カテゴリー
男女問題
債務整理
労働問題
トラブル
ニュース
犯罪・刑事事件
債権回収

債権回収の基礎知識と実行のポイント

取引が大きくなればなるほど、債権が大きくなればなるほど債権回収は重要度が増します。売掛金や地代家賃など御社の大切なお金を取り戻すためには迅速かつ周到な債権回収が求められます。
この記事では債権回収の基礎知識と少しでも良い成果を実現するために知っておくべきポイントを紹介します。

債権回収とは?

債権回収とは、支払いが滞納している借金などの債権を債務者から取り立てることをいいます。

たとえば、取引先の経営状況が悪化して売掛金などの支払いが遅延している場合には、迅速に債権者が回収のための行動を起こすことが不可欠です。

債権には消滅時効があります。また回収が遅れれば他の債権者が先に回収してしまい、債務者に財産が残っていなければ、債権回収が不可能になってしまいます。

ここでは、債権回収を成功させるための主な手続きについて解説します。

なぜ、債権回収を迅速に行わなければいけないのか?

債権回収をする場合、債務者との関係に問題がなければ、債権者から請求があれば債務者はすぐに支払いに応じてくれるでしょう。

しかし、債務者と連絡が取れなくなってしまったり、また債務者の経営状態が悪化して不渡り手形などを出して倒産が見込まれるような状況であれば、実際にどのようにして債務者から債権を回収できるのかが大きな問題になります。

債務者に支払能力がなくなってしまえば、債権回収が不可能になってしまいます。債権の回収に向けた行動は、早ければ早いほど確実な債権回収につながるのです。

相手の財産が残っているうちに押さえよう

債権回収を実現するためには、まず、債務者の財産調査をして支払能力があるのか否かを見極めることが重要です。

債務者の支払能力は、不動産や預貯金などの財産から売掛金などの債権まで有形無形の財産が含まれます。債務者の支払能力を調べるには、調査・情報収集が不可欠になります。

債務者が法人である場合の財産調査の対象は、以下の通りです。

 

     財産調査の対象

       調査方法

不動産

・不動産登記事項証明書

・住宅地図

・現場の確認

預貯金

・金融機関の入金先照会

・帳簿

・弁護士による照会

設備、器具、備品など

・現物の確認

・機械や器具目録

商品、原材料、製品など

・店頭、倉庫など現物の確認

売掛金、売上金などの債権

・帳簿

・明細書などの書類の確認

普段から取引をする際にも、相手方の財産状況を確認しておくことをおすすめします。 

時効の到来を防ごう

債権の消滅時効が完成すると、債権回収の実現が極めて困難になります。債権の回収を行うためには、消滅時効の完成を阻止しなければなりません。

消滅時効とは、法律で定められた一定期間権利を行使しないとその権利が消滅する制度です。

2020年4月に施行された民法改正により、消滅時効は権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年で時効が完成します。(ただし、商事債権の場合は5年で時効が完成します。)

ただし、2020年4月1日以前に発生した債権については、改正前の民法が適用されますので注意が必要です。

債務者が消滅時効を援用すると、債権は消滅してしまうので債権回収は不可能になります。

そこで、消滅時効の完成を阻止するために、時効の完成猶予あるいは時効の更新を行うことが必要です。

時効の完成猶予は、消滅時効の期間が経過しても時効完成の効果を生じさせないようにすることです。時効を完成猶予するためには、裁判所に訴訟を提起したり、支払催促の申し立てをすることが必要です。

時効の更新とは、消滅時効期間を中断して最初から期間を更新することです。時効を更新するためには、債務者に債務について認める書面を提出させて債務の承認を行わせる、あるいは債務者に債務の一部を弁済させるなどの措置が可能です。

債権回収の流れ

債権回収をするには、大まかにわけると、相手との交渉によって回収する方法と、訴訟や支払い催促などの法的手段によって回収する方法があります。

まずは相手との交渉によって回収を催促し、それでも支払いがなされない場合には法的手段によって回収することになるのが通常です。

債権回収の流れは、以下の通りです。

内容証明郵便での請求

債権回収のためには、まず相手方に内容証明郵便の送付をします。

内容証明郵便とは、差出人、受取人、差出日時、内容について郵便局が証明する郵便物のことをいいます。

内容証明郵便に記載する内容は、債権の金額とその原因内容、遅延損害金の金額とその原因内容、支払期限、振込口座などです。

さらに、期限内に支払わなければ法的措置をとること、訴訟の際には債権金額のみならず遅延損害金や弁護士費用を含む訴訟費用も請求に加えることを追記する場合があります。

内容証明郵便を送付することで、債権の内容を明確にし債権回収のための正式な請求であることを債務者に伝えることができます。

また内容証明郵便による催告は、消滅時効の完成を6か月猶予させる効果もあるため、債権回収する場合には有効な手続きになります。

交渉

内容証明郵便を送付した後、電話や面会などによって債権回収の交渉をします。債務者に支払いの意志があれば、この段階で回収できることもあるでしょう。

しかし債務者が一向に交渉に応じない場合には、弁護士に依頼して代わりに交渉を行ってもらうことも可能です。

債務者の態度や過去のやり取りなどから、交渉の余地があれば柔軟な対応をとれますが、債務者に支払いの意志が全くないような場合には、弁護士を通じて訴訟などの強硬手段を講じてもらったほうがよいでしょう。 

仮差押

仮差押とは、債権を保全するために債権額に相当する債務者の財産の処分を禁じて、後に裁判で勝訴したあとに同財産を換価して金銭を回収できるようにする手続きです。

仮差押を行うためには、債務者が債権を有していること、ならびに債務者の財産を保全する必要性があることが要件です。

仮差押の手続は、債権者が管轄裁判所に対して、仮差押命令申立書を提出し、裁判所にて裁判官は債権者と面接を行います。裁判官が仮差押命令を認めると債権者は法務局に担保金を供託しなければなりません。

担保金の額は、不動産仮差押の場合は目的不動産または被保全債権額の15%から20%、動産仮差押の場合は20%から30%が相場です。

仮差押命令が発令されると、仮差押の決定と執行が可能になります。

仮差押をするには、上述のように担保金の確保が必要になります。この担保金は債権が存在しなかった場合など債務者の損害を担保するため、あるいは権利なき者による申し立ての乱用を防ぐためのものです。

仮差押は専門的な知識を要するので、事前に弁護士に相談することをおすすめします。

訴訟または支払督促

債務者との交渉がうまくいかず一向に支払いがない場合には、支払督促または訴訟の法的措置を講じることになります。

支払督促とは、正式な裁判を経ずに裁判所から債務者に対して、債務の支払いを督促してもらえる制度です。

裁判所から債務者に支払督促が送達されて2週間以内に、債務者が異議の申し立てをしなければ、裁判所は仮執行宣言付支払督促が発せられ、それ以降強制執行の申し立てができるようになります。

ただし、債務者から適法な異議申し立てがあった場合には、支払督促は執行し、自動的に訴訟となります。

債権者の支払督促に対して、債務者から異議申し立てがなされた場合は、訴訟に移行して引き続き債権の請求を行います。

債権の請求額が60万円以下の場合は、少額訴訟を利用することができます。

少額訴訟は、原則として1回の審理で結審され控訴や上告もないため、迅速な解決を求める場合には、少額訴訟をすることをおすすめします。

債権の請求額が60万円以上の場合に利用可能です。裁判の流れ、手順は、以下の通りです。

  1. 訴状や証拠の準備
    訴状を作成して、契約書や借用証書などの必要な証拠を収集する。
  2. 管轄裁判所の確認、訴状の提出
    被告となる相手方の住所を管轄する地方裁判所に訴状を提出する。
  3. 第一回口頭弁論
    裁判所から第一回口頭弁論の期日が指定されるので、期日に出廷します。
  4. 口頭弁論の続行と弁論準備手続き
    準備書面にしたがって、弁論期日に裁判官から当事者に聞き取りを行います。当事者から申請があれば、証人尋問や本人尋問を行います。弁論準備手続により、審理の争点や内容を整理します。
  5. 判決または和解
    当事者が主張反論を行い、裁判所はまず和解をすすめます。
    和解が不成立の場合は、裁判所は弁論を終結して判決をくだします。

民事執行

上記の裁判で和解あるいは判決を得ても、債務者が支払を行わない場合は、民事執行手続きである強制執行を行うことになります。

民事執行手続とは、債権者の申立により裁判所が債務者の財産を差押して換価し、債権者に配当することにより債権回収を行う手続です。

自力救済が禁止されている日本では、債権者は支払をしない債務者に対して直接自らが強制的に取立てを行うことができません。法的機関である裁判所が、債権者の代わりに強制的に取立てを行います。

民事執行手続には、強制執行手続、担保権の実行手続などがあります。

強制執行手続とは、裁判により和解または判決を得たにもかかわらず、債務者が債権の実行をしない場合に、債権者の申し立てに基づいて、債務者に対する請求権を裁判所が強制的に実現する手続です。

強制執行には、執行対象となる財産の種類によって、不動産執行、準不動産執行(船舶、自動車、建設機械、航空機など)、動産執行、債権及びその他の財産に対する執行があります。

強制執行をするためには、債務者の財産状況を調査することが必要です。事後的な調査手続として、弁護士法に基づいた照会制度や財産開示請求手続も可能ですので、詳しいことは弁護士に相談することをおすすめします。

債権回収のポイント

債権回収を成功させるためには、以上のように債務者の支払能力に関する情報収集や法的措置の検討も含め、事前の準備が不可欠です。 

やはり迅速な動き出しが肝心

債権回収になれない当事者が交渉にあたっても、話がまとまらず時間だけが経過してしまい、結果として回収ができないことも十分に考えられます。

上述したように、債権には消滅時効があり、また他の債権者が先に債権回収の手続を行ってしまうと債務者の財産が減少し債権の回収が不成功に終わってしまうことも多いため、何よりも早期に行動を起こすことが重要です。

改めて書面を確認する

債権回収をスムースに行うためには、債権の現状を把握することが不可欠です。債権の契約内容、支払履歴、支払期日、消滅時効などの状況を確認するためにも契約書などの書面を改めて確認することが必要です。

期限の利益喪失条項、契約解除条項、連帯保証条項、遅延損害金条項、担保権に関する条項など、債権の発生または消滅原因になる契約内容については、特に入念なチェックをすることが重要です。

早い段階で弁護士に依頼する

債権回収においては、債務者が友人知人である場合には馴れ合いにより特に回収が困難になります。周囲の人間を巻き込むことにもなり、解決が長引くことが予想されます。

お金のトラブルでは予想以上に精神的負担がのしかかります。それが友人知人であれば、精神的負担はさらに重くなるでしょう。

このような負担を軽減するためにも、債務の支払いが滞り始めた時点で弁護士に相談することをおすすめします。

相手の支払いを管理できる状態を作る

債権回収の交渉中に、、債務者が分割払いを提案してくる場合もあるでしょう。 最終的に債権が全額回収されるのであれば、分割払いに応じることも得策かもしれません。

確実に全額を回収するためには、具体的な支払計画の提出、分割払いに関する合意書の作成など、債務者の支払を管理できる状況を作り、1度でも未払いが生じた場合には、残額をすぐ回収できるようにしておくことが重要です。

まとめ

債務不履行を放置しておくと債権回収が困難になり、せっかくの権利を実現できなくなる可能性が高まります。もし、相手があなたとまともに交渉してくれないなら弁護士に依頼するだけでもプレッシャーをかけられるかもしれません。

また、債権回収は相手の動きを想定した手順を踏むことが重要になるため詳しい回収プロセスは債権回収に強い弁護士と決めることが望ましいです。

よく検索されるカテゴリー
検索
インターネット インタビュー クーリングオフ セックスレス トラブル ニュース モラルハラスメント 不倫 不動産 不動産・建築 交通事故 企業法務 企業法務 個人情報流出 借金 債務整理 債権回収 債権回収 加害者 労働 労働問題 婚約破棄 時事ニュース 架空請求 浮気 消費者トラブル 犯罪・刑事事件 男女問題 自己破産 親権 財産分与 近隣トラブル 過払い金 遺産相続 離婚 養育費