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胎児認知とは?通常認知の違いやメリットは?不倫、交際相手に子供ができた場合の胎児認知を解説

実は認知には、胎児認知という種類が存在します。胎児認知とは、まだ子供がお腹の中にいる段階で胎児を自分の子であると認め、認知を届け出ることです。胎児認知はいつからできるのかや胎児認知のメリット・デメリットは何か、などをこの記事でご紹介したいと思います。

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「胎児認知を検討しているため、どのようなメリット・デメリットがあるのかを知りたい」
という方は、弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士に相談・依頼することで、下記のようなメリットを得られる可能性があります。

Point

・胎児認知をするメリット/デメリットについて詳しく説明してくれる。
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認知や胎児認知とは?

胎児認知について見ていく前に、「認知」自体の内容を確認してみましょう。

認知とは?

不倫相手や交際相手、内縁の妻といった法律上結婚していない相手に子供ができた場合、認知を届け出ることができます。

 このような、法律上結婚していない相手との間にできた子を非嫡出子(婚外子)といいます。

認知を届け出ない場合にも強制的に法律上の親子関係が認められる場合があるので(強制認知)、基本的には子供ができたら認知を届け出るものと考えるべきでしょう。

認知を届け出るとどんなメリットがある?

認知を届け出れば、出生時にさかのぼって父子の法律上の親子関係が成立します。

民法784条 認知は、出生の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者が既に取得した権利を害することはできない。

「出生の時にさかのぼって」とあるので、生まれてからしばらくしてから子を認知した場合にも、養育費は生まれた直後の分から請求できることになることが重要です

また、父親の死後に認知された場合にも、さかのぼって遺産分割請求権を持ちます(民法910条)。

逆にいうと、認知を届け出なければ、父子の法律上の親子関係は認められないことになります。

したがって、認知がなければ、養育費請求権も父親の遺産の相続権もない状態になり、子にとって大きな不利益になります。

認知を届け出ても親権が得られるわけではないことに注意

勘違いされやすいのですが、認知を届け出ることで父親が親権を得られるわけではありません。

認知の後、父母で協議の上父を親権者と定め、親権管理権届を提出し、親権者を指定したことを届け出た場合にはじめて父親が親権を持ちます。

民法819条4項 父が認知した子に対する親権は、父母の協議で父を親権者と定めたときに限り、父が行う

ただし、父親を親権者と定めた場合には、母親は親権を失います。

嫡出子の場合のように、父母の共同親権になるわけではないことに注意が必要です。

認知を届け出なくても、法律上親子関係が認められる場合がある

認知を届け出ると、男性側には養育費の支払いなどの義務を負うことになります。

不倫を配偶者に隠したいなど、様々な理由で、「子供なんていない」と認知を届け出ない男性もいるでしょう。

そのような場合に備え、民法787条は強制認知(裁判認知)という制度を設けています。

認知請求が認められれば、父子の法律上の親子関係が認められ、子どもの出生時からの養育費を支払う義務が生じます。

認知からは逃げることはできない以上、早い段階で認知を届け出て、養育費等の協議を母側と進めておくことが望まれます。

民法787条

子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父…の死亡の日から3年を経過したときは、この限りでない。

胎児認知とは?いつから可能?

胎児認知とは、まだ子供がお腹の中にいる段階で胎児を自分の子であると認め、認知を届け出ることをいいます。

認知は、民法782条1項により、胎児の段階でも可能なのです。

民法783条1項 父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。

民法783条1項は「胎内に在る子」としか書いていませんので、 胎児認知は子の妊娠直後から出産直前まで届け出ることができると考えられます。

相手に家庭がある場合(不倫)でも胎児認知してもらうことはできる?

相手に家庭があり、不倫関係の末に子供ができた場合でも、胎児認知してもらうことは可能です。

ただし、子の母親側が結婚している場合、子の父親は胎児認知を行うことはできません。

胎児認知と通常認知の違いは?

認知は、法律上結婚しているパートナー以外との間に子どもができた場合に届け出るものだとわかりました。

認知の内容が分かったところで胎児認知と通常認知の違いを見ていきましょう。

胎児認知と通常認知の違い(1) 妊娠直後から出産まで胎児認知が可能

通常認知と胎児認知は届け出るタイミングが異なります。

通常認知が子が生まれてから届け出るものであるのに対し、胎児認知は子が生まれる前に届け出ます。

胎児認知と通常認知の違い(2) 胎児認知をするためには母親の承諾が必要なことに注意

通常認知では父親が認知を届け出るに際して母親の承諾は不要であるのに対し、胎児認知では、783条1項後段により、父親が胎児認知を届け出るに際して母親の承諾を得る必要があります。

民法783条1項 父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない

胎児認知をするメリットとは?

胎児認知をするメリットとは、一体どのようなことなのでしょうか?

胎児認知をするメリット(1) 出生届に父親の名前が書ける

胎児認知を行い、胎児の段階で認知を届け出ておけば、子の出生後、出生届に父親の名前を書くことができます。

法律上結婚している相手との間にできた子(嫡出子)と同じように、出生届に父親の名前を記載できるのは胎児認知のメリットの一つといえるでしょう。

また、子供の戸籍にも、はじめから父親の名前が記載されます

ただし、子の出生後、出生届と同時に通常認知を届け出る場合でも、子供の戸籍にははじめから父親の名前が記載されるので、胎児認知だけのメリットとはいえないかもしれません。

胎児認知をするメリット(2) 子の出生前に父親が死亡した場合にも、子は父親の相続人になる

胎児は、父親の相続権を有します(民法886条1項)。

民法886条1項 胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。

通常認知は出生時にさかのぼって法律上の親子関係を成立させるものでしたから、通常認知をしただけでは、子の出生前に父親が死亡した場合に子は親を相続できないことになります。

他方で、胎児認知の場合には、出生前に法律上の父子関係を成立させることができるので、胎児認知を届け出ることで、父親の推定相続人となる時期を胎児の時期まで早めることができることになります。

子の出生前に父親が死亡しそうである場合で、子供に父親の遺産を相続させたいという場合には、胎児認知が有効ということになります。

胎児認知をするメリット(3) 父親にとってもデメリットがほとんどないこと

胎児認知は早い時期に認知をするのだから、「何か父親にデメリットがあるのでは?」と思った方も少なくないでしょう。

しかし、実際には胎児認知のデメリットはほとんどありません。

胎児認知をしたとしても、子が生まれるまで養育費の支払いなどは当然必要なく、逆に、出産後、通常認知をしたとしても出生時にさかのぼって養育費の支払い義務などが発生します。

ですから、養育費などに関していえば、胎児認知をしようと通常認知をしようと支払う時期や額などに差異はありません。

胎児認知をした場合の方が、父として、母の妊娠・出産のサポートがより求められることになるでしょうが、デメリットとまではいえないでしょう。

また、出産前に父親が死亡した場合に、胎児認知か通常認知かで子が父親の相続人となるかどうかに違いが生じますが、これも、デメリットとはいい難いでしょう。

胎児認知には母親の承諾という手続きが必要ではありますが、母子にとってメリットの多い胎児認知で母親の承諾が得られず問題になるケースも考え難く、デメリットとはいえません。

このように、胎児認知にデメリットはあまりないのが胎児認知です。

むしろ、胎児認知であれば、子供の法的な立場が早めに安定しますし、母子が精神的に安心できるというメリットが考えられます。

父親にとっても、子供への養育費の心構えをすることができたり、法的トラブルを未然に防げたりするメリットが考えられます。

胎児認知は、メリットはあるとしてもデメリットはあまりない手続きということができそうです。

子供が生まれた後で、父親が「認知したくない」とゴネても、最終的には強制認知によって、認知の効力が認められてしまいます。だとすれば、胎児認知にメリットはあるとしてもデメリットはあまりないのなら、言葉は悪いかもしれませんが、生まれる前からさっさと認知して、父親としてしっかり覚悟を決めておいた方が良い、という考え方もあります。

胎児認知の注意点

メリットの多そうな胎児認知ですが、胎児認知を届け出る際の注意点はあるのでしょうか。

胎児認知の注意点(1) 単独では胎児認知はできない|母親の承諾を得る必要がある

通常認知と胎児認知の違いでも述べたように、父親が単独で胎児認知をすることはできません。

必ず母親の承諾を得る必要がありますから注意をしましょう。

母親の承諾が得られないなど、単独で認知を届け出る必要がある場合には出生まで待ち、通常認知をするしか方法がありません。 

母親の承諾が必要か否かが通常認知と胎児認知の最も大きな違いです。

ただ、認知は母親と子供にメリットが多く、デメリットが少ないため、「母親の承諾を得られないから認知を届け出ることができない」ということは少ないと考えられます。

子供の相続、養育費、親権などで困ったことがあれば弁護士に相談を!

このように、胎児認知においては相続や養育費といった法律問題が多く絡んでくることがわかりました。

また、特に親権についていえば、認知を届け出ても親権がどちらかに確定するわけではないので、親権を父母どちらに指定するかが決まらないということも多く考えられます。

複雑な相続・養育費・親権などの問題で困った場合には、法律の専門家である弁護士に相談してみましょう。

子の父親が胎児認知してくれない場合の対処法は?

胎児の父親に胎児認知してほしいを思っていても、相手が応じてくれないこともあるでしょう。

そのような場合、どう対応するのが有効なのでしょうか?

調停を申し立てる

子の父親が胎児認知してくれない場合、調停を申し立てることが有効です。

調停を申し立てることで、家庭裁判所の調停委員を交えて、胎児認知について話し合うことができます。

ただし、胎児認知は通常の認知とは違い、訴えを起こし、強制的に認知させることはできません。

そのため、より確実に胎児認知してもらいたい場合は、調停を申し立てる前に、次に紹介する方法を取ることをおすすめします。

弁護士を交えて交渉する

もしより確実に相手に胎児認知してもらいたい場合は、弁護士を交えて交渉することがおすすめです。

というのも、前述した通り胎児認知は訴えを起こすことができないため、協議の時点で弁護士を交えて相手に法的な観点から交渉することで、相手を説得できる可能性を高くすることができるからです。

自身で相手に交渉をすることは精神的負担にもなると思いますので、精神的負担を減らすためにも弁護士を頼ってみましょう。

胎児認知と通常認知の違いとは?不倫、交際相手に子供ができた場合の胎児認知のまとめ

胎児認知は何か、胎児認知はいつからできるのか、といった冒頭の疑問は解消できたのではないでしょうか。

また、胎児認知はメリットはあってもデメリットは少ない手続きですので、パートナーが婚外子(非嫡出子)を妊娠した場合には前向きに検討してみるのがよいでしょう。

認知は養育費・相続・親権など子供の権利に関わる大きな問題につながります。

大きな問題に発展させないために、子どもの認知について困っていることがあれば、早期に弁護士に相談しましょう。

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