険会社も同じです。訴訟を前提に弁護士に依頼して交渉した時点で、保険会社も訴訟を避けたいと考え、結局有利に示談がまとまるという可能性が十分にあるというわけです。

人身事故の慰謝料について知りたい人はこちらも読んでみてください

人身事故で通院…慰謝料ってどうなるの?のまとめ

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いかがでしたでしょうか?

人身事故のケガによる苦しみは被害者本人以外の人にはわからない部分があります。

でも、被害者の方ができることがわかれば、もやもやしていた気持ちが少しは軽くなることもあります。

そして、上述のように弁護士による示談交渉で有利になる場合があります。

早い時期に弁護士に相談するという選択肢を検討することもお勧めします。

この記事の作成者

カケコム編集部