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交通事故と企業法務に特化し、独立3年半で累計63社の顧問弁護士に。選択と集中でクライアントに価値を提供/泊祐樹弁護士(とまり法律事務所)

2021年に、それまで法律事務所が一つしかなかった福岡県福津市で独立。当初はあらゆる依頼を受けていたものの、試行錯誤を経て交通事故と企業法務に特化したという泊先生。事務所経営を安定させながらも、決して余裕を失わない工夫などもお話いただきました。

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手のひらに弁護士を!

弁護士を目指した理由とこれまでについて

これまでの経歴について教えてください。

福岡県宗像市出身で、自由ヶ丘南小学校、自由ヶ丘中学校、福岡高校、九州大学法学部、九州大学法科大学院を卒業しました。ですから、基本的にずっと福岡県内で過ごしています。

弁護士になったのは2015年で、久留米市内の法律事務所で経験を積んだ後、2021年4月に独立して当事務所を開設しました。

どういった想いから、福津市に事務所を構えようと思ったのでしょうか?

元々、いずれは独立しようと思っていたんです。じゃあどこで独立しようかと考えたとき、私の出身地である宗像市には、ある程度法律事務所がありました。

ところが隣の福津市には、法律事務所は一つだけだったんですよ。それで、妻の実家が福津市で、私も宗像市出身ですから、生まれ育った地域の皆様のお役に立てればと思い福津市での独立を決めました。

以前であれば、福岡地方裁判所へ行くことを考えて、弁護士は福岡市内に事務所を構えることが普通でした。ところが近年は、裁判のIT化が進んでWebで裁判ができるようになったんです。

それならわざわざ福岡市内に事務所を構える必要はなく、人口は多いのに法律事務所の数が少ないエリアで独立したほうが、皆様のお役に立てると思いました。

そう思うようになった一つのきっかけがありまして、久留米の事務所で働いていた頃、地元(宗像市)の友人から交通事故の相談を受けたのですが、「久留米市や福岡市まで相談に行くのが面倒」という理由で弁護士に依頼しなかったんですね。

このとき、「弁護士に依頼さえすれば大きく状況が変わるのにもったいないな」「わざわざ遠方まで移動することが依頼のハードルになっているんだな」と実感したんです。

弁護士になろうと思ったきっかけを教えてください。

弁護士という職業を意識したのは、ありきたりではありますが、幼い頃に両親に「医者か弁護士になりなさい」と言われたことがきっかけです。

それから弁護士という仕事を意識したことで、テレビや映画などで弁護士の姿が目に留まるようになりました。そして困っている人を救う姿に憧れを持ち、中学生の頃に自分の意思で「弁護士になりたい」と決めました。

また、小学1年生の頃から地元の道場に通って柔道を習っていたのですが、その道場の師範が常々「文武両道を目指せ」と仰っていました。そこで、弁護士になるための試験である「司法試験」がとても難しいことを知ったので、「文」の目標としてこれを掲げることにしたという経緯もあります。

司法試験合格までの勉強は大変でしたか?

大変でしたね。

元々頭はそんなによい方ではありませんでしたが、とにかく時間を多く費やして定期試験や受験勉強を乗り越えてきました。

教科書の記述を声に出して読みながらそのままノートに書き写して記憶するなど、今思うと効率の悪い勉強法でしたが、柔道で鍛えた精神力で、とにかく周りの人よりも時間を費やしてきました。

おかげで、定期考査などで赤点を取ったこともないですし、単位を落としたこともありません。学年で一位を取ったこともありませんが…。いずれにしても、「努力が報われる」という実感を持てたので勉強自体は好きでした。

ところが法科大学院卒業後に受けた1回目の司法試験に落ちてしまったんですよ。しかもギリギリではなく、合格まで結構な差があったんです。今思うと「なんとかなるだろう」と甘く見ていました。

それで「これはマズい」と思い、法科大学院の卒業生が使える廃校舎に炊飯器や布団などを一式持ち込んで、「13時間勉強するまで絶対に寝ない」と決めて勉強時間をストップウォッチで測りつつ、文字通り泊まり込みでひたすら勉強に励みました。

その甲斐もあり、無事に2回目の試験で合格できました。客観的に見れば2回目で合格できれば順調だと思いますが、私にとっては、伸び切った天狗の鼻を折ってもらえた貴重な経験でしたね。

現在の業務について

注力している分野を教えてください。

現在は、交通事故と企業法務に注力しています。

交通事故に関しては、以前所属していた事務所が保険会社の顧問弁護士を務めており、多くの案件を解決してきた経験があるので注力しています。

実は、保険会社から提示される賠償額は非常に安いんです。弁護士が交渉すれば、ほぼ確実に増額できると言ってよいです。

ところが多くの方がそれを知らず、「名の知れた保険会社が言ってるんだから正しいんだろう」と思って示談に応じてしまうわけです。これは本来受けられる賠償を受けられていないわけですから、非常にもったいないことです。

しかも、弁護士費用特約というものに加入している場合は、弁護士に依頼するための費用は保険会社から支払われます。こういったこともまだまだ周知されていません。

そこで私がサポートや周知をすることで、適正な賠償を受けてほしいと思っています。そういった想いもあり、現在は保険会社からの依頼は受けず、個人からのご依頼のみ受け付けています。

企業法務に注力されている理由も教えてください。

以前所属していた事務所で、上場企業をはじめ企業法務を多く任されており、専門的な知識と経験があることから注力しています。

また企業が元気になれば、従業員とそのご家族、顧客、取引先、そして社会が元気になります。企業法務を通じて、多くの人のお役に立てるということもやりがいになっています。

特に地方にある会社は顧問弁護士をつけておらず、裁判を起こされるなど具体的な紛争が発生してから、その場しのぎ的に相談するところが多い印象です。

そういう相談を受けるたびに、「問題になる前に相談してもらえたら、こんなことにならなかったのに…」と歯がゆい思いをしてきました。

そこで「紛争を予防したい」という思いから企業法務に注力していることをアピールし、「お守りとして顧問弁護士をつけておいて、気軽に相談してもらった方が良いですよ」と案内しています。

「社長は孤独」という言葉がありますが、これまで多くの社長と対話させていただく中で、その意味がよくわかりました。

弁護士という専門家、そして守秘義務がある社外の人間だからこそ話せることはたくさんあるはずです。少しでも不安や困り事があったらLINEや携帯ですぐに相談できる、社長の懐刀のような存在でありたいですね。

企業法務は、どういったお仕事をされているのでしょうか?

中小企業を中心に顧問弁護士を務め、契約書作成・チェック、人事労務、債権回収、クレーム対応など、企業に関する問題を全般的に取り扱っています。

顧問弁護士は、すぐに・気軽に相談できることが大きなメリットですから、私個人の携帯番号やLINEもお伝えし、オンラインでの相談などにも柔軟に対応しています。

相談回数や時間に制限を設けず、顧問料が無駄にならないような配慮もしています。また顧問先に毎月お送りしているニュースレターには、労務に関する法律知識や事務所の近況などを書いており、好評いただいております。

おかげさまで、医療法人、飲食業、建築業、農業、清掃業、不動産業など、独立以来累計63社と顧問契約を締結させていただきました。

弁護士として、どういったことを大切にされていますか?

諸先輩方には怒られるかもしれませんが、「弁護士はあくまでもサービス業である」という自覚を持つことです。

もちろん法律の専門家として誇りを持つことは大事ですが、自分が偉いなどと思ってしまったら絶対にダメだと言い聞かせています。常に依頼者のニーズや気持ちを考え、感謝の気持ちを持ち、同じ目線に立ち、スピーディーに仕事をすることを大切にしています。

また、取り扱う分野の選択と集中も大切にしています。

実は独立当初は、どんな分野でも引き受けていました。おかげで事務所経営自体は軌道に乗りましたが、とにかく忙しく、このままでは体が持たないし、一件一件にかけられる時間、知識・スキルをアップデートする時間が減ってしまうという危機感がありました。

そこで自分が真に価値を発揮できる分野に絞り、お引き受けした案件について十分な時間を掛けられるようにしました。

その結果、健全な事務所経営を維持しつつ、顧問先からの急な相談や依頼にもスピーディーに対応できる体制を作ることができました。

今後について

今後の目標などを教えてください。

私一人でできることには限界があります。ですから有限の時間や労力をなにに掛けるかというのは、常に考え続けたいと思います。

忙しすぎて手が回らなくなったり対応がおろそかになることは、お金をいただいている以上絶対あってはなりません。また、体調を崩してしまったら元も子もありません。

お金をいただく以上は、金額以上の価値を提供する。そのために、手を広げすぎず、よい意味で身の丈に合った仕事をしていきたいと思います。

また仕事ばかりになってしまうと窮屈なので、自分の人生も楽しみたいですね。そういった適度な余裕があってこそ、よい仕事ができると思っています。

私の趣味はサウナと旅行なのですが、仕事が忙しくてもこれらは絶対に外せません。事務所には愛犬を連れてきていて、仕事の合間に癒やされています。

そういうちょっとした余裕も忘れないようにしたいですね。なお、アレルギーの方もいらっしゃると思いますので、相談室には立ち入り禁止としていますので、ご安心ください。

相談を考えている方へ一言お願いします。

弁護士に対して「敷居が高い」「気難しい」というイメージをお持ちかもしれませんが、当事務所はそんなことはありません。

LINEやオンラインツールを使った相談などにも柔軟に対応していますし、いただいた相談には誠実にお答えします。「相談しやすいパートナー」として選んでいただければ幸いです。

「泊弁護士」「泊先生」ではなく、「泊さん」としてぜひ頼ってください。

弁護士情報

弁護士名:泊 祐樹
所属弁護士会:福岡県弁護士会
事務所名:とまり法律事務所
事務所HP:https://tomari-law.com/
事務所住所:福岡県福津市中央1丁目14-8 エーエムビル2階

経歴:
福岡県宗像市出身
2015年 弁護士登録、久留米市内の法律事務所に入所
2021年4月 とまり法律事務所を開設

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