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死因贈与と遺贈の違いは?撤回する際のポイントも解説

「死因贈与」とは、どういう制度でどういう使い方をするのかご存知ですか?あまり耳なじみのない言葉ですし、テレビなどで取り扱われることも少ない制度ですから、詳しく知っている!という方の方が少ないと思います。今回は、死因贈与とはどういう制度なのか?どういう風に行うのか?などをわかりやすく説明していきたいと思います。

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死因贈与は遺贈と何が違うのか?

死因贈与とは、贈与者の死亡を以て財産の受け渡しが行われる贈与契約のことです。相続のように被相続人の死によって当然に発生するものでもなければ、単独行為で行える遺贈とも異なります。

ここでは死因贈与と遺贈の違いについて詳しく解説します。

成立の条件

死因贈与は贈与契約のためお互いの合意が必要です、また死因贈与である以上はその条件についても契約書に残す必要があります。

一方で遺贈は単独行為ですから、遺言者の書いた内容が有効である限り相手の意思と関係なく決めることができます。

不動産を取得した際の税金

不動産を取得した場合には、登録免許税と不動産取得税がかかりますが、遺贈の方が税率が低くなりやすいです。

  • 登録免許税(遺贈の場合)…相続人:0.4%、その他:2%
  • 登録免許税(死因贈与の場合)…誰でも2%
  • 不動産取得税(遺贈の場合)…相続人:非課税、その他:4%
  • 不動産取得税(死因贈与の場合)…誰でも4パーセント

不動産はもともとの金額が大きいですから、数パーセントの税率の違いでも、かかる金額が大きく変わってきます。

この点は、死因贈与と遺贈の大きな違いといえそうです。

登記

遺贈の場合は登記が受遺者と遺言執行者で行われますが、死因贈与は受贈者と相続人の共同で登記をすることになるため手間がかかります。

一方で死因贈与には、贈与者の生前に「始期付所有権移転仮登記(始期贈与者死亡)」ができるというメリットがあります。仮登記はいずれ本登記をした際に、その効力は仮登記をした日に遡って効力を生じます。

死因贈与も遺留分侵害額請求の対象となり得る

死因贈与は遺留分減殺請求(遺留分が侵害されたので、侵害された分のお金を払ってくださいという請求)の対象になりますが、遺留分減殺請求は以下の順番で行われます。

  1. 遺贈を受けた人
  2. 死因贈与を受けた人
  3. 被相続人の死亡前1年以内に贈与を受けた人

そのため、本来の順番としては2番目になるのですが、遺贈を受けた人がいなかった場合には、真っ先に遺留分減殺請求を受けることになります。

死因贈与は撤回できる?

契約を一方の意思で撤回することは難しいですが死因贈与はどのような場合に撤回が可能なのでしょうか?ここでは、存命の場合と亡くなった場合のそれぞれ解説します。

被相続人の生前の場合

贈与者がまだ生きている場合には、遺贈の撤回に関する規定が準用されるため原則として書面の有無にかかわらず、撤回をすることができます(最判S47.5.25)。

しかし、負担付贈与契約であって、受贈者が負担の全部又はそれに類する程度の履行をした場合においては、特段の事情がない限り撤回ができなません(最判S57.4.30)。

贈与者の死亡後の場合

贈与者の死亡後であっても、以下の条件をみたす場合には、受贈者が死因贈与の撤回をすることが認められています。

  • 書面によらない贈与であること
  • 贈与の履行が完了していないこと

特に相続人は被相続人の権利関係一切を引き継ぐので、贈与契約の破棄も行うことが可能です。

民法550条が上記の2点を充たす場合にのみ贈与契約の撤回を認めているので、どちらか一方でも充たさない場合には、贈与契約の撤回はできないことになります。

死因贈与を遺贈で迷ったときは?

死因贈与と遺贈のどちらが良いか迷われるかもしれませんが。そんな時はメリットとデメリットを再検討することをお勧めします。できれば相続に詳しい弁護士へ相談することが良いでしょう。

死因贈与のメリット

死因贈与のメリットは、受贈者と話し合いながら決められることにあります。遺言も話し合いながら書くことは可能ですが実際に合意を得ることができる点に意味があると言えます。

口約束でも成立はしますが確実性を高めるためにも書面で残しましょう

死因贈与のデメリット

死因贈与のデメリットは、負担付贈与契約の場合に撤回が難しくなることと税金の面で優遇されにくいことです。

もし、遺言でも十分に目的を果たせるのであれば遺言の方が良いのかもしれません。

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まとめ

死因贈与は「死亡を条件として贈与者が受贈者に自分の財産を無償で贈与する契約」です。

決まった方式はありませんが、紛争を防止するためにも契約書の作成をしておきましょう。

また、死因贈与と似た制度に遺贈というものがありますが、どちらも一長一短のある制度であるため、心配事がある場合は、弁護士にアドバイスをもらうのがおすすめです。

 

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