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親の借金は相続放棄すれば回避できるの?

資産の少ない、まだ元気な親に借金があることが発覚!しかし、慌てる必要はありません。そのまま親が亡くなって相続が開始されても、相続放棄をすることで親の借金を支払う必要がなくなります。では、相続放棄の手順や条件はどのようなものか、相続放棄ができない場合に他に対応策があるのか?気になる方も多いことでしょう。

この記事では、相続放棄により親の借金の支払義務を免れる方法、相続放棄ができない場合の対応策について解説します。

親の借金を回避するなら、相続放棄を

相続放棄を選ぶべき場合

まず、相続放棄はどのような場合にするのでしょうか?相続放棄は、親に借金がある場合のみならず、親が他人の保証人になっている可能性がある、あるいは長年音沙汰がなく、どのような生活をおくっているのか全くわからない場合など、借金が後から発覚するような可能性が高い場合にも検討するべきでしょう。

また、親が所有している土地や不動産の価値が低く、相続放棄したほうが維持費などのコストを抑えられるような場合、財産をすべて一人の人に相続させたい場合、さらには仲の悪い親族間の相続争いを最初から避けたい場合なども相続放棄をしたほうがよいでしょう。

相続放棄にデメリットはある?

相続放棄をすることで、被相続人である親の借金の返済義務がなくなります。親の借金額が億単位の高額な場合でも、相続放棄をすることでその後の一切の支払義務を回避できます。また、相続に関する親族間のもめ事から解放されることも可能でしょう。

その反面、相続放棄を一度するとその後は撤回することができません。相続放棄をした後に親に高額な資産が見つかり、相続放棄を撤回したいと裁判所に申請しても、このような事情で裁判所は撤回を認めません。

さらに、相続放棄をすることで親の借金の支払義務は回避できますが、それで借金がなくなるわけではありません。相続放棄をすると、次の順位の相続人へ相続権が移ることになり、親の借金も次の順位の相続人が相続することになります。相続放棄をしたことで却って親族間の揉め事が増えてしまうこともあります。

相続放棄をする前に、親の財産調査をしっかりと行い、また相続放棄を検討し始めたら、次の順位の相続人に連絡をしておくことでトラブルを事前に避けることが可能です。

相続放棄の手続きをするなら早めに行う 

相続放棄の手続きは、3か月の期限があるので注意が必要です。自分が相続人であることを知った時から3か月で相続放棄の期限が切れるので、相続放棄の手続きをするのであれば、できるだけ早くすることをおすすめします。

相続放棄の手順

借金が発覚しても、慌てず財産調査を

相続放棄の手続き方法は、親の借金がある場合もそれ以外の理由がある場合でも同じです。ただし、一度相続放棄をすることでその後の撤回ができなくなるため、たとえ借金が発覚しても、知らない借金がないか、反対にプラスの資産がないのか確認する必要があります。
慌てずにしっかりと財産調査をすることが重要です。

借金を確認する方法は、金融機関からの督促状や借用証、銀行口座からの引き落としのチェック、あるいは弁護士などに依頼して財産調査を行うことも可能です。金銭消費貸借証書は借金をしている人やその保証人が所有していることが多い証書であるので、この証書が見つかれば借金があったり保証人になったりしている可能性が高くなります。

相続放棄の申し立てを行う

相続放棄の申述は、必要な書類と相続放棄申述書を被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に提出します。

必要書類は、被相続人の住民票の除票、相続放棄をする相続人の戸籍謄本、被相続人の死亡の記載のある戸籍謄本です。申立て費用は、一人当たり800円で、収入印紙で納めます。また裁判所から申述人に連絡用の郵便切手代が必要ですので、管轄の家庭裁判所にいくらの切手が必要なのか確認しましょう。

裁判所から照会書が届く

その後、家庭裁判所から書類の確認をして問題がなければ、家庭裁判所から「照会書」が送られてきます。申請内容が簡単なものであれば、照会書が省略される場合もあります。

相続放棄申述受理通知書が届く

照会書の記述欄に回答して返信すると、その後は「相続放棄申述受理通知書」という書面が家庭裁判所から届きます。

この相続放棄申述受理通知書は、相続放棄の申述が裁判所に受理された証書であるため、親の借金の債権者が返済を請求してもこの受理通知書を提示することで、基本的には債権者からの請求は止まるでしょう。

要注意!相続放棄を申し立てる場合にやってはいけないこと

相続放棄は、3か月の期間中に申請すれば基本的に認められますが、以下のように「単純承認とみなされる行為」を行うと、相続放棄ができなくなってしまう可能性が高くなってしまうので注意が必要です。

具体的には、被相続人の預貯金の使用、貴金属など財産的価値のある遺産の形見分け、さらには被相続人の預貯金から借金を返済したり、未払いの医療費を支払ったり、未払いの家賃の支払ったりした場合などです。基本的には、被相続人の預貯金を使うことは単純承認とみなされる可能性が高いので、支払いについての対応は、事前に専門家に相談することをお勧めします。

親が存命の場合は相続放棄できる?

親の生前には相続放棄できない

親の借金が発覚した場合、生前に相続放棄を検討する方もいるでしょう。しかし、相続放棄ができるのは相続が発生してからです。親が存命中の場合には相続放棄はできません。念書など親の借金を相続しない旨の意思表示をしていても、法律上は無効になるので注意が必要です。

債務整理か資産売却の検討を

被相続人の存命中は相続放棄はできませんが、親の借金が発覚しても事前に準備をしておくことで相続の負担を減らすことは可能です。まずは、親の預貯金や株、投資信託、不動産や生命保険などのプラスの財産と借金などのマイナスの財産の財産調査をしておきましょう。

相続が開始してから慌てて借金を調べるのでは、時間的にも困難で、適正な判断ができない可能性もあるからです。

親の借金が多く返済が困難な場合には、できるだけ早めに親に債務整理をしてもらうことをおすすめします。親が存命であれば、基本的に借金の支払義務は相続人に移ることはありません。債務整理には、任意整理、民事再生、自己破産があります。

支払不能なら自己破産

任意整理や個人再生などの債務整理をすることで、返済の負担を減らすことが可能です。今後発生する利息をなくしてもらい、残った元本だけを分割で支払っていくことを借入先と交渉する手続きです。

民事再生は、裁判所の認可決定を受けることで負債額を5分の1程度まで減額し、その負債額を3年かけて返済していく手続きです。住宅ローンが残っている住宅を維持するために、民事再生手続きを活用するケースが多くみられます。

自己破産は、裁判所により免責が認められると借金の支払い義務が免除されるので、それ以上借金を支払う義務もなくなります。借金については、親としっかり話し合い、自力で返済ができないようであれば、どのような方法で債務整理しておくか、今から相続放棄を検討するべきか弁護士に相談されることをおすすめします。

親が存命なら借金の支払い義務なし

親の借金を子が支払う義務はあるのか?気になるところですが、親が存命であれば法的に子が親の借金を支払う義務はありません。借金の返済は親個人の義務になります。ただし、子が借金の連帯保証人になっている場合は、親と同様に返済義務があるので注意が必要です。

これに対して、借金を残したまま親が死亡した場合は、相続が発生し、親の借金の返済義務も子にそのまま相続されるので、子は相続放棄をしない限りその返済義務を負うことになります。相続は、被相続人のプラスの財産のみならずマイナスの財産も承継されるからです。

今から相続放棄を検討しても早くない

相続放棄は、被相続人が存命の場合はできませんが、事前に家族で相続について話し合い、相続が発生した後にどのようにするか事前準備をしておくことで、相続の際のトラブルを防ぐことが可能です。

まずは、親の財産を詳細に調査することが重要です。相続放棄するのか相続するかの判断をするには、親が実際にどのような財産状況であるのか正確に把握しなければなりません。親の財産が明らかにマイナスで、今後もプラスにはならないようであれば早めに相続放棄をすることを検討し、準備を始めたほうがよいでしょう。

親の死後3か月以降に借金が発覚した場合の相続放棄

相続放棄の期限は原則3ヶ月

相続放棄の手続きは、自分が相続人であることを知った時から3か月以内という期限があります。配偶者や子供などの第一順位の相続人は、原則的に亡くなったことを知った時から3か月以内に相続放棄の手続きを行わなければなりません。

債務の存在を知らなかった場合は相続放棄の可能性あり

相続開始より3か月過ぎた後に借金が発覚する場合も無くはありません。このような場合においては相続開始を知ったときではなく、借金の存在を知ってから3ヶ月後かつ負債の存在を知り得ない相当の事由があった場合に限り、相続放棄の期限が延長される可能性があります。

親の死から3ヶ月経った後の相続放棄についても諦めず弁護士に相談することをお勧めします。

相続放棄が認められた場合、相続した財産はどうなる?

相続放棄について注意しなければならないのは、たとえ相続放棄が認められてもそのことによって借金が消えるわけではありません。相続放棄は、申述した人がはじめから相続人ではなかったと認めてもらう手続きであり、借金を精算するものではありません。

したがって、相続放棄が認められると借金は次に相続する人たちに引き継がれるので、あらかじめ相続放棄をする場合はその旨を次の相続人たちに連絡、説明など事前に説明しておくくことが重要になります。

相続放棄の疑問にお答えします

親に借金がある場合の相続放棄のよくある疑問とその解説を以下に紹介します。

急に親が数年前にした借金の督促をされた

急に親が数年前に借金の催促をされたような場合はどうするべきか?

まずは、この借金がどのようなものであるのかきちんと調査をすることが重要です。これが親の借金であることが判明しても、相続放棄は親が存命中にはできません。自己破産などの債務整理を検討してもらうべきでしょう。

疎遠な親戚が借金を抱えている、今のうちに相続放棄したい

疎遠な親戚が借金を抱えているので、今のうちに相続放棄をしておきたい、というようなケースも、相続放棄は被相続人が存命中には手続きができません。このような場合も、親戚の借金を生前に債務整理しておくことをおすすめします。

相続放棄した後、借金は消えるの?

相続放棄した後に借金は消えるのか、という疑問については、相続放棄は自己破産のように支払債務がなくなるわけではなく、あくまでも相続の順位が次の相続人に移る手続きです。そのため、借金が消えるわけではありません。

連帯保証人の地位は、そもそも相続されるの?

連帯保証人の地位は相続されるのかという疑問については、連帯保証人の地位も相続されるため、相続放棄をすることで保証人としても支払義務を免れることができます。ただし、相続人自身が、被相続人の保証人になっているような場合には、この返済義務は相続人自身のものであるため、返済義務はなくなりません。

遺言で相続人に指定されたけど、財産が借金ばかりだった…

遺言で相続人に指定されていたものの、相続した財産が借金ばかりのようなケースは、相続放棄を検討したほうがよいでしょう。相続の割合を指定して遺贈することを包括遺贈といい、遺贈を受けた人を受遺者といいますが、受遺者が遺産を受け取りたくないときは、相続放棄をすれば遺産は承継しません。

特定の財産、例えば〇〇の土地建物といった不動産を遺贈された場合には、相続人らや遺言執行者がいる場合には遺言執行者に対して遺贈を放棄する旨伝えれば放棄することができ、家庭裁判所での手続きは必要ありません。口頭で伝えても有効ですが、後々争いにならないよう配達証明付きの内容証明郵便で通知するなど、伝えたことが明確に残るよう伝えるべきです。

他人の相続放棄によって知らないうちに相続人に!こんな場合も放棄できる?

他人の相続放棄により、知らないうちに相続人になっていたような場合はどうでしょうか?このような場合でも、相続人は期限内であれば相続放棄をすることができます。相続人の全員が相続放棄すると、債権者は家庭裁判所に申立てをして、相続財産管理人を選任する手続きにより、被相続人の財産を調査しプラスの財産があれば売却して債務の返済にあてることが可能です。

相続放棄できない場合は債務整理のご検討を

相続放棄は、親の借金により相続人やその家族の生活が脅かされることを防ぐことのできる制度でもあります。しかし、相続放棄をすることで借金がなくなるわけではないので、適切な対応をしないと、他の相続人にも迷惑をかけることになりかねません。

親族間での相続争いを防ぐためにも、相続順位をきちんと理解して、相続放棄することで次に相続人になる人に事前に説明しておくことが重要です。

相続放棄ができない場合には、親の借金の債務調査を行い、存命中であれば任意整理や民事再生、自己破産などの債務整理の制度を活用するようアドバイスすることをおすすめします。債務整理にあたっては、財産調査をはじめとして専門的な知識を要するので専門家に相談しましょう。

まとめ

今回の記事では、親の借金がある場合でも生前には相続放棄をしておくことはできない、相続放棄できない際の生前の対応策としては財産調査や債務整理があること、また、親が死亡した場合の相続放棄の手順などについて解説しました。

相続放棄の手続き自体は難しいものではないため、ご自分で手続きされる方も多いことでしょう。しかし、たとえ親の借金があっても相続するか放棄するかの判断には、きちんとした調査ならびに専門的知識が不可欠になります。少しでも不安に感じるようであれば、弁護士に相談されることをおすすめします。

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