法律相談記事のカテゴリー

男女問題
債務整理
労働問題
トラブル
ニュース
犯罪・刑事事件
男女問題 離婚

非嫡出子の戸籍についての疑問を解説!|非嫡出子が父親の氏を名乗るための方法

事実婚や未婚の状態で母親になると決めた時に考えておきたいのが、子どもの戸籍や苗字についてです。この記事では絶対に知っておきたい非嫡出子の戸籍について解説します。

記事をご覧になった方は
こちらもご確認ください!

緊急の法律に関する
お悩みはこちら

いざって時のために
手のひらに弁護士を!

 

非嫡出子は認知されても父親の戸籍に入らない?

 
結婚をしていない夫婦の間にできた子供は出生届を出すことで母親の戸籍に入ります。
 
出生届を提出しただけでは父親との親子関係は確認ができないため、戸籍の父親の欄は空白になります。
 
そこで父親が認知届を提出することで、戸籍に父親の名前を記載させることができます。
 
しかし、認知されたからといって父親の戸籍に入ったり、父親が親権者になったり、父親と同じ姓になるわけではありません。
 
認知はあくまでも法律上親子であることを認めるためのものです。
 
ただ、認知により法律上の親子関係は成立するため、非嫡出子は養育費請求権や相続権といった法的な子の権利を得ることができます。
 
”認知する・しない”は子供の一生を左右するかもしれない大切な問題です。

非嫡出子の戸籍はどうなるの?

法律婚の場合(夫婦が婚姻届を出している場合)、出産をした際に生まれた子どもは自動的に夫婦の戸籍に入ります。
 
では非嫡出子の場合は誰の戸籍に入るのかご存知でしょうか。

そもそも非嫡出子とは?

非嫡出子とは法律上で婚姻関係のない男女の間にできた子どものことをいいます。
 
逆に結婚している男女の子は嫡出子と呼ばれます。
 
これは民法で子どもを両親の結婚(婚姻の届出)の有無を基準にして分けた呼び方です。

非嫡出子の戸籍(1) 出生届の提出と同時に母親の戸籍に入る

非嫡出子の戸籍は、出産後に提出する出生届を出すことによって母親の戸籍に入ります。
 
母親が戸籍の筆頭者ではない場合は、分籍して母親が筆頭者となる戸籍が新しく作成されて、その戸籍に子供が入る形になります。
 
分籍しなければいけない理由は、戸籍法上、夫婦か夫婦とその子供のみしか同一の戸籍に入れないこととなっているからです。

非嫡出子の戸籍(2) 父親の欄は”空欄”に 

母親と同じ戸籍に入籍をした際、出生届を提出しただけではその戸籍の父親の欄は空欄のままです。
 
母親は分娩の事実によって子供との親子関係の事実が証明されますが、父親は分娩の事実により親子関係が明らかになるとはいえないからです。
 
そのため、認知していない父親の子には、認知を受けるまで、扶養を受ける権利や法定相続分が認められないのでご注意下さい。

父親が認知すると非嫡出子の戸籍はどうなるの?

非嫡出子は自動的に母親と同じ戸籍に入ると説明しましたが、父親が非嫡出子を認知した場合は父親の戸籍に入ることができるのでしょうか。

認知後の非嫡出子の戸籍(1) まず、空欄だった父の欄に認知した父の名前が入る

結論から言えば、父親が非摘出子を認知しても、それだけで直ちに父親の戸籍に入ることができるわけではありません。
 
ですが、認知をすることで非摘出子の戸籍の父親の欄に父親の名前を記載することができます。
 
子供が成長して自分の戸籍を確認した時に自分の父親の欄が空白だったら、どのような気持ちになるでしょうか。認知をしてくれなかったことにショックを受ける場合も大いにあり得ます。
 
認知は出産後すぐに行わなければならないものではないとはいえ、認知を早めに行うことが子にとって望ましいといえるのではないでしょうか。 

認知後の非嫡出子の戸籍(2) 認知日や認知者の戸籍が記載される 

父親が非嫡出子の認知を済ませた後の子供の戸籍には、父親の欄に名前が記載されるだけではなく、認知についての詳細な情報も記載されます。

身分事項の欄で「認知日」「認知者の氏名」「認知者の戸籍」が確認ができるようになります。

認知後の非嫡出子の父親の戸籍(1) 認知した父親の戸籍にははっきりと”認知事項”が記載

非嫡出子を認知した場合は父親の戸籍の身分事項の欄に子どもの出生と認知に関しての記載がされるため、戸籍から認知をした子どもがいることは確認することができます。
 
記載内容は「認知日」「認知した子どもの氏名」「認知した子どもの戸籍」です。
 
つまり、子どもは父親の戸籍に入ることはできないものの、父親が子どもを認知した事実は戸籍で判断することが可能になります。

認知後の非嫡出子の父親の戸籍(2) ただし転籍すると記載がなくなる

非嫡出子の認知をした後に転籍をしたり、何らかの理由で戸籍を新しく作成し直した場合には、子供を認知したという事実は新しい戸籍に記載されません。
 
そのため、転籍後に自分が認知した子供の情報を確認したい場合は、昔の戸籍をさかのぼらなければ見ることができなくなります。
 
ただ、過去の戸籍も保存されますので、認知の事実を完全に隠すことができるわけではないことに注意してください。
 
認知をする場合完全な「隠し子」にすることはできないことになります。

非嫡出子の戸籍を父親の戸籍に移すには?父親の氏を名乗るには

非嫡出子は母親の戸籍に入り、母親と同じ苗字を名乗ることになりますが、人によって父親の戸籍に入りたい場合もあります。
どのような手続きを踏めば父親の戸籍に入り、同じ苗字を名乗ることが出来るのでしょうか。 

認知されても自動的に父の戸籍に入るわけではありません

出生後、非嫡出子となった子供の父親が法律上で親子関係を結ぶためには認知が必要となります。
 
ですが多くの方が勘違いをしているのが、認知の手続きをすることで父親の戸籍に入ったり、同じ苗字を名乗ることができるわけではありません。
 
認知届を出しても、それにより直ちに、子供の戸籍や苗字の変更するわけではなく、親権が変わるわけではありません。
 
ただし、協議により親権を父親に移すことは可能です。

非嫡出子の戸籍を父親の戸籍に移す方法(1) まずは父親が認知すること

非嫡出子が父親の戸籍に入るためには、まずは父親の認知が必要です。
 
認知には種類が二つあります。
 
一つ目は「任意認知」といって、法律上婚姻関係のない夫婦の父親が自分の子供だと認めることです。
 
妊娠中に認知届を提出することも出来、その場合は胎児認知と呼ぶこともあります。
 
二つ目は「強制認知」といい、法律上婚姻関係のない夫婦の父親が自分の子供だと認めない時にとる手段です。
 
母親もしくは非嫡出子本人が家庭裁判所に対して、認知の申し立てをし、裁判所が裁判により強制的に認知をする場合です。
 
まず調停を申し立てますが、応じてくれないときに裁判で認知を請求することができます。 

非嫡出子の戸籍を父親の戸籍に移す方法(2) 家庭裁判所へ氏の変更の申出をする

非嫡出子の父親が認知届を提出した後に家庭裁判所へ名字の変更許可を申し立てて、許可を得ることで父親の名字を名乗ることができます。
 
この手続きだけでは、子供の戸籍と親権は母親のままです。
 
戸籍と親権を父親に移動するためには次の入籍手続きが必要となります。

非嫡出子の戸籍を父親の戸籍に移す方法(3) その後入籍届けを氏町村役場に提出

非嫡出子の苗字の変更を家庭裁判所に申し立てて許可を得た後、父親の戸籍に移動するために入籍届を市町村役場に提出することで、苗字と戸籍の変更の手続きが完了します。
父親の認知→家庭裁判所への氏の変更許可の申し立て→許可→入籍届の提出という手順を行うことで、父親の戸籍に入り、同じ苗字を名乗ることが可能となります。 

非嫡出子の戸籍を父親の戸籍に移す方法(4) もしくは…養子縁組をする

上記の手段以外にも非嫡出子を父親の戸籍に移動させる方法があります。
 
それは、父親が自分の子どもを養子縁組とすることです。
 
認知届を提出した後に子どもを養子にすれば、名字も父親と同じとなり親権も父親に移ります。
 
自分の子供を養子にするというのは一見不思議な話ですが、実際に養子の手続きを行って名字と戸籍の変更を行う人も少なくはないのです。
 
ただ、非嫡出子の相続分が嫡出子と等しくなった現在では、あえて養子縁組を選択する実益が大きいとはいえません。

非嫡出子の戸籍についての疑問を解説!〜父親の氏を名乗るためのステップとは〜のまとめ

事実婚を望む方に避けられないのが非嫡出子の戸籍の問題です。
 
出生届を提出すると同時に子は母親の戸籍に入りますが、手続きを踏めば父親の戸籍に入り、父親の名字を名乗ることも可能となるのです。
 
認知にまつわる問題は子供の一生を左右してしまうものです。困ったことがあれば、弁護士等の専門家に相談をすることをおすすめします。
よく検索されるカテゴリー
検索
インターネット インタビュー セミナー トラブル ニュース 不倫 交通事故 企業法務 借金 債務整理 債権回収 労働 労働問題 婚約破棄 時事ニュース 浮気 消費者トラブル 犯罪・刑事事件 男女問題 自己破産 親権 近隣トラブル 過払い金 遺産相続 離婚 養育費