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死因贈与とは|方式・遺贈との違い・遺留分との関係はどうなっている?

「死因贈与」とは、どういう制度でどういう使い方をするのかご存知ですか?あまり耳なじみのない言葉ですし、テレビなどで取り扱われることも少ない制度ですから、詳しく知っている!という方の方が少ないと思います。今回は、死因贈与とはどういう制度なのか?どういう風に行うのか?などをわかりやすく説明していきたいと思います。

死因贈与ってなに?相続とは違う?

「死因贈与」どういう風にいつ使えばいいのか、ご存知ですか?
 
死因贈与は死亡を原因として贈与を行う制度…と字面から想像できますが、それだと相続との違いがイマイチわかりにくいですね。
 
今回は、相続や死因贈与について詳しく知りたい!という方のために、以下の4点をメインに説明をしていきます。
  • 死因贈与とはどういう制度なのか?方式は?
  • 死因贈与の撤回はできる?
  • 死因贈与と遺贈の関係
  • 死因贈与と遺留分の関係

そろそろ終活について勉強してみたい、という方も、ぜひ最後までお読みください。

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死因贈与の基本

死因贈与とはどういう制度なのでしょう?やり方に決まった方式はあるのでしょうか?

死因贈与(1) 死因贈与とは

死因贈与についての規定は、民法549条に記載があります。
 
民法549条では、「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる」と規定されています。
 
贈与については「いつ贈与をするか」を自由に決めることができるので、贈与開始のタイミングを贈与者(財産をあげる側)の死亡時とした贈与契約のことを「死因贈与」といいます

死因贈与(2) 死因贈与の方式

先ほど説明をした民法549条の規定であったように、贈与は贈与者が自分の財産を相手に無償で与える意思を表示し、受贈者が受諾をすることによってその効力が発生します
 
つまり、Aさんが「私の家をあげます」と言い、Bさんが「わかりました、もらいます」と言った時点で贈与契約は成立するのです。
 
ただし、Aさんが「そんな契約はしていない!」と言い出してしまうと、少し困ったことになります。
 
つまり、このような場合にBさんがAさんから家を貰うためには、「本当に贈与契約があったのか?」を裁判所で争い、裁判所に贈与契約の存在を認めてもらった上で、Aさんに対して「Bさんに家を渡しなさい」と言ってもらう必要があるのです。
 
裁判所で争うとなると「証拠」がなによりも大切になってきますから、贈与契約の契約書を作成しておくことが望ましいですね。
 
贈与契約の契約書には決まった方式はありませんが、以下の5点については記載をしてく方が安心です。
  • 誰が
  • 誰に
  • なにを
  • いつ
  • どうやって贈与するのか

また、書類の作成はワープロでも構いませんが、署名押印をしておいた方が証拠としての信用性が高まりますよ。

死因贈与(3) 死因贈与にかかる税金

死因贈与の場合は、贈与税ではなく相続税がかかります。
 
贈与なのになぜ贈与税ではないの?と考える方がいらっしゃるかもしれませんね。
 
贈与税は相続税よりも税率が低いのですが、これを不当に利用して税負担を軽減しようとするのを防ぐために、このような規定がおかれているのです。
 
死亡前の駆け込み贈与を防ぐために、死亡から3年前までにさかのぼり、その期間内にされた贈与は全て相続税がかかることになります。

死因贈与は撤回できる?

死因贈与をやっぱりやめたいと思ったとき、撤回はできるのでしょうか?

死因贈与の撤回(1) 被相続人の生前の場合

贈与者がまだ生きている場合には、遺贈の撤回に関する規定が準用されるため、原則として書面の有無にかかわらず、撤回をすることができます(最判S47.5.25)。
 
準用とは、ある条文を、類似する事例や法律規定に対してあてはめることをいいます。
 
つまり、遺贈や遺言では被相続人(相続をされる側の人)の意思の尊重から、いつでも遺言を書き換えたり撤回したりすることが認められているのですが、死因贈与も死亡を原因として人に遺産を渡すという点で遺言や遺贈に類似する性質を持つため、贈与者の意思を尊重して、いつでも撤回を認めるべきだということです。

死因贈与の撤回(2) 贈与者の生前でも撤回できない場合

贈与者が生きているときは自由に死因贈与契約の撤回ができるのが原則ですが、一部撤回ができない場合も存在します。
 
つまり、死因贈与契約が負担付の死因贈与契約であって、受贈者が負担の全部又はそれに類する程度の履行をした場合においては、特段の事情がない限り、撤回ができないのです(最判S57.4.30)。
 
負担付死因贈与契約とは、「○○をしてくれたら、私が死んだらこの家をあげますよ」といった契約形態のことを指します。
 
よくある事例としては、長男に対して介護を要求する代わりに、自分の死後家を贈与するというものです。
 
このような負担付死因贈与契約の場合に、贈与者に自由な撤回を認めてしまうと、それまで払った労力やお金の対価を受贈者が受けられなくなり、大変不公平な結果が生じてしまいます。
 
そのため、負担付死因贈与契約の全部又はそれに類する程度の履行があった場合には、贈与者による一方的な撤回を認めていないのです。

死因贈与の撤回(3) 贈与者の死亡後の場合

贈与者の死亡後であっても、以下の条件をみたす場合には、死因贈与の撤回をすることが認められています。

  • 書面によらない贈与であること
  • 贈与の履行が完了していないこと

相続人は被相続人の権利関係一切を引き継ぐので、贈与契約の破棄も行うことができるのです。

民法550条が上記の2点を充たす場合にのみ贈与契約の撤回を認めているので、どちらか一方でも充たさない場合には、贈与契約の撤回はできないことになります。

死因贈与と遺贈の関係

さて、それではここからは、死因贈与と遺贈の関係について考えていきましょう。

遺贈とは

「遺贈」とは、遺言によって遺産相続を分ける割合を指定したり、誰にどのような財産を与えるかを指定することができる制度です。
 
遺贈は死因贈与とは異なり、契約ではないので、相手方の同意が不要です。
 
そのため、自分が死亡をして遺言書が開かれるまでは、どのように相続財産を分けるのかを秘密にしておくことができます。

死因贈与と遺贈の違い1:税金

死因贈与と遺贈の大きな違いのひとつは、かかる税金です。
 
不動産を取得した場合には、登録免許税と不動産取得税がかかりますが、この税率が遺贈の方が低いのです。
 
簡単に税率をまとめてみました。
 
  • 登録免許税(遺贈の場合)…相続人:0.4%、その他:2%
  • 登録免許税(死因贈与の場合)…誰でも2%
  • 不動産取得税(遺贈の場合)…相続人:非課税、その他:4%
  • 不動産取得税(死因贈与の場合)…誰でも4パーセント

不動産はもともとの金額が大きいですから、数パーセントの税率の違いでも、かかる金額が大きく変わってきます。

この点は、死因贈与と遺贈の大きな違いといえそうです。

死因贈与と遺贈の違い2:仮登記

税金面では遺贈に負けてしまう死因贈与ですが、大きなメリットもあります。
 
それは、贈与者の生前に「始期付所有権移転仮登記(始期贈与者死亡)」ができるということです。
 
仮登記それ自体にはさほど大した力はないのですが、いずれ本登記をした際に、その効力は仮登記をした日に遡って効力を生ずることとなります。
 
つまり、仮登記→第三者がその不動産を購入して本登記をしてしまう→仮登記をした人が本登記をするという経過をたどった場合、一番最後の本登記の効果は仮登記をした日に遡って効力を生じますから、仮登記を備えていた人がその不動産の所有者ということになるのです。
 
そのため、本来仮登記のある不動産を購入する人はほぼいないので、権利の保全が図られるというわけですね。

死因贈与と遺贈の違い3:手続き

死因贈与は諾成契約なので、口頭でも成立しますが、遺贈の場合はそういうわけにもいきません。

遺贈は遺言によって行う必要があるので、厳しいルールに沿って遺言書を作成する必要があります。

ルールに則っていない遺言書は無効になりますので、簡単な手続きで成立する死因贈与の方が安心といえますね。

死因贈与と遺贈はどちらが優先される?

同じ財産に対して死因贈与と遺贈がされた場合、どちらが優先されると思いますか?
 
答えから申しますと、「原則として日付の新しい方が優先される」ことになります。
 
先ほども説明をしましたが、死因贈与と遺贈は類似関係にあるので、死因贈与には遺贈の規定が準用されます。
 
そこで遺贈の規定をみると、民法1023条にこんな規定があります。
前の遺言が後の遺言と抵触するときは、その抵触する部分については、後の遺言で前の遺言を撤回したものとみなす(民法1023条)

この規定を死因贈与にも準用すれば、前の死因贈与は後の遺贈によって撤回されたとみなされるのです。

もちろん、逆もしかりです。

ただし、負担付死因贈与契約を締結しており、受贈者が負担の全部またはそれに類する部分について履行をしていた場合には、原則として撤回は認められていません

この点が問題になりそうな場合、弁護士に相談しましょう。

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死因贈与と遺留分の関係

次は、死因贈与と遺留分の関係について考えていきましょう。

遺留分とは

本来、相続が開始されたら、それぞれの相続人が法定相続分に従って相続財産を分割するのが基本です。

しかし、「死因贈与」や「遺贈」によって法定相続分の割合での相続が崩れてしまった場合、本来の相続人が十分な財産を相続することができなくなることもあります。

「遺留分」とは、そのような場合に活躍する制度のことで、一定範囲の法定相続人に法律上認められている「最低限度の相続財産の取得分」のことを指します。

死因贈与は遺留分減殺請求の対象になる

死因贈与は遺留分減殺請求(遺留分が侵害されたので、侵害された分のお金を払ってくださいという請求)の対象になりますが、遺留分減殺請求は以下の順番で行われます。

  1. 遺贈を受けた人
  2. 死因贈与を受けた人
  3. 被相続人の死亡前1年以内に贈与を受けた人

そのため、本来の順番としては2番目になるのですが、遺贈を受けた人がいなかった場合には、真っ先に遺留分減殺請求を受けることになります。

死因贈与を弁護士に相談するメリット

弁護士に死因贈与を相談するメリットはなんでしょうか?

メリット1:死因贈与の手続きに詳しい

これまでに説明をしてきた通り、死因贈与は口約束でも成立します。

しかし、贈与者がそんな契約はしていないと主張してきたときにやっかいですし、争いに発展してしまう可能性もあります。

そんなときに正式な契約書があれば、裁判所もあなたの権利を認めてくれやすくなるので、正式な契約書は絶対に作成した方がおすすめです。

一般の方が自分で作成することもできますが、「抜け」があってはせっかく作成した契約書も、その価値が下がってしまいます。

その点、弁護士は契約書の作成にも慣れていますから、安心して任せることができます

また、死因贈与の大きなメリットは仮登記ができることにもありますが、この手続きもなかなかめんどうなものなので、全てを弁護士に任せてしまう方が得策です。

メリット2:死因贈与や遺贈についてアドバイスをくれる

死因贈与と遺贈にはどちらもメリットとデメリットがあります。

相続に強い弁護士は死因贈与や遺贈についても多くの知識を持っていますから、贈与者と受贈者の関係や資産状況などを総合的に考えて、どちらの制度を用いるのがベストなのかのアドバイスをくれます。

自分で判断をしてしまうと、やっぱりあっちの制度を使っておけばよかった!と後悔することも多くなってしまうので、ぜひ弁護士のアドバイスを聞いてみましょう。

弁護士費用に悩んだら

弁護士費用が気になるし、自分にあった弁護士が見つけられるか不安…と考えてしまう方におすすめなのが、トラブル解決プラットフォームであるカケコムです。

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また、カケコムでは無料で弁護士から連絡をもらうことができますので、費用の面でも安心です。

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死因贈与とは|方式・遺贈との違い・遺留分との関係はどうなっている?のまとめ

死因贈与は「死亡を条件として贈与者が受贈者に自分の財産を無償で贈与する契約」です。
 
決まった方式はありませんが、紛争を防止するためにも契約書の作成をしておきましょう。
 
また、死因贈与と似た制度に遺贈というものがありますが、どちらも一長一短のある制度であるため、心配事がある場合は、弁護士にアドバイスをもらうのがおすすめです。

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