離婚・男女問題の弁護士相談ってどのタイミングですれば良いの?
離婚しそう、今問題を抱えているんだけど「弁護士の出番っていつだろう?」と気になることがあるはずです。こちらの記事では離婚・男女問題を弁護士に相談すべきタイミングを伊奈さやか弁護士に解説していただきます。

弁護士相談は早ければ早い方が良い
弁護士に相談する時期は、早ければ早いほうがよいといえます。特に、離婚や男女問題については、いつ状況が急転するかわかりません。
まずは、一般的な法律知識を知っておくというだけでも気持ちの安定が違います。
そして、弁護士に相談しながら、いざというときのシミュレーションもしておけば、状況が変わったときにもすぐに対応できます。ケースによっては、事前に問題発生を防ぐこともできるかもしれません。
このように、弁護士に相談するのは、早ければ早いほうがいいのです。
できれば、離婚を切り出す前の相談を
離婚を考えていたり、近いうちに想定されたりする場合には、離婚を切り出す前に相談するのがベストです。離婚を切り出す前に、離婚の協議を始めたときや離婚後のことを想定して、事前に準備ができるからです。
たとえば、財産分与で配偶者の財産を把握するため、家にある預金通帳を見たり、確定申告の書類を見つけたりして準備できます。子どもの親権を取得したい場合であれば、環境調整や、話し合いがつかないときに取るべき対応を想定した事前準備ができます。
離婚は、夫婦が協議して合意し、離婚届を提出すれば成立します。
ですが、協議が調わない場合は、家庭裁判所の調停や審判、訴訟で決めていくことになります。この手続きは、申し立てこそ自分で行えますが、調停委員に自分の意見を伝える方法や、終了した後に何をすべきかなど、知っておいたほうが有利になることもあります。養育費など、法的に決め方が確立していて、それに沿った資料を提出するものもあります。
とすると、進行も考えながら、必要事項を切り出し、条件に優先順位をつけておく必要があります。
そのためには、必要な知識を弁護士に聞いたり、自分の求める条件で成立させるには、事前に何が必要か、反対に諦めたほうがいいことは何かを弁護士と相談しながら決めておくとスムーズです。
ですので、離婚を切り出す前に弁護士に相談しておくのがベストなのです。
離婚相談が手遅れにならないためには、いつまでに相談すべきか?
離婚を切り出したけど、思っていたように話し合いが進まないときや、離婚を切り出されたときは、すぐに弁護士に相談したほうがいいです。
調停になったときは、弁護士に依頼するかはさておいても、1回目の調停期日の前には相談すべきです。
調停で一度認めると、後から取り消しにくい事項もありますので、1回目の前がベターです。
もっとも、離婚が成立する前であれば、何とか挽回できるものもありますので、今から遅いかもと思わずに、弁護士に相談してみてください。
なお、 子どもをどちらが育てるかという、子の監護が問題になるときは、子どもと離れた直後には必ず弁護士に相談してください。遅くなると、望んだ解決にならないことにもなりかねません。
離婚や男女問題を弁護士に「依頼」できるタイミングは?
離婚を考えているときから、依頼を受ける弁護士もいます。
スムーズなのは、離婚を考え出したときから、複数の弁護士に相談して相性のいい弁護士を見つけておき、いざ離婚を本格的に進めるときに依頼することです。
離婚を本格的に進めるときとは、切り出す側のときはまさに切り出すとき、切り出された側は離婚を争うと決めたときといえます。
切り出す側の場合は、切り出す前に依頼して、弁護士の受任通知が届くころに自宅を出て別居し、協議の最初から弁護士に任せるというケースもあれば、まずは自分で切り出して協議を試みて、協議が煮詰まったら弁護士に依頼するという人もいます。
本人の性格や配偶者との関係性、紛争性の高低などにより、いつ依頼するのがベストかは変わるといえます。
反対に弁護士が依頼を受けにくいのは、離婚訴訟になっていて、控訴審の判決がもうすぐ出るとか、出てしまって上告したいというときです。その場合、受任しても、そこからできることがほとんどないからです。
弁護士相談の前にしておくべき準備は?
大きな準備は自分の気持ちの整理です。決められないときは、どんなことで悩んでいるのか、何を不安に思っているのかだけでもまとめるといいでしょう。
証拠の準備をしておくことが望ましい
配偶者の不貞行為を追及したいときは、手元にある証拠をすべて相談時に持っていきます。
裁判を視野に入れて検討しますので、裁判所での判断の基礎となる証拠として何があるのかを見ないと、弁護士も適切な見通しがたてられません。
また、配偶者からの、肉体的、精神的な暴力を理由に離婚を求める場合も手元にある証拠となりそうなものを全て持っていくのがよいでしょう。
事態が悪化する前に弁護士のアドバイスを受けておこう
離婚を考える、その時点で関係は良くありません。
辛い、と感じているなら、弁護士に相談してみてください。
DVの疑いがある場合はいち早く相談を
DVを受けている場合、それがDVと認識できない人は多いです。
こんなことはほかの夫婦でもあることと一般化して考えてしまったり、こうなるのは私が悪いからだと自分を責めたりする人もいます。
弁護士に相談することで、DVから脱出する人もいます。
また、夫婦喧嘩ばかりで、それを子どもの前でも繰り返しているときは、子どもの発達への影響も心配です。面前DV(喧嘩も含めて)が、子どもの脳の発達に影響することはわかってきましたし、面前DVは児相通告の対象にもなっています。
子どもの成長や心身への影響が悪化する前に、アドバイスを受けて下さい。